目次

受け口は治る?子どもと大人の矯正方法と正しい治療時期

受け口(反対咬合)とは?

受け口と正常な噛み合わせの違い

受け口(反対咬合)とは、本来上の歯が前に出ているべき噛み合わせが逆になり、下の歯が前に出ている状態のことを指します。正常な噛み合わせでは、上の前歯が下の前歯をわずかに覆う形になっていますが、受け口の場合はこの関係が崩れます。

受け口の外見
受け口の外見
受け口の歯並び
受け口の歯並び
正常な噛み合わせの特徴
  • 上の前歯が下の前歯を2mm程度覆っている
  • 奥歯のかみ合わせが適切で、しっかりと噛める
  • 発音や咀嚼に問題がない
受け口の特徴
  • 下の前歯が上の前歯より前に出ている
  • 奥歯のかみ合わせもズレることが多い
  • 噛みづらさや発音障害が生じることがある

受け口としゃくれの違い

「受け口」と「しゃくれ」は似たようなイメージがありますが、実際には異なる概念です。

用語特徴
受け口(反対咬合)下の前歯が上の前歯より前に出ている状態。噛み合わせの問題。
しゃくれ(下顎前突)顎全体が前に突き出ている状態。骨格的な問題が主な原因。

受け口は歯並びの問題として矯正治療で改善できる場合が多いですが、しゃくれ(下顎前突)の場合は、顎の骨格自体が前に突出しているため、矯正治療のみでは改善が難しく、外科手術が必要になるケースもあります。

受け口の割合(日本人における発生率)

受け口は、日本人において5~10%程度の割合で見られる噛み合わせの問題とされています。

  • 欧米人に比べて日本人は 受け口の割合がやや高い 傾向がある。
  • 遺伝的要因が強く、家族に受け口の人がいると発生率が高くなる。
  • 早期治療を受けることで、成長に伴う症状の悪化を防げる可能性がある。

受け口の原因

受け口(反対咬合)の原因は、大きく分けて 遺伝的要因環境的要因 に分けられます。骨格的な問題や歯並びのズレだけでなく、生活習慣や成長過程の影響も大きいです。以下に、主な原因を詳しく解説します。

遺伝による影響

受け口は、遺伝的な影響を強く受ける噛み合わせの問題の一つです。

遺伝による影響
遺伝による影響
  • 親が受け口の場合、子どもも受け口になる可能性が高い
    受け口は骨格的な問題(下顎が発達しやすい遺伝など)に起因することが多く、親子で同じ噛み合わせの特徴を持つケースが見られます。
  • 顎の大きさや形の遺伝
    • 上顎が小さい or 下顎が大きいと受け口になりやすい。
    • 顎の成長バランスが崩れることで反対咬合が引き起こされる。
  • 歯の生え方の遺伝
    • 親子で似た歯並びになりやすい。
    • 生え変わりの時期や歯の形も遺伝の影響を受ける。

対策:
幼少期の歯科検診で顎の成長バランスを確認し、必要に応じて早期矯正を検討する。

子どもの成長と顎の発達

子どもの顎の成長は、受け口の発生や進行に大きく関わります。

  • 成長期の顎の発達
    • 上顎と下顎の成長バランスが崩れると、受け口の状態が悪化することがある。
    • 特に 下顎の過成長 があると、受け口が進行しやすい。
  • 早期治療の重要性
    • 子どもの成長を利用した矯正治療が可能な時期がある。
    • 受け口の傾向がある場合、 5歳~6歳頃の診断・介入が効果的
  • 乳歯から永久歯への生え変わりの影響
    • 乳歯の時点で受け口の場合、そのまま放置すると 永久歯も受け口になりやすい

対策:
成長期の歯科検診を定期的に受け、顎の成長に合わせた矯正治療のタイミングを見極める。

環境要因と生活習慣(離乳食・食生活の影響)

成長期の食生活や習慣も、受け口の発生に関与します。

  • 柔らかい食事が多いと、上顎の成長が不十分になる
    • 柔らかい食べ物ばかり食べていると、 上顎の発達が遅れ、下顎が相対的に前に出やすくなる
  • 噛む回数が少ないと顎のバランスが崩れる
    • 硬い食べ物(根菜類、肉類、ナッツ類など)をしっかり噛むことで、上顎の発達を促す。
  • ストロー飲み・哺乳瓶の長期使用の影響
    • 長期間ストローや哺乳瓶を使い続けると、舌の位置や口の使い方に影響を与え、受け口につながることがある。

