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白くて自然な見た目を長く保ちたい、金属アレルギーが心配、奥歯でも安心して使える強い素材がいい…。
そんな方に今、注目されているのが「ジルコニアセラミック」です。

一見すると他のセラミックと同じように見えますが、ジルコニアには強度・審美性・安全性を兼ね備えた特徴があります。
しかし、その分「どの種類を選ぶべき?」「どの歯科医院で受ければいいの?」と迷う方も多いのが実情です。

本記事では、ジルコニアセラミックの基本知識から種類の違い・費用・治療の流れ・注意点までをわかりやすく解説します。
治療で失敗しないために、ぜひ最後までご覧ください。

🔍 ジルコニアってどんな素材?人工ダイヤモンドと呼ばれる理由

ジルコニア(酸化ジルコニウム)は、非常に高い硬度と透明感を持つ素材で、「人工ダイヤモンド(キュービックジルコニア)」として宝飾品にも使われるほど優れた特性があります。モース硬度は8〜8.5と天然歯や他のセラミックよりも硬く、強い噛み合わせにも耐える耐久性を備えています。歯科分野では、クラウン(被せ物)やインプラントの上部構造などに幅広く活用されており、白く美しい見た目と長持ちする性能で注目を集めています。

ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミック

🧪 セラミックとの違いと「ジルコニアセラミック」の定義

セラミックとは、酸化物やケイ素などの無機物を高温で焼き固めた素材の総称で、歯科では主に「e.max(ガラスセラミック)」や「メタルボンドセラミック」などが使用されます。一方、ジルコニアは金属酸化物系のセラミックの一種であり、強度と耐久性に特化しているのが最大の特徴です。

「ジルコニアセラミック」とは、ジルコニアを使用した補綴物(人工歯)の総称で、以下のような形態があります:

  • フルジルコニア:すべてジルコニアで作られたクラウン
  • ジルコニアボンドセラミック:内側にジルコニア、外側にガラス系セラミックを焼き付けたもの

これにより、用途に応じて強度重視や審美性重視の選択が可能になります。

🏷 用語の混乱を防ぐために知っておきたい知識

「ジルコニア」「セラミック」「ジルコニアセラミック」などの用語は、歯科治療を検討する患者さまにとって混乱しやすいポイントです。以下のように整理すると理解がしやすくなります:

用語定義特徴
セラミック無機質の焼結体美しさと透明感に優れる
ジルコニア酸化ジルコニウムの焼結体強度・耐久性が高い
ジルコニアセラミックジルコニアを使用した補綴物全般強度+審美性の両立が可能

また、同じ「ジルコニアセラミック」という言葉でも、「フルジルコニアクラウン」と「ジルコニアボンドセラミック」とでは見た目や適応部位が異なるため、治療前の説明やカウンセリングで違いを理解することが大切です。

💪 抜群の強度と耐久性|咬合力の強い人にも対応

ジルコニアは、歯科用素材の中でもトップクラスの強度を誇り、曲げ強度は約800〜1200MPaと非常に高く、咬合力の強い奥歯やブリッジ治療にも最適です。
また、日常的な咀嚼だけでなく、歯ぎしり・食いしばりといった強い力にも耐えられるため、破折や欠けにくく長期間使用できるのが特徴です。特に「フルジルコニアクラウン」は金属を使わずにこれだけの強度を確保できるため、安全性と耐久性を兼ね備えた治療として高く評価されています。

強度が高く、奥歯にも適用可能
強度が高く、奥歯にも適用可能

✨ 天然歯のような白さと透明感|審美性の高さ

ジルコニアはただ強いだけではなく、見た目の美しさにも優れた素材です。従来の金属を使用した補綴物とは違い、自然な白さとツヤがあり、光の透過性も高いため、天然歯に近い仕上がりを再現できます。
特にジルコニアボンドセラミックや**高透過性ジルコニア(HTジルコニア)**を使用すれば、前歯にも違和感のない自然な審美性を得ることができます。歯ぐきとのなじみも良く、金属による歯ぐきの黒ずみ(ブラックマージン)も心配ありません。

🌿 金属アレルギーの心配ゼロ!生体親和性の高さ

ジルコニアは100%メタルフリー素材であり、金属アレルギーの心配がありません。パラジウム合金やメタルボンドといった金属を含む補綴物は、体質によってはアレルギー反応を引き起こすことがありますが、ジルコニアであれば安心です。

