目次

✅インプラント治療は、「噛める喜び」を取り戻せる素晴らしい選択肢です。
しかし、そのインプラントも“歯周病のような炎症”に侵されるリスクがあることをご存じでしょうか?

それが【インプラント周囲炎】です。

自覚症状が少ないまま進行し、気づいたときには骨の吸収やインプラントの脱落に至ることもあります。
一方で、正しいセルフケアと定期メンテナンスを行えば、多くの場合、予防や早期治療が可能です。

本記事では、インプラント周囲炎の原因・症状・診断法・治療・予防法までをわかりやすく解説します。
「最近ちょっと気になるかも…」という方も、「これからインプラントを検討している」という方も、ぜひ参考にしてください。

インプラント周囲炎とは、インプラントを支える歯肉や骨に炎症が起きる病気です。天然歯の「歯周病」と似ていますが、人工物であるインプラントの構造上、一度感染すると進行が早く、重症化しやすいという特徴があります。

🔍 定義と歯周病との違い

比較項目歯周病インプラント周囲炎
対象天然歯を支える歯周組織インプラントを支える骨・歯肉
原因歯垢・歯石による細菌感染細菌感染+外科的要因(手術時の不備・咬合負担など)
進行スピード比較的ゆっくり進行骨吸収が急速に進むことが多い
自覚症状出血・腫れ・動揺など初期は無症状だが、重症化しやすい

特にインプラントは神経が通っていないため、「痛みがないまま進行」することも少なくありません。

📊 発症率・年齢層・リスク因子の統計データ

  • インプラント周囲粘膜炎(初期の炎症)は、**全体の30~50%**に発症
  • インプラント周囲炎(骨吸収が伴う進行形)は、**10~15%**の患者に見られます
  • 特にリスクが高いのは以下のような方です:
    • 喫煙者(リスク2~3倍)
    • 糖尿病・高血圧などの全身疾患がある方
    • 過去に歯周病の既往がある方
    • メンテナンスを受けていない方

これらのリスク因子が重なると、インプラントの長期安定性が大きく損なわれるため注意が必要です。

🖼 レントゲンや臨床写真で見る病態の進行例

インプラント周囲炎
インプラント周囲炎

矢印部のインプラント周囲の骨が無くなっています。インプラント周囲炎で骨の破壊が進んでいることを示しています。

インプラントは正常
インプラントは正常

⇒部分の骨は吸収を受けていません。インプラント周囲の骨は正常であることを示しています。

  • 正常な状態:インプラント周囲の骨がしっかりと維持されており、歯肉も引き締まっている。
  • 初期のインプラント周囲炎:歯肉に赤みや軽い腫れがあり、X線では骨吸収がわずかに確認される。
  • 進行例:骨の吸収が明確に確認され、インプラント体が部分的に露出することも。最終的には脱落に至ることもあります。

📸 レントゲンや口腔内写真で定期的に状態を確認することが、早期発見・早期治療のカギになります。

インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病のような炎症「インプラント周囲炎」にはなります。その背景には複数の要因が絡んでいます。ここでは代表的な原因を5つに分けて解説します。

🦠 細菌感染とバイオフィルム形成

インプラント周囲炎の最も基本的な原因は、細菌による感染です。天然歯と同様に、プラーク(歯垢)には多数の歯周病原菌が存在し、インプラントの周囲に付着すると「バイオフィルム」という膜を形成します。

  • バイオフィルムとは?
    細菌たちが集合して作る膜状の構造で、抗菌薬や免疫から身を守る防御壁のようなもの。これがインプラントの表面や歯肉内にこびりつくと、炎症が進行しやすくなります。
  • インプラントの**表面構造(チタン素材)**は、バイオフィルムが付きやすいという弱点があります。