対策:

  • 幼少期から 硬めの食べ物 を意識的に取り入れ、よく噛む習慣をつける。
  • 離乳食の段階から、舌や口の筋肉を正しく使う練習をする。

受け口の骨格的要因 vs. 歯並びの問題

受け口には 骨格的な問題歯並びの問題 の2種類があります。また、 骨格的な問題には下顎の過成長と 上顎の劣成長の2種類があります。

下顎が過成長
下顎が過成長
上顎が発育不全
上顎が発育不全
歯の傾きや位置が原因で受け口
歯の傾きや位置が原因で受け口
種類特徴治療方法
骨格的な受け口(骨格性の反対咬合)下顎が過成長している 矯正+外科手術が必要なことが多い
骨格的な受け口(骨格性の反対咬合)上顎が発育不全上顎の成長を促すことで外科手術が必要なことは稀
歯並びによる受け口(歯槽性の反対咬合)歯の傾きや位置が原因で受け口になる矯正治療のみで改善できる
骨格的な受け口(下顎前突)
  • 下顎の骨自体が前に出ている
  • 上顎が劣成長で相対的に反対咬合になる。
  • 遺伝の影響が大きい
  • 重度の場合、矯正治療だけでは治らず、外科手術が必要になることがある。
歯並びによる受け口
  • 前歯の傾きが原因で受け口になっているケース。
  • 軽度の受け口であれば、歯列矯正のみで改善可能
  • 子どものうちに治療すれば、骨格の成長を利用して治療できる

対策:

  • 子どものうちに診断を受け、成長のコントロールができるか確認
  • 成人の場合、骨格的な問題があるなら外科矯正の検討も必要

まとめ

受け口の原因は 遺伝的な要因 だけでなく、 生活習慣や成長過程 による影響も大きいです。特に子どもの成長期においては、食生活や口腔習癖に注意することで、受け口を予防・改善することが可能です。
早期に歯科検診を受け、 骨格的な問題か、歯並びの問題かを正しく診断し、適切な治療を受けることが重要 です。

受け口によるデメリットとリスク

受け口(反対咬合)は、見た目の問題だけでなく、機能的な問題や健康面でのリスクも伴います。放置すると、将来的に顎関節症や歯の摩耗、消化不良などのトラブルにつながる可能性があるため、早めの対策が重要です。

見た目への影響(顔つきの変化・コンプレックス)

受け口は、顔全体のバランスに影響を与え、以下のような見た目の変化を引き起こします。

  • 横顔のEラインが乱れる
    • 美しい横顔の基準である Eライン(鼻先と顎先を結んだライン) から、唇が極端に後退している。
  • 顎が前に出た「しゃくれ顔」になる
    • 特に横顔の輪郭が目立ち、フェイスラインのバランスが崩れる。
  • 口元が突出し、口が閉じにくくなる
    • 口を自然に閉じようとすると、口周りの筋肉に過度な負担がかかる。
  • 老け顔に見えることがある
    • 受け口があると、ほうれい線が深くなり、顔のたるみが目立ちやすい。

また、見た目の問題が 心理的なコンプレックス につながり、自信喪失や対人関係のストレス を感じることも少なくありません。

発音への影響(滑舌の悪化)

受け口の人は、噛み合わせのズレによって 発音が不明瞭になりやすい です。

  • サ行・タ行・ラ行の発音が不明瞭になりやすい
    • 舌の位置が前に出やすいため、特に「サ」「シ」「ス」「セ」「ソ」などの音が発音しづらくなる。
    • 「タ」「ダ」「ラ」行の発音も舌の動きが制限されるため、不明瞭になることがある。
  • 息漏れが生じ、話し方が聞き取りにくくなる
    • 前歯の噛み合わせが逆になることで、適切な発音ができず、言葉が不明瞭になりやすい。
  • 周囲とのコミュニケーションに影響
    • 滑舌の悪さから、人と話すことに苦手意識を持つことがある。
    • 子どもの場合、学校でのスピーチや発表に対して 自信をなくしてしまうことも

