目次

🔍口角炎と口唇炎の違い

口角炎
口角炎
口唇炎
口唇炎
  • 口角炎:唇の両端(口角)に炎症が起こる疾患。亀裂・赤み・かさぶたなどが特徴。
  • 口唇炎:唇全体に生じる炎症。乾燥・腫れ・ひび割れ・赤みが見られる。
  • どちらも同時に発症することがあり、原因や治療法に共通点も多い。

🩺口角炎・口唇炎の主な症状

  • 唇や口角が赤くなる
  • ひび割れ・出血・かさぶたの形成
  • ヒリヒリ・ピリピリとした痛み
  • 話す・食べる際に違和感や痛みを感じる
  • 再発しやすい、特に冬場や乾燥時期

🌿発症しやすい人の特徴(年齢・体質・生活習慣)

  • 👶子どもや高齢者:皮膚や粘膜が薄く乾燥しやすい
  • 💄唇をなめる癖がある人:刺激で悪化
  • 🍽栄養バランスが偏っている人:ビタミンB群・鉄分不足
  • 😷アレルギー体質・敏感肌の人:刺激に反応しやすい
  • 💤睡眠不足・ストレス過多の人:免疫力の低下が引き金に
口腔のカンジダ菌
口腔のカンジダ菌

🌬️乾燥や刺激による炎症

  • 冬の乾燥や、マスク・ティッシュなどの摩擦刺激で唇や口角が荒れやすくなります。
  • 唇をなめるクセも悪循環を生み、炎症を悪化させます。

🥦栄養不足(ビタミンB2・鉄分不足)

  • ビタミンB2は粘膜の修復に欠かせない栄養素。不足すると口角や唇が荒れやすくなります。
  • 鉄分不足による貧血も、粘膜の血流悪化や免疫低下につながります。

🛌免疫力低下(ストレス・睡眠不足)

  • 忙しさやプレッシャーによるストレス、寝不足によって免疫が落ちると、炎症が起こりやすくなります。
  • 特に疲れが溜まっているときは、再発しやすく治りにくい傾向があります。

🌿アレルギー・接触性皮膚炎

  • 口紅・歯磨き粉・金属などが唇に触れることで炎症を起こす「接触性皮膚炎」が原因のことも。
  • 食物アレルギーや化学物質に対する過敏反応にも注意が必要です。

🦷口腔内環境(噛み合わせ・唾液の影響)

  • 入れ歯や矯正器具のズレによる口角の圧迫・摩擦
  • 唾液が多く出る人や、よだれが溜まりやすい子ども・高齢者では、口角が常に湿った状態になり、細菌が繁殖しやすくなります。

🦠感染症(細菌・真菌・ウイルス)

  • 代表的なものに**カンジダ菌(真菌)**による口角炎があります。
  • また、黄色ブドウ球菌などの細菌、単純ヘルペスウイルスによる口唇ヘルペスも類似症状を引き起こすことがあります。

口腔内のカンジダ菌は、口角炎や口唇炎だけでなく、舌痛症の原因にもなります。唾液にカンジダ菌が含まれている場合、唾液が口角に停滞しやすく、ほぼ確実に口角炎が発症します。特に両側に口角炎が見られる場合は、カンジダ症である可能性が高いと考えられます。

✅ビタミン欠乏症による口角炎・口唇炎の特徴

ビタミン欠乏症による口角炎・口唇炎
ビタミン欠乏症による口角炎・口唇炎

ビタミンの中でもビタミンB2・B6が不足することで口角炎や口唇炎が起こることが知られています。

特にビタミンが欠乏した場合には舌も赤く平らになることがあります。

ビタミンB2・B6を多く含む食べ物

ビタミンB2は豚レバー、ヨーグルト・味付けのり、アーモンド、牛乳、アボカド、ブロッコリー、納豆、卵・ほうれん草などに多く含まれ、ビタミンB6は鮭、まぐろ(赤身)、鶏レバー、豚肉、牛レバー、まぐろなどに含まれています。

ビタミン欠乏症の治療

ビタミンB2・B6の内服薬の投与。

🔸初期症状(赤み・ヒリヒリ感)

  • 唇や口角が赤くなる
  • ヒリヒリ・ピリピリとした軽い痛みや違和感
  • 食事中や会話中にしみる感じがする
  • 見た目には目立たないが、乾燥やツッパリ感がある

🔺進行時の症状(ただれ・出血・かさぶた)

  • 皮膚がめくれたり、ひび割れが生じる
  • 話したり口を開けるたびに出血したり痛みが強くなる
  • 黄色〜茶色のかさぶたができて見た目も気になる
  • 炎症が広がると口唇全体が腫れることも

⚠️長引く・再発を繰り返す場合の注意点

  • 2週間以上続く場合は、感染症やアレルギーの可能性
  • 治ってもすぐ再発する場合は、栄養不足や基礎疾患を疑う必要あり
  • 自己判断での市販薬使用が逆効果になることもあるので注意
  • 皮膚科や歯科などの専門医への相談が安心

🏠軽症の場合のセルフケア

💧保湿・ワセリンの活用

  • 乾燥から唇を守るために、ワセリンやリップクリームでしっかり保湿
  • 刺激の少ない無香料タイプがおすすめ
  • 日中・就寝前などこまめなケアが効果的

🧘‍♀️生活習慣の改善

  • 睡眠不足やストレスがあると免疫力が低下しやすいため注意
  • 過労や過度の飲酒・喫煙も再発リスクを高める要因に
  • 規則正しい生活で、自然治癒力を高めましょう

🥗栄養補給(サプリメント・食事)

  • ビタミンB2、B6、鉄分、亜鉛などを積極的に摂取
  • 食事で摂りにくい場合はサプリメントの活用も◎
  • レバー・卵・納豆・緑黄色野菜などがおすすめ食材