さらに、生体親和性が高く、歯ぐきと優しく調和するため、歯肉炎や炎症のリスクも抑えられます。特にインプラントの上部構造としてジルコニアを使用する場合、**ヘミデスモゾーム結合(歯肉と素材の接着)**が得られやすく、歯周病のリスク低減にもつながります。

ヘミデスモゾーム結合
ヘミデスモゾーム結合

🧼 汚れがつきにくい表面性状|虫歯・歯周病の予防にも◎

ジルコニアは表面が非常になめらかで、プラーク(歯垢)やステイン(着色汚れ)が付きにくい素材です。日常的なセルフケアだけでも清潔な状態を保ちやすく、虫歯や歯周病の予防にも効果的です。

また、ジルコニアは耐酸性にも優れているため、酸による腐食や劣化の心配が少なく、長期間の使用でも品質が保たれやすいという利点があります。

ジルコニアセラミックにはいくつかの種類があり、治療する部位や求める仕上がりによって最適なものを選ぶことが大切です。ここでは代表的な3種類のジルコニアと、前歯・奥歯での選び方のポイントをご紹介します。

⚙️ フルジルコニア|強度最優先!奥歯やブリッジに

フルジルコニアとは、ジルコニア単体で構成されたクラウンやインレーのこと。最大の特長は圧倒的な強度で、曲げ強度は1000〜1400MPaと非常に高く、ブリッジや咬合力の強い奥歯の治療に最適です。

曲げ強度(MPa)
曲げ強度(MPa)
硬度(MPa)
硬度(MPa)

✅ 特徴

  • 非常に割れにくく、長期間使用しても変形しにくい
  • 金属を使わないためアレルギーの心配なし
  • 汚れが付きにくく、メンテナンスが簡単

⚠ デメリット

  • 透明感がやや低く、前歯には不向きな場合あり
  • 硬すぎることで対合歯を摩耗させる可能性も

🌈 ジルコニアボンドセラミック|前歯の透明感に対応

ジルコニアボンドセラミックは、内側にジルコニアのフレームを使用し、表面にガラス系セラミックを焼き付けた二層構造のクラウンです。強度と審美性のバランスが良く、前歯など見た目が重要な部位に適しています。

ジルコニアボンドセラミック
ジルコニアボンドセラミック

✅ 特徴

  • 内側は強度の高いジルコニア、外側は自然な透明感
  • 色調の調整がしやすく、周囲の歯となじみやすい
  • メタルフリーで安心

⚠ デメリット

  • フルジルコニアよりも強度はやや劣る
  • 表面のセラミックが割れるリスクあり

🧬 マルチレイヤージルコニア|グラデーションで審美性アップ

マルチレイヤージルコニアは、1つのクラウン内にグラデーション構造を持たせたジルコニア素材です。歯の根元から先端まで自然な色の変化があるため、透明感と奥行きのある見た目を再現できます。

✅ 特徴

  • 天然歯のような自然なグラデーションを実現
  • 強度と審美性を両立(600〜800MPa程度)
  • 前歯にも奥歯にも使用可能な万能タイプ

⚠ デメリット

  • 技工士の技術により仕上がりの差が出やすい
  • 製作費がやや高めになることも

🧭 奥歯用・前歯用の違いと選び方のポイント

ジルコニアセラミックの選択は、「どの部位に使うか?」で大きく変わります。

適用部位推奨素材理由
奥歯フルジルコニア咬合力が強く、耐久性を重視するため
前歯ジルコニアボンドセラミック or マルチレイヤー審美性と透明感が求められるため
ブリッジフルジルコニア or マルチレイヤー強度と美しさの両立が必要

💡 ポイント

  • 強度重視なら「フルジルコニア」
  • 見た目重視なら「ジルコニアボンド」または「マルチレイヤー」
  • 迷ったときは、歯科医と相談して症例に最適な素材を選びましょう。

ジルコニアセラミックは強度・耐久性・審美性に優れた素材ですが、歯科で使用される他のセラミック素材(e.max、メタルボンド、CAD/CAM冠)とも比較して、それぞれに特徴と適材適所があります。以下で詳しく見ていきましょう。

⚖️ ジルコニア vs e.max|透明感と強度を比較

**e.max(イーマックス)**は、ガラス系セラミックの一種で、特に透明感と自然な色調に優れた素材です。一方のジルコニアは強度に優れ、奥歯やブリッジにも対応できる点が強みです。

比較項目ジルコニアe.max
強度(MPa)約800〜1200約400〜500
透明感★★★☆☆★★★★★
審美性★★★★☆★★★★★
適用部位奥歯・ブリッジ前歯・小臼歯

