- 1. 【📹】差し歯の境目が黒い?ブラックマージンの原因と最新の治療法とは
- 2. ブラックマージンとは
- 2.1.1.1. メタルボンドの根元のブラックマージン
- 2.1.1.2. 硬質レジン前装冠の根元のブラックマージン
- 2.1. 金属による影響(メタルタトゥー)
- 2.2. 歯ぐきの退縮
- 2.3. 被せ物を長期間使用した場合
- 2.4. メタルボンドや硬質レジン前装冠で目立つ場合
- 3. セラミックでも境目が黒く見えることはある?
- 4. ブラックマージンの治療方法
- 4.1.1. 歯周病の治療
- 4.1.2. メタルコアからファイバーコアへ
- 4.1.3. ファイバーコアを装着
- 4.1.4. オールセラミッククラウンかジルコニアクラウン
- 4.1. 歯周病の治療
- 4.2. メタルコアからファイバーコアへの交換
- 4.3. オールセラミック・ジルコニアクラウンへの交換
- 4.4. オールセラミックで治療した症例
- 4.4.1.1. ブラックマージン
- 4.4.1.2. 前歯3本をオールセラミックで治療
- 4.5. 歯肉移植術
- 5. ブラックマージンを目立ちにくくするために
- 6. まとめ
- 6.1. 関連記事
- 7. 差し歯の根元の黒ずみ、気になっていませんか?
- 8. 歯周ポケットを掃除し改善するセルフケア法
- 9. 筆者・院長
- 9.1. 深沢 一
- 9.1.1. メッセージ

前歯の差し歯や被せ物の根元が黒く見える状態を「ブラックマージン」と呼びます。笑ったときや会話中に目立ちやすく、見た目に大きな影響を与えるため、多くの方が気にされる症状です。
ブラックマージンは単なる審美的な問題だけではなく、歯周病や被せ物の劣化、金属による歯ぐきの変色などが隠れている場合もあります。
この記事では、ブラックマージンの原因や治療法、予防方法について詳しく解説します。
【📹】差し歯の境目が黒い?ブラックマージンの原因と最新の治療法とは
ブラックマージンとは
ブラックマージンとは、差し歯や被せ物と歯ぐきの境目付近が黒く見える状態を指す一般的な表現です。
特に金属を使用したメタルボンドクラウンや硬質レジン前装冠では、歯肉が退縮すると、それまで歯ぐきに隠れていた金属部分や歯根面などが見えるようになり、境目が暗く目立つことがあります。
また、金属を使用していない被せ物でも、歯肉退縮による歯根面の露出や支台歯の色調、着色、二次う蝕などによって、境目が暗く見える場合があります。

メタルボンドの根元のブラックマージン
この画像は、メタルボンドクラウンのブラックマージンが目立つ症例です。歯茎の後退により金属部分が露出し、境目が黒ずんでいます。また、虫歯の進行や補綴物の劣化も見られ、治療が必要な状態です。

硬質レジン前装冠の根元のブラックマージン
この画像は、硬質レジン前装冠のブラックマージンが発生した症例です。歯茎が後退し、メタルフレームが露出することで、歯と歯茎の境目が黒ずんでいます。
主な原因としては、次のようなものが考えられます。
- 歯肉退縮による歯根面や補綴物辺縁の露出
- 金属を使用した補綴物の辺縁やメタルコアが透けて見える
- 金属由来の色素沈着(メタルタトゥー)
- 被せ物の辺縁付近の着色
- 被せ物と歯との適合状態
- 二次う蝕
- 歯周組織の変化
ブラックマージンは原因によって対応が異なります。見た目だけでは原因を判断できないため、黒い部分が気になる場合は歯科医院で被せ物や歯、歯周組織の状態を確認することが大切です。
金属による影響(メタルタトゥー)
金属を使用した歯科治療の後に、歯肉や粘膜が灰色から黒っぽく見えることがあります。

これは「メタルタトゥー」と呼ばれ、歯科用金属に由来する微細な金属粒子などが歯肉や粘膜の組織内に入り込むことで生じることがあります。
ブラックマージンとメタルタトゥーは同じものではありませんが、金属を使用した補綴物の周囲では両方が認められる場合があります。
また、使用する金属の種類によって腐食のしやすさなどは異なります。白金加金などの貴金属を多く含む合金は、一般に耐食性に優れていますが、材料だけで歯肉の変色を完全に防げるわけではありません。

