- 1. 歯周病菌はうつる?家族感染リスク
- 1.1. 歯周病菌はどこから来るのか?
- 1.2. 歯周病菌の主な感染経路
- 1.2.1. 感染リスクが高まる場面
- 1.3. 家族で取り組む歯周病予防
- 1.3.1. 家庭でできる感染対策
- 2. 歯周病菌の「ピラミッド構造」と毒性分類
- 2.1. Red complex(高リスク群)
- 2.1.1. 代表菌
- 2.2. Orange complex(中リスク群)
- 2.2.1. 代表菌
- 2.3. Blue・Purple・Green・Yellow complex(低リスク群)
- 2.3.1. 主な菌群
- 3. 年代別にみる歯周病菌感染リスク
- 3.1. 小学校低学年頃
- 3.2. 中学生〜高校生頃
- 3.2.1. 感染要因
- 3.3. 大学生以降
- 3.3.1. 主な感染経路
- 4. 歯周病は「数十年かけて進行する慢性疾患」
- 4.1. 進行の特徴
- 5. セルフケアと歯科医院での管理が重要
- 5.1. 歯科医院で重要な管理
- 5.2. 関連記事
- 6. 家族みんなで歯周病予防を始めませんか?
- 7. 【動画】歯周病の手遅れの症状
- 8. 筆者・院長
- 8.1. 深沢 一
- 8.1.1. メッセージ

「歯周病はうつる」と聞いたことはありませんか?実は歯周病の原因となる細菌は唾液を介して感染することがあり、家族やパートナーとの日常生活の中で口腔内に定着する可能性があります。
本記事では、歯周病菌の主な感染経路や年代別の感染リスク、家族で取り組みたい予防方法について、歯科医師がわかりやすく解説します。
歯周病菌はうつる?家族感染リスク
歯周病菌はどこから来るのか?
歯周病は単なる「歯ぐきの病気」ではなく、細菌感染によって引き起こされる慢性炎症性疾患です。
原因となる歯周病菌は、唾液を介して人から人へ感染することが知られており、特に家族間・パートナー間での感染リスクが高いと考えられています。
口腔内には800種類以上の細菌が存在しますが、その多くは常在菌です。しかし、その中に病原性の高い歯周病菌が定着すると、長い年月をかけて歯周組織を破壊していきます。

歯周病菌の主な感染経路
歯周病菌は主に唾液接触によって感染します。
感染リスクが高まる場面
- キスや口移し
- 箸・スプーンの共有
- ペットボトルやコップの回し飲み
- ペットとの過度な口元接触
- 親から子どもへの唾液感染
特に乳幼児期は、口腔内細菌叢(マイクロバイオーム)が形成される重要な時期です。
この時期に歯周病菌へ感染すると、将来的な歯周病リスクが高まる可能性があります。
家族で取り組む歯周病予防
歯周病予防は本人だけでなく、「家族単位」で行うことが重要です。
家庭でできる感染対策
- 家族全員が定期検診を受ける
- 食器・歯ブラシの共用を避ける
- 殺菌作用のある洗口液を活用する
- 毎日の丁寧なブラッシングとフロス習慣
- 親世代が歯周病をしっかり治療する
特に保護者の歯周病管理は、子どもの将来的な口腔環境に大きく影響します。
歯周病菌の「ピラミッド構造」と毒性分類
歯周病菌は、Socransky分類に基づき、病原性の強さによって分類されています。

Red complex(高リスク群)
最も病原性が強く、重度歯周病との関連が深い菌群です。
代表菌
- P.g菌(Porphyromonas gingivalis)
- T.d菌(Treponema denticola)
- T.f菌(Tannerella forsythia)
これらは歯槽骨破壊や免疫異常を引き起こし、進行性歯周炎の中心的役割を担います。
※A.a菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)はGreen complexに分類されますが、侵襲性歯周炎との関連が強く、高リスク菌として重要視されています。
Orange complex(中リスク群)
歯周病の進行を助長する中等度病原菌群です。
代表菌
- P.i菌(Prevotella intermedia)
- P.n菌(Prevotella nigrescens)
- F.n菌(Fusobacterium nucleatum)
- C.r菌(Campylobacter rectus)
- E.n菌(Eubacterium nodatum)
- P.m菌(Parvimonas micra)
これらはバイオフィルム形成を促進し、Red complex菌の定着を助けます。
Blue・Purple・Green・Yellow complex(低リスク群)
比較的毒性が低く、健康な口腔内にも存在する常在菌群です。
主な菌群
- Blue complex:Actinomyces属
- Purple complex:V. parvula、A. odontolyticus
- Green complex:Capnocytophaga属、A.a菌
- Yellow complex:Streptococcus属
通常は大きな問題を起こしませんが、口腔環境の悪化により歯周病進行へ関与することがあります。
年代別にみる歯周病菌感染リスク

小学校低学年頃
低リスク菌群への感染が始まる時期です。多くは軽度歯肉炎レベルでとどまります。

中学生〜高校生頃
Orange complex菌(中リスク群)が加わり始めます。

感染要因
- ペットボトルの回し飲み
- 部活動での密接接触
- 家族間感染
- ペットとの接触
大学生以降
Red complex菌(高リスク群)への感染が増加します。

主な感染経路
- 恋人・夫婦間のキス
- 飲食物の共有
- 唾液接触を伴う生活習慣
高病原性菌は一度定着すると完全除去が難しく、長期的な歯周病リスクとなります。
歯周病は「数十年かけて進行する慢性疾患」
歯周病は突然重症化する病気ではありません。
進行の特徴
- 初期は歯肉炎程度で自覚症状が少ない
- 徐々に歯周ポケットが深くなる
- 長期間かけて歯槽骨が吸収される
- 気付いた時には重度化しているケースが多い
重度歯周病に至るまでには、10年〜30年単位の経過をたどることも珍しくありません。
セルフケアと歯科医院での管理が重要
毎日のセルフケアだけでは、成熟したバイオフィルムを完全に除去することは困難です。
歯科医院で重要な管理
- 歯石除去(スケーリング)
- SRP(ルートプレーニング)
- 歯周病菌のモニタリング
- 歯周ポケット検査
- プロフェッショナルクリーニング
歯周病は「感染症」であると同時に「生活習慣病」でもあります。
家族全員で口腔管理に取り組むことが、将来の歯の寿命を守る重要なポイントです。
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家族みんなで歯周病予防を始めませんか?

歯周病は、ご自身だけでなく家族全員のお口の健康にも関わる可能性があります。毎日のセルフケアに加え、定期的な歯科検診とプロフェッショナルケアで、お口の環境を整えましょう。
当院では、一人ひとりのお口の状態に合わせた歯周病予防・メインテナンスをご提案しています。
【動画】歯周病の手遅れの症状
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





