乳歯が抜ける時期と順番は個人差が強い

  • 子供の乳歯が抜ける時期と順番は個人差が極めて大きいのが特徴です。
  • また、男女差でも違いがあります。
  • 個人差は前歯(乳切歯)で約4年、犬歯(乳犬歯)で約8年、第二小臼歯(第二乳臼歯)で10年程と大きな幅があります。
目次

初めてお子さんを持ったお母さんにとってちゃんと乳歯が抜け、永久歯が生えてくるかどうか心配になるものです。下記に標準的な乳歯の抜ける時期や順番を記載しましたので参考にしてください。

【動画】乳歯が抜ける順番と時期

乳歯とは?役割と特徴

乳歯の重要性

乳歯は子どもの口の中で最初に生えてくる歯であり、一時的なものと思われがちですが、実は非常に重要な役割を果たします。

乳歯列
乳歯列
  • 咀嚼機能:食べ物をしっかり噛むことで、消化を助ける。
  • 発音の補助:乳歯が正しく並んでいることで、発音がスムーズになる。
  • 永久歯の誘導:乳歯が正しい位置にあることで、永久歯が正常に生えるスペースを確保できる。
  • 顎の発達:噛むことで顎の成長を促し、顔のバランスを整える。

乳歯の本数と配置

乳歯は全部で20本あり、上下10本ずつ生えます。
歯の種類と本数は以下の通り:

  • 前歯(中切歯・側切歯):上下4本ずつ(計8本)
  • 犬歯:上下2本ずつ(計4本)
  • 臼歯(第一乳臼歯・第二乳臼歯):上下4本ずつ(計8本)

通常、乳歯は生後6か月頃から生え始め、3歳頃までにすべて生えそろいます。

永久歯との違い

乳歯と永久歯には以下のような違いがあります:

項目乳歯永久歯
本数20本32本(親知らず含む)
白く透明感がある黄色がかった白
大きさ小さい大きい
エナメル質薄く柔らかい厚く硬い
虫歯リスク高い(エナメル質が薄い)低め(厚く強い)

乳歯が抜けるメカニズム

乳歯が抜ける理由

乳歯は永久歯が生えてくる際に、自然に抜ける仕組みになっています。
主な理由は以下の通り:

  1. 永久歯の形成:乳歯の下にある永久歯が成長することで、乳歯の根が吸収される。
  2. 歯根吸収(リモデリング):乳歯の根が溶けて短くなることで、乳歯がグラグラしてくる。
  3. 咀嚼の影響:食事などで歯に力が加わることで、乳歯が抜けやすくなる。

永久歯が生えてくる仕組み

乳歯が抜けると、その下にある永久歯が徐々に移動し、歯ぐきを押し上げて生えてきます。
通常は乳歯が抜けた後、数週間~数か月以内に永久歯が生え始めますが、個人差があります。

矢印は永久歯胚
矢印は永久歯胚

乳歯が抜けるときの身体の変化

乳歯が抜けるとき、以下のような変化が見られることがあります:

  • 歯ぐきの腫れやかゆみ:永久歯が生えてくる際に、歯ぐきに圧がかかることで起こる。
  • 一時的な痛み:乳歯が完全に抜ける前にグラグラすることで痛みを感じることがある。
  • 出血:乳歯が抜けた際に軽い出血があるが、通常はすぐに止まる。

乳歯が抜ける順番と目安時期

乳歯列の歯式
乳歯列の歯式

乳歯列の歯式

上段は上顎、下段は下顎。多くの場合、乳歯が抜けると同時に永久歯が生えてきます。

※上下第1大臼歯の生える場所にはもともと乳歯はありません。

乳歯が抜ける一般的な年齢

乳歯が抜け始めるのは5~7歳頃で、すべての乳歯が抜けるのは12歳頃までが一般的です。

一番最初に乳歯が抜けて、永久歯に交換するのは乳中切歯は、早い子供で5歳、遅い子供になると10歳頃になり個人差が約4年間の開きがあります。最も個人差の大きい上顎の第二乳臼歯が第二小臼歯に変わる場合では、早い子供で7歳頃、遅い子供になると17歳頃になる場合もあり、平均すると11歳頃です。