歯ぐきの退縮
ブラックマージンが目立つようになる原因の一つが、歯肉退縮です。
歯肉が下がる背景には、
- 歯周炎による歯周組織の変化
- 不適切なブラッシングによる機械的刺激
- 歯の位置や歯肉・歯槽骨の厚み
- 矯正治療などに伴う歯の位置の変化
- 補綴物周囲の歯肉の状態
など、さまざまな要因が関係します。
歯肉が退縮すると、それまで歯ぐきに隠れていた歯根面や被せ物の辺縁、金属部分などが見えるようになり、黒いラインとして目立つ場合があります。
歯ぎしりや食いしばり、咬合力と歯肉退縮との関係については単純な因果関係を示すことが難しいため、ブラックマージンの直接的な原因として一律に考えることはできません。
被せ物を長期間使用した場合
被せ物を長期間使用していると、被せ物そのものだけでなく、歯や歯肉の状態も変化することがあります。
例えば、
- 歯肉が退縮して被せ物の辺縁が見える
- 被せ物の境目に着色やプラークが付着する
- セメントの状態が変化する
- 被せ物と歯との境界部分に二次う蝕が生じる
といった変化によって、境目が黒っぽく見える場合があります。
「黒く見える=被せ物が劣化している」とは限らないため、原因を確認してから治療の必要性を判断します。
メタルボンドや硬質レジン前装冠で目立つ場合
メタルボンドクラウンは、金属製のフレームに陶材を焼き付けて作製する補綴物です。
また、従来の硬質レジン前装冠にも金属製のフレームが使用されています。
これらの被せ物では、歯肉が退縮すると金属を含む辺縁部分が見えたり、周囲が暗く見えたりすることがあります。

ただし、ブラックマージンの発生は被せ物の種類だけで決まるものではなく、支台歯の状態、歯肉の厚みや位置、補綴物の設計・適合状態などにも左右されます。
セラミックでも境目が黒く見えることはある?

オールセラミッククラウンのように金属を使用しない被せ物では、金属フレームそのものが露出することによるブラックマージンは生じません。
ただし、被せ物の内部に金属製のメタルコアが使用されている場合、支台歯側の暗い色調が被せ物や歯肉を通して影響することがあります。
また、歯肉退縮による歯根面の露出、境目の着色、二次う蝕などによって、セラミッククラウンでも歯頚部付近が暗く見えることがあります。
そのため、前歯の審美修復では被せ物だけではなく、支台歯や土台、歯肉の状態などを含めて治療方法を検討することが重要です。
ブラックマージンの治療方法
ブラックマージンの治療は、「黒い部分を白くする」という一律の方法ではなく、原因を確認したうえで選択します。
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歯周病の治療
差し歯や被せ物の歯茎が下がる理由として歯周病が挙げられます。まず、歯周病の治療を優先して行い、歯茎が十分引き締まった状態で差し歯の作り替えを行います。

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メタルコアからファイバーコアへ
差し歯や被せ物とメタルコア(金属製の土台)を外します。虫歯を除去して新しい差し歯に作り変えます。

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ファイバーコアを装着
メタルコア(金属製の土台)から金属を使わないファイバーコアに変えます。

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オールセラミッククラウンかジルコニアクラウン
オールセラミッククラウンやジルコニアクラウンなど金属を使わない差し歯や被せ物に変えることでブラックマージンやメタルタトゥーを防ぐことが出来ます。

歯周病の治療
歯肉に炎症がある場合や歯周炎が認められる場合には、必要に応じて歯周病治療を行います。
歯周組織の状態を整え、歯肉の位置や炎症の程度などを確認したうえで、被せ物を作り直す必要があるかを判断します。
歯周病治療によって炎症が改善すると、腫れていた歯肉が引き締まり、治療前より歯肉の位置が下がって見える場合もあります。そのため、前歯の被せ物を作製する際には、歯肉の状態がある程度安定してから最終的な補綴治療へ進むことが重要です。
メタルコアからファイバーコアへの交換
金属製のメタルコアが審美性に影響している場合には、被せ物やメタルコアを除去し、歯の状態を確認したうえでファイバーコアなどへの変更を検討することがあります。
ファイバーコアは金属を使用しないため、メタルコアのような金属色が補綴物の色調に影響することを避けやすいという特徴があります。
ただし、すべての歯でメタルコアを除去できるとは限りません。除去する際には歯根破折や歯質の損傷などのリスクもあるため、残存歯質や歯根の状態を確認して治療方法を判断します。
オールセラミック・ジルコニアクラウンへの交換
金属製のフレームがブラックマージンの一因となっている場合には、オールセラミッククラウンやジルコニアクラウンなど、金属を使用しない補綴物への交換を検討することがあります。
金属フレームを使用しないため、金属部分が露出することによる黒いラインを避けやすいことがメリットです。
一方で、歯肉退縮そのものを防ぐ治療ではありません。治療後に歯肉が退縮すれば、歯根面や被せ物の境目が見えるようになる可能性があります。
また、セラミックとジルコニアでは光学的特性や強度などが異なるため、前歯の位置、支台歯の色、咬合状態などを考慮して材料を選択します。
オールセラミックで治療した症例

