インプラント後の痛みや腫れの期間
腫れが続く期間
術後2日目が腫れのピーク
GBR(骨造成)やボーングラフト(骨移植)、サイナスリフトなどの手術も含め、インプラント手術当日から僅かな腫れが出現し、24時間後にはかなり腫れます。そして、2日目から3日目がピークになります。
その後、腫れは徐々に引いていき約1週間で消失するのが一般的です。腫れや痛みの程度は骨をどれだけ削ったかなど、骨造成やサイナスリフトなど外科的侵襲が強くなるほどより大きくなります。
痛みは腫れに半日~1日先行
痛みは、腫れの程度に半日~1日先行する様に変化します。つまりインプラント手術後麻酔が切れてから徐々に痛みが起こり始め、 次の日にはかなり強くなります。
術後2日から3日後に痛みのピークが訪れ、 約一週間ほど痛みが続きます。 腫れがなかなか引かない症例では、10日間ほど痛みが続くこともあります。
「手術当日にやや痛みが出たので痛み止めを飲んだが次の日には痛みは殆ど無くなった」という人が多いです。
頻度は少ないですが、3日間ほど痛み止めを飲み続けたという人もいます。
手術の種類で異なる痛みや腫れ
2本までのインプラント埋入手術
2本程度までの小範囲のインプラント埋入手術なら腫れや痛みが強く出ることは稀で、違和感程度で終わることが殆どです。
サイナスリフトやボーングラフト
インプラント3本以上の埋入、GBR、ボーングラフト(骨移植)やサイナスリフトなどの骨を増やす手術を行った後に強い痛みや腫れがなかなか引かないことがあり、治るまでの期間も伸びる傾向にあります。
骨造成やサイナスリフトの術後は、真横に生えた下顎親知らず(水平埋伏智歯)の抜歯と同じような痛みや腫れ方をします。
腫れや痛みは生理的な反応なので、心配する必要はありません。また、投薬された抗生物質や痛み止めを飲むことで、症状の改善が図られます。
手術中の痛み
局所麻酔
局所麻酔を掛けるのでインプラントの手術中に痛みが起こることはほとんどありません。
また、注射の痛みも表面麻酔や針の無い麻酔器を使うので殆ど痛みなく行うことが出ます。
自分は「麻酔が効きにくい」と話す患者さんもいますが、話を良く聞くとほとんどのケースで、炎症がある場所の治療を行った時です。炎症があると組織が酸性に傾き、麻酔が効きにくいことがあるからです。
インプラント手術は、炎症が無い所に行いますから麻酔が効きやすく痛みが起こりにくいと言えます。
痛み止めが効かない時の対処法
step
痛み止めを変更
痛み止めは、ボルタレンかロキソニンが処方されます。一般的にボルタレンの方が効きが良いとされていますが、人によってロキソニンの方が効果が高い場合もあります。
通常、インプラント手術をした次の日に消毒するため来院してもらいますが、痛みがまだ続くようなら、痛み止めの処方を変える場合もあります。
step
痛み止めを増量
痛み止めは、痛みの程度に合わせて増量することが可能です。下記に1回に飲んでも良い量を記載します。
1回量と1日量
Painkiller
ボルタレン(25mg)
ボルタレン1錠には25mgの主成分が含まれます。年齢・症状により適宜増減してかまいませんが、成人では痛い時に飲む飲み方(頓用)の場合、1回2錠(50mg)を上限として服用します。
痛みが止まらない時は、6時間開けて2錠飲みます。原則として1日2回まで1日最大4錠(100mg)が限度です。
これ以上飲むと副作用が強く出る場合があります。また、可能な限り空腹時の服用は避けてください。
Painkiller
ロキソニン(60mg)
ロキソニン1錠には60mgの主成分が含まれます。年齢・症状により適宜増減してかまいませんが、成人では頓用の場合、1回2錠(120mg)を上限として服用します。
痛みが止まらない時は、5~6時間開けて飲みますが、原則として1日2回まで1日最大3錠(180mg)が限度です。
これ以上飲むと副作用が強く出る場合があります。また、可能な限り空腹時の服用は避けてください。
アスピリン喘息のある人、または過去にアスピリン喘息になったことがある人は強い副作用が出るため禁忌です。
湿布薬(冷えピタ)
術後トラブルを防ぐために知っておくべき術前のポイント
術前と当日の注意事項
Note
十分な睡眠
前日は睡眠を充分とり、体調を整えてください。体調不良で手術を行うと術後の痛みが起こりやすくなります。
Note
禁酒
手術日前後(2週間前から2週間後まで)の飲酒は控えてください。術後感染を起こしやすい為です。
Note
禁煙
術後感染を起こしやすいので手術前後の喫煙は控えてください。(理想的には手術前の2週間と術後の2週間は禁煙)喫煙は毛細血管を収縮させるため免疫力が低下します。
術後の注意事項
Note
うがい
手術後24時間はうがいをできるだけしないでください。出血が起こる危険があります。
Note
薬(痛み止めと抗生物質)
お薬は指示通りにお飲みください。直後に鎮痛剤を飲んでいただきますが、痛むときは5~6時間以上あけて鎮痛剤をお飲みください。 お渡しした抗生物質は、完全に服用してください。
※ 痛みや腫れが無いからといって抗生物質を途中で服用をやめると術後感染を起こすリスクが上がります。
Note
麻酔
麻酔が効いている間は食事をしないでください。(通常は2~4時間ほどで切れます。) 誤って舌や頬、唇を咬んでしまいますので。
Note
歯磨き
手術当日は歯磨きはしないでください。翌日からは、腫れや痛みがある部位を避けて磨いてください。 直接指で触れたり縫合糸をひっぱったりしないでください。
Note
食事
2~3日はスープやおかゆなど柔らかいものを食べてください。反対側で噛むようにして食事をしましょう。
Note
アザの出現
術後、頬、顎、クビなどに内出血のアザができることがあります。数日で自然に消えるのでご安心ください。
Note
風呂・酒・喫煙・運動
手術日は、シャワー程度にしてください。 2週間は、飲酒や喫煙などは控えて体調を整えてください。 過激な運動も24時間は避けましょう。 術後1~2週間で抜糸します。
江戸川区篠崎で術後の痛みや腫れを抑えたインプラント治療をご希望の方へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、このように患者様に出来るだけリスクの少ないインプラント治療をご提供するため、日本口腔インプラント学会指導医が治療を担当し、オペ環境や設備、術後のアフターケアやメンテナンス等にも力を入れております。江戸川区篠崎で術後の痛みや腫れを抑えたインプラント治療をご希望の方はぜひ、当院までお気軽にご相談下さい。
【動画】奥歯を抜歯したまま放置すると?
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。