この様に乳歯の生え変わりの時期や順番は個人差が大きく、 下記に示す早見表はあくまでも平均的な抜け変わりの時期を示したもので、順番も個人差が大きく、あくまでも目安ととらえてください。

抜ける順番(前歯から奥歯へ)

乳歯は基本的に前歯から奥歯へ向かって抜けていきます。

抜ける順番乳歯の種類年齢の目安
下顎の乳中切歯 (A)6~7歳
上顎の乳中切歯 (A)6~8歳
下顎の乳側切歯 (B)7~8歳
上顎の乳側切歯 (B)8~9歳
下顎の乳犬歯  (C)9~10歳
上顎の第1乳臼歯(D)10~11歳
下顎の第1乳臼歯(D)10~12歳
上顎の第2乳臼歯(E)10~12歳
上顎の乳犬歯 (C)11~12歳
下顎の第2乳臼歯(E)11~12歳

抜ける順番には個人差がありますが、前歯(中切歯・側切歯)→奥歯(第一乳臼歯・第二乳臼歯)→犬歯の順に抜けるのが一般的です。

男の子と女の子での違い

  • 女の子の方が早く抜ける傾向にある(成長の差)
  • 個人差が大きいため、多少の違いは問題ない
  • ただし、明らかに遅れている場合は歯科相談が必要

まとめ

  • 乳歯は全部で20本あり、永久歯の土台となる重要な役割を果たす
  • 乳歯が抜けるのは5~7歳頃から始まり、12歳頃までに完了する
  • 前歯から奥歯へ順番に抜けるのが一般的
  • 乳歯が抜けるときは、歯ぐきの腫れや一時的な痛みがあることも
  • 抜ける順番や時期に不安がある場合は、小児歯科で相談を

乳歯の抜ける時期には個人差がありますが、早すぎる、または遅すぎる場合には注意が必要です。特に、歯並びや咬み合わせの影響、永久歯の生え方に問題が生じる可能性があるため、適切なタイミングで小児歯科を受診しましょう。

乳歯が抜けるのが早すぎる場合

通常、乳歯は5~7歳頃から自然に抜け始めますが、4歳以下で抜けてしまう場合には、何らかの問題がある可能性があります。

乳歯が4歳以下で抜ける原因

  1. 外傷(ケガ)
    • 転倒や衝突で歯に強い衝撃を受けると、歯が抜けたりグラグラすることがある。
    • 根が残っている場合、永久歯の生え方に影響を与える可能性がある。
  2. 虫歯や歯周病
    • 乳歯のエナメル質は永久歯よりも薄く、虫歯が進行しやすい。
    • 重度の虫歯になると歯がもろくなり、自然に抜けることもある。
  3. 低ホスファターゼ症
    • 乳歯の根が正常に形成されず、早期に抜けてしまう遺伝性疾患。
    • 原因不明で乳歯が早く抜けた場合、小児歯科や専門医に相談を。

早く抜けた場合のリスク(歯並び・咬み合わせへの影響)

  • 永久歯が正しく生えない
    → 乳歯が早く抜けると、その隙間に隣の歯が倒れ込んでしまい、永久歯のスペースが足りなくなる。
  • 噛み合わせのズレ
    → 奥歯がずれたり、顎の発育に悪影響を与えることがある。
  • 発音や食事への影響
    → 前歯が早く抜けると「サ行」「タ行」の発音が不明瞭になったり、食べにくさを感じることも。

小児歯科への相談のタイミング

  • 4歳以下で乳歯が抜けた場合
  • 歯の隙間が広がりすぎている場合
  • 隣の歯が傾いてきた場合
  • 永久歯が生えてこない場合

早めに受診することで、必要に応じて**スペースメンテナー(隙間保持装置)**などの処置を受けることができます。

乳歯が抜けるのが遅すぎる場合

一方で、乳歯がなかなか抜けない場合も注意が必要です。通常、12歳頃までにはすべての乳歯が抜けるのが一般的ですが、それを過ぎても抜けない場合は以下の原因が考えられます。

乳歯が抜けない原因(埋伏歯・癒合歯・過剰歯)

