横向きの完全埋没親知らずを放置すると

  • 横向きに埋まっている親知らず(水平埋伏智歯)を抜歯せずに放置すると、親知らずと第二大臼歯共に虫歯が出来る。
  • 親知らずと第二大臼歯の間の歯茎が腫れたり痛みが起こる。
  • 口臭の原因になる。
  • 歯並びが悪くなり歯列矯正が必要になることもある。

水平埋伏智歯を抜かないで放置して良い?

横向きに完全埋没した親知らずの疑問

親知らずが横向きになっているので虫歯になるリスクが高く、危険なのは分かります。 横向きに生えたら絶対抜歯が必要なのでしょうか?

急に激しい歯の痛みに恐われました。親知らずが腫れて、虫歯になっているようです。痛み止めを飲んでも激痛が止まりません。

親知らずから口臭がするので抜きたいです。抜歯の時は痛いのでしょうか? 麻酔をするので痛くないと聞いたことがあるのですが…

矯正をするには、まだ生えてない下の親知らずの抜歯が必要と言われたました。抜いた方が良いのでしょうか?

横向きに埋没した親知らずを抜かずに放置する問題点

親知らずが斜めに生えたため隣の歯に虫歯が発生
親知らずが斜めに生えたため隣の歯に虫歯が発生

① 親知らずと第二大臼歯に虫歯が発生

親知らずが斜めに生え、隣の金属冠の歯(第二大臼歯)にぶつかっています。

親知らずと金属冠の間に食べかすや歯垢が溜まりやすく、虫歯が発生しています。

智歯周囲炎による歯茎の炎症で歯槽骨の吸収が起こる

② 智歯周囲炎で歯槽骨の吸収が起こる

親知らずが斜め45度に生えてきて、第二大臼歯の歯根部分を突き上げています。そのため、歯垢(プラーク)が蓄積しやすく第二大臼歯の歯根は大きく虫歯で崩壊しています。

親知らずの歯冠直下に黒い影が見られます。これは、歯垢(プラーク)が長く滞留することでバイオフィルムが形成され、炎症(智歯周囲炎)が起こり、歯槽骨が破壊(骨の吸収)された状態を示しています。

親知らずの萌出力で前の歯(第2大臼歯)を押す。

③ 歯並びが悪くなる

下の親知らずが横向きに埋没していると、親知らずの萌出力によってその前の歯(第2大臼歯)を押します。押された歯はさらにその前の歯を押します。この様な力は前歯まで伝わり、前歯がガタガタの歯並びになります。

そのため、歯列矯正を行う前に親知らずの抜歯は必須です。

叢生(乱杭歯)を歯列矯正で綺麗な歯並びに治療しても、そのまま放置すると下顎前歯は再びガタガタの乱ぐい状態に戻ろうとします。

そこで、後戻りを防ぐために1年から2年間リテーナーという装置を装着します。

しかし、親知らずが横向きに埋没したままだと、矯正治療後、リテーナーを外すと再び歯並びがガタガタになってしまいます。

そこで、矯正治療の前に親知らずの抜歯を行うことが一般的です。

親知らずと第2大臼歯間に細菌が増殖し口臭が発生

④ 口臭の原因に

親知らずと第2大臼歯間の細菌が食べカスを餌にして増殖し、歯垢(プラーク)が古くなってバイオフィルムを形成します。

揮発性硫黄化合物のガスを発生させます。口臭の原因になります。

細菌の増殖によって歯茎に炎症が起こり、膿が出ることもあります。

完全埋没した親知らずは抜かないことも!

完全埋没の親知らずは智歯周囲炎を起こさない

親知らずが骨に完全に埋まっていて、口腔からの細菌感染を受けない状態になっている場合は、智歯周囲炎になることは極めて低く、痛みも起きないため、必ずしも抜歯の対象とはなりません。

また、隣の第二大臼歯の歯根に接触せず、前の歯を押していない状態であれば、前歯がガタガタになるなどの歯並びに影響が出ることは少ないと考えられます。

完全に骨に埋まっている親知らず
完全に骨に埋まっている親知らず

江戸川区篠崎で親知らずの抜歯についてお悩みの方は、ぜひふかさわ歯科クリニック篠崎までご相談下さい。当院では、事前の検査・診断で出来るだけ手術時間を短縮し、リスクや痛みを抑えた親知らずの抜歯を心がけております。横向きに完全埋没した難易度の高い親知らずの抜歯症例も豊富です。また、親知らずの移植や歯髄バンクなどの有効活用も考慮した適切なアドバイスを行っています。ぜひお気軽にご相談ください。

【動画】横向きに埋没した親知らずを抜かないと?

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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