🧼 セルフケアとプロケアの不備

インプラントを長持ちさせるには、日常の歯磨きだけでなく、定期的な歯科メンテナンスが不可欠です。

  • 患者側のセルフケア不足
    • インプラント周囲は天然歯よりも歯垢がたまりやすい構造です。
    • フロスや歯間ブラシの使用方法を知らないと、清掃が不十分になりやすいです。
  • 歯科医院でのプロケア不足
    • 治療後に定期検診を受けないと、炎症の初期変化を見逃すことがあります。
    • 特に1~3ヶ月ごとのクリーニングが推奨されます。

🔧 埋入位置・セメント残存などの外科的要因

インプラント手術時のトラブルも、周囲炎の原因になります。

  • インプラントの位置や角度が適切でない場合
    清掃しにくくなり、プラークがたまりやすくなります。
  • 補綴物のセメント残存
    被せ物をつける際に、セメントが歯肉内に残ると、そこに細菌が集まり炎症を引き起こします。
  • 骨の質や量が不十分な部位への埋入も、長期的に炎症が生じやすいと報告されています。

🚬 喫煙・糖尿病・ストレスと全身的なリスク

全身状態が口腔環境に与える影響も見逃せません。

  • 喫煙:血流を悪化させ、免疫力を下げるため、炎症が起きやすくなります。
  • 糖尿病:血糖値が高いと感染に弱くなり、治りにくくなる傾向があります。
  • ストレス:免疫力を低下させ、自律神経のバランスも崩れることで、口腔内の環境悪化につながります。

これらの全身因子が重なると、インプラント周囲炎の進行リスクは大きく高まります。

💡 咬合力や食いしばりの負荷

インプラントは天然歯のような**「歯根膜(クッション)」がない**ため、咬合力を直接骨に伝えます。

  • 強い噛みしめ・歯ぎしりがあると、インプラントに過度な負荷がかかり、周囲の骨や歯肉がダメージを受けやすくなります。
  • 咬合調整(噛み合わせの調整)や、ナイトガードの使用で負荷を分散することが重要です。

これらの要因は単独よりも複合的に作用することが多いため、「自分はどのリスクに当てはまるか」を正しく把握し、日々のケアと歯科医院での管理を両立することが大切です。

インプラントは見た目も自然で機能的にも優れていますが、「痛みがないから大丈夫」と放置するのは非常に危険です。インプラント周囲炎は初期症状が軽いため、気づかないうちに進行してしまうことが少なくありません。

💥 初期症状(出血・腫れ・口臭)

インプラント周囲炎の**初期段階(インプラント周囲粘膜炎)**では、自覚症状が乏しく、気づきにくいのが特徴です。しかし、以下のようなサインが現れます:

  • 🩸 歯ブラシ時の出血
    歯ぐきから少量の出血が見られる。痛みはない場合が多く、軽視されがちです。
  • 🔴 歯ぐきの赤み・腫れ
    インプラントの周囲だけが赤く腫れることがあります。
  • 😷 口臭の悪化
    細菌が増殖すると、強いにおいの原因に。本人は気づきにくいことも。

※この段階での対処がもっとも効果的です。早期対応で骨吸収を防ぐことができます。

🧫 中等度〜重度(膿・ぐらつき・骨吸収)

症状が進行すると、「インプラント周囲炎」に発展し、次のような深刻な状態になります:

中等度のインプラント周囲炎で骨の吸収
中等度のインプラント周囲炎で骨の吸収
  • 🦠 膿が出る
    インプラント周囲の歯肉から白い膿が出てくることがあります。口の中に嫌な味が広がることも。
  • 💢 歯ぐきの強い腫れと痛み
    押すと痛みが出たり、指で触れるだけで違和感を覚えるようになります。
  • ⚠️ インプラントがグラつく(動揺)
    骨吸収が進み、インプラントが安定しなくなります。これはかなり進行したサインです。
  • 🦴 レントゲンで骨吸収が確認される
    周囲の顎骨が明らかに溶けており、再生治療が必要なケースもあります。