咀嚼や消化機能への影響

噛み合わせが逆になることで、食事の際に以下のような問題が発生しやすくなります。

  • 食べ物をうまく噛めない
    • 受け口の人は、前歯で噛み切る動作が難しく、奥歯に過度な負担がかかる。
    • 食事に時間がかかる、または噛む回数が少なくなる。
  • 消化不良を引き起こす
    • 咀嚼が不十分だと、胃腸に負担がかかり、消化不良や胃もたれを引き起こしやすい。
    • 栄養の吸収効率が下がり、健康面にも悪影響を及ぼすことがある。
  • 歯の摩耗による食事の制限
    • 歯の摩耗が進むと、硬い食べ物が食べづらくなる。

特に子どもの場合、受け口による咀嚼の問題は、顎の発達や健康に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

受け口を放置すると起こるリスク(顎関節症・歯の摩耗・老後のトラブル)

受け口を治療せずに放置すると、年齢とともに以下のようなトラブルが起こるリスクがあります。

  • 顎関節症の発症リスクが高まる
    • 噛み合わせがズレているため、長年の負担が顎関節に蓄積し、顎関節症(顎の痛み、口の開閉障害、頭痛など) が発生する可能性が高い。
  • 歯の摩耗や破損
    • 受け口の状態では、特定の歯に負担が集中し、歯の摩耗が進行しやすい
    • 50代以降に入ると、歯がすり減って噛みづらくなり、義歯やインプラントが必要になることも
  • 老後の健康リスク
    • 咀嚼能力が低下すると、認知症リスクが上がる ことが指摘されている。
    • 噛み合わせの不具合が原因で、誤嚥(ごえん)や肺炎リスク も高まる。

まとめ

受け口は、見た目だけでなく、噛み合わせ・発音・健康面においてさまざまなデメリットやリスクを伴う ため、放置せず早めに治療を検討することが重要です。特に、子どものうちに適切な矯正治療を受けることで、将来的なトラブルを予防できます
大人の場合でも、矯正治療や外科手術によって改善が可能なため、歯科医に相談することをおすすめします。

受け口(反対咬合)の治療には 矯正治療外科手術 の選択肢があります。子どもの場合は、成長を利用した早期治療が有効ですが、大人の場合は矯正だけでなく手術が必要になることもあります。また、「自力で治す」方法が気になる人も多いですが、基本的に歯科医の指導のもとでの治療が推奨されます。

受け口の治療方法
受け口の治療方法

矯正治療の選択肢

受け口の矯正治療には、ワイヤー矯正・マウスピース矯正・セラミック矯正 などがあります。それぞれの特徴を解説します。

ワイヤー矯正(ブラケット矯正)

  • 特徴:
    • 歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーの力で歯を動かす矯正方法。
    • 軽度〜重度の受け口にも対応可能。
    • 確実な歯の移動が可能で、細かい調整がしやすい
  • メリット:
    • あらゆる受け口の症例に適応可能
    • 効果が高く、確実に歯並びを整えられる。
  • デメリット:
    • 見た目が気になる(金属のブラケットが目立つ)。
    • 食事や歯磨きがしにくい。

マウスピース矯正(インビザライン)

  • 特徴:
    • 透明なマウスピースを使用して歯を少しずつ動かす矯正方法。
    • 軽度〜中等度の受け口に適応。
  • メリット:
    • 見た目が目立ちにくい
    • 取り外しが可能で、食事や歯磨きがしやすい。
  • デメリット:
    • 重度の受け口には適さない(顎のズレが大きい場合は対応できない)。
    • 装着時間(1日20時間以上)を守らないと効果が出にくい。

セラミック矯正(審美的アプローチ)

  • 特徴:
    • 歯を削り、セラミックの被せ物(クラウン)を装着して歯並びを整える。
    • 歯並びを即座に改善できるが、根本的な矯正ではない。
  • メリット:
    • 短期間で見た目を改善できる(数週間〜数カ月)。
  • デメリット:
    • 健康な歯を削る必要がある
    • 噛み合わせの根本的な改善にはならず、長期的なリスクがある。

外科手術が必要なケース

骨格的な問題が強い場合、矯正治療だけでは治せず、外科矯正(手術)が必要になることがあります

外科矯正(顎変形症手術)

