歯周外科手術を受けたあと、いったん症状が落ち着いたにもかかわらず、数か月たってから再び歯ぐきが腫れたり、強い痛みが出たりすることがあります。

特に、顔まで腫れている、痛みが強くなっている、日常生活に支障が出ているといった場合は、「手術後だから」と長期間様子を見るのではなく、原因を確認することが大切です。

ここでは、歯周外科手術後に再び腫れや痛みが出る原因や、必要となる検査、受診の目安について解説します。


歯周外科手術後に再び歯ぐきが腫れた…このまま様子を見ても大丈夫?

昨年12月、歯周病のため右下の奥から2番目の歯に歯周外科手術を受けました。手術名は覚えていませんが、GTR法だったと思います。

手術後は顔の腫れと痛みが続きましたが、1か月ほどで落ち着き、歯がしみる症状も治まっていました。

ところが、手術から約7か月たった最近になって、再び痛みが出てきました。現在は歯ぐきが腫れ、顔も少し腫れているのが分かります。

ほかの歯の治療もあり、歯科医院には毎週通院しています。昨日も症状を伝えましたが、消毒と軟膏で様子を見ることになりました。

しかし、口の中に飴玉が入っているような強い違和感があり、頭痛を感じるほど痛みます。このまま様子を見ていてよいのでしょうか。ほかの歯科医院を受診したほうがよいのか悩んでいます。


歯周外科手術の直後には、手術による炎症反応として腫れや痛みが生じることがあります。

しかし今回のように、手術から約7か月たって症状が再び現れた場合は、通常の術後反応とは分けて考える必要があります。

特に、

  • 歯ぐきの腫れが強くなっている
  • 顔まで腫れている
  • 強い痛みが続いている
  • 噛むと痛い
  • 口の中に強い違和感がある
  • 症状が改善せず悪化している