  1. 埋伏歯(永久歯が歯ぐきの中に埋まっている)
    • 永久歯が正常な位置に生えず、歯ぐきの中に埋まったままになるケース。
    • レントゲン撮影で確認し、必要なら外科的に歯茎を開き、矯正で永久歯を引っ張り出す処置を行う。
  2. 癒合歯(2本の歯がくっついている)
    • 乳歯が2本融合していると、通常よりも抜けにくくなることがある。
    • 無理に抜かず、専門医の診断を受けることが重要。
  3. 過剰歯(本来生えるはずのない余分な歯がある)
    • 乳歯や永久歯の間に余分な歯(過剰歯)が生えていると、正常な歯の生え変わりが遅れる。
    • 必要に応じて抜歯することも。

乳歯の根っこが残っている場合

  • 乳歯の根が完全に吸収されないまま残ることがあり、それが永久歯の生え変わりを妨げることがある。
  • 根が残っている場合は、歯科で抜歯が必要なケースも。

乳歯が抜けないまま中学生・高校生になったら?

  • 乳歯が残ったままの場合、永久歯が生えないこともある。
  • 歯並びや噛み合わせに悪影響を与えるため、矯正治療が必要になることも。
  • 歯科矯正のタイミングとしては、12~15歳頃が適切。

乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきた場合

本来、乳歯が抜けた後に永久歯が生えてくるのが正常な生え変わりの流れですが、乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきてしまうことがあります。この状態を「二枚歯(シャークティース)」と呼びます。

二枚歯(シャークティース)
二枚歯(シャークティース)

「二枚歯」になる原因

  1. 永久歯が通常よりも奥側に生える
    • 本来、乳歯の根が溶けることで抜けるが、永久歯が奥の方で生えてしまうと、乳歯が残ることがある。
  2. 乳歯の根の吸収が遅い
    • 乳歯の根が通常よりも丈夫な場合、吸収が進まずに永久歯が横から生えてきてしまう。
  3. 顎の成長不足
    • 顎の成長が不十分で、永久歯の生えるスペースが足りずに異常な位置に生えてしまう。

放置した場合のリスク(歯並びの乱れ)

  • 永久歯の位置がずれ、歯並びや咬み合わせに影響を与える
  • 乳歯と永久歯が重なっていると、食べ物が詰まりやすくなり、虫歯のリスクが高まる
  • 放置しすぎると、歯科矯正が必要になる可能性がある

適切な処置方法

  • グラグラしている乳歯は自然に抜けるのを待つ
    → ただし、抜ける気配がない場合は歯科受診を。
  • 歯科での抜歯が必要な場合
    → 乳歯が強固に残っている場合は、抜歯を検討。
  • 矯正治療が必要な場合
    → 歯並びが大きく乱れる場合は、小児矯正を考える。

まとめ

  • 乳歯が早く抜ける場合は、歯並びや咬み合わせに影響するため要注意!
  • 乳歯が抜けない場合、永久歯が正常に生えない可能性があるため歯科でチェックを。
  • 二枚歯になった場合、放置すると歯並びに悪影響を与えることも。
  • 異常がある場合は、小児歯科で適切な診断を受けよう!

乳歯は自然に抜けることがほとんどですが、なかなか抜けない、折れてしまう、抜けた後に痛みがあるなどのトラブルが起こることもあります。ここでは、それぞれのケースの対処法を詳しく解説します。

乳歯がグラグラしているけど抜けない

抜けるまでの期間の目安

  • 乳歯がグラグラし始めてから抜けるまでの期間は、通常数週間~数か月です。
  • グラグラしていても、根が完全に溶けていないと抜けにくいことがあります。
  • 前歯は比較的早く抜けるが、奥歯(臼歯)は長くかかる傾向があります。

無理に抜くべきか?

  • 基本的に、無理に抜く必要はない
  • ただし、以下の場合は抜くことを検討してもよい:
    • 食事の邪魔になっている場合
    • 違和感が強く、子どもが気にしている場合
    • 乳歯のせいで永久歯の生え方に影響が出そうな場合

正しい抜き方

  1. ガーゼや清潔なティッシュを使う(手で直接触らない)
  2. ゆっくり左右に揺らす(前後に強く動かすのはNG)
  3. 無理に引っ張らず、自然に取れるタイミングを待つ

