目次

歯列矯正の中でも「非抜歯矯正」は、歯を抜かずに歯並びを整える方法として近年注目されています。本記事では、非抜歯矯正の基本的な概念からそのメリット・デメリット、さらには治療の背景や最新の治療法について詳しく解説します。

非抜歯矯正とは?

非抜歯矯正は、抜歯をせずに歯並びを改善する矯正治療方法です。多くの患者が歯を抜かずに済むこの方法を希望していますが、治療が適応する条件や技術的なポイントについて理解を深めることが重要です。

非抜歯矯正とは?

非抜歯矯正の基本概念と治療の目的

  • 基本概念
    非抜歯矯正は、歯列にスペースを作るために歯を抜かず、拡大矯正やIPR(歯のエナメル質の削合)を用いる治療方法です。矯正の目的は、機能的かつ審美的な改善を図り、患者の健康を維持することにあります。
  • 治療の目的
    • 歯列の整列による口腔機能の改善
    • フェイスラインや笑顔の美しさの向上
    • 歯を失わないことで将来的な健康リスクを軽減

非抜歯矯正の歴史と背景

  • 歴史的背景
    非抜歯矯正の概念は、1960年代から提唱され始め、Norman CetlinやRaphael Greenfieldなどの専門家が技術を確立しました。近年では、日本国内でも患者ニーズの高まりに伴い、技術が普及しています。
  • 背景にある要因
    • 患者の「歯を抜きたくない」という要望の増加
    • 医療技術の進化により、拡大矯正やアタッチメントの使用が一般化
    • 矯正治療への審美的要求の高まり

なぜ歯を抜かない矯正が注目されているのか?

  • 患者心理の変化
    歯を抜かない治療方法は、痛みや恐怖心を軽減するため、特に成人や子どもに人気があります。歯の保存が将来的な健康維持に繋がるという点も注目されています。
  • 技術的進化の影響
    インビザラインなどのマウスピース型矯正装置やIPR技術の普及により、非抜歯矯正がより安全かつ効果的に行えるようになりました。
  • 審美面の向上
    非抜歯矯正では、フェイスラインを損なうことなく矯正を進められるため、見た目を重視する患者に特に選ばれる傾向があります。

非抜歯矯正の具体的な治療方法

非抜歯矯正を成功させるためには、歯列に十分なスペースを確保し、適切な技術を活用することが重要です。このセクションでは、スペースを作るための手法や適応症例、治療技術の進化について詳しく解説します。

歯列スペースを確保する主な手法

非抜歯矯正において、スペースの確保は治療の成否を分ける重要なポイントです。以下は、主な方法についての詳細です。

  • 広範囲にわたる歯列の拡大
    顎の骨を広げることで歯列全体のスペースを増やします。特に拡大床やクワドヘリックスなどの装置を使用し、歯列を無理なく広げることができます。子どもだけでなく、成人矯正でも適用可能な技術が増えています。
  • 歯のスライス(IPR: Interproximal Reduction)
    歯と歯の間(隣接面)を少しだけ削り、必要なスペースを確保します。この方法は、抜歯を避けながらも歯列全体を美しく整えるのに役立ちます。歯のエナメル質をわずかに削るため、歯の健康への影響も最小限に抑えられます。

非抜歯矯正が可能な症例の条件

非抜歯矯正が成功するかどうかは、患者の口腔内の状態や歯並びの状況に大きく依存します。以下の条件に該当する場合、非抜歯矯正が適応となる可能性があります。

  • 軽度から中等度の叢生(ガタガタの歯並び)
    歯の重なりが大きすぎない場合、拡大やスライスで十分なスペースを確保できます。
  • ブレーキーフェイシャル(短顔型)
    骨格が顎が張った、エラが張ったイメージの人は非抜歯矯正が可能なケースが多いです。
  • 歯列弓が狭い症例
    顎の幅を広げることで、抜歯せずに歯を並べられるケースです。
  • 奥歯の移動が可能な場合
    歯を後方に移動するスペースがある場合、抜歯を避けた治療が可能です。
  • 患者の年齢や骨の状態
    成長期の子どもや顎の柔軟性が高い成人の場合、非抜歯矯正が適応しやすいです。

