目次

「朝起きると口や喉が乾いている」

「寝ているときのいびきを指摘された」

「子どもがいつも口をぽかんと開けている」

このような症状がある場合、無意識のうちに口呼吸をしている可能性があります。

口呼吸は、単に「口から息をしているだけ」と思われがちです。しかし、口呼吸が続くと口の中が乾燥し、口臭や歯肉炎、虫歯などのリスクが高まることがあります。特に成長期の子どもでは、舌の位置や唇・頬の筋肉のバランスが崩れ、歯並びや顎の成長に影響する可能性もあります。研究では口呼吸と歯や顎の形態変化との関連が報告されていますが、原因と結果を一律に断定できるわけではありません。

この記事では、口呼吸の見分け方、原因、歯並びや睡眠への影響、改善方法、歯科や耳鼻咽喉科を受診する目安について詳しく解説します。

口呼吸は自覚しにくく、本人が気づかないまま習慣化していることがあります。次の項目に当てはまるものがないか確認してみましょう。

  • 気がつくと口が開いている
  • 朝起きると口や喉が乾いている
  • 寝ている間にいびきをかく
  • 枕によだれの跡が残っている
  • 唇が乾燥しやすい
  • 口臭が気になる
  • 鼻が詰まりやすい
  • 食事中に口を開けて噛むことが多い
  • 唇を閉じると顎先に力が入る
  • 舌が上顎ではなく、下の前歯の近くにある
  • 前歯が出ている、または上下の前歯が噛み合わない
  • 子どもがテレビやゲームを見ているときに口を開けている
  • 朝起きてもすっきりせず、日中に眠気がある

複数当てはまる場合は、口呼吸になっている可能性があります。

ただし、セルフチェックだけでは原因までは判断できません。鼻づまり、舌や唇の機能、歯並び、顎の大きさ、睡眠中の呼吸などを総合的に確認する必要があります。

口呼吸とは、鼻ではなく、主に口から空気を吸ったり吐いたりする呼吸のことです。

運動後など、一時的に口で呼吸することは誰にでもあります。問題となるのは、安静時や睡眠中にも口が開き、口呼吸が習慣化している状態です。

口が開いているからといって、必ずしもすべての空気を口から吸っているとは限りません。しかし、「口ぽかん」の状態が長く続いている場合は、鼻呼吸が十分にできていない、または唇を閉じる機能が弱い可能性があります。

鼻呼吸と口呼吸の違い

鼻呼吸が人間にとって「正常」である理由
鼻呼吸が人間にとって「正常」である理由

鼻は、空気を肺へ送るだけの通り道ではありません。

鼻から入った空気は、鼻毛や鼻粘膜によって異物が取り除かれ、適度に温められ、湿度が加えられます。鼻や副鼻腔では一酸化窒素が産生され、気道の防御や血流調節などに関与していることも報告されています。

一方、口から吸い込んだ空気は、鼻による加温・加湿・清浄化を十分に受けないまま喉へ入ります。そのため、口や喉が乾燥しやすくなります。

比較項目鼻呼吸口呼吸
空気の加温・加湿鼻粘膜で調整される十分に調整されにくい
異物の除去鼻毛や粘液がフィルターとして働く鼻のフィルター機能を通らない
口の乾燥起こりにくい起こりやすい
舌の位置上顎に収まりやすい舌が低い位置になりやすい
唇の状態自然に閉じやすい開いた状態が続きやすい
睡眠との関係比較的安定しやすいいびきや睡眠呼吸障害を伴うことがある

口呼吸になる主な原因

口呼吸には、単なる癖だけでなく、鼻や喉の病気、歯並び、顎の形、口周りの筋力など、さまざまな原因が関係しています。

鼻づまりがある

鼻の通りが悪いと、必要な空気を取り込むために、無意識に口を開けて呼吸するようになります。

代表的な原因には、次のようなものがあります。

  • アレルギー性鼻炎
  • 花粉症
  • 副鼻腔炎
  • 鼻中隔湾曲症
  • 鼻茸
  • アデノイド肥大
  • 扁桃肥大

特に、年中鼻が詰まっている、片方の鼻だけ通りにくい、寝ているときに苦しそうに呼吸している場合は、耳鼻咽喉科での診察が必要です。

舌の位置が低い

舌は、安静時に舌先だけでなく、舌の広い部分が上顎に触れているのが理想的です。

舌が下顎側に落ちている「低位舌」の状態では、口が開きやすくなります。また、舌が上顎を内側から支えにくくなるため、成長期では上顎の発育や歯列の広がりに影響する可能性があります。