といった場合には、歯や歯周組織に炎症・感染などが生じていないか、改めて診査することが重要です。

症状だけから原因を特定することはできません。歯周病だけでなく、歯の神経や根の病気など、別の原因が関係している可能性もあります。

1.歯周病による炎症の再発

歯周外科手術や歯周組織再生療法を行っても、将来にわたって歯周病が再発しないことが保証されるわけではありません。

治療後に深い歯周ポケットが残っている場合や、プラークコントロールが難しい部位では、再び細菌が増殖して炎症を起こすことがあります。

炎症が強くなり膿がたまると、歯ぐきが大きく腫れたり、噛んだときに痛みを感じたりすることがあります。

歯周治療後は、治療そのものだけでなく、定期的なメインテナンスによって良好な状態を維持することが重要です。

2.歯の根の感染

歯ぐきが腫れているからといって、必ずしも原因が歯周病とは限りません。

歯の神経が細菌感染によって壊死したり、過去に根管治療を受けた歯の根の中で感染が再燃したりすると、根の先端周囲に炎症が起こることがあります。

このような病変では、

  • 歯ぐきが腫れる
  • 膿がたまる
  • 噛むと痛む
  • 歯が浮いたように感じる
  • 強い痛みが出る

などの症状がみられることがあります。

歯周病と根の病気が同時に存在することもあるため、両方の可能性を考えて診断することが大切です。

3.歯根破折や歯の亀裂

歯の根に亀裂が入ったり、歯根が割れたりする歯根破折も、歯ぐきの腫れを繰り返す原因の一つです。

特に神経を取った歯や大きな修復物が入っている歯では、歯根破折が問題になることがあります。

歯根破折では、

  • 特定の場所だけ歯周ポケットが深い
  • 同じ場所が繰り返し腫れる
  • 噛んだときに痛む
  • 歯ぐきから膿が出る

などの症状がみられることがあります。

ただし、細かな亀裂や破折は通常のレントゲンだけでは確認が難しいこともあります。歯周ポケットの状態や症状、必要に応じた画像検査などを組み合わせて判断します。

4.歯周組織再生療法を行った部位の問題

GTR法などの歯周組織再生療法では、症例に応じて膜や骨補填材などを使用することがあります。

治療後に問題なく治癒するケースが多い一方、治療部位に感染や炎症が生じる可能性を完全に否定することはできません。

ただし、手術から数か月後に腫れたからといって、使用した材料が原因とは限りません。

歯周病の再発、歯内病変、歯根破折なども含め、総合的に原因を調べる必要があります。

5.噛み合わせなどの影響

噛み合わせによって特定の歯に大きな力が加わっていると、歯周組織の状態によっては痛みや違和感が強くなることがあります。

ただし、顔が腫れるほどの症状を噛み合わせだけで説明できるとは限りません。

感染や炎症など、ほかの原因がないか確認したうえで評価することが重要です。


実際に診察していないため、今回のケースについて治療の適否を判断することはできません。

症状が軽く、改善傾向がみられる場合には、処置後に経過観察となることもあります。

一方で、

「顔まで腫れている」
「頭痛を感じるほど痛い」
「腫れや痛みが強くなっている」
「処置を受けても改善しない」

といった場合には、原因を確認するための追加の診査・検査が必要になることがあります。

「腫れているから消毒する」という対症的な処置だけでなく、なぜ腫れているのかを確認することが重要です。

症状や歯の状態に応じて、次のような検査を組み合わせます。

歯周ポケット検査

歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットの深さや出血、排膿などを確認します。

特定の部分だけ極端に深いポケットがある場合には、歯根破折などを疑う手掛かりになることもあります。

レントゲン検査

歯を支えている骨の状態や、歯の根の周囲に病変がないかなどを確認します。

過去の画像がある場合には、以前と比較することで変化を把握しやすくなります。

歯の神経の検査

神経を取っていない歯の場合には、必要に応じて歯髄の状態を確認します。

歯周病と思われていた症状に、歯の神経由来の病変が関係していることもあるためです。

CT検査

通常のレントゲンだけでは原因を判断しにくい場合には、歯科用CTによる検査が検討されることがあります。

CTでは歯や顎の骨を三次元的に確認できるため、骨の欠損や根の周囲の状態などを詳しく評価する際に役立ちます。

ただし、すべての症例でCTが必要になるわけではありません。

噛み合わせの確認

噛んだときに特定の歯へ過度な力が加わっていないかについても確認します。

これらの検査結果を総合して、症状の原因を判断します。

歯や歯ぐきの感染による炎症が周囲の組織へ広がると、顔の腫れが強くなることがあります。

特に、

  • 腫れが急速に広がっている
  • 発熱や強い倦怠感がある
  • 口が開けにくい
  • 飲み込みにくい
  • 息苦しさを感じる
  • 顎の下や首まで腫れてきた

といった症状がある場合は、通常の予約日まで待たず、速やかに歯科・歯科口腔外科などの医療機関へ相談してください。

特に呼吸しにくい、飲み込みが著しく困難、急速に腫れが拡大しているといった場合には、緊急性が高い可能性があります。


もちろん選択肢の一つです。

現在の担当医に、

「なぜ再び腫れているのでしょうか」
「歯周病の再発以外の原因は考えられませんか」
「追加の検査は必要ありませんか」

などと質問し、まず詳しい説明を受ける方法もあります。

それでも症状が改善しない場合や、診断・治療方針について不安が残る場合には、歯周病治療に詳しい歯科医院や歯科口腔外科などで別の意見を聞くことも検討できます。

セカンドオピニオンは、現在の担当医を否定するためのものではありません。

別の視点から状態を評価してもらうことで、診断や治療方針について理解を深めることにもつながります。

歯周外科手術後には一時的な腫れや痛みが起こることがありますが、いったん治まった症状が数か月後に再び現れた場合は、通常の術後反応とは分けて考える必要があります。

原因としては、

  • 歯周病による炎症の再発
  • 歯の根の感染
  • 歯根破折や亀裂
  • 歯周組織再生療法を行った部位の炎症
  • 噛み合わせなどの影響

などが考えられます。

特に、顔まで腫れている、強い痛みが続く、症状が悪化している場合には、単に長期間様子を見るのではなく、原因を詳しく調べることが大切です。

担当医に現在の状態や今後の検査・治療方針について改めて説明を求め、必要に応じてセカンドオピニオンを検討するとよいでしょう。

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江戸川区篠崎で歯周外科手術後の歯ぐきの腫れにお悩みの方へ|再発した腫れや痛みは早めの検査が大切です

一度落ち着いた歯ぐきが再び腫れた場合は、歯周病の再発だけでなく、歯の根の感染や歯根破折などが関係していることもあります。歯や歯ぐきの状態を詳しく確認し、原因に応じた治療方法を検討します。

「手術をしたのにまた腫れてきた」「様子を見るだけでよいのか不安」という方は、一人で悩まずお気軽にご相談ください。

【動画】歯周病の手遅れの症状

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

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