- 1. ドックベストセメント治療のリスクと問題点|「歯を削らない治療」の注意点とは?
- 1.1. ドックベストセメントとは?
- 1.2. 学術的エビデンスが十分とは言えない
- 1.3. 実際に報告されているトラブル
- 1.4. 「認定医」という表現に注意
- 1.5. 壊死した神経は自然回復しない
- 2. 当院が重視する治療方針
- 2.1. ドックベストセメントは自費診療
- 3. まとめ|大切なのは“科学的根拠に基づく治療”
- 3.1. 関連記事
- 4. 虫歯治療で後悔しないために、まずは正確な診断を
- 5. 【動画】歯茎のニキビのような出来物・フィステル
- 6. 筆者・院長
- 6.1. 深沢 一
- 6.1.1. メッセージ

「歯を削らずに虫歯を治せる」――そんな魅力的な言葉にひかれて、ドックベストセメント治療を選ぶ方が増えています。
しかし実際には、科学的な裏付けが不十分で、思わぬトラブルに発展するケースも報告されています。
本記事では、ドックベストセメント治療のリスクや問題点について、実際の事例を交えながらわかりやすく解説します。
大切な歯を守るために、正しい知識を身につけましょう。
ドックベストセメント治療のリスクと問題点|「歯を削らない治療」の注意点とは?
「歯を削らずに虫歯を治せる」
「神経を残せる可能性が高い」
このような説明で知られる“ドックベストセメント治療”ですが、実際には注意すべきリスクや問題点も存在します。
魅力的な言葉だけを信じて治療を受けると、結果的に虫歯が悪化してしまうケースもあるため、正しい知識を持つことが重要です。

ドックベストセメントとは?
ドックベストセメントは、虫歯を完全には除去せず、特殊なセメントを用いて細菌の活動を抑えることを目的とした治療法です。
「できるだけ歯を削らない」という考え方は、現在の低侵襲治療(MI治療)の考え方と共通する部分もあります。
しかし実際には、
- 虫歯の進行度
- 細菌感染の範囲
- 神経の状態
によって適応は大きく異なります。
深い虫歯や神経感染が起きているケースでは、十分な効果が得られない場合があります。
学術的エビデンスが十分とは言えない
現在、主要な歯科学会やガイドラインでは、ドックベストセメント治療を標準治療として推奨しているわけではありません。
また、
- 長期的な成功率
- 虫歯再発率
- 神経保存率
などを裏付ける高いレベルの研究報告は限定的です。
そのため、科学的根拠(エビデンス)に基づく治療としては慎重な判断が必要とされています。
実際に報告されているトラブル
ドックベストセメント治療後に、
- 内部で虫歯が進行
- 神経が壊死
- 根尖病変(歯の根の膿)
- 顎骨の骨吸収
などが発生したケースも報告されています。
特に注意が必要なのは、表面上は症状が少なくても、内部で静かに虫歯が進行する場合があることです。
結果として、
- 根管治療が必要になる
- 抜歯に至る
- 再治療を繰り返す
といったケースもあります。
「認定医」という表現に注意
一部では「ドックベスト認定医」という名称が使われていますが、これは日本の公的学会資格とは異なる場合があります。
患者様側から見ると、専門資格のように感じやすいため、
- どの団体が認定しているのか
- 学術的根拠があるのか
- 標準治療との違いは何か
を確認することが大切です。
壊死した神経は自然回復しない
重度の虫歯で神経が壊死している場合、セメントを入れるだけで神経が回復することはありません。
感染した神経を放置すると、
- 炎症の慢性化
- 強い痛み
- 骨への感染拡大
につながる可能性があります。
神経の状態によっては、適切な根管治療など科学的根拠に基づいた処置が必要になります。
当院が重視する治療方針
当院では、
- MTAセメント
- スーパーボンド
- 接着修復
- 精密根管治療
など、現在の歯科医療でエビデンスが蓄積されている治療法を重視しています。
「なるべく削らない」と「感染を確実に除去する」のバランスを大切にしながら、長期的に歯を守る治療を行っています。
ドックベストセメントは自費診療
ドックベストセメント治療は、日本では厚生労働省の保険適用対象ではありません。
そのため、
- 治療費
- 詰め物
- 被せ物
なども含めて自費診療になるケースが一般的です。
費用だけでなく、「本当に適応かどうか」を十分に説明してくれる歯科医院を選ぶことが大切です。
まとめ|大切なのは“科学的根拠に基づく治療”
「削らない」「神経を残せる」という言葉は魅力的ですが、すべての虫歯に適応できるわけではありません。
🦷 本当に歯を長持ちさせるためには、
- 正確な診断
- 適切な感染除去
- 科学的根拠に基づく治療
が非常に重要です。
気になる治療法がある場合は、メリットだけでなくリスクや限界についても十分な説明を受けたうえで判断するようにしましょう。
関連記事
虫歯治療で後悔しないために、まずは正確な診断を

虫歯の治療法は一つではありません。進行度や神経の状態を正確に診断したうえで、できるだけ歯を残し、長期的な予後を見据えた治療を行うことが大切です。
当院では、科学的根拠に基づいた診査・診断を行い、お一人おひとりに適した治療方法をご提案しています。気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
【動画】歯茎のニキビのような出来物・フィステル
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





