浸潤麻酔で痛みを抑える!縁下歯石除去の安全な方法
歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石
歯肉縁上歯石(白い歯石)
歯茎の高さよりも上にある歯石を歯肉縁上歯石と言い、白い色をしているのが特徴です。
歯肉縁上に歯石が付着しているため歯石除去時の痛みはほとんど起こりません。
歯茎よりも高い位置に存在している歯石は無麻酔でも痛みは起こりません。
しかし、歯茎が下がっていて歯根が露出している場合には、チクッとした知覚過敏様の痛みが起こることがあります。この場合には浸潤麻酔が必要です。
縁下歯石 (黒い歯石)
歯周ポケット内にある歯石を歯肉縁下歯石と呼び、黒色をしているのが特徴です。
写真のケースは歯周ポケット内に出来た歯石が歯茎が下がることで表面に現れてきたものです。
浸潤麻酔で歯石取りは痛くない
歯肉縁下歯石を取る時は痛みが出やすい!
歯周病の進行状態によって歯石除去時の痛みは変わってきます。歯肉炎程度の軽度歯周病では、歯肉縁上に歯石が付着しているため歯石除去時の痛みはほとんど起こりません。
しかし、重度歯周病では、歯周ポケット内に大量の黒い歯石が付着していることがあります。この歯肉縁下歯石を取る時は、めちゃくちゃ強い痛みが出ることがあります。
縁下歯石 (黒い歯石)除去時に痛む理由
歯周ポケットが深く形成され、歯茎に炎症が起こった状態で、ハンドスケーラーや超音波スケーラーなどの器具を歯茎の中に挿入し、頑固に付着した大量の歯石を取るわけですから当然のことと言えるかもしれません。
浸潤麻酔で痛くない
浸潤麻酔が必要となります。浸潤麻酔の前に表面麻酔や針の無い麻酔器を使い麻酔注射の痛みを可能な限り起こさないようにします。
これにより、歯石除去の恐怖心や痛みを可能な限り低下させることが出来ます。
歯石除去後のズキズキした痛み対策
歯石除去後の知覚過敏
歯石取りの後で起こる痛みは、中等度~重度歯周病の方に起こりやすいですが、歯根の部分に付着した歯石を取れば、歯根が露出し歯がズキズキした痛みやしみるといった症状が現れます。
これを知覚過敏といい、歯根表面まで神経が来ているため、一時的に起こる現象です。数日で良くなる場合もありますが、2~3週間かかる場合もあります。
歯石除去後の知覚過敏対策
処置としては知覚過敏を防ぐ歯磨き粉を使用したり、歯根表面にコーティング剤やフッ素などを塗布することで改善していきます。
歯石取りの後の歯茎の痛み
歯石取りの後で起こる歯茎の痛みは、知覚過敏同様に中等度~重度歯周病の方に起こりやすいです。
歯石取りの後の歯茎の痛み対策
歯茎が痛む時は 歯茎が炎症を起こしている場合に起こりやすく、抗生剤・痛み止めなどの投与、うがい薬で口腔内を洗浄してもらう等で対処します。殆どの場合、1週間以内に痛みは無くなります。
歯石が出来るメカニズム
歯垢(プラーク)が石灰化して歯石になる
口腔内に生息する細菌が沢山集まったものがプラーク(歯垢)です。
細菌(特にミュータンス菌)は不溶性グルカンというネバネバしたものを作り出し、それが接着剤の役目を果たし、歯面や歯の根っこにプラーク(歯垢)を強固に付着させます。そして細菌の集合体であるバイオフィルムを形成します。
特に、磨き残しのある所には大量のプラーク(歯垢)があり、唾液中のカルシウムやリン酸を取り込み、石灰化を起こします。これが歯石です。
時間の経過とともに歯石の石灰化は進み、固さを増していきます。同時に歯面や歯の根っこに強固に付着して、歯ブラシでは除去出来ないようになります。
歯石が多く付きやすい場所は、下の前歯の裏側と上の奥歯の外側です。これはともに大唾液腺が開口する所にあたり、常時大量のカルシウムやリン酸が供給される所だからです。
歯石取りの器具
超音波スケーラー
スプラソンP-MAX2は チップに負荷を与えなくても(チップを歯面や根面に押さえつける) 指定されたパワー(振幅とトルク)が出るように設計されています。
その為、セメント質を可及的に傷つけることなく、ほとんど痛みも起こすことなく歯石除去が可能です。
ハンドスケーラー
写真は、ハンドスケーラーの一種・グレーシーのキュレットです。金属の先端に刃が付いています。前歯、小臼歯、大臼歯などの様々な部位に対してデザインの異なる刃先が用意されています。
深い歯周ポケットの深部に付着した歯石を除去するのに使用します。少し痛みが発生するため、麻酔の使用が必要な場合があります。
江戸川区篠崎で痛くない歯石取りをご検討の方へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、患者様の大切な歯を1本でも延命するため、軽度歯周病から重度歯周病に至るまで様々な対策を行い、歯周病予防をはじめ、早期発見・早期治療で症状の改善・維持を行い、抜歯回避に努めております。
江戸川区篠崎で痛くない歯石取りをご希望の方は、ぜひ一度当院までお気軽にご相談下さい。
【動画】歯石の痛くない取り方
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。