骨格による非抜歯矯正の条件

頭の骨を横から撮影するセファログラム規格エックス線写真を用いて、頭蓋骨、上顎骨、下顎骨の形態を分析します(さまざまな角度や長さを計測)。その結果、横顔の骨格をフェイシャルタイプとして、ドリコフェイシャル(長顔型)、ブレーキーフェイシャル(短顔型)、メジオフェイシャル(中顔型)の3つに分類します。

なお、メジオフェイシャル(中顔型)は、ドリコフェイシャルとブレーキーフェイシャルの中間型に位置します。

抜歯矯正になりやすいドリコフェイシャル(長顔型)

ドリコフェイシャルタイプの傾向が強くなると、矯正治療により大臼歯が挺出(歯冠方向に動く)しやすくなります。同時に、前歯のオープンバイト(前歯が噛み合わない状態)が発生しやすいのが特徴です。

また、ドリコフェイシャルタイプでは、出っ歯や乱杭歯(歯がデコボコに生えた状態)、八重歯などを治療する際、第1小臼歯を4本抜歯することが多く見られます。

ゴリラ顔のような口ゴボを矯正治療で改善する方法としては、第1小臼歯4本を抜歯し、そのスペースを利用して犬歯や前歯を後方に移動させる方法があります。これにより口元を引っ込めることができ、横顔のEライン(美しい横顔の基準)の改善にもつながります。

※ 八重歯がある場合でも、基本的に八重歯そのものを抜歯することはありません。

ドリコフェイシャル(長顔型)の骨格
ドリコフェイシャルの横顔
ドリコフェイシャルの横顔

ドリコフェイシャルは少し面長で顎やエラがないタイプです。極端なケースに鳥貌やアデノイド顔貌があります。

日本人は欧米人に比べドリコフェイシャル傾向が強いのが特徴です。

ドリコフェイシャルの骨格
ドリコフェイシャルの骨格

ドリコフェイシャルの傾向が強まるほど、矢印で示した下顎角と呼ばれる角度が大きくなるのが特徴です。

セファログラムX線写真を分析する際には10個以上の計測項目から総合的に判断してフェイシャルパターンを識別します。

非抜歯矯正が可能なブレーキーフェイシャル(短顔型)

出っ歯や乱杭歯・八重歯などの矯正治療で非抜歯になるケースが多くなります。

特に、成長過程の子供においてはバイオネーター、プレオルソ、MFTなどを駆使して非抜歯矯正で治療が終了する場合があります。

ただし、大人になって成長が止まってしまった場合には抜歯矯正になることがあります。

ブレーキーフェイシャル(短顔型)の骨格
ブレーキーフェイシャルの横顔
ブレーキーフェイシャルの横顔

イラストはブレーキーフェイシャルの出っ歯・口ゴボの症例です。

「顎が張った人」「エラが張った人」「顎が角張った人」と表現され横顔のタイプです。

イラストの様な出っ歯で口コボのケースでは、非抜歯矯正で口元を改善出来る可能性が高まります。

芸能人の「片桐はいり」さんは典型的なブレーキーフェイシャルですね。

ブレーキーフェイシャルの顎骨
ブレーキーフェイシャルの顎骨

ブレーキーフェイシャルの傾向が強まると下顎角は小さくなり、90度に近づきます。

ブレーキーフェイシャルタイプの傾向が強くなると、上下の歯を噛み込む力が強く、歯に矯正力をかけても歯が動きにくいのが特徴です。

非抜歯矯正のメリット

非抜歯矯正には、見た目や治療の快適さ、長期的な歯の健康維持など、患者にとって多くの利点があります。このセクションでは、それらのメリットを一つひとつ詳しく解説します。