  • 手術内容:
    • 上顎または下顎の骨を切って再配置する手術
    • 手術前後で 矯正治療と併用 するケースが多い。
  • 適応条件:
    • 下顎が極端に前に出ている(顎変形症)。
    • 矯正だけでは受け口が治らない場合。

手術が必要な基準

  • 顎のズレが10mm以上 ある場合。
  • 咀嚼や発音に大きな支障がある場合。
  • 保険適用の可能性あり(顎変形症と診断された場合)。

子どもの受け口矯正

子どもの受け口矯正は、成長を利用して顎のバランスを整えることができるため、早期治療が特に効果的 です。矯正方法は受け口の原因(骨格的な問題か、歯並びの問題か) によって異なります。

子どもの受け口矯正
子どもの受け口矯正

子どもの受け口矯正の主な治療法

治療法対象年齢適応範囲治療期間
ムーシールド3〜12歳軽度の受け口(歯の傾き)6カ月〜1年
プレオルソ(マウスピース型矯正)4〜12歳軽度〜中程度の受け口(歯の傾き、筋機能の問題)1〜2年
チンキャップ(下顎抑制装置)女子では9歳~15歳、男子では9歳~18歳頃骨格的な受け口(下顎の過成長)2年以上
フェイシャルマスク(上顎前方牽引装置)7~12歳骨格的な受け口(上顎の発育不全)6か月から2年程度
ワイヤー矯正(小児矯正)6歳〜12歳中程度の歯並びの問題2〜3年

1. ムーシールド

特徴

  • 夜間のみ装着するマウスピース型の装置。
  • 舌の位置を正しく誘導し、自然な上顎の成長を促す
  • 軽度の受け口なら手術や本格矯正をせずに治せる可能性がある。

メリット

✅ 取り外しができる
✅ 5〜6歳ごろまでの治療で高い効果が期待できる
✅ 比較的低コスト(5~15万円)

デメリット

⚠️ 効果が出るまで時間がかかる(6カ月〜1年)
⚠️ 本人の協力が必要(装着時間を守ることが重要)

2. プレオルソ(マウスピース型矯正)

特徴

  • 日中1時間+就寝時に装着するソフトなマウスピース矯正
  • 受け口だけでなく、口呼吸や発音障害などの改善も期待できる。

メリット

✅ 痛みが少なく、子どもが受け入れやすい
✅ 舌の正しい使い方を学びながら歯並びを整える
✅ 比較的短期間で効果が期待できる(1〜2年)

デメリット

⚠️ 歯並びの問題には有効だが、骨格的な受け口には適さない
⚠️ 本人がしっかり装着しないと効果が出にくい

費用相場

  • 10〜20万円(医院によって異なる)

3. チンキャップ(下顎抑制装置)

特徴

  • 下顎の成長を抑えるための装置 で、頭の後ろに固定し、顎にベルトをかけて使用する。
  • 下顎の過成長が原因の受け口に効果的
  • 1日10時間以上の装着が必要(主に就寝時)。

メリット

手術を回避できる可能性がある
成長期のうちに骨格的な受け口を改善できる
✅ 他の矯正治療と併用することで、より効果的な治療が可能

デメリット

⚠️ 長期間の装着が必要(2年以上)
⚠️ 見た目が気になるため、子どもが嫌がることがある
⚠️ 骨格的な問題が大きい場合、外科手術が必要になることもある

費用相場

  • 10〜30万円(矯正治療との併用で費用が変動)

4. フェイシャルマスク(上顎前方牽引装置)

特徴

  • 上顎の成長を促進し、下顎の成長をコントロールする装置
  • 主に 上顎の発育不全による受け口 に適用される。
  • 1日10時間以上の装着が推奨される(主に就寝時)

メリット

上顎の発育不全を根本的に改善できる
成長期に使用することで、外科矯正を回避できる可能性がある
他の矯正治療(ワイヤー矯正など)と組み合わせることで相乗効果が期待できる

デメリット

⚠️ 見た目が気になるため、本人のモチベーションが必要
⚠️ 長期間(2年以上)の装着が求められる
⚠️ 効果が出るかどうかは成長の個人差による

費用相場

  • 15〜40万円(医院によって異なる)

5. ワイヤー矯正(小児矯正)

