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「入れ歯が痛くて食事がつらい…」「調整しても違和感が消えない…」
そんなお悩みを抱えていませんか?入れ歯は本来、しっかり噛めて快適に使えるもの。痛みがあるのは“合っていないサイン”かもしれません。

この記事では、入れ歯が痛くなる10の原因から、自宅でできる応急処置歯科での調整方法、そして放置したときに起こるリスクまで、わかりやすく解説します。

さらに、「何度直してもダメだった…」という方に向けた再製作やインプラント義歯といった選択肢もご紹介。
我慢しなくていい“入れ歯ライフ”を取り戻すヒントを、ぜひ本記事で見つけてください。

入れ歯を使っていると、「痛い」「違和感がある」と感じる方は少なくありません。痛みはただの「慣れ」の問題だけではなく、入れ歯が合っていないサインであることも。ここでは、入れ歯の痛みがどんな状態を指すのかを、具体的に解説します。

🤔 ズキズキ?チクチク?患者が感じる3つの「痛みのタイプ」

痛みの感じ方は人によってさまざまですが、よくあるタイプは次の3つです。

入れ歯が痛い
入れ歯が痛い
  • ズキズキとした持続的な痛み
     → 入れ歯が常に粘膜を圧迫している可能性があります。赤く腫れている場合も多く、炎症のサインです。
  • チクチク・ピリピリと刺すような痛み
     → 金具(クラスプ)が歯茎に当たっていたり、入れ歯のフチが鋭く仕上がっていたりすると起こります。
  • 噛んだときだけズンと痛む
     → かみ合わせが悪く、一部にだけ強い圧力がかかっている状態。時間が経つと歯茎や骨に悪影響を与えることも。

痛みを放置すると、口内炎や潰瘍、顎の骨の吸収など、さらなるトラブルを招くリスクもあります。

📝 いつ痛む?装着直後・食事中・外すとき

入れ歯の痛みは「いつ痛むか」によって原因の予測が可能です。

  • 装着直後に痛い
     → 入れ歯の形やサイズが合っていない、強く当たる部分があるケースが多いです。
  • 食事中だけ痛む
     → 咀嚼時の力が一部に集中している、かみ合わせのバランスが崩れている可能性があります。
  • 外すときに痛い
     → バネが歯や歯茎に食い込んでいることがあります。無理に外すと粘膜が傷つく原因にも。

このように、「どんな痛み」「いつ痛むか」を意識しておくことで、歯科医でのスムーズな調整にもつながります。

入れ歯の痛みは「我慢すれば治る」ものではなく、原因を見極めて適切に対処することが重要です。ここでは、入れ歯が痛くなる主な10の原因について詳しく解説します。

🦷 ① 初めての装着で歯茎が慣れていない

初めて入れ歯を入れた直後は、歯茎や粘膜が異物に反応して炎症を起こすことがあります。これは「慣れ」の段階であり、多くは数日~2週間ほどで落ち着きますが、強い痛みや出血がある場合は調整が必要です。

⚖️ ② かみ合わせが合っていない

入れ歯の上下のバランスが崩れていると、一部の歯茎に強い圧力(咬合力)が集中して炎症や痛みを引き起こします。

🪛 ③ バネ(クラスプ)が歯や歯茎に食い込んでいる

部分入れ歯に使われる金属のバネ(クラスプ)が硬すぎたり位置がズレていたりすると、粘膜を刺すような痛みや出血の原因になります。特に歯の根元や歯茎の谷間に当たる場合は要注意です。

🪨 ④ 入れ歯が劣化・変形している

入れ歯は使い続けることで少しずつ変形や摩耗を起こします。保管中に乾燥や熱で変形することも。以前は快適だった入れ歯が突然痛くなった場合は、経年劣化が原因かもしれません

🧽 ⑤ 不衛生による歯茎の炎症・口内炎

入れ歯に食べかすや細菌がたまると、歯茎や粘膜が炎症を起こしやすくなります。特に清掃が不十分なまま寝る習慣がある方は、口内炎や義歯性口内炎のリスクが高まります。

👄 ⑥ 粘膜や骨の形態が変化(吸収)している

入れ歯を長期間使っていると、顎の骨が痩せたり粘膜の形が変わったりして、最初は合っていた入れ歯が徐々にズレたり当たったりするようになります。これは高齢者に多くみられる自然現象でもあります。

😬 ⑦ 支えの天然歯が虫歯や歯周病

部分入れ歯の支えとなる天然歯に虫歯や歯周病があると、噛んだときに痛みが出やすくなります。歯の根の炎症が原因で入れ歯が合わないと感じるケースもあるため、口全体の検査が必要です。

😷 ⑧ アレルギーや金属反応

ごく稀に、入れ歯の素材(金属・プラスチック)に対してアレルギー反応を起こす方がいます。口の中がただれる・水ぶくれができる・赤く腫れるといった症状が出た場合は、金属アレルギー検査をおすすめします。

