「できるだけ自然な方法で治したい」「手術後の痛みや腫れが不安」――そんなお悩みをお持ちの方に注目されているのが、**自己血液を使った再生療法「CGF(Concentrated Growth Factors)」**です。
近年、歯科医療を中心にインプラント治療や歯周病治療のサポートとして広がっているCGFは、体にやさしく、安全性の高い治療法として話題を集めています。
本記事では、CGFの基本情報から歯科での活用例、他分野への応用までわかりやすく解説します。

🔍CGF(濃縮成長因子)の基本概念

CGF(Concentrated Growth Factors:濃縮成長因子)は、患者自身の血液から抽出される再生医療材料の一つです。

採血した血液を遠心分離することで、血小板・白血球・成長因子を高濃度に含むフィブリンゲルを得ることができます。
このゲルは、創傷治癒の促進や骨・歯周組織の再生を目的として歯科領域で広く応用されています。

👉 自己血由来であるため、免疫反応や感染リスクが極めて低いのが大きな特徴です。

🧬CGFの生成方法と使用される機器(遠心分離機など)

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血液を採取

採血部位をアルコール消毒し、駆血帯を上腕に巻き静脈を明示してからガラス製の採血管二本分を採血します。

血液を採取
血液を採取

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遠心分離機

対角線になるようにガラス管を遠心分離機に挿入します。一本のガラス管だけを入れると不安定な状態になり正常に回転しません。

遠心分離器はCGFを作り出せる適当なスピードで回転する様に設計されています。約15分で血液成分が分離され、CGFが出来ます。

遠心分離機
遠心分離機

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CGF

ガラス管内の血液が分離され、CGFが作成されます。 上清は血清で、その下のゲルがフィブリンゲル(CGF)です。

最下層が赤血球、白血球、血小板等の血球成分です。

CGF
CGF

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人工骨(Bio-Oss)とCGFを混ぜる

ガラス管から取り出し、赤血球などの部分をハサミで切り取ります。シャーレに入った手前側のCGFは、血液中の凝固因子が自然に刺激されてフィブリンゲルです。このフィブリンゲルは、成長因子や血小板などを多く含むうえ、添加物を一切用いないため、完全自己血液由来のゲル素材といえます。

シャーレに入った奥側の白い粉状のものは人工骨(Bio-Oss)です。CGFと人工骨を混ぜて使うと臨床成績が良いと感じます。

人工骨(Bio-Oss)とCGFを混ぜる
人工骨(Bio-Oss)とCGFを混ぜる

💡CGFと他の再生療法との違い

血液由来の再生療法にはいくつかの種類があります。

  • 🩸PRP:液状で吸収が早い
  • 🧪PRF:フィブリン膜状で持続性あり
  • 💉AFG:接着性に優れる
  • 🧬CGF:高濃度成長因子+長時間作用

👉 CGFはこれらの中でも成長因子濃度が高く、持続的に作用する点で優れるとされています。

🧬CGFの作用メカニズム

CGFの本質は「フィブリンマトリックス」です。

🧪特徴

  • フィブリンが足場となる
  • 成長因子が徐放(ゆっくり放出)される
  • 細胞遊走・血管新生を促進

👉 これにより、自然な創傷治癒を長期間サポートします。

🧱インプラント治療(骨造成・GBR)

骨量不足症例では、骨誘導再生(GBR)と併用されます。

  • 骨形成細胞の誘導
  • 炎症の抑制
  • 人工骨との結合促進

👉 治癒期間の短縮・成功率向上に寄与します。

🦴サイナスリフト(上顎洞底挙上術)

上顎臼歯部の骨量不足に対して、

  • 上顎洞粘膜を挙上
  • CGF+人工骨を填入

👉 骨再生を誘導し、インプラント埋入を可能にします

🦴🛠サイナスリフト(上顎洞底挙上術)への応用例

サイナスリフトへの応用
サイナスリフトへの応用

上顎洞底までの骨量が少ない時、骨を増やす治療法です。

パノラマレントゲン写真で、直径5ミリの鉄球を基準にすると、赤丸で示した上顎洞底までの骨の高さが約3ミリしかないことが分ります。

このままではインプラントを埋入することができないので、上顎洞粘膜を持ち上げるサイナスリフトを行い、できた空間に、患者自身の血液から作るCGF(再生因子)と人工骨を混ぜたものを填入。
これにより、自然に骨が再生されるよう誘導します。