ジルコニアは「強度重視の奥歯・ブリッジ」に最適
e.maxは「見た目を重視する前歯」におすすめ

💡最近では、「高透過性ジルコニア(HTジルコニア)」も登場し、e.maxに近い審美性を持つ製品も増えています。

🔩 ジルコニア vs メタルボンド|金属アレルギー・黒ずみの有無

メタルボンドセラミックは、内側に金属フレームを使い、その上にセラミックを焼き付けた二層構造の素材です。保険外治療で多く使われてきた実績がありますが、金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみ(ブラックマージン)のリスクがあります。

比較項目ジルコニアメタルボンド
金属使用❌ 不使用✅ 使用
アレルギーリスクなしあり(パラジウム等)
歯ぐきの黒ずみなし起こる可能性あり
強度(MPa)約800〜1200約1000〜1200
審美性高いやや劣る(透ける可能性あり)

ジルコニアは「金属を使いたくない人」「見た目を重視する人」におすすめ
メタルボンドは「費用を抑えて強度も欲しい場合」に適しているが、長期使用には注意が必要

🧮 ジルコニア vs CAD/CAM冠(保険適用)|費用と耐久性の差

CAD/CAM冠は、保険適用で使用できるハイブリッドセラミック(樹脂とセラミックの混合素材)です。費用が抑えられる一方で、耐久性や審美性ではジルコニアに劣ります。

比較項目ジルコニアCAD/CAM冠(保険)
費用高額(自費:7〜15万円)低価格(保険:約1万円)
強度(MPa)約800〜1200約200〜300
審美性高い(白く自然)やや劣る(劣化しやすい)
対応部位全歯対応小臼歯(前から4・5番目)限定

ジルコニアは「長期的に美しさと強度を求める方」におすすめ
CAD/CAM冠は「初期費用を抑えたい方」「限定部位の簡易治療」に向いています。

ジルコニアセラミックは保険適用外の自由診療となるため、歯科医院によって費用に幅があります。素材の種類・治療部位・技工士の技術力など、複数の要素が価格に影響します。ここでは、一般的な相場と価格差の理由、注意点について解説します。

ジルコニアセラミックの費用
ジルコニアセラミックの費用

📊 治療別の費用目安(前歯・奥歯・ブリッジ)

ジルコニアセラミックは、選ぶ種類や部位によって費用が異なります。以下はおおよその目安です。

治療内容費用相場(税込)
フルジルコニアクラウン(奥歯)7万〜15万円
ジルコニアボンドセラミック(前歯)10万〜18万円
ジルコニアブリッジ(3本分)20万〜50万円
ジルコニアインレー(詰め物)4万〜8万円

💡ポイント

  • 「前歯」は審美性が求められるため、ジルコニアボンドやマルチレイヤーを使うことが多く高額になりやすい
  • 「奥歯」は強度が優先されるため、比較的コストパフォーマンスの高いフルジルコニアが選ばれる傾向があります

💰当院の費用


治療内容
内訳値段
オールセラミック前歯、奥歯共通(すべてをセラミック作るクラウン)¥132,000
(税抜き ¥120,000)
メタルボンド前歯、奥歯共通(内側は金属で外側がセラミックで作るクラウン)¥115,500
(税抜き ¥105,000)
ジルコニアボンドセラミックジルコニアフレームにセラミックを焼き付けるクラウン¥110,000
(税抜き ¥100,000)
フルジルコニアクラウンすべてジルコニアで作るクラウン¥92,400
(税抜き ¥84,000)
ファイバーコア前歯・奥歯共通 グラスファイバーの土台¥20,900
(税抜き ¥19,000)
※ すべてをジルコニアで作るフルジルコニアクラウンは、
ややテカリが強く、審美性に劣ります。

🏥 歯科医院ごとの価格差|なぜこんなに違う?