見た目やフェイスラインへの影響

  • 顔の輪郭を自然に保てる
    抜歯矯正では、歯を抜いたスペースを埋めるために歯全体が後方に移動する場合があり、それがフェイスラインに影響を及ぼす可能性があります。一方、非抜歯矯正では、顎を広げたり、歯列を自然に整えることで顔のバランスを保つことが可能です。
  • 自然で美しい笑顔を実現
    歯を抜かずに矯正することで、笑顔が自然で調和の取れた印象になります。これは、歯並びが整うだけでなく、歯列全体が顔の形にフィットするように設計されるためです。
  • 老け顔になりにくい
    抜歯による顔の凹みや口元の後退を防ぐため、若々しい印象を保つことができます。特に成人矯正では、この点が非常に重要視されています。

治療期間の短縮や痛みの軽減

  • 治療期間が短くなることが多い
    非抜歯矯正では、抜歯後のスペースを埋めるための大きな歯の移動が不要になるため、治療期間が短縮される場合があります。特に軽度の症例では、この傾向が顕著です。
  • 痛みや不快感が軽減
    抜歯に伴う外科的処置や、その後の大きな歯の移動が不要なため、痛みや治療中の不快感が軽減されます。特に歯列の拡大やIPRを利用した治療は、患者への負担が少ない方法として注目されています。
  • 通院回数の減少
    矯正期間が短くなることで、調整のための通院回数も減らせる場合があります。これにより、患者の生活への負担が軽くなります。

歯の健康を守る重要性

  • 自然な歯を残せる
    非抜歯矯正の最大のメリットは、健康な歯を抜かずに治療ができる点です。抜歯によるリスクを回避し、歯そのものの機能を長く維持できます。
  • 歯や歯周組織への影響を最小限に抑える
    拡大矯正やIPRを適切に行うことで、歯周組織への負担を軽減できます。これにより、治療後も歯肉や歯槽骨の健康が保たれやすくなります。
  • 将来的なリスクの低減
    抜歯を避けることで、将来的に歯列の後戻りや噛み合わせの問題が起こるリスクを減らすことができます。また、抜歯による空隙が原因で起こり得る歯並びの崩れも予防できます。

まとめ

非抜歯矯正には、見た目や治療の快適さだけでなく、長期的な歯の健康維持という重要なメリットがあります。これらの利点を詳しく理解することで、患者がより納得した上で治療を選択できるようになるでしょう。

非抜歯矯正のデメリットとリスク

非抜歯矯正は多くのメリットを持つ一方で、適切に行われない場合にはデメリットやリスクも存在します。このセクションでは、非抜歯矯正に伴う潜在的な問題点や注意点を詳しく解説します。

非抜歯矯正が失敗する可能性があるケース

  • 適応外の症例に対する治療
    非抜歯矯正は全ての患者に適用できるわけではありません。例えば、重度の叢生(歯が大幅に重なっている状態)や、顎のサイズが極端に小さい場合、無理に非抜歯矯正を行うと後戻りや機能的な問題が発生する可能性があります。
  • 過度な歯列拡大
    無理に歯列を拡大しすぎると、歯周組織への負担が増し、歯槽骨が薄くなって歯肉退縮を引き起こすリスクがあります。また、歯が不安定になり、治療後の後戻りの原因になることもあります。
  • 治療計画の不備
    患者の歯列や骨格の状態を正確に分析せずに治療を進めると、期待した結果が得られない場合があります。治療計画が不十分だと、途中で抜歯矯正に切り替えざるを得なくなることもあります。

ゴリラ顔や後戻りなどの噂と実際

  • ゴリラ顔になる噂の真偽
    一部では「非抜歯矯正をするとゴリラ顔になる」という噂がありますが、これは誤解である場合が多いです。歯列を広げる治療により、口元が目立つようになるケースはありますが、治療計画が適切であれば自然な仕上がりを実現できます。
  • 後戻りのリスク
    非抜歯矯正は、歯列を広げた場合に後戻りしやすい傾向があります。特に保定装置(リテーナー)の使用を怠ると、治療後に元の歯並びに戻ってしまう可能性があります。
  • 見た目の不満
    治療後に歯列が広がりすぎて違和感を覚える患者もいます。これは、治療計画で見た目やフェイスラインへの配慮が不足している場合に起こりやすいです。