 

大臼歯相当分の歯槽骨
大臼歯相当分の歯槽骨

歯肉の側面を切開し、骨面を露出させ1~3cm程の窓を作ります。

窓からアクセスして上顎洞粘膜を注意深くはがしていき、上顎洞底との間にスペースができたところにCGFと人工骨を混ぜたものを填入します。

サイナスリフト(上顎洞底挙上術)
サイナスリフト(上顎洞底挙上術)

左写真の歯肉を切開し、骨面を露出させて横長の窓を形成。そこから上顎洞粘膜を挙上し、CGFと人工骨(Bio-Oss)を填入したところです。

今回は、フィクスチャー(インプラント本体)が固定できると判断したので、同時にインプラントの埋入も行っています。

🦷🔩インプラント埋入

インプラント埋入
インプラント埋入
サイナスリフト後

上顎洞に骨が誘導再生されるまで約6ヶ月間待ち、その後に二次オペを行ってインプラントを埋入します。

レントゲン写真は、埋入されたインプラント本体に上部構造が結合され、治療が完了した時点で撮影したパノラマレントゲン画像です。

🧴抜歯後の治癒促進

抜歯後の治癒促進
抜歯後の治癒促進

抜歯窩にCGFを填入することで、

  • 🩸止血促進
  • 🦠感染リスク低減
  • 💢ドライソケット予防

👉 「天然の創傷保護材」として機能します。

🌿歯周組織再生療法

進行した歯周病に対して、

  • 骨欠損部への填入
  • フラップ手術との併用

👉 歯槽骨・歯肉の再生を促進し、抜歯回避の可能性を高めます

🦷💢歯周病への応用例

 歯周病で歯槽骨が破壊された部位にCGFと人工骨で骨の再生医療を行います。

上顎一番近心に垂直性骨吸収

上顎一番近心に垂直性骨吸収


上顎1番(中切歯)の近心側に深い歯周ポケット(垂直性骨吸収)が認められます。

歯周病のフラップ手術に応用

歯周病のフラップ手術に応用


フラップ手術(歯周外科)実施時に歯肉剥離後、不良肉芽組織を除去し、根面を滑沢した垂直性骨吸収部位にCGF+人工骨の混合を填入したところです。

⏱治癒のスピード向上

成長因子により組織修復が促進され、
👉 腫れ・痛みの軽減、回復の早期化

🩸高い安全性

  • 自己血由来
  • 異物なし

👉 アレルギー・拒絶反応のリスクがほぼゼロ

以下の場合は慎重な判断が必要です。

  • ⛔血液疾患(血小板減少など)
  • ⛔重度貧血
  • ⛔抗凝固薬服用中
  • ⛔全身状態不良

👉 全身管理と医科連携が重要です。

CGF治療には、

  • 専用遠心分離機
  • 厳格な衛生管理
  • 再生医療届出

が必要です。

👉 導入している医院は、設備・安全管理の水準が高い傾向にあります。

  • 自費診療(保険適用外)
  • 約5万円前後が目安

CGFは、

  • 🧬自己血由来の再生医療
  • 🦷歯科領域で幅広く応用
  • 🛡高い安全性と治癒促進効果

を兼ね備えた治療法です。

👉 特にインプラント・歯周再生・抜歯後管理において、
治療成績を底上げする有効な選択肢といえるでしょう。

再生医療の最前線CGFとは?江戸川区篠崎で受けられる先端歯科治療

江戸川区篠崎の当院では、自己血液を使った再生療法「CGF」を導入しています。インプラント治療や歯周病による骨や歯ぐきの再生に活用され、術後の腫れや痛みを抑え、自然な回復を促します。体に優しく安全性の高い治療をご希望の方は、ぜひご相談ください。

【動画】歯周病の手遅れの症状

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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