特徴

  • 乳歯と永久歯が混在する**混合歯列期(6歳〜12歳)**に行う矯正治療。
  • 歯の傾きを調整しながら、噛み合わせを改善する

メリット

✅ 受け口の状態をしっかりコントロールできる
✅ 将来の本格矯正の負担を軽減できる

デメリット

⚠️ 治療期間が長い(2〜3年)
⚠️ ワイヤー装置の違和感がある

子どもの受け口矯正の費用まとめ

治療法費用相場適応範囲適用年齢
ムーシールド5〜15万円軽度の歯並びの問題3〜12歳
プレオルソ10〜20万円軽度〜中程度の受け口4〜12歳
チンキャップ10〜30万円下顎の過成長を抑制女子では9歳~15歳、男子では9歳~18歳頃
フェイシャルマスク15〜40万円上顎の発育不全7~12歳
ワイヤー矯正50〜100万円歯のズレが大きい場合6〜12歳

まとめ

子どもの受け口矯正は、5〜6歳までに開始するのが理想
軽度ならマウスピース(ムーシールド・プレオルソ)、骨格的な問題ならチンキャップやフェイシャルマスクが有効
本格的な矯正が必要な場合は、ワイヤー矯正を検討する
治療費は5万円〜100万円と幅があり、適した方法を選ぶことが大切

受け口は早めの治療がカギ!専門医に相談し、最適な方法を選びましょう。

大人の受け口矯正

大人の場合、顎の成長が完了しているため、矯正治療だけで治るケースと、外科手術が必要なケースに分かれる

成人矯正の難しさ

  • 顎の骨が成長しきっているため、子どもより治療期間が長くなる。
  • 重度の受け口は 外科矯正が必要になる可能性が高い

治療期間と費用の相場

治療法治療期間費用の目安
ワイヤー矯正2〜3年70〜120万円
マウスピース矯正1.5〜3年80〜120万円
外科矯正1〜2年(手術含む)保険適用なら30〜40万円、自費なら150万円以上

どの治療が適しているか?

  • 軽度の受け口マウスピース矯正 or ワイヤー矯正
  • 中等度の受け口ワイヤー矯正(必要に応じて部分的な外科矯正)
  • 重度の受け口(骨格的問題)外科矯正(手術+矯正)

矯正治療は単体の装置だけで終わることもありますが、複数の装置を併用して進めることが多いです。当院では術前の検査・診断結果をもとに、総額を提示いたします。また、追加の費用はかかりません。

詳細は下記リンクから確認できます。

自力での矯正は可能か?

「受け口を自力で治したい」という声もありますが、基本的には専門的な治療が必要 です。

自然に治るケース

  • 乳歯の時期(3〜5歳) に見られる軽度の受け口は、成長とともに自然に改善することもある。
  • ただし、自然に治るかどうかは個人差が大きく、歯科医の診断を受けることが重要

自力矯正のリスクと注意点

  • インターネット上で紹介される「受け口を自力で治す方法」は、 医学的根拠がない
  • 無理な力をかけると、歯並びがさらに悪化する危険性がある
  • 受け口の状態が進行すると、矯正だけでは治らなくなり、手術が必要になるリスクが高まる

まとめ

受け口の治療方法は、軽度のケースなら矯正治療で改善可能ですが、重度の場合は外科手術が必要になることもあります
特に 子どもの場合は早期治療が重要 であり、5歳頃から矯正を始めることで、将来的な手術を避けられる可能性が高くなります。
大人の受け口矯正も可能ですが、治療期間や費用を考慮し、最適な方法を選ぶことが重要です。

保険適用の有無

受け口の矯正治療は、基本的には自費診療 ですが、骨格的な問題がある場合は保険適用の可能性があります

保険適用になるケース

  • 顎変形症と診断された場合
    • 外科手術(顎の骨を切る手術)が必要と判断された場合、矯正+手術が保険適用 になる。
    • 費用は 30〜40万円程度(3割負担の場合) で済む。
  • 唇顎口蓋裂などの先天性疾患がある場合
    • 受け口が 先天的な疾患に起因する場合、健康保険が適用される。
  • 特定の大学病院や指定医療機関での治療
    • 保険適用の矯正治療は、厚生労働省が指定した医療機関 で受ける必要がある。