💀 ⑨ 精神的なストレスや顎関節症の影響

ストレスが強いと噛みしめや歯ぎしりの頻度が上がり、入れ歯に過度な力がかかることがあります。また、顎関節症による開閉口のズレも痛みの原因になります。痛みの背景に心理的要因がある場合もあることを知っておきましょう。

🔄 ⑩ 過去の歯科治療との相性が悪いケース

差し歯やブリッジなど、過去の歯科治療の状態が入れ歯と合っていないこともあります。例としては「クラウンが高すぎて入れ歯に干渉する」「古い詰め物が取れかけている」など。総合的なチェックが必要です。

「そのうち慣れるかも…」と痛みを我慢して入れ歯を使い続けると、口腔内だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼすリスクがあります。ここでは、放置によって起こりうる代表的なトラブルを3つご紹介します。

💥 歯茎がただれる・出血する

入れ歯が合っていない状態で使い続けると、歯茎や粘膜に慢性的な刺激が加わり、炎症が悪化します。これにより以下のような症状が出現します:

  • 歯茎が赤く腫れてズキズキ痛む
  • 粘膜がただれてヒリヒリする
  • 出血しやすくなり、食事もしづらい

このような状態が続くと、義歯性口内炎潰瘍を引き起こし、入れ歯の装着すら困難になります。

😵 噛めずに栄養不足・誤嚥リスク増

痛みのために「噛めない・食べづらい」状態が続くと、食事の偏りや咀嚼力の低下を招きます。結果として:

  • 柔らかい物ばかり食べて栄養バランスが崩れる
  • 噛まずに飲み込むことで誤嚥の危険性が高まる
  • 食事が苦痛になり、食欲低下や体重減少へ

特に高齢者では、フレイル(虚弱)や誤嚥性肺炎のリスクが一気に上昇します。

🏚️ 顎の骨が痩せるとますます合わなくなる悪循環

合わない入れ歯を使い続けると、顎の骨(歯槽骨)が圧迫されて徐々に吸収(痩せて)しまいます。すると…

  • 入れ歯がますますズレやすくなる
  • 安定性が悪化し、痛みが悪化する
  • 調整しても限界が来て、作り直しが必要に

このように、**骨の吸収は入れ歯が合わなくなる「根本原因」**にもなるため、早めの調整・対応が重要です。

「入れ歯が痛い」と感じたら、まずは無理せず使用を控え、原因に合った対処を行うことが大切です。ここでは、歯科での対応とご自宅でできるケア方法を紹介します。

👨‍⚕️ まずは歯科で調整を!痛い箇所の特定と処置

痛みが続く場合、自己判断せずに歯科医院を受診することが最優先です。

  • 痛みの原因を的確に特定してもらえる
  • ✅ 入れ歯の内面を削ったり、かみ合わせを調整することで痛みが軽減
  • 歯茎や粘膜の傷の状態も確認してもらえる

特に「噛むと痛い」「赤く腫れている」「出血がある」といった場合は、プロの調整が必須です。

🧴 入れ歯安定剤・クッションの使い方と注意点

一時的な対処として、自宅で入れ歯安定剤やクッション材を使うこともできます。

  • 📌 安定剤(クリームタイプ・パウダータイプ)
     → 入れ歯がズレて擦れるのを防ぎます。
  • 📌 クッション材(シートタイプ)
     → 歯茎との間にクッション性を持たせて痛みを緩和。

⚠ ただし注意点もあります:

  • 長期使用は歯茎がさらに痩せる原因になることも
  • 痛みの「ごまかし」になり、根本的な改善を遅らせる可能性も

あくまで応急処置のひとつとして利用しましょう。

🧼 痛み予防のための正しいお手入れ法

入れ歯の痛みは汚れの蓄積や細菌の繁殖によっても起こるため、毎日のケアが重要です。

  • 🪥 毎食後に入れ歯専用ブラシで洗浄
  • 🛁 就寝前は洗浄剤で除菌
  • 🌙 就寝中は外して歯茎を休ませる

※ただし、**就寝時も装着が必要な人(リハビリ中など)**は、歯科医の指示に従ってください。

📅 定期的な調整が必要な理由

入れ歯は時間とともに合わなくなるのが普通です。

  • 歯茎や骨の形が変化する
  • 噛み合わせがずれてくる
  • 素材の変形や摩耗

これらを防ぐためには、半年~1年ごとの定期チェックが大切。特に高齢の方や部分入れ歯を使用している方は、早期トラブル発見につながります

何度調整しても入れ歯の痛みが改善されない…。そんなときは、「今の入れ歯自体が体に合っていない」可能性もあります。以下に、入れ歯を根本的に見直す3つの方法をご紹介します。

🆕 新しく作り直す(保険・自費の違い)

長期間使用した入れ歯や、何度調整しても合わない入れ歯は、作り直すことが最も確実な解決策となることもあります。

🔹 保険の入れ歯の特徴

  • レジン(プラスチック)製
  • 厚みがあり、違和感を覚えやすい
  • 制約が多く、複雑な症例には不向き

🔸 自費の入れ歯の特徴

  • 金属床やシリコン義歯など素材を選べる
  • 薄く軽く、熱伝導性も良い
  • 精密な型取りでフィット感・審美性が高い

✅ 「費用はかかっても、長く快適に使いたい」という方には自費義歯がおすすめです。

👻 金属を使わないノンクラスプデンチャーとは?