🧭 進行度別に見る症状と状態変化一覧

進行度主な症状骨の状態治療法の目安
🟢 初期(粘膜炎)出血・赤み・腫れ骨吸収なしクリーニング・抗菌薬・ブラッシング指導
🟡 中等度膿・腫れ・口臭・軽いぐらつき軽度〜中等度の骨吸収フラップ手術・再生療法
🔴 重度強い痛み・インプラントの動揺・広範囲な腫れ顕著な骨吸収インプラント除去+再治療が必要な場合も

患者さんが「もう少し様子を見てから…」と放置してしまうことで、再治療の費用や期間、体への負担が大きくなります。少しでも違和感を覚えたら、早めに歯科医院でのチェックを受けましょう。

インプラント周囲炎は見た目の異常が少なく、痛みも出にくい病気のため、専門的な検査なしでは発見が難しいことがあります。歯科医院では、以下のようなステップで診断を行い、進行度を正確に評価します。

👀 視診・触診・問診

最初の診察では、以下のような基本的なチェックが行われます。

  • 視診:歯ぐきの腫れ・赤み・膿の有無など、目で見て炎症の有無を確認
  • 触診:歯科医がインプラントに軽く触れて、動揺(ぐらつき)の有無を確認
  • 問診:最近の違和感、口臭、出血、痛みなどを詳しく聞き取ります

👩‍⚕️ 初期段階の異変に気づくには、医師の経験と患者からの情報が不可欠です。

🧪 ポケットプロービングと出血検査

「ポケット測定」は、インプラント周囲の歯周ポケット(溝)の深さを専用器具で測る検査です。

  • 健康な状態:ポケットの深さは3mm以下
  • 炎症がある場合:4mm以上の深さ、出血が見られることも
  • プロービング時の出血=炎症のサイン

🧬 天然歯と異なり、インプラント周囲のポケットは一度深くなると改善が難しいため、定期的な測定が予防にも直結します

🩻 レントゲン/CTによる骨の状態把握

目に見えない「骨の吸収」を評価するには、X線やCTスキャンが不可欠です。

  • パノラマレントゲン:顎全体の骨の状態を一目で把握
  • デンタルX線:インプラント周囲の詳細な骨の形状を確認
  • CT検査:3D画像で骨の吸収量・範囲を立体的に把握でき、再生治療の判断にも有用

🦴 インプラント周囲炎は骨にまで影響を及ぼすため、視診だけでなく画像診断がとても重要です

⏰ 早期発見のためにセルフチェックしたい症状

以下のような症状がある場合、インプラント周囲炎の初期サインかもしれません。

  • 🪥 歯ブラシ時の出血
  • 🔴 インプラント周囲の歯ぐきが赤く腫れている
  • 😷 口臭が以前より気になる
  • 😟 噛んだときの軽い痛みや違和感
  • 👅 舌で触れたときのざらつき、圧痛

これらの症状がひとつでも当てはまる場合は、できるだけ早めに歯科医院で診てもらうことが大切です

インプラント周囲炎の治療は、症状の進行度によって大きく異なります。初期段階であれば非外科的な処置で対応可能ですが、重症化すると手術や再治療が必要になることもあります。ここでは段階別に治療内容を解説します。

🧼 初期治療(クリーニング・エアフロー・抗菌薬)

初期の「インプラント周囲粘膜炎」は、非外科的処置で改善が期待できます

エアフローによるクリーニング
エアフローによるクリーニング
  • 🪥 プロフェッショナルクリーニング
    専用のプラスチック製スケーラーやエアフロー(微粒子と水のジェット洗浄)で、バイオフィルムをやさしく除去します。
  • 💊 抗菌薬の局所投与・内服
    歯周ポケット内に抗菌薬を注入、または内服薬を併用し、炎症をコントロール。
  • 🪞 セルフケア指導
    患者自身のブラッシング法や、インプラント専用のフロス・歯間ブラシの使用方法を丁寧に指導します。

📅 定期的にプロケアを継続することで、炎症の再発を防ぐことが可能です。

🛠 中等度(フラップ手術・再生療法の併用)