拡大矯正による長期的な影響

  • 歯周組織への負担
    拡大矯正は、歯槽骨や歯肉に一定の負担をかけます。特に成人矯正では骨の柔軟性が低いため、過度な拡大が歯周組織の損傷につながる可能性があります。
  • 歯の耐久性の低下
    歯を削るIPR(歯間削合)を行う場合、エナメル質の厚みが減るため、長期的には虫歯や知覚過敏のリスクがわずかに高まる可能性があります。
  • 矯正装置の影響
    拡大床やヘッドギアなど、使用する装置が不快感を引き起こしたり、正しい使用が継続できない場合に治療結果が十分に得られないことがあります。

まとめ

非抜歯矯正には多くの魅力がありますが、治療の失敗や長期的な影響を防ぐためには、適切な診断と治療計画が不可欠です。患者自身がリスクを理解し、信頼できる歯科医を選ぶことが重要です。

非抜歯矯正と抜歯矯正の違い

矯正治療には、大きく分けて「非抜歯矯正」と「抜歯矯正」の2つの方法があります。それぞれの治療法には適応症例や利点、欠点があり、患者の状態に応じて最適な方法が選ばれます。このセクションでは、両者の違いを詳細に解説します。

抜歯が必要となる場合と非抜歯で対応可能な場合の境界線

  • 抜歯が必要となる場合
    • 重度の叢生(歯の重なり)
      顎のスペースが極端に不足している場合は、抜歯が不可避です。抜歯によってスペースを確保し、全体の歯並びを整えます。
    • 上下顎の不調和
      上下の顎のサイズが大きく異なる場合や、噛み合わせを整えるために歯の位置を大幅に調整する必要がある場合は、抜歯矯正が選択されることが多いです。
    • 口元の突出(口ゴボ)
      突き出た歯を引っ込めるためには、抜歯が必要になる場合があります。
  • 非抜歯で対応可能な場合
    • 軽度から中程度の叢生の場合、歯列の拡大や歯間削合(IPR)でスペースを確保できます。
    • 患者が「歯を抜かずに治療したい」という強い希望を持ち、適切な治療計画が立てられる場合。
    • 骨格的な不調和が少なく、歯列を広げても顔のバランスを崩さない場合。

各方法のメリット・デメリットを徹底比較

  • 非抜歯矯正のメリット・デメリット
    • メリット
      • 健康な歯を抜かないため、歯の本来の機能を維持できる。
      • 治療後も自然なフェイスラインを保てる。
      • 痛みや抜歯に対する恐怖心が少ない。
    • デメリット
      • 無理な拡大により、歯周組織への負担が増加する可能性がある。
      • 後戻りしやすい場合があるため、保定装置(リテーナー)が必須。
  • 抜歯矯正のメリット・デメリット
    • メリット
      • 顎のスペースが十分に確保でき、安定した治療結果が得られる。
      • 口元の突出感を抑え、整ったフェイスラインを実現できる場合が多い。
    • デメリット
      • 健康な歯を抜くため、心理的・身体的な負担が大きい。
      • 抜歯後の大幅な歯の移動が必要で、治療期間が長くなる場合がある。

ケーススタディで学ぶ実際の治療結果

  • ケース1: 軽度の叢生に非抜歯矯正を適用した例
    • 患者:20代女性
    • 状況:上下前歯に軽度の重なりがあり、顎の幅は十分。
    • 治療方法:歯列拡大とIPRを組み合わせてスペースを確保。
    • 結果:抜歯せずに自然な笑顔とフェイスラインを実現。
  • ケース2: 重度の叢生に抜歯矯正を適用した例
    • 患者:30代男性
    • 状況:上下顎に重度の叢生があり、口元の突出感が強い。
    • 治療方法:第一小臼歯を上下で計4本抜歯し、スペースを確保。
    • 結果:整った歯列とフェイスラインを実現し、噛み合わせも改善。
  • ケース3: 非抜歯矯正が失敗し、抜歯矯正に切り替えた例
    • 患者:20代男性
    • 状況:非抜歯矯正を希望したが、治療途中でスペース不足により歯列が乱れる。
    • 対応:途中で抜歯矯正に切り替え、問題を解決。
    • 教訓:初期診断で正確な適応判断を行うことの重要性。

