目次

【動画 26秒】横向きに生えた親知らずとは?

1. 親知らずが横向きに生えるとはどういうことか

親知らずは、第三大臼歯と呼ばれ、奥歯のさらに奥に位置する歯です。通常、17歳から25歳頃に生え始めることが多く、英語では「Wisdom Tooth」とも呼ばれることから、知恵がつく年齢に生えてくる歯とされています。

しかし、現代人の顎は食生活の変化により小さくなっているため、親知らずが生えるためのスペースが足りず、まっすぐに生えないことがしばしばあります。このような親知らずは「横向き親知らず」と呼ばれ、歯茎の中や顎の骨の中で横向きに成長したり、隣の歯に向かって斜めに生えるケースが見られます。

親知らずとは?(基本情報)

親知らずは、最後に生える永久歯であり、基本的には上下左右で計4本あります。ただし、必ずしも全ての親知らずが生えるわけではなく、一部の人では親知らずが存在しないこともあります。親知らずが正常に生えてきた場合、特に問題を起こすことは少ないですが、まっすぐ生えずに横向きや斜めに生えることで、隣の歯や歯茎に悪影響を及ぼすことがあります。

横向きに生える親知らずの特徴

横向き親知らずは、隣接する第二大臼歯に圧力をかけることが多く、この影響で歯並びが悪化したり、隣の歯が虫歯になるリスクを高めます。また、歯茎の中に埋まったままの状態では清掃が難しく、細菌が溜まりやすい環境となるため、炎症や膿の発生が引き起こされることもあります。

さらに、横向き親知らずが原因で歯茎の腫れや痛み、口臭の原因となることも少なくありません。

正常な親知らずとの違い

正常な親知らずは、まっすぐに歯列の一部として生えるため、特別な治療を必要としません。しかし、横向き親知らずは、スペース不足や骨の形状の影響で、歯列に沿って生えず、歯茎や骨の中で横向きや斜めに成長します。この違いが、周囲の歯や歯茎への悪影響を生む原因となります。

CT画像やX線写真で見る横向き親知らず

横向き親知らずを確認するためには、CT画像やX線写真が役立ちます。これらの検査では、親知らずの位置や生え方、隣接する歯や神経との距離を詳しく確認することができます。特に、親知らずが神経に近い場合、抜歯の際のリスクを減らすために詳細な診断が必要です。画像検査を活用することで、適切な治療方針を立てることが可能になります。

横向き親知らずは、放置すると多くの問題を引き起こす可能性があるため、早期に歯科医師の診断を受けることが重要です。

2. 横向き親知らずが生える原因

横向きに親知らずが生える背景には、いくつかの原因が考えられます。現代のライフスタイルや遺伝的な要因、さらには成長過程での影響が複合的に作用して、親知らずが正常に生えるのを妨げることが多いです。以下では、それぞれの原因について詳しく解説します。

顎のスペース不足

現代人の食生活は、柔らかく加工された食品を摂取する傾向が強く、これが顎の骨格に影響を与えています。昔の人々は硬い食べ物をよく噛むことで顎が発達しましたが、現在では顎の成長が十分に進まず、親知らずが生えるためのスペースが確保できないことが多いです。その結果、親知らずが正常な方向に生えず、横向きや斜めに成長するケースが増えています。

特に下顎ではスペース不足が顕著で、骨の中に埋まったままの親知らずが隣接する歯を押すような形になることもあります。

遺伝的要因

親知らずの生え方には遺伝的な要因も関与しています。例えば、家族に横向き親知らずを持つ人がいる場合、その遺伝子の影響で同じように生え方に問題が出る可能性が高まります。また、顎のサイズや形状も遺伝的要素が大きく、親知らずが正常に収まるスペースが確保できるかどうかが左右されます。特に、顎が小さい人や歯が大きい人では、横向き親知らずのリスクが高くなる傾向があります。

成長段階での影響(乳歯の抜け方や歯並びの変化)

成長過程での乳歯の抜け方や歯並びの状態も、親知らずの生え方に影響を及ぼします。乳歯が適切なタイミングで抜けず、歯列が乱れると、永久歯が正しい位置に生えるためのスペースが不足します。この状態が続くと、親知らずが生える際にさらにスペースが足りなくなり、横向きや埋伏(まいふく)親知らずになる可能性が高まります。