骨吸収が始まっている中等度のインプラント周囲炎では、外科的な治療が必要です。

🩺インプラント周囲炎の治療例

上顎臼歯部のインプラント周囲炎

インプラント周囲の歯肉が腫れ発赤しています。

インプラント周囲炎
インプラント周囲炎
STEP
1

治療後

エアフローによる治療によりインプラント周囲の炎症が取れ、腫れや発赤は無くなっています。しかし、歯茎が下がりインプラントのスクリュー部が露出しました。この状態は細菌感染を受けやすく予後不良です。骨再生療法(GBR法など)の追加処置が必要となります。

治療後
治療後
STEP
2

レントゲン写真

同症例のレントゲン写真です。⇒部のインプラント周囲の骨の吸収が相当進んでいます。

治療後のレントゲン写真
治療後のレントゲン写真
STEP
3
  • 🩺 フラップ手術(歯肉剥離手術)
    歯ぐきを切開して感染部位を目で確認しながら、徹底的に清掃します。
  • 🦴 骨再生療法(GBR法など)
    吸収された骨に対して、人工骨やメンブレン(再生膜)を使用して、骨の再生を促進します。

⚠️ この段階では、治療のタイミングと正確な診断が鍵となります。

🦴 重度(インプラント除去+再治療)

  • 🧯 インプラントの動揺・広範囲な骨吸収がある場合、機能維持が難しくなるため、除去が必要となるケースも。
  • 🔄 感染組織を完全に除去した上で、骨の再建治療(骨移植や再生療法)を行い、数か月の治癒期間を経て再埋入を検討します。
  • 🦷 補綴物の設計変更も重要:噛み合わせのバランスや清掃性を改善することで、再発予防に繋がります。

🧠 重度化すると治療回数・期間・費用も増大するため、早期対応の重要性が再認識されます

📌 症状別|治療プロセス早見表

進行度主な症状主な治療法
🟢 初期出血・腫れ・軽い違和感エアフロー、抗菌薬、ブラッシング指導
🟡 中等度膿、口臭、ポケット深部の感染フラップ手術、骨再生療法
🔴 重度動揺、強い痛み、骨の大幅な吸収インプラント除去、再治療準備

この表を元に、自分の状態を理解し、最適な治療計画を立てることが大切です

📝 治療後の再発予防とメンテナンスの重要性

インプラント周囲炎は再発しやすい病気のひとつです。治療後も以下の習慣を継続することが、インプラントの寿命を延ばす鍵となります。

  • 3〜6ヶ月ごとの定期メンテナンス(ポケット検査・クリーニング)
  • 正しいセルフケア(インプラント専用ブラシ・フロスの使用)
  • 禁煙・血糖コントロール・ストレスケアなど全身管理
  • ナイトガードの装着(歯ぎしり・くいしばり対策)

🦷 再治療にならないために、歯科医院との継続的な連携が重要です。

インプラント周囲炎を防ぐ最大のポイントは、日々のセルフケアと定期的なメンテナンスです。インプラントは虫歯にならないからと油断せず、天然歯以上に丁寧なケアが必要です。

🪥 正しいブラッシング・フロス・歯間ブラシの活用法

インプラント周囲は構造上、汚れがたまりやすく、歯周病菌の温床になりやすい部位です。

正しいブラッシング・フロス・歯間ブラシの活用法
正しいブラッシング・フロス・歯間ブラシの活用法
  • 🪥 ブラッシングの基本
    歯とインプラントの境目に毛先を斜め45度で当て、やさしく細かく動かしましょう。
  • 🧵 デンタルフロス・歯間ブラシの使い方
    インプラント周囲には歯間ブラシが効果的です。サイズ選びが重要なので、歯科医院でのアドバイスを受けてください。
  • 力の入れすぎや磨き残しはNG
    インプラントの歯ぐきは繊細なので、強すぎるブラッシングはかえって炎症の原因になります。
  • 電動歯ブラシの活用
電動歯ブラシ ソニッケアー エキスパートクリーン
電動歯ブラシ ソニッケアー エキスパートクリーン

