霊長空隙

霊長空隙とは

霊長空隙
霊長空隙

正常な乳歯列にある霊長空隙

写真は3歳の子供の前歯の隙間です。矢印の部分にできる隙間を霊長空隙と呼んでいます。

しばしば幼児の歯並びにすきっ歯を目にします。

サルや人間など霊長類には、特有の歯並びの隙間があり「霊長空隙」と呼ばれています。

※ 写真で矢印以外の部分の隙間を発育空隙と呼びます。

上顎歯列

乳犬歯と乳側切歯との間。

下顎歯列

乳犬歯と第1乳臼歯との間。

発育空隙

発育空隙とは

上顎乳歯列に発育空隙と霊長空隙
上顎乳歯列に発育空隙と霊長空隙

霊長空隙以外の隙間が発育空隙

写真は6歳の子供の上顎歯列です。発育空隙と霊長空隙が共に認められます。乳歯列の最後方に6歳臼歯も生えています。

乳歯よりもずっと大きい永久歯が6~7歳頃から交換が始まります。しかし、あごが大きく成長したとしても、永久歯がすべて収まるだけのスペースがありません。

そこで乳歯の歯並びには空隙歯列といって歯の間に隙間があるのが正常です。

霊長空隙以外の隙間の部分を「発育空隙」と呼んでいます。従って、赤ちゃんの歯並びは、すきっ歯の方がむしろ好ましいのです。

リーウェイスペース

リーウェイスペースとは

リーウェイスペース
リーウェイスペース

乳歯列の長さAと永久歯列の長さBの差

乳歯列の長さA

乳犬歯幅+第1乳臼歯幅+第2乳臼歯幅

永久歯列の長さB

犬歯幅+第1小臼歯幅+第2小臼歯幅

歯列リーウェイスペース
上顎A-B=1mm ※ A>B
下顎A-B=3mm ※ A>B

上記の永久歯三本の幅の合計Bと同部位の乳歯の三本の幅の合計Aの差(A-B)をリーウェイスペースと言います。

乳歯三本の合計の方が永久歯のそれよりも上顎で約1mm、下顎で約3mm 大きいのです。

この差を使ってうまく永久歯列が整うように先天的に備わった調整機能です。

もし早期に乳臼歯の歯冠部が虫歯で崩壊したり、或いは抜け落ちたりするとこのリーウェイスペースの隙間は、あっという間に消失してしまい、永久歯の歯列不正の原因一つになります。

霊長空隙と発育空隙が無いと永久歯列はガタガタに

霊長空隙と発育空隙が無い子供の前歯
霊長空隙と発育空隙が無い子供の前歯

霊長空隙と発育空隙が不足

写真の歯列は、大人の歯は中切歯二本と6歳臼歯二本です。

霊長空隙と発育空隙がないのでリーウェイスペースの6mm(左右で3X2mm)を使っても大人の歯が収まるスペースが僅かに足りません。

このまま大人の歯に交換していくと必ずガタガタの歯並びになるでしょう。

6歳臼歯の位置は矯正治療をしない限りこの場所に留まるか僅かに手前に移動します。

この様な症例に適した治療法は、歯列全体を横方向に拡大していくことです。乳歯列期にもっとも適した治療法はプレオルソです。

ふかさわ歯科クリニック篠崎ではお子様の現状の歯並びや咬み合わせだけに限らず、健全な成長を見据えた治療や予防に取り組んでおります。患者さまのご要望を大切にし、一人ひとりに合った小児矯正をご提案いたします。成長過程にあるお子様の口腔環境は、刻々と変化しますのでご家庭でのセルフケアをはじめ、歯科医院での定期健診も含め当院をご利用いただければと思います。江戸川区篠崎で負担の少ない子どもの小児矯正をお探しの方はぜひ、当院までお気軽にご相談ください。

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筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

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メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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