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「できれば歯を削らずに治したい」「削ると弱くなると聞いて不安」――そんな思いを抱えていませんか?
実は現在、虫歯や歯の欠損に対しても**歯をなるべく削らずに治療する“低侵襲治療(MI治療)”**が注目されています。

歯は一度削ると二度と元には戻りません。だからこそ、健康な歯質をできるだけ残すことが、歯の寿命を延ばすカギになるのです。
この記事では、江戸川区篠崎にある当院が実践する「歯を削らない治療」について、診療の流れから使用する機器、費用、メリットまでを詳しくご紹介します。

削らずに歯を守りたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

【🎞️3分12秒】低侵襲治療(ミニマルインターベンション)

歯を削らない治療
歯を削らない治療

虫歯治療と聞くと、多くの方が「歯を削る」「痛い」「怖い」というイメージを持っているのではないでしょうか。ですが、最近ではできるだけ歯を削らない治療が注目されており、従来の治療とは異なる選択肢が増えています。

歯を守りたい、できるだけ長く自分の歯で噛みたいと考える方にとって、「削らない治療」は非常に魅力的な選択肢です。その背景には、歯は一度削ると二度と元に戻らないという事実があります。

🔍 歯を削るリスクとその後の影響

歯は、削ることで確実に「寿命」が縮まります。削った部分は人工物で補うことになりますが、天然の歯の強さや機能を完全に再現することはできません

また、一度詰め物や被せ物をした歯は、将来的に再治療が必要になる可能性が高く、何度も削るうちに神経を抜く事態に陥ることも。最終的には抜歯へとつながってしまうリスクもあります。

💡 歯の寿命を延ばす「低侵襲治療」の考え方(ミニマルインターベンション)

こうした問題を防ぐために生まれたのが、**低侵襲治療(Minimal Intervention=ミニマルインターベンション)**です。これは、健康な歯質をできる限り残し、削る範囲を最小限に抑えた治療方針のこと。

この治療は、「歯をできるだけ削らない」「神経を残す」「歯を長持ちさせる」ことを重視しており、欧米を中心に世界的な治療スタンダードとなっています。

当院でもこの考え方をもとに、虫歯治療や補綴治療において「削らないこと」を第一に考えた選択肢を提供しています。

「虫歯治療=歯を削る」と思われがちですが、すべての虫歯に対して削る必要があるわけではありません。現代では、虫歯の進行度や場所に応じて、削らずに治療する方法が存在します。
特に「初期虫歯」や「ごく浅い虫歯」の場合には、歯を削らずに進行を止める治療が選ばれることもあります。

🧪 適応される虫歯の範囲(初期~中等度)

歯を削らない治療が可能なのは、主に以下のようなケースです。

  • 🔹 **歯の表面の白濁(ホワイトスポット)**が見られる程度の初期虫歯
  • 🔹 エナメル質内に留まる軽度の虫歯
  • 🔹 歯の間にごく小さな虫歯があり、進行が浅い場合

このような初期段階であれば、「削らない」または「ほんのわずかしか削らない」治療が可能です。反対に、虫歯が象牙質まで進行し、神経に近づいている場合は、削る治療が必要になることもあります。

📉 削る範囲を最小限にする現代の技術

現在の歯科医療では、歯を守るためにさまざまな診断機器や治療技術が活用されています。

  • 🔬 ダイアグノデントペン:レーザーで虫歯の深さを数値化し、削る必要の有無を正確に判断
  • 💧 う蝕検知液:虫歯部分だけを染め出し、健康な歯を誤って削らないようにサポート
  • 🪥 スプーンエキスカベーター細いバーを用いた繊細な処置
  • 🦷 コンポジットレジンでの小範囲の修復により、歯の切削を最小限に

こうした技術の進歩により、虫歯の早期発見・早期対応が可能になり、歯を削らない、または最小限に抑える治療が現実のものとなっています。

歯をできるだけ削らない治療には、正確な診断と丁寧な処置が欠かせません。当院では、以下のステップに沿って患者さん一人ひとりに合った最適な保存的治療を行っています。

🗣 ステップ①:カウンセリングと治療計画

カウンセリングと治療計画
カウンセリングと治療計画

まずはカウンセリングで、患者さんの症状・不安・治療の希望を丁寧にヒアリングします。そのうえで、口腔内をチェックし、削らない治療が適応できるかどうかを見極めます。
患者さんごとに異なる状態を踏まえ、削らずに治せる方法を優先しつつも、必要があれば従来の治療法とのバランスも考慮した治療計画を立てます。