矯正後の後戻りを防ぐ方法

矯正治療を受けた後、歯が元の位置に戻ってしまう(後戻り)リスク があります。そのため、リテーナー(保定装置)の使用が必須 です。

後戻りを防ぐための対策

  1. リテーナー(保定装置)の装着
    • 矯正終了後、最低1〜2年間は装着が必要
    • 固定式と取り外し式のリテーナーがある。
  2. 舌のトレーニング(MFT)
    • 舌の正しい位置を保つことで、歯並びの安定を促す。
  3. 噛み合わせのチェック
    • 定期的に歯科医院で噛み合わせを確認し、必要に応じて微調整を行う。

受け口(反対咬合)について、患者さんからよく寄せられる質問をまとめました。矯正の適切なタイミングや治療の影響について知り、適切な選択をするための参考にしてください。

自然に治るケース

  • 乳歯列期(3~5歳) の軽度の受け口は、顎の成長とともに自然に改善する可能性がある
  • 特に、上顎の成長が遅れているだけの場合、経過観察することで自然に治ることもある

自然に治らないケース

  • 永久歯に生え変わる時期(6歳以降)になっても受け口が続いている場合は、自然治癒が難しい
  • 遺伝的な骨格の影響が強い場合、自然に治ることはほぼない

結論

  • 3〜5歳の間は経過観察も可能だが、6歳を超えても受け口が続く場合は矯正を検討すべき

子どもが受け口の場合、何歳までに矯正するべきか?

  • 理想的な矯正開始時期は、5〜6歳ごろ
  • 早期に治療を始めることで、顎の成長を利用して骨格的な改善が可能
  • 8歳以降になると、顎の成長コントロールが難しくなり、より本格的な矯正が必要になる

年齢別の治療の特徴

年齢治療方法期待できる効果
3~5歳経過観察・ムーシールド舌の位置を正しくし、成長を促す
5~7歳小児矯正(上顎の成長を促進)骨格の改善が可能
8歳~10歳ワイヤー矯正歯の位置を調整
10歳以上本格矯正 or 外科矯正顎の成長が進んでいるため、矯正のみでの改善が難しくなる

大人になってからでも治療できる?

治療可能だが、選択肢が変わる

  • 大人でも矯正治療は可能だが、顎の成長が止まっているため、子どもより治療期間が長くなる
  • 軽度〜中程度なら矯正治療のみで対応可能
  • 重度の場合、外科矯正(手術+矯正)が必要になることもある

大人の矯正で注意すべきポイント

  • 矯正期間が長くなる(2〜3年以上)。
  • 仕事や日常生活に影響が出る可能性がある(食事や発音への影響)。
  • 外科矯正が必要な場合、手術後のダウンタイムが発生する

結論

大人でも矯正は可能だが、子どもより時間と費用がかかるため、早めの治療が望ましい

理想的な矯正開始時期は、5〜6歳ごろ

早期に治療を始めることで、顎の成長を利用して骨格的な改善が可能

8歳以降になると、顎の成長コントロールが難しくなり、より本格的な矯正が必要になる

年齢別の治療の特徴

年齢治療方法期待できる効果
3~5歳経過観察・ムーシールド舌の位置を正しくし、成長を促す
5~7歳小児矯正(上顎の成長を促進)骨格の改善が可能
8歳~10歳ワイヤー矯正歯の位置を調整
10歳以上本格矯正 or 外科矯正顎の成長が進んでいるため、矯正のみでの改善が難しくなる

、効果が十分に得られないため、できるだけ長く装着することが重要です。


治療可能だが、選択肢が変わる

  • 大人でも矯正治療は可能だが、顎の成長が止まっているため、子どもより治療期間が長くなる
  • 軽度〜中程度なら矯正治療のみで対応可能
  • 重度の場合、外科矯正(手術+矯正)が必要になることもある

大人の矯正で注意すべきポイント

  • 矯正期間が長くなる(2〜3年以上)。
  • 仕事や日常生活に影響が出る可能性がある(食事や発音への影響)。
  • 外科矯正が必要な場合、手術後のダウンタイムが発生する

結論

大人でも矯正は可能だが、子どもより時間と費用がかかるため、早めの治療が望ましい

受け口矯正を行うと、以下のような変化が期待できます。

顔つきの変化

  • 横顔のEラインが整う(下顎の突出が改善される)。
  • フェイスラインがスッキリする(受け口が改善されることで、しゃくれた印象がなくなる)。
  • 口元の突出が解消され、自然な口の形になる

