「食べるのが遅い」「口がいつも開いている」「発音がはっきりしない」——
そんなお子さんの様子に心当たりはありませんか?
これらは、近年増えている口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)のサインかもしれません。
お口の筋力や舌の動きがうまく発達していないと、噛む・飲み込む・話すといった基本的な動作に影響します。

本記事では、歯科医が原因・症状・治療法、そして保険適用の条件までわかりやすく解説します🦷✨

口腔機能発達不全症とは?
口腔機能発達不全症とは?

👄口腔機能発達不全症とは?

口腔機能発達不全症とは、「食べる」「話す」「飲み込む」などのお口の機能が十分に発達していない状態のことです。
対象年齢はおおむね3歳〜15歳前後で、厚生労働省が正式な診断基準を定めています。

歯科医院では、以下のようなチェックを行います👇

  • 口が開いたまま(ポカン口)になっていないか
  • 噛む力や舌の動きに問題がないか
  • 飲み込み方・発音の状態
  • 舌や唇の筋力、口呼吸の有無

複数の項目で機能低下が見られると、「口腔機能発達不全症」と診断されます。

🧠原因|なぜお口の機能が育たないの?

現代の子どもたちに多い原因として、次のような要因が挙げられます👇

🥣1. 食生活の変化

柔らかい食べ物中心の食事が増え、噛む力や筋力が育ちにくい環境になっています。

🧸2. おしゃぶり・指しゃぶりの長期使用

長期間続くと、舌や歯並びの発達に影響し、舌の位置が正しく保てなくなることがあります。

🌬️3. 口呼吸・鼻づまり

アレルギー性鼻炎やアデノイド肥大により、鼻で呼吸できない状態が続くと、常に口が開いたままに。

💻4. 姿勢の崩れ

スマホやタブレットの使用時間が長く、前かがみ姿勢になることで、顎の発達が妨げられます。

⚠️放置するとこんなリスクも

口腔機能の低下をそのままにすると、成長期に次のような影響が出ることがあります😣

  • 歯並びの乱れ(出っ歯・開咬など)
  • 発音の不明瞭化・言葉の遅れ
  • 嚥下(飲み込み)の異常
  • 猫背・姿勢の悪化
  • 集中力・睡眠の質の低下

「見た目の問題」だけでなく、全身の健康や学習面にも影響するため、早期の対応が重要です。

🏥治療法|MFT(口腔筋機能療法)とは?

MFT(口腔筋機能療法)とは?
MFT(口腔筋機能療法)とは?

歯科医院では、口腔機能を回復させるためのMFT(Myofunctional Therapy)=口腔筋機能療法を行います。

これは、舌・唇・頬などの筋肉をバランスよく使うためのトレーニングプログラムです💪

💡トレーニングの例

  • ストローでジュースを吸う練習
  • 風船をふくらませる運動
  • 舌を上あごにつける練習
  • 「うー」「いー」と発音して口周りを動かす

遊び感覚で取り入れられるので、小さなお子さんでも楽しく続けられます🎈

必要に応じて、歯列矯正や鼻呼吸トレーニングを併用することもあります。
耳鼻科との連携も行い、総合的に改善を目指します。

💰保険適用になる場合も!

保険適用になる場合も!
保険適用になる場合も!

口腔機能発達不全症は、一定の条件を満たすと保険が適用される場合があります。

✅保険が使える主な条件

  • 歯科医が厚生労働省の基準に基づいて診断
  • 「食べる」「話す」「飲み込む」などに明確な機能低下がある
  • 改善を目的とした治療・トレーニングが行われる

歯科医院での検査・診断を経て、保険でMFT(口腔機能訓練)を受けられるケースもあります。

ただし、美容的・予防的な目的だけの場合は自由診療となることもあるため、まずは歯科医に相談しましょう💬

🏠家庭でできる予防とサポート

日常生活の中でも、口腔機能を育てる工夫ができます✨

🍽️食事編

  • よく噛む食材(根菜・肉・乾物など)を取り入れる
  • 姿勢を正して食べる(足が床につく高さで)
  • 食事中は口を閉じる意識を持つ

👨‍👩‍👧親のチェックポイント

  • 口が開いたままになっていないか
  • 飲み込み時に舌が出ていないか
  • 食べるのが極端に遅くないか

毎日の食事と生活の中で、“噛む・飲む・話す”の練習を自然に促すことが予防につながります。

  • 口腔機能発達不全症は“お口の発達の遅れ”
  • 原因は食生活・姿勢・口呼吸など多様
  • MFTトレーニングで改善可能
  • 診断基準を満たせば保険適用になることも
  • 早期発見・早期対応が将来の歯並びと健康を守ります🦷✨
🏡江戸川区篠崎で「口腔機能発達不全症」を相談するなら

当歯科クリニックでは、お子さま一人ひとりの発達段階に合わせて、
口腔機能発達不全症の診断とトレーニング(MFT)を行っています。
厚生労働省の基準に基づいた治療を実施しており、保険が適用される場合もあります。
「噛むのが苦手」「口が開きっぱなし」「発音が気になる」など、
気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください👩‍⚕️🦷

【動画】アデノイド顔貌

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

Follow me!