歯医者に行くべきタイミング

  • グラグラしてから半年以上経っても抜けない
  • 乳歯が抜けずに、永久歯が横から生えてきてしまった(いわゆる二枚歯)
  • 痛みや腫れを伴っている
  • 乳歯が途中で折れたり、変色している

このような場合は、歯科医院で抜歯を検討するのがよいでしょう。

乳歯が折れてしまった・途中で抜けた

自然に抜ける場合との違い

  • 自然に抜ける場合
    • 乳歯の根が完全に溶けている
    • 抜けた部分に痛みが少ない
    • 出血はすぐに止まる
  • 途中で折れたり、抜けた場合
    • 根が一部残る可能性がある
    • 歯ぐきが腫れたり痛みが出ることがある
    • 永久歯の生え方に影響する場合も

抜けた部分をどうケアするか?

出血がある場合

  • ガーゼや清潔なティッシュを軽く噛んで、圧迫止血(5~10分ほど)
  • うがいはしすぎない(血が固まるのを妨げるため)

食事の注意点

  • 刺激の少ない食べ物を選ぶ(柔らかいもの、ぬるめのスープなど)
  • 炭酸や辛いもの、熱すぎる食べ物は避ける

感染予防のために

  • 歯磨きは優しく行う(傷口を刺激しないように注意)
  • 抜けた部分を指で触らない
  • 腫れや痛みが続く場合はすぐに歯科医院へ

すぐ歯医者に行くべきケース

  • 乳歯の根が途中で折れて、歯ぐきの中に残っている可能性がある
  • 抜けた後に出血が長く続く(30分以上)
  • 痛みや腫れが強い
  • 永久歯が見えないまま、乳歯が抜けてしまった
  • ケガで歯が折れた場合(ぶつけた衝撃で神経が傷ついている可能性がある)

特に、歯の一部が残ってしまっている場合は、歯科医院で適切な処置が必要です。

乳歯が抜けた後のケア

正しい歯磨きの方法

乳歯が抜けた後は、歯ぐきがデリケートな状態なので、優しくケアすることが大切です。

歯磨きのポイント

  • 抜けた部分を避けて優しく磨く
  • 強くこすらず、軟らかい歯ブラシを使う
  • うがいは軽く1回だけ(過度なうがいはNG)
  • 食後は水で口をゆすぐ習慣をつける

フッ素入り歯磨き粉を使用

  • 永久歯が生え始める時期なので、フッ素入り歯磨き粉を使うと虫歯予防に効果的。

抜けた歯を保存する方法(乳歯ケースの活用)

子どもの乳歯を記念に保存する家庭も増えています。

乳歯を保存する方法

  1. 抜けた歯を水で軽く洗う
  2. しっかり乾かす(湿ったままだとカビや変色の原因になる)
  3. 乳歯ケースや小箱に入れて保管する

🦷 乳歯の活用方法

  • ティースバンク」などのサービスを利用して、歯髄細胞を将来の医療に活用することも可能。

抜けた後に痛みや腫れがある場合

  • 軽度の痛み → 自然に治ることが多い
  • 痛みが強い場合 → かみ合わせの問題や炎症の可能性
  • 腫れが続く場合 → 細菌感染や永久歯の生え方に問題がある可能性

痛みや腫れを抑える方法

  • しばらく様子を見ながら、氷水で冷やす
  • 刺激の強い食べ物を避ける
  • 1週間以上痛みが続く場合は歯科医院へ

まとめ

グラグラしていても、無理に抜かない!自然に抜けるのを待つのが基本
乳歯が途中で折れたり、抜けた場合は出血や感染に注意
歯が抜けた後のケアが大切!優しく歯磨きをし、うがいは軽く1回だけ
抜けた乳歯は記念に保存することも可能!適切に保管しよう
痛みや腫れが長引く場合は早めに歯科医院を受診するのが安心

乳歯が抜けた後、永久歯が生えるまでには個人差がありますが、一般的には数週間から数か月かかります。この期間に適切なケアを行うことで、歯並びや噛み合わせのトラブルを防ぎ、健康な永久歯の成長を促すことができます。