🔬 ステップ②:ダイアグノデントペンでの虫歯診断

ダイアグノデントペン
ダイアグノデントペン

カウンセリング後は、「ダイアグノデントペン」という専用機器を用いて、虫歯の進行度を数値で正確に診断します。
レーザー光で虫歯部分から発せられる反射を読み取り、初期虫歯なのか、中等度に進行しているのかを判断します。削るべきかどうかの明確な根拠となり、患者さんにも安心して治療を受けていただけます。

💧 ステップ③:う蝕検知液で虫歯の境界を可視化

う蝕検知液
う蝕検知液

実際の治療では、「う蝕検知液(むしばけんちえき)」を使って、虫歯部分だけを染め出します。
これにより健康な歯質と虫歯との境界が明確になり、削るべき部分だけを的確に処置することができます。削りすぎの防止にもつながり、歯の寿命を延ばすうえで非常に有効です。

🪥 ステップ④:スプーンエキスカベーターで丁寧に除去

スプーンエキスカベーター
スプーンエキスカベーター

虫歯部分の除去には、タービンなどの高速切削器具は極力使わず、「スプーンエキスカベーター」という手用器具を使って、慎重かつ確実に虫歯だけを取り除きます
この方法は、歯髄(神経)への刺激を最小限に抑えるため、痛みも少なく麻酔も必要ないケースが多いのが特徴です。

🧴 ステップ⑤:コンポジットレジン or インレーによる修復

コンポジットレジン充填
コンポジットレジン充填

虫歯を除去した後は、コンポジットレジンと呼ばれる白い樹脂を用いて穴を塞ぎます。
この素材は柔軟性があり、小さな虫歯にも対応可能で自然な見た目に仕上がることが特徴です。

ただし、奥歯や歯間などアクセスしづらい部位では、精密な型取りを行い、インレー(詰め物)を作製することもあります
いずれの方法も、健康な歯質を極力残したまま機能と審美性を回復することができます。

虫歯が進行し、神経(歯髄)に近い部分まで達した場合、従来は「神経を抜く」という選択が一般的でした。しかし近年では、歯の神経を可能な限り残す治療が重視されており、その中心となるのがMTAセメントという特別な歯科用材料です。

MTA セメント
MTA セメント

🧫 MTAセメントの特徴(封鎖性・殺菌性)

MTA(Mineral Trioxide Aggregate)セメントは、封鎖性と殺菌性に優れた高機能な歯科用セメントです。虫歯を除去した際に神経が露出してしまう「天蓋露髄(てんがいろずい)」という状態になっても、MTAを使用することで神経を保護し、保存できる可能性が高まります

主な特徴は以下の通りです:

  • 封鎖性が高い:唾液や細菌の侵入を防ぐバリア機能に優れており、治療後の再感染リスクが低い
  • 抗菌性がある:治療部位の細菌を抑制し、歯髄の自然治癒を促進
  • 生体親和性が高い:体に優しく、神経との適合性が良好

これらの特性により、神経を抜かずに済む可能性が格段に向上しました。

💸 自費治療で得られる高い保存成功率

MTAセメントを使用した治療は、保険診療ではカバーされておらず自費診療となります。しかし、その分材料の質や処置内容にも制限がなく、より確実な神経保存を目指した治療が可能になります。

従来の水酸化カルシウム製剤(ダイカルなど)と比較して、神経保存の成功率が大幅に改善されているため、「歯を守りたい」「神経を残したい」と考える患者さんにとっては、非常に価値の高い選択肢です。

「見た目をきれいにしたい」「歯が抜けた部分を自然に補いたい」——そんなときでも、歯をなるべく削らない治療法があります。審美性や機能性を重視しながら、天然歯を守る新しい補綴治療をご紹介します。

🌟 ホワイトスポット治療(アイコン治療)

ホワイトスポット
ホワイトスポット

歯の表面にある白く濁った部分(ホワイトスポット)は、初期虫歯やエナメル質の形成不全が原因とされます。
従来は削って詰め物を入れる治療が主流でしたが、現在では「アイコン治療」という歯を削らずに透明感を回復させる方法
が注目されています。

アイコンは、歯の表面に特殊なレジンを浸透させて目立たなくする処置で、次のような特徴があります:

