リンガルアーチは抜歯症例で大臼歯が手前に動くのを防ぐ加強固定、萌出スペースの確保を目的にした保隙装置、弾腺による歯の移動などの目的で使います。 リンガルアーチの痛みは装着から3日~4日出ることがあります。
リンガルアーチの仕組みと役割:矯正治療で大臼歯の移動を防ぐ
リンガルアーチとは
上顎・下顎に使用
リンガルアーチ(舌側弧線装置)は、上顎または下顎の左右の第1第大臼歯に装着されたバンドに太いアーチワイヤーを固定し歯列の内側に沿うように通します。太いアーチに細いワイヤーを溶接し、ワイヤーの弾力を利用して特定の歯を目的の方向へ動かす装置です。
リンガルアーチは、マルチブラケット装置と併用することが多く、固定源となる第1大臼歯が動かないように固定するための固定装置としても使用されます。
使用目的と期間
目的
抜歯症例の加強固定
マルチブラケット装置を使ったワイヤー矯正で、小臼歯を抜歯して犬歯や前歯を後方に移動させる時、第一大臼歯を固定源としますが、その加強固定装置としてリンガルアーチを使います。しかし、リンガルアーチだけでは第一大臼歯の前方移動を完全に防ぐことはできません。
抜歯スペースの半分~3分の2ほどを前歯や犬歯の後方移動に使いたいケースで用いられます。
期間
この場合に用いるリンガルアーチの使用期間は1年以上になると思われます。
目的
保隙装置
乳臼歯が早期に喪失すると第1大臼歯(6歳臼歯)は手前側に移動してしまいます。すると、その次に生えてくる大人の歯である小臼歯や犬歯の萌出スペースが不足し乱杭歯になってしまいます。
そこで小臼歯や犬歯が生えるまでの期間、萌出スペースを確保するためにリンガルアーチを入れて第1大臼歯が手前の方に動くのを防止する保隙装置として使用します。
期間
この場合は乳臼歯の喪失の時期により異なりますが、数年に及ぶ期間装着が必要になります。
目的
弾腺による歯の移動
リンガルアーチの主線である太いアーチワイヤーに溶接された細いワイヤーの弾性力で少数歯の移動を容易に行えます。
期間
例えば、子供の前歯の1歯~2歯の反対咬合のケースであれば上顎にリンガルアーチを装着し、1ヶ月ほどの期間で正常の噛み合わせに直すことも可能です。
デメリット
欠点
使用時の痛み
使用目的により力のかけ方が異なります。前述した乳臼歯の早期喪失時の大臼歯の前側への移動を防ぐ目的だとほとんど痛みは発生しません。
ある程度の力を掛けた場合には、装着時から12時間ほど経って歯が浮いたような痛みが発生します。特に、食事中にものを噛む時に痛みが発生し、3~4日間続きます。
また、バンドやワイヤーが舌に触れるなどの違和感や痛みが出ることがあります。
欠点
歯の移動に制約
マルチブラケット装置の様に三次元的に歯の移動が行えないことなどです。
メリット
利点
汎用性
比較的簡単な装置にも拘わらず、様々な用途に使えます。
ワイヤーの形状や太さを治療ステップにより変更します。
リンガルアーチ装着時の歯磨き
より丁寧に
植毛部が1列の矯正専用歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなど様々歯ブラシを駆使して細かな所まで磨いて下さい。
また、虫歯予防のためにフッ素入り歯磨き粉、キシリトールガム、リカルデント、ポイックウォーターなどを併用すると良いでしょう。
歯科でメインテナンス
矯正治療中は最低でも3ヶ月に一度はエアフローでクリーニングを受けると良いでしょう。
江戸川区篠崎でリンガルアーチで矯正治療をご検討の方へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、矯正装置の見た目が気になるという方でも、審美性に配慮した目立たないマウスピース矯正装置をご用意しております。患者さま一人ひとりの口腔内状況を拝見した上でご要望をしっかりと聞き、痛みの少ない無理のない治療計画をご提案いたします。江戸川区篠崎にてリンガルアーチで矯正治療をご検討の方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。
【動画】アデノイド顔貌
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。