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🦷 インプラント専用ケア用品の選び方

市販の歯ブラシやフロスでは不十分なこともあります。インプラント専用ケアグッズの使用がおすすめです。

  • インプラント専用歯ブラシ(毛が細くてやわらかい)
  • タフトブラシ(ピンポイントで磨ける)
  • スーパーフロス(太くてふわふわ、インプラントブリッジの下にも使える)
  • 洗口剤(低刺激・ノンアルコールタイプ)

🛒 「インプラントケア用」と記載された製品を選び、定期的に交換しましょう。

📅 3~6ヶ月ごとの定期検診とプロフェッショナルクリーニング

セルフケアだけでは落としきれないバイオフィルムや歯石は、専門的なメンテナンスで除去することが不可欠です。

定期的な歯科医院でのメンテナンス
定期的な歯科医院でのメンテナンス
  • 🩺 3~6ヶ月ごとの定期受診
    歯周ポケットの深さ、骨吸収の有無をチェックします。
  • 🧼 エアフローや専用スケーラーによるクリーニング
    インプラント表面にやさしく、かつ確実に汚れを除去。
  • 📊 個別リスクに応じた管理
    喫煙歴や糖尿病の有無、清掃状況に応じて頻度や処置内容を調整します。

🦷 「何も症状がなくても受ける」ことが、インプラント長持ちの秘訣です。

🥗 食生活・禁煙・運動・ストレスケアも大切!

口腔環境は、全身の健康とも深く関係しています

  • 🥦 ビタミンCやカルシウムを含む食事:歯ぐきと骨を丈夫に保つ
  • 🚭 禁煙:血流を改善し、治癒力・免疫力を正常に
  • 🏃‍♂️ 適度な運動:全身の血行を促し、炎症に強い体づくりをサポート
  • 🧘‍♂️ ストレスケア:免疫低下や歯ぎしり予防にもつながります

🧩 日々の小さな積み重ねが、インプラントの健康寿命を大きく左右します。

インプラント治療は見た目・機能ともに優れた選択肢ですが、「誰にでもできる」「一度埋めたら安心」というわけではありません。成功率を高めるためには、治療前の準備がとても重要です。

🧪 術前検査(CT・血液・咬合評価など)

インプラント治療を行う前には、安全に埋入できるかどうかを見極めるための精密検査が行われます。

  • 📸 CT検査・レントゲン
    顎骨の厚み・高さ・神経や血管の位置を3Dで把握し、リスク部位を特定します。
  • 🩸 血液検査
    糖尿病・貧血・感染症・免疫機能など、全身状態を把握するための基礎データ。
  • 🦷 咬合(かみ合わせ)チェック
    歯ぎしり・食いしばり・噛む力の偏りがないかを確認し、インプラントに過剰な負担がかからないようにします。

これらの検査を行うことで、治療の安全性と成功率が大きく向上します

🩺 適応条件とリスク評価(年齢・全身疾患・骨量など)

インプラント治療は万能ではありません。一定の条件を満たしていることが前提となります。

✅ 適応条件

  • 顎の骨量・密度が十分にある
  • 歯周病が治療されており、口腔内が清潔に保たれている
  • 治療や通院に協力できる

⚠️ リスク要因

  • 🚬 喫煙者:治癒力・血流が低下し、失敗リスクが2~3倍
  • 🍬 糖尿病:血糖コントロール不良では感染リスクが高まる
  • 🦴 骨粗しょう症:骨密度が低く、埋入の安定性に影響
  • 😬 歯ぎしり・くいしばり:インプラントに過剰な力が加わり、脱落リスク増加
  • 👴 高齢者:年齢そのものよりも、全身状態の安定が重要