  • 歯を削らないため、痛みがない
  • 自然な色合いとツヤを再現できる
  • 保険適用外の自費治療となる

見た目を大きく損なわずに治療できるため、審美目的での来院が増えている治療法です。

🧩 接着ブリッジ/ヒューマンブリッジで歯を守る

ヒューマンブリッジ
ヒューマンブリッジ

歯を失ったときの選択肢として、「削る量が少ないブリッジ」もあります。

  • 🔹 接着ブリッジ
     歯を削る範囲を最小限に抑え、人工歯を隣の歯に接着剤で固定する方法。
     簡便で比較的低価格ですが、外れやすいというデメリットもあります。
  • 🔹 ヒューマンブリッジ(自費)
     接着ブリッジの進化版で、脱離しにくく強度が高いのが特徴です。
     構造設計と素材に工夫がされており、機能性・審美性ともに高評価を得ています。

これらの治療は、インプラントが難しい方や手術を避けたい方にも選ばれています

💡 それぞれのメリット・注意点

治療法メリット注意点・デメリット
アイコン治療削らずに審美性を回復、痛みなし自費診療、深い変色には対応できない場合も
接着ブリッジ歯を大きく削らない、短期間で完了保険適用は条件付き、外れやすい
ヒューマンブリッジ高い審美性と固定力、長期安定が期待できる自費治療、症例によって適応外の場合もある

お子さんにとって、歯科医院は「痛い」「怖い」場所になりがちです。そこで注目されているのが、**できるだけ歯を削らない治療=低侵襲治療(ミニマルインターベンション)**です。

この考え方は、小児歯科と非常に相性が良く、子どもの心と歯の健康を守るうえで大きな効果を発揮します。

😨 子どもの恐怖心を和らげる効果

従来の「音が大きく痛みも伴う」治療法は、子どもにとって強いストレスになります。一方、削らない治療では次のようなメリットがあります:

  • 麻酔が不要な場合が多く、痛みがほとんどない
  • ✅ 高速回転するタービン音がなく、恐怖心が軽減される
  • ✅ 治療後の違和感が少なく、家庭でのケアにもつながる

こうした優しいアプローチによって、「歯医者嫌い」を予防できるため、今後の通院にも前向きになれるお子さんが増えています。

🦷 成長過程の歯を守るという視点

子どもの歯(乳歯や生えたばかりの永久歯)は、構造が未成熟でとてもデリケートです。
削りすぎると、将来の歯並びや歯の発育に悪影響を及ぼす可能性もあります。

そこで重要になるのが、次のような**「守る治療」**です:

  • 🪥 フッ素塗布やシーラントなどの予防処置
  • 💧 う蝕検知液を使った必要最小限の虫歯除去
  • 🔬 小さな虫歯には経過観察+生活習慣の改善

「治す」だけでなく、「削らずに守る」ことが、小児歯科における最先端のアプローチです。歯の健康を維持することは、全身の発育や集中力、食生活にも良い影響をもたらします。

歯科治療に対する不安やストレスは、多くの患者さんが抱える共通の悩みです。特に「削る音が怖い」「痛みが心配」という声は非常に多く聞かれます。

そんな中で注目されているのが、歯をできるだけ削らない治療です。これは単に歯を守るだけでなく、心理的な安心感を得られる治療法としても評価されています。

💭 痛みへの不安が減り、通院がしやすくなる

「歯医者=痛いところ」というイメージを持つ方にとって、「削らない」「麻酔が不要なこともある」治療は大きな安心材料になります。

  • ✅ 音や振動が少ないため、恐怖心が軽減される
  • ✅ 処置中の痛みが少なく、ストレスがほとんどない
  • ✅ 治療後の違和感が少なく、日常生活にも支障をきたしにくい

こうした**“怖くない歯医者”の実現**により、これまで歯科受診を避けていた方も安心して通えるようになります。

🤝 信頼関係の構築と患者満足度の向上

削らない治療は、歯を守るだけでなく、「患者さんの気持ちに寄り添う姿勢」そのものでもあります。
治療前にきちんと説明を受け、歯をできる限り残そうとする姿勢が見えることで、患者さんとの信頼関係が深まります。

  • 💬 「先生が私の歯を大事にしてくれている」と実感できる
  • 🧘‍♀️ 精神的な負担が軽くなり、リラックスして治療に臨める
  • 😌 治療の満足度が高まり、継続的な通院・予防意識にもつながる

このように、削らない治療は**「痛みの少なさ」だけでなく、「心の負担を軽くする医療」**としても、多くの患者さんから支持されています。

「削らない治療」は歯の寿命を延ばす上で非常に効果的ですが、それだけで終わりではありません。治療後にどのようなケアを行うかによって、再発リスクや歯の健康状態は大きく変わります。

