犬歯の萌出スペース不足とは?八重歯ができる原因
犬歯の萌出スペース不足
八重歯は犬歯が歯列からはみ出している状態で、専門的には犬歯の低位唇側転位と言います。上顎歯列で八重歯が起こりやすい理由は、上顎犬歯はその奥の小臼歯よりも約1年遅れて生えてくるためで、犬歯の萌出スペースが不足している場合に起こります。つまり、八重歯は犬歯に起こった乱杭歯ということができます。
特に乳歯列の歯並びが良く、歯の隙間が全くない子供によく現れます。
※ 歯と顎の大きさのアンバランスは乳歯列では起こらないので、子供では八重歯を見かけません。
歯の隙間が全くない乳歯列
歯の隙間が全くない上顎乳歯列
歯同士がぴったりと接触しています。永久歯に交換すると八重歯になりそうです。
乳歯列には霊長空隙・発育空隙などの隙間があることが理想です。
歯の隙間が全くない下顎乳歯列
同症例の下顎乳歯列です。乳歯列にかかわらず僅かに乱杭歯になっています。
永久歯の歯並びがかなり不安になる症例です。
八重歯の症例
左上顎の犬歯が八重歯
向かって右側上顎の犬歯が八重歯になっています。八重歯とは正常な歯列から犬歯がはみ出した状態を指していいます。
この症例では向かって左側の側切歯も歯列からはみ出しています。この様に凸凹した歯並びを乱杭歯とも呼んでいます。
同症例の咬合面観
向かって右側の犬歯と左側の側切歯が完全に歯列からはみ出しているのがわかります。
側切歯には歯の間に虫歯が認められます。
このようにガタガタの歯並びでは歯磨きがうまく出来ないため、虫歯が発生しやすくなります。
犬歯の萌出スペース不足が起こる理由
狭窄歯列弓
歯や顎の大きさの不調和が原因です。乳臼歯が虫歯になり、早期に無くなった場合などが主な原因ですが、母乳保育が出来ない、離乳食の与え方、指しゃぶり、アデノイド肥大、口呼吸なども顎骨の健全な成長に影響を与えるため、それらが原因で歯列がVの字型の狭い狭窄歯列弓になるためとも考えられます。
八重歯放置のデメリット:虫歯、歯周病、そして見た目の問題
八重歯を放置すると
右上顎の犬歯が八重歯
向かって左上顎の犬歯が八重歯になっています。上顎の犬歯が八重歯になることで、下顎の歯並びにも影響が出てきます。この症例では向かって左側の第一小臼歯が手前に倒れ込んでしまいました。
同症例の咬合面観
犬歯が八重歯になることで、矢印で示すように大臼歯や小臼歯が手前側に移動してきているのがわかります。
この様に八重歯・乱杭歯を放置すると犬歯だけにとどまらず 、歯並び全体に悪影響が出てくるのがよくわかります。
八重歯のデメリット
欠点
虫歯や歯周病になりやすい
歯並びが凸凹の乱杭状態だと歯磨きは上手く出来ません。特に歯間部に歯垢(プラーク)が残りやすく、その場所から虫歯や歯周病が発生しやすくなります。
矢印の箇所は炎症により出血が認められます。
欠点
唇に刺さって痛い
八重歯は噛み合わせに参加していないため、先端がすり減ることなく、尖ったままの状態を良く見かけます。先端が唇に刺さったり擦れたりして口内炎になり痛みが起こりやすい問題があります。
応急処置として犬歯の先端を少し削り軽く磨いて丸くします。
欠点
ドラキュラの様で見た目が悪い
昭和の頃までは八重歯は綺麗でかわいいと言われた時代もありましたが、欧米の影響から審美的感覚の変化に伴い、八重歯は、むしろ、見た目が悪くかわいくないいと考えられるようになってきています。
八重歯を綺麗な歯並びに治す芸能人も多数見られ、浜辺美波さんなどが良い例です。
可愛い八重歯が欲しい!付け八重歯の魅力と注意点
付け八重歯
八重歯を治したいという要望がある一方、「八重歯が欲しい」「可愛い八重歯にしたい」という要望があるのも事実です。そんな方のために付け八重歯という方法があります。
歯医者で行う方法は型取りを行い、爪の様な形状の付け八重歯を作成し接着剤で取り付ける方法です。ちょうどラミネートベニヤと原理は同じです。ラミネートベニヤは歯の表面を僅かに削りますが、付け八重歯は全く削りません。色や形などオーダーメードで製作出来るので、満足いくものとなるでしょう。
しかし、保険は適用されず費用は1本2万円ほどになります。また、安く済ませたいのであればネット通販で購入することのできますが、自分の歯にぴったり合うわけではないので、直ぐに外れてしまうデメリットがあります。
江戸川区篠崎で放置した八重歯の矯正治療をご検討の方へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、矯正装置の見た目が気になるという方でも、審美性に配慮した目立たないマウスピース矯正装置をご用意しております。患者さま一人ひとりの口腔内状況を拝見した上でご要望をしっかりと聞き、痛みの少ない無理のない治療計画をご提案いたします。江戸川区篠崎にて放置した八重歯の矯正治療をご希望の方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。
【動画】アデノイド顔貌
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。