- 1. 神経を失った歯の危険性:寿命が短くなる原因とは?
- 1.1. 神経を抜いた歯の寿命は短い
- 2. 歯根破折のリスク:神経を抜いた歯が抱える危険性
- 2.1. 歯根破折
- 2.2. 歯根破折した症例
- 2.3. 歯根嚢胞とフィステル
- 2.4. 歯根嚢胞やフィステルの症例
- 2.5. 歯の変色
- 3. 歯根破折による抜歯とインプラント治療の選択肢
- 3.1. 歯根破折した歯を抜歯
- 3.2. 抜歯した所にインプラントを埋入
- 4. 歯根嚢胞の治療
- 4.1. 歯根嚢胞摘出術と歯根端切除術
- 5. 変色歯をオールセラッミックで治療
- 6. 江戸川区篠崎で天然歯の保存にこだわった抜髄は当院へ
- 7. 【動画】歯茎のニキビのような出来物・フィステル
- 8. 筆者・院長
神経を失った歯の危険性:寿命が短くなる原因とは?
江戸川区篠崎駅前の歯医者・ふかさわ歯科クリニック篠崎では、出来るだけ歯の神経を抜かない、歯を抜歯しない治療を心掛けています。また、虫歯治療では可能な限り削らない・極力痛くない無痛治療にこだわっています。虫歯C3の虫歯が出来てお悩みの方はぜひ、当院に遠慮なくご相談ください。
神経を抜いた歯の寿命は短い
枯れ木の様に柔軟性を失う
歯髄の中には神経だけではなく、血管も入り込んでいます。血流にのって栄養素も供給されているわけです。象牙質やセメント質には栄養が行き渡り、外力が加わっても簡単には破壊されたり折れない柔軟な組織を維持しています。
しかし、神経を抜いた歯は、枯れ木と同じで、柔軟性を失い簡単に折れてしまいます。
特に折れやすいのが前歯や小臼歯など単根で出来ている歯です。強い力が加わると歯冠から歯根に向かって真二つに割れてしまうことがあります。
歯根破折のリスク:神経を抜いた歯が抱える危険性
歯根破折
欠点
神経を抜いた歯はメタルコアという土台を歯根の中に差し込み、その上に差し歯を被せます。前歯や小臼歯などの単根に挿入したメタルコア先端部には応力が集中しやすく、歯根破折をしばしば起こします。
近年、メタルコアに追加してファイバーコアが保険適用になっています。ファイバーコアの方が柔軟性があるため歯根破折のリスクが下がっています。
この様な理由で神経を抜いた歯は、神経のある歯に比べてはるかに寿命が短くなるのは当然のことと言えます。単根歯を抜髄した場合、「一生もつ」というのはかなり難しいかもしれません。
歯根破折した症例
上顎第二小臼歯の歯根破折 症例1
ブリッジの土台になった第二小臼歯の歯根が破折しています。 歯の神経を抜いた後に挿入されたメタルコアの先端部に応力が集中したことが原因と考えられます。
上顎第二小臼歯の歯根破折 症例2
歯根が真っ二つに割れ、 歯根の周りに炎症が起こり骨が溶けたため、X線透過像(黒く映る)が認められます。
症例1と同様に歯の神経を抜いた後に挿入されたメタルコアの先端部に応力が集中したことが原因と考えられます。
歯根嚢胞とフィステル
欠点
根管治療は抜髄後の根管内を無菌的にし、ガッタパーチャという材料で密閉する治療のことです。しかし、根管が複雑であったり曲がっていたりすると根管治療がうまくいかないことがあります。
その様な時には歯根の先端に膿の袋、つまり歯根嚢胞ができたり、歯茎にニキビのような膿の出る場所・フィステルが形成されたりします。
歯根嚢胞やフィステルの症例
下顎第中切歯の歯根嚢胞
下顎第中切歯2本が虫歯となり歯根嚢胞を作ったものです。
下顎第一大臼歯のフィステル
下顎第一大臼歯が原因でフィステルが出来たものです。
歯の変色
欠点
抜髄をした歯は神経がなくなっているため、象牙質に栄養が行き渡らないことで歯の変色が起こります。
このようになった歯を治療する場合、ファイバーコアを立てて、その上にオールセラミックを被せる治療が最も審美的に優れています。
歯根破折による抜歯とインプラント治療の選択肢
歯根破折した歯を抜歯
歯根破折した上顎側切歯
神経を抜いた歯に差し歯が入っていました。 差し歯のメタルコアに応力が集中したことで歯根が割れました。
歯根破折した歯を抜歯
破折した歯根を抜歯したところです。
抜歯した所にインプラントを埋入
インプラントの埋入
抜歯した歯の所にインプラントを埋入した直後の状態です。
インプラント埋入後のレントゲン写真
インプラント埋入後、数ヶ月経過した時点のX線です。 インプラントと骨の結合が確認できます。
次にインプラントを土台として冠をかぶせます。
歯根嚢胞の治療
歯根嚢胞摘出術と歯根端切除術
上顎1番が原因の歯根嚢胞のX線写真
歯の神経を抜いた後に行う根管治療がうまくいかないと歯根嚢胞が出来ることがあります。 レントゲン写真(卵型の黒いX線透過像)は上顎1番に出来た拇指頭大の歯根嚢胞です。
歯根嚢胞摘出術と歯根端切除術のX線写真
根管治療を再度やり直し、根尖部を切断する歯根端切除術と逆根充および外科的歯根嚢胞摘出術を適用した症例です。
術後数ヶ月後にはX線透過像がなくなり正常に治っています。
変色歯をオールセラッミックで治療
抜髄後の歯の変色
根管治療は歯の裏側に穴を開けて行いますが、根管治療が終了した時点で穴をコンポジットレジンで塞ぎます。
その後、経年的に歯の色の変色が起こります。
オールセラミックで治療
二本の変色した歯をオールセラミックで治療した写真です。
コア(土台)を歯根の中に差し込み、被せ物をした状態です。
オールセラミックは保険適用外です。
江戸川区篠崎で天然歯の保存にこだわった抜髄は当院へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、天然歯の保存にこだわります。まずは虫歯を自然治癒させることを目標とし、極力抜かない・削らない・痛みの少ない低侵襲な虫歯治療が基本です。
患者様一人ひとりの虫歯の進行程度をしっかり診査・診断し、症状にあった適切な治療法をご提案いたします。江戸川区篠崎で天然歯の保存にこだわった抜髄治療をご希望の方はぜひ、お気軽に当院までご相談下さい。
【動画】歯茎のニキビのような出来物・フィステル
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。