歯を守り続けるためには、毎日のセルフケアと、定期的なプロフェッショナルケアの両立が不可欠です。

🪥 自宅でできるケア(歯磨き法・フッ素活用)

日々のセルフケアが、削らない治療の効果を長持ちさせるカギです。

  • 正しい歯磨き法の習得
     歯と歯の境目、奥歯の溝など、虫歯になりやすい場所を意識したブラッシングが重要です。
  • フッ素入り歯磨き粉の使用
     フッ素にはエナメル質を強化し、初期虫歯を自然修復(再石灰化)する働きがあります。
     毎日の使用で、虫歯の再発を予防できます。
  • 生活習慣の見直し
     間食を控える・ダラダラ食べを避ける・糖分の多い飲食を減らすなど、虫歯リスクを下げる食習慣も大切です。

🏥 歯科医院での定期検診と予防処置(シーラント等)

自宅ケアだけでは落としきれないプラーク(歯垢)や、本人では気づきにくい初期虫歯のチェックは、歯科医院での定期検診が欠かせません。

定期健診と予防方法
定期健診と予防方法
  • 🪥 プロによるクリーニング(PMTC)
     歯の表面や歯間に残った汚れを専用機器で徹底的に除去します。
  • 💧 フッ素塗布
     高濃度のフッ素を塗布することで、虫歯予防効果をさらに高めます。
  • 🧱 シーラント処置(特にお子さまに有効)
     奥歯の溝に樹脂を埋めて虫歯を予防する処置。削ることなくできる予防法です。

定期検診は3〜6か月に一度が目安です。早期発見・早期対応ができることで、再治療の必要が減り、ずっと削らずに済む状態をキープできます。

削らない治療に興味を持っていただいた方から、よくいただくご質問にお答えします。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

🏷 保険適用になるの?

はい、一部の削らない治療は保険適用の範囲内で行うことが可能です。

  • 初期虫歯の除去とコンポジットレジン充填
  • ダイアグノデントによる診断(保険対応可)
  • う蝕検知液やスプーンエキスカベーターを使った治療

ただし、MTAセメントやアイコン治療、ヒューマンブリッジなどの高機能材料を用いる場合は自費診療となります。
保険の範囲内での最適な治療をご希望の方にも、事前にわかりやすくご説明いたします。

🦷 削らない治療が向かないケースは?

以下のようなケースでは、歯を削る処置が必要になる可能性があります

  • ❌ 虫歯が神経に達するほど進行している場合
  • ❌ 詰め物の下で虫歯が広がっている再発虫歯
  • ❌ 噛み合わせや歯並びの影響で削らない治療の持続が難しい場合

とはいえ、当院では**「削る必要があるかどうか」を慎重に診断したうえで、最小限の処置**にとどめるように努めています。削らずに済む可能性があるかどうか、まずは検査でしっかり確認します。

💰 治療費用はどれくらい?

費用は治療内容や保険の適用範囲によって異なります。以下はおおよその目安です:

治療内容保険適用自費診療の目安費用(税込)
コンポジットレジン充填数百円〜数千円(保険内)
MTAセメント処置×約15,000〜30,000円程度
アイコン治療×1歯あたり約55 ,000円前後
ヒューマンブリッジ×約100,000〜200,000円程度

※症例や本数によって異なるため、詳しくは初診時にお見積もりをお出しします。


📝 不安を減らし、納得して治療に臨んでいただくために、事前の説明を徹底しています。
「削りたくない」「神経を残したい」という気持ちを大切に、一緒に最善の方法を考えていきましょう。

📍 江戸川区篠崎で「歯を削らない治療」をお考えの方へ

「なるべく歯を削らずに治療したい」「痛みの少ない方法を選びたい」——そんなご希望をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

江戸川区篠崎にある当院では、低侵襲治療(ミニマルインターベンション)を基本方針とし、できる限り天然歯を残す保存的な治療に力を入れています。

患者様一人ひとりのお口の状態に合わせて、以下のような治療をご提案しています:

  • ✅ 削らずに済む初期虫歯への対応
  • ✅ 神経を残すMTAセメント治療(自費)
  • ✅ 痛みや不安を軽減する丁寧なカウンセリング
  • ✅ 削る場合も最小限に抑えた精密処置

初診時には、ダイアグノデントによる診断やカメラを使った可視化などを通じて、削る必要があるかをしっかりとご説明します。納得のうえで治療を進めていただけるよう、丁寧な対話を大切にしています。

🦷 歯を守ることは、将来の健康と生活の質を守ること。
どうぞお気軽に、当院の「歯を削らない治療」についてご相談ください。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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