💡 これらは術前評価で適切に把握・コントロールすることが前提です。

💬 カウンセリングで確認すべきチェックリスト

治療前の説明を受ける際には、以下のようなポイントを必ず確認しておきましょう。

確認項目内容
📝 治療の流れ診断→手術→仮歯→完成までのスケジュール
💸 費用と見積もり保険適用外のため、費用は医院によって差がある
⚖️ リスク・合併症骨吸収・感染・腫れ・神経損傷などの可能性
🦷 メンテナンスの必要性一生メンテナンスが必要であることの理解
🤝 インフォームドコンセント納得した上で治療を受けるために必要不可欠

📌 不明点は遠慮なく質問し、納得したうえで治療に進むことが後悔しない第一歩です。

インプラント周囲炎に関して、多くの患者様からいただく質問をQ&A形式でまとめました。治療前・治療中・治療後に感じる不安を解消できる内容です。

❓ インプラント周囲炎は自然に治る?

🅰 自然治癒はほぼ期待できません。むしろ放置すると進行します。

インプラント周囲炎は細菌感染によって発生する炎症で、自己治癒は難しく、時間の経過とともに骨吸収が進む可能性があります。
早期の段階であれば、クリーニングや抗菌薬などの非外科的治療で改善が可能ですが、放置すると手術や再治療が必要になります。

🛑 「痛くないから大丈夫」と思わず、違和感があればすぐに受診を!

❓ 症状が出ていない場合も通院すべき?

🅰 はい。無症状でも定期検診は絶対に必要です。

インプラント周囲炎は、初期段階ではほとんど自覚症状がありません。痛みや腫れが出たときには、すでに中等度以上に進行しているケースも。

  • 定期検診では…
    • 歯周ポケットの測定
    • レントゲンによる骨の確認
    • インプラント周囲の清掃とチェック

🩺 3〜6ヶ月に一度のプロフェッショナルケアを継続することで、早期発見・再発防止につながります。

❓ 歯周病歴がある人はインプラントできない?

🅰 必ずしもできないわけではありませんが、慎重な対応が必要です。

歯周病はインプラント周囲炎と共通の原因菌が関与するため、歯周病の既往歴がある方はリスクが高まります。ただし、以下の条件が整えば治療は可能です。

  • 歯周病が治療され、安定していること
  • 十分な骨量があり、口腔清掃が良好であること
  • 定期的なメンテナンスを継続できること

🔎 歯周病がある=インプラント不可ではなく、管理次第で成功率を保てます。

❓ セルフケアだけで予防できる?

🅰 セルフケアは必須ですが、それだけでは不十分です。

日々のブラッシングやフロスの使用は、インプラント周囲炎予防の第一歩ですが、セルフケアでは除去できないバイオフィルムや歯石が存在します

  • 👩‍⚕️ 歯科医院でのエアフローやポケット内洗浄
  • 🪥 患者自身による適切なブラッシング習慣
  • 📆 定期的なリスク評価と再指導

🧩 セルフケア+プロケアの両輪があってこそ、インプラントを守れます。

📍 江戸川区篠崎でインプラント周囲炎にお悩みなら

「インプラントの周りが腫れている気がする…」
「せっかく治療したのに、最近グラつくような…」

そんな違和感を感じたら、それはインプラント周囲炎の初期サインかもしれません。江戸川区篠崎でインプラント治療や周囲炎に関する診断・再治療をご希望の方は、ぜひ当院にご相談ください。

🏥 当院の診療体制とインプラント実績

当院では、インプラント治療とメンテナンスに精通した歯科医師が在籍し、以下のような体制を整えています。

  • 🦷 再生療法・フラップ手術などの外科対応も実績多数
  • 🧪 感染制御に特化したメンテナンスプログラムを導入
  • 📚 日本口腔インプラント学会所属の歯科医師が在籍し、難症例にも対応

🧠 一度治療したインプラントも、正しい診断と処置で寿命を延ばすことができます

【動画】歯周病の手遅れの症状

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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