また、早期に永久歯を失った場合も同様に、周囲の歯が移動してしまい、親知らずの位置に影響を与えます。

3. 横向き親知らずを放置するリスク

横向きに生えた親知らずを放置すると、さまざまなトラブルが口腔内で発生するリスクが高まります。これらの問題は、親知らずだけでなく周囲の歯や歯茎にも悪影響を及ぼすため、早めの診断と対処が重要です。以下に、具体的なリスクを挙げて解説します。

虫歯や歯周病の原因

横向き親知らずは、正常な位置に生えた歯に比べて歯ブラシが届きにくく、清掃が難しいため、虫歯や歯周病の原因となることが多いです。特に、親知らずが部分的に歯茎に覆われている場合、その隙間に細菌や食べかすが溜まりやすく、虫歯が発生するリスクが高まります。

また、隣接する歯との間にできた隙間にも汚れがたまり、隣の歯まで虫歯や歯周病が進行するケースが少なくありません。

隣接する歯への影響

横向き親知らずが隣の第二大臼歯に圧力をかけることで、さまざまな問題が発生します。隣接する歯の根が押されることで痛みが生じたり、歯並びが乱れる原因となることがあります。

また、隣の歯が虫歯や歯周病に侵されると、治療が難しくなり、最悪の場合はその歯も抜歯が必要になることもあります。放置することで周囲の歯全体に影響が及ぶ可能性があるため、早期の対応が重要です。

痛みや腫れが慢性化するケース

横向き親知らずが原因で発生する痛みや腫れは、一時的なものではなく、慢性化することがあります。特に、親知らず周辺の歯茎が炎症を繰り返す場合、痛みや腫れが長期間続き、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。この状態を放置すると、炎症が周囲の組織や神経に波及し、さらなる治療が必要になる可能性があります。

口臭や炎症の発生リスク

横向き親知らずが原因で、細菌が繁殖しやすい環境が口腔内に作られると、口臭の原因となります。また、炎症が慢性的に続くことで、口腔内の健康状態が悪化し、全身的な健康にも影響を与えることがあります。例えば、口腔内の炎症が原因で細菌が血流に入り込み、全身疾患を引き起こすリスクも指摘されています。

4. 横向き親知らずの抜歯が必要なケース

横向き親知らずは、生え方や周囲の状態によって抜歯が必要になる場合があります。一方で、特定の条件下では抜歯をせず経過観察が選ばれることもあります。ここでは、抜歯が推奨される具体的な症例と、抜歯しなくてもよいケースについて解説します。

抜歯が推奨される具体的例

横向き親知らずの抜歯が推奨されるのは、以下のような状況です。

  1. 痛みがある場合
    横向き親知らずが周囲の歯茎や歯に圧力をかけることで痛みが生じる場合、抜歯が必要とされることが多いです。この痛みは一時的に治まることもありますが、再発を繰り返すことが多く、慢性化するリスクがあります。特に、隣接する歯の根を押すことで歯根にダメージを与えるケースでは、早めの抜歯が勧められます。
  2. 周囲に炎症や膿が見られる場合
    親知らず周辺の歯茎に炎症が起きて腫れたり、膿が出るような場合も抜歯が推奨されます。これは「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼ばれる状態で、放置すると炎症が周囲に広がり、隣の歯や顎の骨に影響を及ぼすことがあります。また、炎症が頻繁に再発する場合は、抜歯が根本的な解決策となります。
  3. 隣接する歯や顎骨に悪影響がある場合
    レントゲンやCT検査で、親知らずが隣の歯に過度な圧力をかけている場合は、抜歯が推奨されます。このような場合、早めに抜歯することで隣接する歯を守り、顎骨の健康を保つことができます。

【症例】横向き親知らずが原因で下顎7番の虫歯が痛む

下顎親知らずの手前の7番の歯が虫歯になることは、実際によく見られる症状です。親知らずが斜めに生えている場合、手前の歯に対してさまざまな問題が発生することがあります。赤矢印の様な虫歯がその一つです。

虫歯が出来た部分(赤矢印)は目に見えにくく、放置されレントゲン写真の様に虫歯が神経まで達して初めて痛みが出て気が付きます。

術前のレントゲン写真

親知らずが斜めに生えて手前の歯に虫歯を作っています。

術前のレントゲン写真
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1

7番の根管治療と親知らずの抜歯

7番は神経まで虫歯が達していたため神経を抜く治療(抜髄)が必要となりました。レントゲン写真は根管治療の途中でファイルを根管内に挿入して根管長を確認している所です。根管治療を行なっている期間に親知らずは抜歯を行いました。