永久歯が生えるまでの期間

乳歯が抜けてから生えるまでの目安

永久歯が生える時期には個人差がありますが、一般的には以下の通りです。

歯の種類乳歯が抜ける時期永久歯が生える時期
下の前歯(中切歯)6~7歳6~8歳
上の前歯(中切歯)6~8歳7~9歳
側切歯(前歯の隣)7~9歳8~10歳
第一乳臼歯(奥歯)10~11歳10~12歳
犬歯(八重歯の位置)9~12歳10~13歳
第二乳臼歯(奥歯)10~12歳11~13歳

通常、乳歯が抜けた後、永久歯が生えるまでには2週間~6か月程度かかります。ただし、抜けた歯の種類や個人差によっては1年ほど待つ場合もあります。

奥歯の永久歯が生える時期と順番

歯の名称永久歯が生える時期生える順番
上下第1大臼歯(6番)6~7歳1番目
下の第二大臼歯(7番)11~13歳2番目
上の第二大臼歯(7番)12~13歳3番目
上下親知らず(8番)17~21歳4番目

なかなか永久歯が生えてこない場合の対処法

「乳歯が抜けたのに、なかなか永久歯が生えてこない」と心配になることがあります。この原因として、以下のようなことが考えられます。

よくある原因

  1. 永久歯の位置がズレている
    • 永久歯が正しい方向に向かず、歯ぐきの中に埋もれている場合。
    • レントゲン検査で確認し、必要なら矯正治療を検討。
  2. 歯ぐきが硬く、永久歯が出にくい
    • 永久歯が生えるスペースが十分でないと、生えてくるのが遅れることがある。
  3. 過剰歯(余分な歯がある)
    • 乳歯と永久歯の間に「過剰歯」と呼ばれる余分な歯があると、永久歯の生え変わりを邪魔する。
  4. 埋伏歯(永久歯が歯ぐきの中に埋まっている)
    • 永久歯が骨の中で埋まってしまい、生えてこられないケース。

対処法

  • 1年経っても永久歯が生えてこない場合は、小児歯科でレントゲンを撮ってもらい、永久歯の状態を確認する。
  • 必要に応じて、矯正治療や外科的処置で永久歯の生えるスペースを確保する。

歯並びへの影響を防ぐ方法

乳歯が抜けた後、永久歯が正しい位置に生えるために、次のようなことに注意しましょう。

乳歯が抜けたスペースを維持する

  • **スペースメンテナー(歯の隙間を維持する装置)**を使うことで、隣の歯が倒れ込むのを防ぐ。
  • 特に、奥歯が早く抜けた場合は歯科医に相談し、適切な処置を行う。

噛み合わせのチェック

  • 乳歯が抜けた後、噛み合わせに違和感がある場合は歯科医院でチェックしてもらう。

永久歯が生え始めたら歯並びを確認

  • 生え始めの段階で歯並びのチェックをすることで、矯正の必要性が早くわかる

抜けた後の歯並びトラブルを防ぐ方法

矯正が必要になる場合

以下のようなケースでは、矯正治療を検討する必要があります。

矯正を考えた方が良いケース

  • 永久歯が斜めに生えている
  • 二枚歯になっている(乳歯が抜ける前に永久歯が生えてしまった)
  • 乳歯が抜けた後、隙間が狭くなっている
  • 顎の大きさに対して歯のサイズが大きく、スペースが足りない
  • 永久歯の生える位置が明らかにズレている

矯正の種類

  • 取り外し可能な小児矯正装置(プレートタイプ):成長に合わせて歯を整える。
  • ワイヤー矯正やマウスピース矯正:歯並びが大きく乱れている場合に適用。

歯科医院での定期チェックの重要性

乳歯が抜けた後は、定期的に歯科医院でチェックを受けることが大切です。

定期チェックのポイント

  1. 永久歯が正しい位置に生えているか確認
  2. 噛み合わせのチェック
  3. 歯の隙間が閉じすぎていないか観察
  4. 歯並びに影響を与える癖がないか確認