🏥医療機関での治療

口角炎・口唇炎の原因の多くは口腔カンジダ症によるものなので、抗真菌薬を使った治療が主体となります。

また、ドライマウスの治療を併用する必要がある場合もあります。

💊口腔カンジダ症の治療

口角炎・口唇炎・舌痛症が起こった場合、まず口腔カンジダ症の治療が行われます。治療には、抗真菌薬のファンギゾンシロップやフロリードゲルが使用されます。メインテナンスとしては、重曹水を用いたうがいが行われます。

🩻皮膚科・歯科・内科の診療

  • 症状が長引く・繰り返す・悪化している場合は受診が必要
  • 皮膚科では外用薬中心の治療、歯科では口腔環境の確認や調整も可能
  • 内科では栄養状態や免疫力の低下も含めた全身の診断が期待できる

💊処方薬(ステロイド・抗菌薬・抗真菌薬)

  • 炎症が強い場合:弱めのステロイド軟膏
  • 感染が疑われる場合:**抗菌薬や抗真菌薬(カンジダ対策)**が処方される
  • 症状や原因に合わせて適切な薬を選択

🧪医療機関での検査が必要なケース

  • カンジダ症、ヘルペス、貧血、アレルギーなどが原因のことも
  • 血液検査や細菌検査により根本原因の特定が可能
  • 自己判断での市販薬使用で悪化するケースもあるため注意

💄毎日のスキンケアと保湿対策

  • 唇専用の保湿剤やワセリンを使って、常にうるおいをキープ
  • マスク着用での蒸れや摩擦にも注意し、やさしくふき取る習慣
  • 洗顔後や就寝前のリップケアを習慣化すると予防効果UP

🥗バランスの良い食事(ビタミンB2・鉄分)

  • 粘膜の健康に欠かせないビタミンB2・B6、鉄分、亜鉛などを積極的に
  • 特におすすめ食材:卵、納豆、レバー、青魚、緑黄色野菜
  • 偏食や過度なダイエットは粘膜トラブルの原因になるので注意

💧唾液の分泌を促す方法

  • 唾液は口腔内を清潔に保ち、炎症予防に役立つ
  • よく噛んで食べる、ガムを噛む、こまめな水分補給で分泌を促進
  • 加齢や薬の副作用で唾液が減る場合は、口腔ケア用保湿剤も活用

🧘‍♂️ストレス管理と生活習慣の改善

  • ストレスは免疫力を低下させ、口角炎のリスクを高める要因
  • 十分な睡眠・適度な運動・趣味の時間などで心身のバランスを保つことが大切
  • 過労・不規則な生活を見直し、体調管理を意識的に行いましょう

🦠口唇ヘルペスとの違い

  • 口角炎は唇の端に起こる炎症で、かさぶた・ひび割れ・出血が中心
  • 口唇ヘルペスはウイルス(HSV)による感染で、水ぶくれ→ただれという経過をたどる
  • ピリピリする前兆があるのもヘルペスの特徴
  • 感染性が高く、再発も多いため、明確に区別し適切な治療を

🌿アトピー性皮膚炎の可能性

  • アトピーの人は皮膚が乾燥しやすく、バリア機能が低下
  • 唇や口角に繰り返し炎症が起きる場合、アトピーの一部症状として現れている可能性も
  • 他部位にも湿疹やかゆみがある場合は、皮膚科での診断が必要

🦷口内炎との関係

  • 口内炎は口の中にできる炎症で、頬の内側や舌・歯茎などが主な発生部位
  • 口角炎や口唇炎とは場所が異なり、同時に起こることもある
  • 栄養不足やストレスなど、共通する原因も多いため、まとめてケアが必要なケースも

🧬自己免疫疾患の影響(ベーチェット病など)

  • ベーチェット病などの自己免疫疾患では、繰り返す口内・口唇の潰瘍が特徴
  • 目の充血、皮膚症状、関節炎など全身に症状が出ることも
  • ただの口角炎と見逃されやすいため、慢性的な症状がある場合は専門医の診断を

口角炎は何日で治る?

  • 軽度の場合は数日〜1週間程度で自然に改善することもあります。
  • ただし、原因が解消されていない場合は再発を繰り返すことも。
  • 保湿・栄養補給・安静など、早めのケアが回復を早めるポイントです。

💊市販薬で治せる?

  • 軽度な症状であれば、市販の抗炎症軟膏や保湿剤でも効果が期待できます。
  • ただし、真菌感染(カンジダ)や細菌感染が原因の場合、市販薬では効果が出にくいことも。
  • 数日使っても改善しない場合は受診をおすすめします。

🏥長引く場合は何科を受診するべき?

  • 基本的には皮膚科が第一選択です。
  • 唾液や噛み合わせなど口腔内の問題が関係する場合は歯科も対応可能。
  • 全身的な症状や栄養状態の問題が疑われる場合は内科受診が有効です。

👶👴子どもや高齢者の注意点は?

  • 子どもは唇をなめるクセやよだれの刺激で口角が荒れやすく、こまめな保湿と清潔管理が大切。
  • 高齢者は唾液量の減少や栄養不足が原因になることが多く、口腔ケアと栄養補給が予防のカギ。
  • 年齢問わず、症状が続く場合は自己判断せず医療機関へ相談を。
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江戸川区篠崎にある当院では、口元のトラブルにも対応しております。
「唇の端が切れて痛い」「何度も同じ場所が荒れる」などのお悩みに、歯科の視点からも丁寧に診察いたします。
栄養や噛み合わせ、口腔カンジダ症、唾液の影響など、根本原因を一緒に探りましょう。
口腔内から健康を守るサポートを、地域密着の歯科医院としてご提供します。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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