7番の根管治療
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根充

根管治療に最後の行程である根充を行ってレントゲン写真を撮影しました。根充は根管内をガッタパーチャーポイントという薬剤で完全に密閉することで歯根嚢胞の発生を防ぐことが出来ます。

根充
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金属の被せ物

根管治療が完了したら7番には金属の被せ物(保険適用)をして治療は終了です。2023年12月1日より新たにCAD/CAM冠が大臼歯材料が保険適用になったため、現在では7番に対して白い被せ物を保険で行えるようになっています。

金属の被せ物
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抜歯しなくてもよいケース

一方で、次のような場合には抜歯が不要とされることもあります。

  1. 完全に埋伏していて症状がない場合
    親知らずが顎の骨に完全に埋まっており、隣の歯や周囲の組織に影響を与えていない場合、抜歯は必要ありません。このような場合は、定期的に経過観察を行い、状況に変化がないか確認することが勧められます。
  2. 周囲に炎症や痛みがない場合
    横向き親知らずが歯茎の中にあり、炎症や痛みなどの症状がまったくない場合も抜歯をしない選択肢があります。ただし、この場合も定期的な検診を受け、問題が発生した際には速やかに対応できるようにしておくことが重要です。
  3. 抜歯のリスクが高い場合
    親知らずが神経に非常に近い場合や、全身疾患がある方の場合は、抜歯のリスクが高いため、経過観察が選ばれることがあります。このようなケースでは、慎重な診断と専門的な対応が求められます。

5. 横向き親知らずの抜歯の流れ

横向き親知らずの抜歯は、通常の抜歯に比べて複雑であり、事前の準備と計画が重要です。適切な診断と技術的な手術ステップを踏むことで、安全かつ効率的に親知らずを抜歯することができます。以下では、抜歯の流れを詳しく解説します。


抜歯前の準備

抜歯の成功には、事前の準備が欠かせません。初診時には、口腔内の状態を詳細に調べるための検査が行われます。

  1. 初診時の検査とカウンセリング
    歯科医師は、親知らずの位置や周囲の歯や歯茎への影響を確認します。患者の症状や痛みの有無、過去の歯科治療歴を聞き取り、手術の必要性やリスクについて説明します。また、患者が抱える不安を軽減するため、カウンセリングを通じて手術の流れや術後のケアについて詳しく説明します。
  2. CT撮影やX線検査の重要性
    横向き親知らずは、顎の骨や神経に近い場合があり、正確な位置を把握するためにCT撮影やX線検査が必要です。これにより、親知らずが神経や血管にどの程度近いか、また抜歯の際に考慮すべき危険箇所が明確になります。この情報をもとに、安全で効率的な手術計画が立てられます。

手術のステップ

横向き親知らずの抜歯は、以下のステップで行われます。

  1. 歯肉の切開
    まず、親知らずが隠れている歯肉を切開して露出させます。このステップでは、歯肉や周囲の組織を慎重に扱い、出血や痛みを最小限に抑える技術が求められます。
  2. 親知らずの分割抜歯
    横向き親知らずは通常、1本の歯として抜くのが難しいため、数個に分割して取り除きます。この手法により、周囲の骨や歯への負担を減らし、安全に抜歯を進めることができます。
  3. 縫合と術後ケア
    親知らずをすべて取り除いた後、切開した歯肉を縫合します。これにより、出血を止め、傷口の早期回復を促します。縫合後、抗生物質や痛み止めが処方され、術後のケア方法が説明されます。

術後の注意点と回復までの期間

術後は以下の注意点を守ることが重要です。

  1. 腫れや痛みへの対処
    術後2~3日は腫れや痛みが出ることがあります。冷湿布を使って患部を冷やし、処方された痛み止めを使用することで症状を和らげることができます。
  2. 飲食に関する注意
    術後しばらくは、硬い食べ物や刺激物を避け、柔らかい食べ物を摂取することをおすすめします。また、抜歯当日は熱い飲み物やアルコールの摂取を控えましょう。
  3. 口腔内の清潔を保つ
    術後1~2日はうがいを控え、傷口を刺激しないようにします。その後、指示された方法で優しく歯を磨き、感染を防ぎます。
  4. 回復期間
    術後の腫れや痛みは1週間ほどで軽減し、通常2週間程度で傷口が完全に治癒します。状況によっては抜糸が必要な場合もあり、その際は再度来院が必要です。

