部分入れ歯が大きくなると左右の人工歯を連結させるための床が必要になります。床に金属を使う場合が金属床義歯、レジン(樹脂)を使う場合がレジン床義歯と呼びます。

金属床義歯

保険適用外の金属床義歯

保険適用外の金属床義歯

利点

  • 強度があるので薄くでき、床の部分を狭い範囲で作る事が出来ます。
  • 装着感が良く、舌が触れた時の感触も殆ど異物感が起こりません。
  • 金属は熱の伝導率が高いので、熱い食べ物は熱く、冷たい食べ物は冷たく感じられるので、味覚を損なうリスクが低く、食事を美味しく食べられます。

欠点

  • 保険適用外なので費用が高くなります。
  • 歯茎が痩せた時や破折した時の修理が難しいので、一旦預かって技工所で修理が必要になります。1週間ほど預かるので、その間、入れ歯がなくて食事に支障をきたす場合があります。(予備の入れ歯があればOK)
  • 金属製のクラスプをかけるので目立ちます。

金属床義歯を装着

術前 正面観
術前 正面観

上顎に金属床義歯を装着します。前歯にクラスプがかかると目立つので、上顎左2番3番はコーヌステレスコープ義歯の内冠がセットされています。

装着後 咬合面観
装着後 咬合面観

上顎口蓋を覆うように金属床が作られています。奥であまり目立たないので、小臼歯2ヶ所にはクラスプを設置しています。

保険適用のレジン床義歯

保険適用のレジン床義歯
保険適用のレジン床義歯

利点

  • 保険適用であり、安価に作成ができます。
  • 床の修理が容易で、歯茎が痩せて入れ歯が合わなくなっても、床の内面を軟性裏層剤で内張(リベース)することで回復しやすく、義歯の破折時もチェアーサイドでの修理が容易です。
  • 自分の健康な歯を殆ど削らずに部分入れ歯を作ることができます。

欠点

  • 衝撃に弱く壊れやすいため、強度を確保するために床の部分を厚く広く作る事になります。そのため装着感が悪く、舌が触れた時の異物感が起こりやすい難点を有しています。
  • 床が大きくなり厚みが増すと、舌の触れる部分が多くなり発音障害が起こりやすくなります。特に、タ行などの破裂音が正確に出しにくくなります。
  • レジンは、合成樹脂のため長い間には劣化(収縮や変色)が起こります。
  • 熱の伝導性が悪いため、金属床比べると、余り美味しく食事が取れません。
  • 金属のクラスプで入れ歯を固定するため、前歯の方にクラスプがかかると目立ってしまい審美的に問題となります。

レジン床義歯を装着

術前 咬合面観
術前 咬合面観

上顎右6番7番、左4番5番6番7番欠損です。

装着後 咬合面観

上顎口蓋をすべて覆うようにレジン床が作られています。左3番にクラスプがかけられているので目立ちます。

レジンは強度が無いため破折防止用にレジン床内に補強線が馬蹄形に入っています。

バーとは

左右の人工歯部を連結するための金属製の連結装置をバーと呼びます。下顎ならリンガルバー、上顎ならパラタルバーです。バーは保険適用のレジン床義歯に使用します。

バーの欠点

バーは変形を防ぐために太く作ります。バーは範囲は狭いですが、突出しているため舌に触れると違和感や異物感、あるいは話しづらいといった問題が起こりやすいです。

パラタルバー

上顎左右の部分入れ歯をパラタルバーで結んでいます。

リンガルバー

下顎左右の部分入れ歯を太い金属の針金・リンガルバーで連結しています。

金属床の利点

金属床は左右の人工歯部を連結するための金属製のプレートです。金属床は強度があるので薄く作ることが出来ます。金属床は広範囲に渡っても平坦なため舌に触れても違和感や異物感、あるいは話しづらいといった問題は起こりません。

上顎金属床
上顎金属床

上顎金属床は薄いため舌感が良く発音にも支障はきたしません。

上顎金属床
上顎金属床

3ヶ所の部分入れ歯を薄い金属床で連結しています。

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、入れ歯が頻繁に割れるという方や、もっと噛める入れ歯が欲しい方、目立たない部分入れ歯をお求めの方など、一人一人のご要望に合った入れ歯をご提案させていただきます。

様々なお口の条件にも納得できる入れ歯をご提供するために多数の素材をご用意し、高い技術力の歯科技工士と連携しております。金属床義歯をご希望の方がいらっしゃいましたら、ぜひ江戸川区篠崎にある当院へお気軽にご相談下さい。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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