ブラックマージン
メタルボンドの被せ物が装着されています。歯茎が下がって黒い歯根が露出して、ブラックマージンが出現しています。同時に歯茎も黒ずむメタルタトゥーが現れています。
また、歯周病で歯茎が腫れて丸くなっています。

前歯3本をオールセラミックで治療
歯周病の治療を行ない歯茎が引き締まった状態で、3本の前歯をメタルコアからファイバーコアに変え、オールセラミックで治療しました。差し歯や被せ物の根元の黒い部分が消え、歯茎の黒いメタルタトゥーも薄くなってきています。
治療前はメタルボンドクラウンが装着され、歯肉退縮に伴って歯頚部付近が暗く見えています。また、周囲の歯肉にも色調の変化が認められます。
歯周組織の状態を整えた後、前歯3本についてメタルコアからファイバーコアへの変更とオールセラミッククラウンによる補綴治療を行いました。
治療後は、治療前に目立っていた歯と歯肉の境目の暗い部分が改善しています。
なお、メタルタトゥーは金属由来の色素が組織内に存在している場合があるため、原因となった金属を除去しただけで必ず消失するとは限りません。
歯肉移植術
歯肉退縮によって歯根面が露出している場合には、症例によって歯周形成外科治療を検討することがあります。
代表的な方法の一つが、結合組織移植術などを用いた根面被覆です。
適応症例では、露出した歯根面を歯肉で被覆したり、歯肉の厚みを増したりすることが期待できます。
ただし、歯肉移植を行えば必ず元の位置まで歯肉が戻るわけではありません。歯肉退縮の程度、歯間部の歯周組織、歯の位置などによって得られる結果は異なります。
ブラックマージンを目立ちにくくするために
ブラックマージンを完全に予防する方法はありませんが、原因となり得る要素を減らすことは可能です。

前歯の補綴治療では、症例に応じて、
- 金属を使用しない土台や被せ物を検討する
- 歯肉や歯周組織の状態を整えてから補綴治療を行う
- 被せ物の適合や清掃性に配慮する
- 適切なブラッシングを行う
- フロスや歯間ブラシを使用する
- 定期的に歯科医院で被せ物や歯周組織を確認する
ことが大切です。
ファイバーコア、オールセラミック、ジルコニアなどは金属色の影響を避けるうえでは有用な選択肢ですが、これらを使用すれば将来的な歯肉退縮や境目の露出まで防げるわけではありません。
まとめ
ブラックマージンとは、差し歯や被せ物と歯ぐきの境目付近が黒く見える状態です。
原因としては、歯肉退縮による歯根面や金属部分の露出、金属由来の色調変化、被せ物周囲の着色、二次う蝕など、さまざまなものが考えられます。
治療方法も原因によって異なり、歯周病治療、被せ物の再製作、メタルコアからファイバーコアへの変更、オールセラミックやジルコニアによる補綴治療、症例によっては歯周形成外科治療などを検討します。
なお、差し歯の根元が黒く見えるからといって、必ず虫歯や歯周病があるとは限りません。一方、二次う蝕や歯周組織の問題が隠れている場合もあるため、見た目だけで判断することは困難です。
前歯の差し歯や被せ物の境目が黒くなってきた場合は、まず歯科医院で原因を確認し、その状態に適した治療方法を検討することが大切です。
関連記事
差し歯の根元の黒ずみ、気になっていませんか?

ブラックマージンの原因は、歯ぐきの退縮や金属、被せ物の状態などさまざまです。まずはお口の状態を確認し、適した治療方法を検討しましょう。
前歯の差し歯の黒ずみや被せ物の境目が気になる方は、原因を確認したうえで、セラミックやジルコニア、ファイバーコアなどを用いた治療をご検討ください。
歯周ポケットを掃除し改善するセルフケア法
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