6. 横向き親知らずの抜歯が難しい場合

横向き親知らずの抜歯は、親知らずの位置や状態によって難易度が大きく異なります。特に複雑なケースでは、一般の歯科医院では対応が難しく、大学病院や専門医の診断が必要になることがあります。以下に、抜歯が難しい場合の主なケースを解説します。


大学病院での対応が必要なケース

親知らずの抜歯が特に難しいと判断される場合、大学病院や大規模な医療機関への紹介が必要となることがあります。大学病院では、高度な診断機器や専門の口腔外科医が揃っており、複雑な抜歯手術にも対応可能です。例えば、以下のような場合に大学病院での対応が求められます。

  • 親知らずが顎の骨の中に深く埋まっている場合
  • 周囲の歯や骨への影響が広範囲に及ぶ場合
  • 一般的な局所麻酔では痛みの管理が難しい場合

大学病院ではCTスキャンなどの詳細な画像診断を行い、手術計画を立てることで、安全に抜歯を進めることが可能です。


全身麻酔が必要なケース

通常、親知らずの抜歯は局所麻酔で行われますが、患者の状況や親知らずの状態によっては全身麻酔が必要な場合があります。特に以下のケースでは全身麻酔が選択されることが多いです。

  • 抜歯が非常に長時間にわたる場合
  • 患者が強い恐怖心や歯科治療に対するトラウマを抱えている場合
  • 抜歯の際に複数本の親知らずを一度に処置する場合

全身麻酔を使用する場合は、術前の健康診断や血液検査を行い、安全性を確認します。これにより、患者は意識を失った状態で処置を受けるため、痛みや恐怖を感じることなく手術を終えることができます。


特殊な親知らずの位置(歯茎に埋まっている、神経に近い場合)

親知らずが歯茎や顎の骨の中に完全に埋まっている「埋伏(まいふく)親知らず」や、下顎神経に非常に近接している場合、抜歯のリスクが高くなります。これらのケースでは慎重な計画が必要です。

  • 埋伏親知らず
    歯が骨や歯茎に埋もれている場合、切開して親知らずを露出させる必要があります。さらに、骨を削ったり歯を分割することで、周囲の組織へのダメージを最小限に抑えながら抜歯を行います。
  • 神経に近い親知らず
    親知らずが下顎神経に接している場合、抜歯時に神経を損傷するリスクがあります。神経損傷は麻痺や感覚異常を引き起こす可能性があるため、事前にCTスキャンで神経との距離を正確に把握します。

安全な抜歯のためのポイント

難しい抜歯が予想される場合でも、事前の診断と計画をしっかり行うことでリスクを最小限に抑えることが可能です。歯科医師の説明をよく聞き、不安や疑問があれば事前に相談しましょう。また、術後のフォローアップも含めて安心して治療を受けられる環境を選ぶことが重要です。

7. 横向き親知らずの予防とセルフケア

横向き親知らず自体を完全に予防することは難しいものの、トラブルを最小限に抑えるためのセルフケアや定期的な歯科検診が重要です。日常的な予防策と適切な対応によって、親知らずが引き起こす問題を軽減することができます。


定期的な歯科検診の重要性

横向き親知らずの予防とトラブル回避には、定期的な歯科検診が欠かせません。親知らずはレントゲンやCT検査を行わなければその状態を正確に把握できないことが多いため、歯科医師の診断が必要です。特に、親知らずが埋伏(まいふく)している場合や、まだ完全に生えていない場合でも、定期的な検査によって早期に異常を発見することが可能です。

検診を受けることで、以下のようなメリットがあります:

  • 横向きに生えるリスクがあるかを事前に把握できる
  • 炎症や虫歯の初期段階で適切な対応が可能
  • 必要に応じて、早期の抜歯計画を立てることができる

親知らずの問題は進行すると治療が複雑になることが多いため、早めの診断と計画が重要です。


正しいブラッシング方法

横向き親知らずが引き起こす問題の多くは、清掃が行き届かないことが原因です。そのため、日頃から適切なブラッシングを行い、口腔内を清潔に保つことが大切です。

  1. 親知らず周辺を重点的にケア
    横向き親知らずが生えている場合、その周囲に汚れが溜まりやすくなります。歯ブラシを親知らずの奥まで届かせるように意識し、丁寧に磨きましょう。
  2. デンタルフロスや歯間ブラシの活用
    歯と歯の間に汚れが溜まりやすいため、歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシを使用して清掃を行うことが効果的です。
  3. やわらかめの歯ブラシを使用
    歯茎を傷つけないよう、やわらかめの歯ブラシを使用することがおすすめです。歯磨き粉は刺激が少ないものを選び、優しく磨くよう心がけましょう。