外科矯正の場合の変化

  • 骨格レベルでの調整が行われるため、より大きな顔の変化が見られる
  • 下顎の位置が後退し、バランスの取れたフェイスラインになる

結論

矯正治療のみでも顔つきは変わるが、骨格的な受け口の場合、手術を併用することで大きな変化が得られるーターの治療実績があるか」を確認するとよいでしょう。

受け口治療におすすめの歯科医院の選び方

受け口治療を成功させるためには、適切な歯科医院を選ぶことが重要です。

選ぶポイント

矯正治療の専門医がいるか?
矯正専門の歯科医が在籍しているクリニックを選ぶことで、確実な治療が受けられる。

治療実績が豊富か?
症例数が多く、ビフォーアフターの実績が確認できる医院がおすすめ。

設備が整っているか?
デジタル診断ができる医院では、より精密な治療計画が立てられる。

カウンセリングが充実しているか?
事前にしっかり相談できる医院を選ぶと、納得のいく治療が受けられる。

通いやすい立地か?
矯正治療は長期間にわたるため、定期的に通いやすい場所を選ぶのがポイント。


受け口が気になる場合は、早めに専門の歯科医院で相談し、自分に合った治療方法を見つけましょう!

受け口(反対咬合)は、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや健康面にもさまざまなリスク を伴います。放置すると、顎関節症・歯の摩耗・発音障害・消化機能の低下 などが発生する可能性があるため、早めの治療が推奨されます。

受け口は見た目だけでなく、健康面でもリスクがある

  • 顔つきの変化(Eラインの乱れ・しゃくれ顔)
  • 噛み合わせの悪化による歯や顎関節への負担
  • 発音障害(サ行・タ行の滑舌の悪化)
  • 咀嚼不良による胃腸への負担・消化不良のリスク
  • 放置すると、老後に歯の摩耗や顎関節症を引き起こす可能性

見た目だけでなく、健康リスクがあることを理解し、早期治療を検討することが重要 です。

矯正治療の選択肢を理解し、早めの対応が重要

受け口の治療方法には、症状の重さに応じた選択肢 があります。

受け口の重さ治療方法治療期間
軽度(前歯の傾きが原因)マウスピース矯正(インビザライン)1~2年
中程度(顎のズレが軽度)ワイヤー矯正(ブラケット矯正)2~3年
重度(骨格的な問題が大きい)外科矯正(手術+矯正)2~3年以上

治療の難易度が上がると、費用や期間が増えるため、早めの対応が重要 です。

子どもは5歳までの治療が理想、大人でも矯正可能

子どもの場合

  • 5~6歳ごろまでにムーシールドや小児矯正 を開始すると、顎の成長をコントロールできる。
  • 8歳を超えると、より本格的な矯正が必要になる

大人の場合

  • 骨の成長が完了しているため、子どもよりも治療期間が長くなる
  • 軽度~中程度ならワイヤー矯正、重度なら外科手術+矯正が必要

費用や期間を考慮し、自分に合った方法を選ぼう

受け口矯正には 治療期間と費用 の負担があるため、事前に確認しておくことが大切です。

矯正治療の費用目安

治療法費用相場保険適用
ムーシールド(子ども)5~15万円×
小児矯正(第一段階)30~60万円×
ワイヤー矯正(表側)70~120万円×
マウスピース矯正80~120万円×
外科矯正(手術+矯正)30~40万円(保険適用時)

保険適用の可能性があるケース

  • 顎変形症と診断された場合(手術を伴う矯正)
  • 唇顎口蓋裂などの先天性疾患がある場合

まとめ

受け口は見た目だけでなく、噛み合わせや健康にも影響を与える
治療方法を理解し、症状に応じた最適な矯正方法を選ぶことが大切
子どもは5~6歳までの治療が理想的だが、大人でも矯正は可能
費用や治療期間を考慮し、適切な歯科医院を選ぶことが重要

受け口の治療を始めることで、見た目の改善だけでなく、噛み合わせや健康リスクの軽減も期待できます。まずは歯科医院で相談し、自分に最適な治療プランを見つけましょう!

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患者様に寄り添い、最適な治療プランをご提案いたします。

【動画】アデノイド顔貌

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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