部分入れ歯で「バネ(クラスプ)が痛い・目立つ」と悩む方には、ノンクラスプデンチャーという選択肢もあります。

✨ ノンクラスプデンチャーの特徴

  • 金属バネを使わないため、歯や歯茎に優しい
  • 見た目も自然で目立たない
  • 弾力性のある樹脂でフィット性が高い

ただし、修理が難しい/咬合力の強い人には不向きな場合もあるため、事前に相談が必要です。

🦿 インプラント義歯という選択肢

「そもそも入れ歯が合わない、もうガタガタするのはイヤ…」という方には、**インプラント義歯(インプラントオーバーデンチャー)**という選択肢もあります。

🦷 特徴:

  • 顎の骨に埋め込んだインプラントに入れ歯を固定するため、ズレにくく安定感抜群
  • 固定力が高く、よく噛める
  • 着脱可能なので、メンテナンスもラク

インプラントは手術が必要ですが、「痛くない入れ歯生活」を長く続けたい方には非常に有効です。

入れ歯の痛みについては、多くの患者さんが共通して抱える疑問があります。ここではよくある3つの質問に、歯科医の視点からお答えします。

❓ Q:市販の安定剤だけで大丈夫?

🅰️ 一時的な応急処置にはなりますが、根本的な解決にはなりません

市販の入れ歯安定剤やクッション材は、痛みやズレを一時的に和らげるには便利ですが、以下のような注意点があります:

  • 長期間使うと歯茎がさらに痩せるリスク
  • 痛みの原因を見逃してしまう可能性
  • 正しい使い方を誤ると炎症を起こすことも

➡️ 繰り返し使っても痛みが改善しない場合は、必ず歯科医院での調整を行いましょう。

❓ Q:痛みがあるままでも使っていていいの?

🅰️ おすすめできません。

入れ歯の痛みは、「合っていない」「かみ合わせがズレている」といった身体からのサインです。それを無視して使い続けると…

  • 歯茎や粘膜の慢性的な炎症
  • 顎の骨の吸収(やせる)
  • 他の歯や顎関節にまで悪影響

➡️ 痛みを我慢せず、早めの受診でトラブルを未然に防ぎましょう。

❓ Q:保険と自費で痛みの違いはある?

🅰️ 素材と精度の違いが、痛みに影響します。

比較項目保険の入れ歯自費の入れ歯
素材レジン(厚め)金属床・シリコンなど
フィット感合わせにくい精密で快適
痛みの起きやすさ比較的あり少ないことが多い
費用安価(数千~1万円台)高額(数万円~数十万円)

➡️ 「しっかり噛める」「痛くない入れ歯」を求める方には、素材・精度に優れた自費入れ歯がおすすめです。

入れ歯の痛みは「よくあること」と軽く見られがちですが、実は身体からの重要なサインです。違和感を我慢せず、早めに対応することが、快適な入れ歯生活への第一歩になります。

✅ 早期対応が長持ちする入れ歯のカギ

痛みを放置すると、歯茎のただれ・骨の吸収・誤嚥リスクなど深刻なトラブルに発展する可能性があります。「あれ?」と思ったら早めの受診が大切です。

✅ 歯科医院での調整が最も確実な対策

市販の安定剤やクッション材も一時しのぎにはなりますが、根本的な改善には専門的な調整が不可欠。歯科医院では痛みの原因を見極め、ピンポイントで調整することができます。

✅ 我慢せず、専門医に相談を!

「入れ歯だから痛いのは当たり前」と思っていませんか?
そんなことはありません。あなたに合った入れ歯なら、痛みなくしっかり噛める生活が実現します。

💬 不安なことや今の入れ歯に疑問がある方は、まずは歯科医院で相談してみましょう。

📍 江戸川区篠崎で金属床義歯をご検討なら当院へ

江戸川区篠崎の当歯科クリニックでは、保険・自費・ノンクラスプ・インプラント義歯まで幅広く対応可能です。
患者さま一人ひとりのお口に合った入れ歯を、精密な診査と丁寧な調整でご提案します。
まずは現在の入れ歯の状態チェックから、お気軽にご相談ください。

📞 ご予約はお電話にて承っております。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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