特に、6~12歳頃は永久歯への生え変わりの時期なので、定期的に歯科医院で相談しましょう。

生活習慣(指しゃぶり・舌の癖)の影響

歯並びが乱れる原因の一つに、日常の習慣が関係していることがあります。

歯並びに悪影響を与える癖

  1. 指しゃぶり
    • 長期間続くと前歯が前に出てしまい、出っ歯(上顎前突)になりやすい。
    • 3歳頃までにやめるのが理想。
  2. 舌で歯を押す癖
    • 舌の力で前歯が前に押され、歯が開いてしまうことがある。
    • 舌の位置を意識し、正しい飲み込み方を指導してもらう。
  3. 口呼吸
    • 口を開けたままの状態が続くと、歯並びや顎の成長に悪影響を与える。
    • 鼻呼吸を意識し、必要なら耳鼻科でチェック。
  4. 頬杖や片側だけで噛む癖
    • 片側の顎だけ発達し、噛み合わせがズレる原因に。
    • 両側でバランスよく噛むことを意識する。

まとめ

乳歯が抜けてから永久歯が生えるまでの期間は2週間~6か月が目安。1年以上生えない場合は歯科相談を!
スペースメンテナーを使うことで、永久歯の生えるスペースを確保できる
指しゃぶりや舌の癖、口呼吸などの生活習慣を改善することが、歯並びトラブルの予防につながる
定期的に歯科医院でチェックを受け、永久歯の生え方を観察することが大切

乳歯が抜けることに関して、多くの保護者が疑問や不安を抱えています。ここでは、よくある質問に対して詳しく解説します。

Q1. 乳歯を無理に抜いても大丈夫?

無理に抜くリスク

乳歯がグラグラしていると、「早く抜いたほうがいいのでは?」と考えることがありますが、無理に抜くのは避けるべきです。理由は以下の通りです。

無理に抜くことで起こる問題

  • 根が残る可能性がある
    → 乳歯の根が完全に吸収されていない状態で抜くと、根の一部が残り、炎症を起こすことがある。
  • 歯ぐきが傷つく
    → 強引に抜くと歯ぐきが傷つき、出血が長引いたり、痛みが強くなることがある。
  • 永久歯の生え方に影響
    → 早く抜きすぎると永久歯が傾いて生えたり、スペースが狭くなり歯並びが乱れることも。

安全に抜くためのポイント

  • グラグラしていてもまだ根がしっかりしている場合は自然に抜けるのを待つ
  • 強く押すと痛みがある場合は、まだ抜くタイミングではない
  • 乳歯のグラグラが半年以上続く場合は歯科医院で相談

Q2. 抜けた乳歯は保管すべき?捨ててもいい?

保管するメリット

乳歯を捨てるか保管するかは、家庭によって異なりますが、最近では**「乳歯を保管する」**選択をする家庭が増えています。

保管する理由

  1. 思い出として取っておく
    • 子どもの成長記録として、乳歯ケースに保存する家庭が増えている。
    • 乳歯ケースは通販や歯科医院でも購入可能。
  2. 歯髄細胞バンクに保存する
    • 乳歯の中には「歯髄幹細胞」が含まれており、再生医療に活用できる可能性がある。
    • ティースバンク」などのサービスを利用すれば、将来の医療に役立てることも可能。

捨てる場合の伝統的な方法

  • 「上の歯は縁の下へ、下の歯は屋根の上へ」
    → 日本の昔ながらの習慣で、**「丈夫な永久歯が生えてくるように」**という願いが込められている。
  • 処分する際はティッシュに包んで燃えるゴミへ
    → 特にこだわりがなければ、普通のゴミとして処分可能。

結論

  • 記念に取っておきたい場合は乳歯ケースを活用
  • 将来の再生医療を考えるなら歯髄バンクの利用を検討
  • 伝統的な風習を大切にするなら、日本の習慣に従うのも一つの方法

Q3. 兄弟姉妹で抜ける時期が違うのはなぜ?

同じ家庭の兄弟姉妹でも、乳歯が抜ける時期が異なることがあります。これにはいくつかの要因が関係しています。

乳歯の抜ける時期に影響を与える要因

1. 遺伝の影響

  • 両親の歯の生え変わりの時期が影響することがある。
  • 兄弟でも母親と父親のどちらの影響を強く受けるかで、成長速度が変わる。

2. 性別の違い

  • 一般的に女の子の方が男の子よりも乳歯が早く抜ける傾向がある。
  • これは成長スピードの違いが影響している。

3. 栄養状態や生活習慣

  • カルシウムやビタミンDが不足すると、歯の成長が遅れる可能性がある。
  • 噛む力が強い子は乳歯が早く抜けることがある(硬い食べ物をよく噛んでいるかどうかも影響)。