まとめ

非抜歯矯正と抜歯矯正には、それぞれ異なる適応条件や利点があります。患者の症例に応じて最適な方法を選択するためには、両者の違いを正しく理解し、信頼できる歯科医と相談することが重要です。

非抜歯矯正の症例と成功事例

非抜歯矯正は、患者の年齢や症例に応じて幅広い適応が可能です。このセクションでは、子どもから成人までの成功事例を紹介し、特殊な症例における治療効果についても詳しく解説します。

子どもの非抜歯矯正とその結果

  • 成長期を活かした顎の発達補助
    子どもは顎の成長が期待できるため、拡大矯正装置を使用し、自然なスペースを確保。早期治療により歯列が整い、将来的な抜歯リスクを軽減。
  • 成功例
    • 小学生の軽度叢生:拡大床を使用し、スペース確保に成功。
    • 結果:自然な歯列と正常な噛み合わせを実現。

プレオルソでゴリラ顔の口ゴボを改善

プレオルソ
プレオルソ

顎の成長が活発に行われている4歳くらいから10歳くらいまでの間であれば写真の様なプレオルソという装置を使って非抜歯矯正で治療を行うことが出来る可能性が高まります。

プレオルソは不正咬合の原因である口呼吸や舌突出癖などを矯正する装置で、健全な顎骨の成長を促してくれるのが特徴です。

成長している期間でブレーキーフェイシャルタイプでは、バイオネーターという取り外し式の装置で抜歯をせずに出っ歯や口ゴボを治すことも可能です。

成人の非抜歯矯正成功例

  • 成人矯正での適用
    顎の成長が完了した成人でも、歯列拡大やIPRを組み合わせた治療が有効。インビザラインを用いることで、目立たない治療を実現。
  • 成功例
    • 20代女性の軽度口ゴボ:非抜歯で拡大矯正を実施し、口元を自然に改善。
    • 30代男性の中等度叢生:IPRを活用し、抜歯せずに治療完了。

特殊な症例における非抜歯矯正の効果

  • 骨格的な問題を含む症例
    顎間ゴムやアンカースクリューを活用して、特殊な咬合問題を非抜歯で解決。
  • 成功例
    • アンカースクリューを用いた上顎前突の矯正:抜歯せずに口元を引っ込めることに成功。
    • 顎関節症の患者:非抜歯矯正で機能改善と見た目の向上を両立。

まとめ

非抜歯矯正は幅広い症例に対応でき、患者の状態に応じた柔軟な治療が可能です。特に早期治療や最新技術の活用により、多くの成功事例が生まれています。

非抜歯矯正に関するよくある誤解

非抜歯矯正は人気が高まる一方で、多くの誤解や不安もつきまといます。このセクションでは、よくある噂や疑問を科学的根拠に基づいて解説し、患者が正しい情報に基づいて判断できるようにします。

非抜歯矯正はゴリラ顔になる

「非抜歯矯正はゴリラ顔になる」の真偽を検証

  • 噂の背景
    非抜歯矯正で歯列を広げる際、口元が前に出ることで「ゴリラ顔になる」という誤解が広まりました。
  • 科学的な見解
    適切な治療計画のもとで行えば、フェイスラインが不自然になることはありません。むしろ、顎の拡大によって自然で調和の取れた顔立ちが実現します。
  • 正しい治療のポイント
    • 適切な診断と計画が重要。
    • 顎骨の状態を正確に把握し、必要以上の拡大を避ける。

綺麗なEラインを作るなら抜歯矯正

横顔に鼻の先端から顎の先端に引いたラインをEライン(エステティックライン)と呼びます。矯正で歯並びが綺麗になっても口元が引っ込まなければ、綺麗なEラインの横顔になるとは限りません。

ゴリラ顔の口元を引っ込める為には小臼歯の抜歯が必要になることもあります。

非抜歯矯正が後悔される理由とは?