同じ「ジルコニアクラウン」でも、医院によって数万円〜10万円以上の差があることも珍しくありません。その理由には以下のような要素が関係しています。

🧑‍🎨 技工士のレベル・製作方法

  • 国内の熟練技工士による手作業 → 高精度・高価格
  • 海外委託や大量生産 → 低価格だが品質にばらつきあり

🖥 デジタル機器の有無

  • CAD/CAM・3Dスキャナーなどの導入で精度向上
  • 最新設備を使用しているクリニックではコストが反映される

📍 立地や人件費

  • 都心の医院は地代・人件費の影響でやや高額になる傾向
  • 地方の医院や自費専門クリニックはコスパが良い場合も

⚠️ 安すぎる治療に注意!技工所の品質や保証の確認を

ジルコニア治療を選ぶ際、「安すぎる価格設定」には注意が必要です。価格を抑えるために以下のようなリスクが潜んでいることがあります。

🛠 技工の質が不安定

  • 海外の大量生産技工所に依頼している場合、適合精度や色調にばらつきが出やすい

🔎 保証や再作製対応がない

  • 万が一割れたり不具合が起きた場合に、保証がなければ再費用が全額負担になる可能性あり

😰 過度なコスト削減で素材が粗悪なことも

  • 使用しているジルコニア素材が粗悪な輸入品の可能性も。事前に「国産か海外製か」などを確認しましょう

💡チェックポイント

  • 技工所がどこか、国内製か、保証の有無を事前に確認
  • 安すぎる価格には理由がある。費用だけでなく「質」と「安心感」も重視しましょう

ジルコニアセラミック治療は、精密な工程をいくつも経て完成します。特に、適合精度・審美性・耐久性を高めるためには、歯科医師と技工士の連携が重要です。ここでは、治療開始から装着完了までのステップを順を追ってご紹介します。

👩‍⚕️ 診察・カウンセリング|素材選びと治療計画の相談

治療はまず、歯科医師による診察とカウンセリングから始まります。

✅ チェック内容

  • 虫歯・歯周病の有無
  • 噛み合わせ(咬合)や歯ぎしりの状態
  • 審美的な希望(色・形など)

✅ カウンセリングで話し合うこと

  • ジルコニアの種類(フルジルコニア/ジルコニアボンド など)
  • 他の素材との違いと費用比較
  • 治療回数と期間の目安
  • セラミックの色調や仕上がりの希望

🗣 不安や希望はこの時点でしっかり伝えておくと、納得のいく治療につながります。

🔧 歯の形成と型取り|デジタル技術も活用

次に、被せ物を作るための**歯の形を整える処置(形成)**と、正確な型取りを行います。

✅ 歯の形成

  • ジルコニアの厚み(約1.0〜1.5mm)を確保
  • 神経を傷つけないよう慎重に削る
  • 噛み合わせを考慮して全体のバランスを整える

✅ 型取りの方法

  • シリコン印象材:従来法。高精度の印象が可能
  • 口腔内スキャナー(iTeroなど):最新のデジタル印象で負担が少ない

🦷 デジタル技術を活用すれば、より精密な補綴物の製作が可能になり、通院回数の短縮にもつながります。

🧑‍🎨 技工士による製作|CAD/CAMとマルチレイヤーの進化

型取りのデータは技工所に送られ、専門の歯科技工士がジルコニアクラウンを製作します。

ジルコニアディスクをミリングマシンで削り出す
ジルコニアディスクをミリングマシンで削り出す

✅ 製作工程

  1. CAD設計:3D設計ソフトで歯の形状を設計
  2. CAM加工:ミリングマシンでジルコニアディスクから削り出し
  3. 焼成(シンタリング):高温で焼いて強度を高める
  4. 着色・透明感の調整:周囲の歯に馴染むよう色調整
  5. 研磨・仕上げ:滑らかで汚れが付きにくい表面に整える

💡最近では、マルチレイヤージルコニアを使用し、1本の歯の中に自然なグラデーションを持たせる技術も普及。審美性と自然な見た目がさらに向上しています。

🔎 仮歯・試適・セメント固定までのステップ

クラウンが完成したら、装着前に適合性を確認するステップに入ります。

✅ 仮歯(プロビジョナルレストレーション)

  • 治療期間中の見た目と噛み合わせを保つ
  • 噛んだ時の違和感や痛みがないかを確認

✅ 試適(仮合わせ)

  • 完成したジルコニアクラウンを口腔内に仮合わせ
  • 色調・フィット感・噛み合わせを微調整

✅ セメント固定

  • 問題がなければ専用のセメントで本固定
  • 余分なセメントを除去し、最終的な仕上げを行って完了!