痛みが出たときの応急処置

親知らず周辺に痛みが生じた場合、以下の応急処置を行うことで一時的に症状を和らげることができます。

  1. 患部を冷やす
    痛みや腫れがある場合、患部を冷やすことで炎症を抑えることができます。ただし、冷やしすぎると逆効果になることもあるため、氷をタオルに包んで優しく当てる程度にしましょう。
  2. 市販の鎮痛薬を使用する
    市販の痛み止めを服用することで一時的に痛みを軽減できます。ただし、これらは根本的な治療ではないため、必ず早めに歯科医師に相談してください。

8. 横向き親知らずに関するよくある質問

親知らずに関する悩みはさまざまですが、特に横向き親知らずについては多くの疑問や不安を抱える方がいらっしゃいます。以下に、よく寄せられる質問を取り上げ、それぞれに対する回答を詳しく解説します。

はい、親知らずが完全に生えてこない「埋伏(まいふく)親知らず」も問題になる場合があります。埋伏親知らずは、歯茎や顎の骨の中に埋まった状態で存在し、以下のようなリスクを引き起こす可能性があります。

  • 隣接する歯への影響
    埋伏親知らずが隣の歯を圧迫すると、隣接する歯の根が損傷したり、歯並びが悪くなる場合があります。
  • 炎症や感染
    埋伏親知らずの周囲で細菌が繁殖すると、痛みや腫れなどの炎症が生じる可能性があります。

埋伏親知らずは、見た目には問題がなくても、レントゲンやCT検査で状態を確認することが重要です。特に異常がなくても、定期的に経過観察を行うことをおすすめします。

抜歯後の腫れは、個人差がありますが、通常以下のような経過をたどります。

  • 術後1~2日目
    腫れが最も強くなる時期です。この期間は冷湿布を使い、患部を冷やすことで腫れを抑えることができます。ただし、冷やしすぎには注意してください。
  • 術後3~5日目
    腫れが徐々に治まり始める時期です。痛みや腫れが軽減していくため、食事や日常生活も少しずつ楽になります。
  • 術後1週間以降
    ほとんどの腫れが引き、傷口の回復も進みます。この時期には通常の食事や生活に戻ることが可能です。

まれに腫れが1週間以上続く場合がありますが、その場合は感染や他の問題が原因である可能性があるため、速やかに歯科医師に相談してください。

抜歯後の食事選びは、術後の回復を促進し、痛みを悪化させないために重要です。以下は抜歯後に適した食事の例です。

  • 柔らかい食品
    おかゆ、スープ、豆腐、ヨーグルト、プリンなど、噛む力を必要としない食品がおすすめです。
  • 刺激の少ない食品
    味付けが薄めで、熱すぎたり冷たすぎたりしないものが良いです。熱い食品は傷口を刺激する可能性があるため避けてください。
  • 水分を多く含む食品
    脱水を防ぐため、水分を多く含む食品を積極的に摂りましょう。ただし、ストローの使用は避けてください。吸う力が血餅(けっちょう)を外してしまい、治癒が遅れる可能性があります。

避けるべき食品としては、硬いものや粘着性のあるもの、スパイシーな食品、アルコールなどがあります。これらは傷口に負担をかけるため、控えるようにしましょう。

江戸川区篠崎で親知らずの抜歯でお悩みの患者様へ

「親知らずが痛い」「横向きに生えてきた」「抜歯するべきか迷っている」そんなお悩みを抱えていませんか?親知らずは正しい診断と適切な治療を行うことで、痛みや将来のリスクを解消することができます。

当院では、正確な診断と、安全で痛みの少ない抜歯を心がけています。横向きや埋伏している親知らずの抜歯も、多くの実績と専門的な技術で対応いたします。

患者様一人ひとりに寄り添ったカウンセリングを行い、不安や疑問をしっかり解消したうえで治療を進めます。「抜歯が怖い」「どこで治療を受けたら良いかわからない」と感じている方も、ぜひお気軽にご相談ください。

安心と信頼の治療で、患者様の笑顔をサポートいたします!

【動画 28秒】下顎7番が痛む原因はこれ!斜めに生えた親知らずの影響

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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