  • 後悔される主な理由
    • 治療後の後戻りが起きた場合。
    • スペース不足により、噛み合わせや歯並びが思ったように改善されない場合。
    • 見た目が希望通りにならない場合。
  • 事例から学ぶポイント
    • リテーナー(保定装置)の使用を怠らない。
    • 初期診断で非抜歯矯正が適応するかどうかを慎重に判断する。
    • 経験豊富な矯正歯科医を選ぶ。

非抜歯矯正を始める前に知るべきこと

  • 適応症例かどうかの確認
    すべての患者に非抜歯矯正が適しているわけではありません。初期診断での適応判断が非常に重要です。
  • 治療の限界を理解する
    非抜歯矯正では対応が難しいケースもあるため、歯科医から治療の限界について説明を受けることが必要です。
  • 治療後の保定期間を理解する
    非抜歯矯正は後戻りしやすい傾向があるため、保定装置を適切に使用する必要があります。
  • 治療期間や費用について
    非抜歯矯正は場合によって治療期間が短縮されますが、患者ごとに異なります。事前に十分な説明を受け、費用も確認しておきましょう。

まとめ

非抜歯矯正に関する誤解は、適切な情報を得ることで解消できます。治療を検討する際は、信頼できる矯正歯科医と相談し、自分に最適な治療法を選択することが重要です。

信頼できる非抜歯矯正クリニックの選び方

非抜歯矯正を成功させるためには、信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。このセクションでは、経験豊富な歯科医師の見極め方や治療方針の確認方法、技術力の高さを判断するポイントを解説します。

信頼できる非抜歯矯正クリニック

経験豊富な歯科医師を見つけるポイント

  • 歯科医師の経歴や資格を確認する
    矯正歯科専門医や非抜歯矯正に特化した治療経験を持つ医師が在籍しているか確認しましょう。公式ウェブサイトや口コミ、学会所属歴などをチェックするのがおすすめです。
  • 非抜歯矯正の実績を調べる
    実際に非抜歯矯正を行った症例数が多いクリニックは、経験値が高く、成功率も期待できます。症例写真や体験談の公開がある場合は、それを参考にしましょう。
  • 患者とのコミュニケーション力
    患者の希望や不安をきちんとヒアリングし、わかりやすく説明してくれる歯科医師を選びましょう。特に非抜歯矯正は個別性が高いため、信頼関係が重要です。

治療方針や料金の透明性を確認する

  • 初回カウンセリングでの説明
    初診時に、治療方針や適応症例であるかどうかをしっかり説明してくれるクリニックを選びましょう。また、治療の流れや使用する装置についても具体的に聞けると安心です。
  • 料金体系が明確かどうか
    矯正治療は高額になる場合が多いため、料金が明確に提示されているか確認してください。分割払いの可否や追加費用の発生有無についても事前に質問しましょう。
  • 治療の選択肢を提示してくれるか
    非抜歯矯正だけでなく、必要に応じて抜歯矯正の可能性や他の選択肢も提示してくれるクリニックは信頼できます。

技術力の高いクリニックの特徴

  • 矯正治療の選択肢が豊富
    拡大矯正、IPR、インビザラインなど、多様な治療方法を提供しているクリニックは、個々の患者に合った治療計画を立てやすいです。
  • アフターケアの充実
    治療後の保定期間におけるサポート体制がしっかりしているクリニックは、後戻りのリスクを減らすために重要です。
  • 口コミや評判
    実際に治療を受けた患者の口コミや評価を調べましょう。信頼できる口コミサイトやSNSでの情報収集も役立ちます。

まとめ

信頼できる非抜歯矯正クリニックを選ぶには、歯科医師の経験、料金の透明性、技術力などを総合的に判断することが大切です。初診でしっかり相談し、納得した上で治療を始めることを心がけましょう。

まとめ:非抜歯矯正を選ぶべきか?