🪥 この後は、適切なケアと定期的な検診で長持ちさせていくことが大切です。

ジルコニアセラミックは耐久性が高く、変色や劣化が起きにくい優れた素材ですが、正しいメンテナンスを行わなければ長期的なトラブルの原因となることもあります。ここでは、ジルコニアを美しく・健康に保つためのケア方法をご紹介します。

🪥 長持ちさせるための正しい歯磨きとケア

ジルコニアは表面が非常になめらかで、汚れがつきにくい性質がありますが、歯と歯ぐきの境目(マージン部)には汚れが溜まりやすいため注意が必要です。

✅ 毎日のケアで大切なこと

  • 朝晩2回の丁寧なブラッシング
  • 歯と歯ぐきの境目を意識して磨く
  • 歯間ブラシやデンタルフロスを併用して清掃効果アップ

💡「磨いている」つもりでも、実は汚れが残っているケースは多いため、定期的なブラッシング指導もおすすめです。

🧴 歯磨き粉の選び方|研磨剤・フッ素の注意点

ジルコニアは硬くて丈夫ですが、強い研磨剤を含む歯磨き粉を使うと表面が傷つくおそれがあります。摩耗した表面にはプラークが付着しやすくなり、見た目の劣化や歯周病の原因になることも。

✅ 歯磨き粉選びのポイント

  • 低研磨性または無研磨性のものを選ぶ
  • 「ジルコニア対応」「セラミック対応」と記載された製品が安心
  • フッ素配合で、周囲の天然歯の虫歯予防も意識する
  • 漂白成分や研磨粒子の多いホワイトニング歯磨き粉は避ける

🧴 市販のものを選ぶ際は、「粒子が細かい」「セラミッククラウンにもやさしい」などの記載に注目すると安心です。

🦷 ナイトガードの活用と定期検診の重要性

ジルコニアは非常に硬いため、食いしばりや歯ぎしりの強い方では対合歯(噛み合う歯)を摩耗させてしまうリスクがあります。

✅ 対策として有効なのが「ナイトガード(マウスピース)」の使用です。

  • 就寝中に装着することで噛む力を分散
  • ジルコニアの欠けや破折、対合歯の摩耗を防ぐ

また、定期的な歯科検診も欠かせません。

✅ 定期検診でチェックする項目

  • ジルコニアクラウンの適合状態
  • セメントの劣化や噛み合わせのズレ
  • 歯ぐきの状態(炎症や退縮の有無)
  • 歯石や着色の除去などのプロケア

🗓 推奨頻度:3〜6ヶ月ごとの受診が理想的です。

ジルコニアは非常に強度の高い素材ですが、強い衝撃や不適切な噛み合わせが続くと、まれに欠けたり割れたりすることがあります。ここでは、万が一トラブルが起きた際の対応法と、再発を防ぐためのポイントを解説します。

🧩 軽度の欠けは補修可能?レジンでの応急処置

小さな欠けや表面の傷であれば、歯科用レジン(コンポジットレジン)を使って補修できることがあります。

✅ レジン補修のメリット

  • その日のうちに対応可能なことも多い
  • 費用を抑えられる(数千円~1万円程度)
  • 目立たない範囲であれば見た目の回復も可能

⚠ ただし、レジンはジルコニアよりも耐久性が低く、応急処置的な対応となることが一般的です。後日、再製作を提案されることもあります。

🛠 再製作が必要な場合の流れと費用目安

もし欠けや割れが大きく、審美性や機能に影響を及ぼす場合は、クラウンの再製作が必要となります。

✅ 再製作の流れ

  1. 破損したクラウンの除去
  2. 歯の再形成(必要があれば)
  3. 再度の型取りまたは口腔内スキャン
  4. 技工士による新クラウンの製作
  5. 試適 → セメント固定

💰 費用目安:1本あたり 7万〜15万円程度(種類や医院によって異なる)

🔁 保証期間中(例:2〜5年)の破損であれば、無料または一部負担で再製作できる場合もあります。事前に保証内容を確認しておくことが大切です。

🧤 破損を防ぐためにできる予防策

ジルコニアのトラブルは適切な予防で回避できるケースも多くあります。

✅ 日常生活で気をつけたいこと

  • 氷、ナッツ、骨付き肉などの極端に硬いものは避ける
  • ペンを噛む、爪を噛むなどの癖をやめる
  • 歯で袋やビンを開けるといった行為はNG

✅ 就寝中の歯ぎしり・食いしばり対策

  • **ナイトガード(マウスピース)**の装着
  • 過剰な咬合圧からジルコニアと対合歯を守る

✅ 定期検診の受診

  • 噛み合わせのチェックと調整
  • セメントの劣化やフィットのずれを早期発見

🦷 メンテナンス+予防ケアの両輪で、ジルコニアをより長く美しく使い続けられます。

ジルコニアセラミックは、強度・審美性・安全性のバランスに優れた補綴素材です。しかし、すべての人に万能というわけではなく、向き・不向きがあります。ここでは、ジルコニアが特におすすめなケースを4つに分けて解説します。