4. 乳歯の状態やケガの有無

  • 虫歯や外傷で早く抜けることがある
    → 逆に、乳歯の根の吸収が遅いと、なかなか抜けないケースも。

正常な範囲かどうかの判断基準

  • 1~2年程度の差は問題ない
    → 個人差が大きいため、焦る必要はない。
  • 12歳を過ぎても乳歯が抜けない場合は要注意!
    → 小児歯科でレントゲンを撮ってもらい、永久歯の位置を確認する。

兄弟姉妹で差があっても、基本的には気にしなくてOK!
ただし、大幅に遅れている場合は歯科医院で相談を。

Q4. 親知らずと乳歯の抜け方の関係は?

乳歯の生え変わりと親知らずは直接の関係はないですが、永久歯が正しく生えているかどうかによって親知らずの影響が変わってきます。

親知らずとは?

  • 通常18歳~25歳頃に生えてくる最後の永久歯
  • **上下左右の奥歯(第三大臼歯)**であり、個人によっては生えない場合もある。

乳歯の生え変わりが親知らずに影響する理由

1. 顎の大きさが影響する

  • 乳歯が早く抜けた場合、永久歯がスペース不足になることがあり、親知らずが正常に生えにくくなる
  • 顎の発育が未熟な場合、親知らずが横向きに生えたり、埋まったままになることがある。

2. 乳歯が抜けるのが遅いと歯並びが崩れやすい

  • 歯の位置がずれると、親知らずが生えるスペースがなくなるため、将来的に抜歯が必要になることも。

3. 乳歯が残ったまま親知らずが生えるとどうなる?

  • まれに乳歯が抜けずに残っているケースがあると、親知らずの位置に影響を与える可能性がある。
  • 乳歯が残っていることで、かみ合わせに問題が出る場合は抜歯を検討する。

結論

  • 乳歯の生え変わりが適切なら、親知らずのトラブルも減る可能性が高い
  • 親知らずが生える前に歯並びチェックを行い、矯正が必要か確認するのがベスト

まとめ

乳歯を無理に抜くのはNG!自然に抜けるのを待とう
乳歯は記念として保管することも可能。再生医療の活用も検討できる
兄弟姉妹で抜ける時期が違うのはよくあること。遺伝や生活習慣が影響する
乳歯の生え変わりと親知らずは間接的に関係あり。歯並びを意識しよう!

乳歯の生え変わりは、6歳頃から12歳頃までの間に自然に進みます。しかし、個人差が大きいため、成長の過程を理解し、適切に見守ることが大切です。

✔ 乳歯が抜けるのは6歳頃から12歳頃まで

  • 一般的に 6歳頃から前歯(中切歯)が抜け始め、12歳頃までにすべての乳歯が永久歯に生え変わる
  • ただし、成長には個人差があり、早く抜ける子もいれば、遅くなる子もいるため、焦る必要はない

✔ 抜ける順番と時期を把握しておくことが大切

  • 基本的な順番を知っておくことで、異常があるかどうかの判断がしやすくなる。
  • 永久歯が生えてくるスペースを確保するために、正しい順番で抜けることが理想。
  • 指しゃぶりや口呼吸、舌の癖などの生活習慣が歯並びに影響するため、注意が必要。

✔ トラブルがあれば早めに歯医者へ相談

  • 乳歯が早く抜けすぎた場合 → 歯並びや咬み合わせに影響を与える可能性があるため、小児歯科で相談する。
  • 乳歯がなかなか抜けない場合 → 永久歯が正しく生えてこない原因があるかもしれないため、レントゲンで確認。
  • 永久歯が生える前に乳歯が抜けた場合 → すぐに歯科医院でスペースメンテナーの装着を検討する。
  • 乳歯が折れた・途中で抜けた場合 → 歯ぐきの傷や根の残りがないか歯科医院で診てもらう。

🌟 乳歯の抜ける過程を理解し、健康な永久歯へとつなげよう!

子どもの乳歯の生え変わりは、将来の歯並びや健康に大きく関わる重要な時期です。
適切なケアを行い、必要な場合は歯科医院でのチェックを受けることで、トラブルを防ぎ、きれいな歯並びへと導くことができます!

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筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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