非抜歯矯正は、多くのメリットを持つ治療方法ですが、すべての患者に適しているわけではありません。このセクションでは、治療を決断する前に考えるべきポイントや、最適な治療方法を選ぶためのアドバイスを提供します。

治療を決断する前に考えるべきポイント

  • 自分の歯並びの状態を正確に把握する
    軽度から中等度の叢生であれば非抜歯矯正が適応することが多いですが、重度の叢生や骨格的な問題がある場合は抜歯が必要な場合もあります。歯科医師による正確な診断を受けましょう。
  • 治療の目的を明確にする
    見た目の改善、噛み合わせの改善、治療期間の短縮など、自分が重視するポイントを明確にすることで、治療方針を歯科医師と共有しやすくなります。
  • 治療のリスクを理解する
    非抜歯矯正には後戻りや歯周組織への負担といったリスクがあります。これらを正しく理解した上で、自分がそのリスクを受け入れられるかを考えましょう。
  • 費用と時間の負担を検討する
    治療費や治療期間、通院頻度など、自分のライフスタイルに合った治療計画を検討しましょう。費用が不安な場合は分割払いが可能かなども確認してください。

自分に最適な治療方法を見つけるためのアドバイス

  • 信頼できる矯正歯科医に相談する
    経験豊富で症例数が多い矯正歯科医を選ぶことで、自分に適した治療方法を提案してもらえます。複数のクリニックでセカンドオピニオンを受けるのもおすすめです。
  • 治療の選択肢を広く知る
    非抜歯矯正だけでなく、抜歯矯正や最新の矯正技術についても理解を深め、比較検討することが大切です。
  • 治療後の生活をイメージする
    治療による歯並びの改善が自分の生活や仕事にどのように影響を与えるかを具体的にイメージしましょう。治療後の笑顔やフェイスラインの改善を考えることで、モチベーションが高まります。
  • 自分の希望を歯科医師にしっかり伝える
    治療の希望や不安を率直に伝えることで、歯科医師との信頼関係が深まり、より納得のいく治療を受けることができます。

まとめ

非抜歯矯正を選ぶかどうかは、患者自身の症状や希望に大きく依存します。治療を決断する際は、歯科医師としっかり相談し、自分の歯並びやライフスタイルに合った治療法を選択することが重要です。正しい情報をもとに判断し、後悔のない矯正治療を目指しましょう。

江戸川区篠崎で、非抜歯矯正から抜歯矯正まで幅広く対応!

歯並びの悩みはありませんか?
江戸川区篠崎にある当院では、「非抜歯矯正」と「抜歯矯正」の両方に対応し、患者様一人ひとりに最適な治療をご提案しています。

【非抜歯矯正の魅力】
「歯を抜かずに治療できる非抜歯矯正」は、自然な笑顔と調和の取れたフェイスラインを保ちながら、美しい歯並びを実現します。
一方で、「非抜歯矯正はゴリラ顔になる」という噂を耳にした方も多いかもしれません。当院では、最新の矯正技術を駆使して、顔のバランスやフェイスラインを考慮した治療を行っていますので、自然で美しい仕上がりが期待できます。

【抜歯矯正も安心対応】
重度の歯列の乱れや顎のスペースが不足している場合には、抜歯矯正が最適な選択肢になることもあります。当院では、経験豊富な矯正専門医が診断を行い、丁寧に治療計画を立てますので安心です。

【当院が選ばれる理由】

  • 江戸川区篠崎エリアで通いやすい立地
  • 最新技術を導入した痛みの少ない治療
  • カウンセリング重視で患者様に寄り添う診療

「歯を抜かずに治したい」「顔のバランスを崩さない治療がしたい」とお考えの方は、ぜひ当院にご相談ください。美しい笑顔と健康的な歯を手に入れるお手伝いをさせていただきます。

【動画】アデノイド顔貌

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

Follow me!