😁 審美性を求める人(自然な白さを重視)

「笑ったときに銀歯が見えるのがイヤ」「前歯を自然な白さで仕上げたい」という方には、ジルコニアセラミックがぴったりです。

✅ 審美面のメリット

  • 金属を使わず自然な透明感とツヤが得られる
  • 歯ぐきとの境目が黒ずまない(ブラックマージンなし)
  • 表面がなめらかで着色・黄ばみがつきにくい

💡 特に「マルチレイヤージルコニア」や「ジルコニアボンドセラミック」を選べば、前歯でも本物の歯のような仕上がりが可能です。

🤧 金属アレルギーのある人

過去に金属の被せ物や銀歯でアレルギー症状が出たことのある方にも、ジルコニアは安心して使用できます。

✅ アレルギー面の安心ポイント

  • 100%メタルフリーの素材
  • イオンの溶出がなく体にやさしい
  • 皮膚炎・口内炎・掌蹠膿疱症などのリスクが低減

👩‍⚕️「歯科金属アレルギー検査」でリスクが判明した方には、第一選択肢として推奨されることが多い素材です。

🦷 ブリッジや奥歯に強度が必要な人

ジルコニアは咬合力が強い方や、奥歯・ブリッジなどの強度が求められる部位にも安心して使用できます。

✅ 強度の特徴

  • 曲げ強度800〜1200MPaと非常に高い
  • 食いしばりや歯ぎしりにも耐える
  • 長いブリッジ(ロングスパン)にも適応可能

💪 特に「フルジルコニアクラウン」は、金属に匹敵する強さを持ちながら、審美性・アレルギー対策にも優れています。

⏳ 10年〜20年単位で長持ちさせたい人

「頻繁にやり直すのは避けたい」「長期的にコストパフォーマンスの良い治療を受けたい」という方にも、ジルコニアはおすすめです。

✅ 長持ちポイント

  • 摩耗・劣化・変色が少なく10〜20年使用可能
  • 表面が滑らかでプラークが付きにくい
  • 定期検診とナイトガードの活用でトラブル予防も万全

📅 定期的なメンテナンスを受けていれば、10年以上トラブルなく使えている患者さんも多数います。

ジルコニアセラミックは、「強度・審美性・安全性」の3拍子がそろった、非常に優れた歯科素材です。ただし、どんなジルコニアを選ぶか・どこで治療するかによって、仕上がりや満足度には大きな差が出ることも。

以下のポイントを押さえておくことで、ジルコニア治療をより安心して受けることができます。

強度・見た目・安全性のバランスに優れた素材

  • 奥歯にも耐える強度
  • 前歯にも使える美しさ
  • 金属アレルギーの心配がない安心感

種類選びと歯科医・技工士の技術が成功のカギ

  • フルジルコニア・ボンドタイプ・マルチレイヤーなどの使い分け
  • 経験豊富な歯科医院と、信頼できる技工所の連携が重要

定期的なケアと検診で長期間きれいに使える

  • 正しい歯磨きと適切な歯磨き粉の使用
  • ナイトガードの活用と3〜6ヶ月ごとのメンテナンスが理想

🌟 「一生モノの歯」にふさわしい選択肢として、ジルコニアセラミックは非常に価値のある治療です。
素材の良さを最大限に引き出すには、信頼できる歯科医院選びが何よりも大切です。疑問や不安があれば、まずはカウンセリングで相談してみましょう。

江戸川区篠崎でジルコニアセラミック治療をお考えの方へ

「銀歯を白くしたい」「前歯の見た目が気になる」「金属アレルギーが不安」――
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ江戸川区篠崎の当院にご相談ください

当院では、見た目の美しさと耐久性に優れた“ジルコニアセラミック”による審美歯科治療を行っております。
専門の技工所と連携し、一人ひとりの歯の色や噛み合わせに合わせたオーダーメイドの補綴物を提供しています。

🦷 ジルコニア治療に精通した歯科医師が丁寧に対応
📋 カウンセリング重視・わかりやすい料金説明
📍 江戸川区篠崎駅から徒歩圏内・通院も安心

地元・江戸川区で信頼できる歯科医院をお探しなら、まずはお気軽にご相談ください。
“自然で美しい白い歯”を長く保つために、確かな技術でサポートいたします。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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