唇を閉じる力が弱い

口輪筋など、口の周囲の筋肉が十分に働かないと、安静時に唇を閉じ続けることが難しくなります。

唇を閉じようとしたときに、顎先へ梅干しのようなしわができる場合は、無理に力を入れて口を閉じている可能性があります。

歯並びや顎の形に問題がある

次のような歯並びでは、物理的に唇を閉じにくいことがあります。

  • 前歯が大きく前へ出ている
  • 上下の前歯が噛み合わない
  • 上顎の歯列が狭い
  • 下顎が小さい、または後方にある
  • 口元が前へ突出している

この場合は、トレーニングだけでは十分に改善せず、矯正治療が必要になることもあります。

指しゃぶりや舌癖が残っている

指しゃぶりや舌を前へ突き出す癖が長く続くと、前歯が噛み合わない「開咬」や、上の前歯が前へ傾く「上顎前突」を引き起こすことがあります。

歯並びが変化すると唇を閉じにくくなり、口呼吸が定着するという悪循環につながることがあります。

姿勢が崩れている

スマートフォンやゲーム、デスクワークなどで頭が前へ出た姿勢が続くと、口が開きやすくなることがあります。

ただし、口呼吸と姿勢の関連については研究結果にばらつきがあり、姿勢だけを口呼吸の直接的な原因と断定することはできません。

口呼吸を放置するとどうなる?

口呼吸による影響は、口の中だけに限りません。歯並び、睡眠、発音、食べ方など、さまざまな問題と関連することがあります。

口が乾燥する

口呼吸では、口の中を空気が通るため、唾液が蒸発しやすくなります。睡眠中に口が開いている人では、朝起きたときに強い乾燥を感じることがあります。

口の乾燥が続くと、次のような症状が現れることがあります。

  • 口の中がネバつく
  • 舌が乾く
  • 唇がひび割れる
  • 喉がイガイガする
  • 飲み込みにくい
  • 発音しにくい
  • 入れ歯が安定しにくい

口の乾燥は口呼吸以外にも、薬の副作用、脱水、糖尿病、シェーグレン症候群、加齢などによって起こります。乾燥が強い場合は、口呼吸だけと決めつけず、原因を調べることが大切です。

口臭が強くなる

唾液には、口の中を洗い流し、細菌の増殖を抑える働きがあります。

口呼吸によって口の中が乾燥すると、舌や歯の表面に汚れが残りやすくなり、細菌が増えて口臭につながることがあります。

歯周病、舌苔、虫歯、喫煙、胃腸や耳鼻咽喉科の病気など、口臭にはほかの原因もあるため、歯科で口腔内を確認する必要があります。

虫歯や歯肉炎のリスクが高まる

唾液には、食べかすを洗い流す自浄作用、細菌の働きを抑える抗菌作用、酸性に傾いた口の中を中和する緩衝作用があります。

口呼吸で前歯や歯ぐきが乾燥すると、プラークが付着しやすくなり、歯肉炎を起こすことがあります。子どもの口呼吸と歯肉の炎症・プラーク蓄積との関連は報告されていますが、虫歯との関係については研究が限られており、「口呼吸をすれば必ず虫歯になる」とは言い切れません。

喉の痛みや違和感が起こる

鼻を通らない乾燥した空気が直接喉へ入ることで、喉の粘膜が乾燥しやすくなります。

朝起きたときに喉が痛い、声がかすれる、咳が出るといった症状がある場合は、睡眠中に口が開いている可能性があります。

ただし、喉の痛みには感染症、アレルギー、逆流性食道炎なども関係します。痛みが続く場合は、医療機関を受診してください。

歯並びは、歯や顎の大きさだけで決まるものではありません。

歯は、内側から押す舌の力と、外側から押す唇や頬の力のバランスが取れた位置に並びます。

口呼吸が続くと舌が低い位置になり、唇が開いた状態が増えるため、歯にかかる力のバランスが崩れることがあります。

出っ歯で開咬の症例

出っ歯で開咬の症例


舌が中切歯(前歯)を押すために出っ歯となり、歯の間に隙間が出来る開咬も生じています。

乱杭歯(ガタガタの歯並び)

乱杭歯(ガタガタの歯並び)


V字型の狭い歯列のため、歯を並べるスペースが不足し乱杭歯(ガタガタの歯並び)になっています。

出っ歯

唇が開いて上の前歯を外側から支える力が弱くなると、上の前歯が前方へ傾きやすくなることがあります。

舌で前歯を押す癖が伴っている場合は、さらに前歯が突出する可能性があります。

開咬

開咬とは、奥歯を噛み合わせても上下の前歯が接触せず、隙間が残る歯並びです。

舌を上下の前歯の間へ入れる癖や、指しゃぶりなどによって起こることがあります。開咬になると前歯で食べ物を噛み切りにくく、発音にも影響する場合があります。

ガタガタの歯並び

舌が上顎に収まらない状態が成長期に続くと、上顎の歯列が十分に横へ広がらず、細いV字型になることがあります。

永久歯が並ぶスペースが不足すると、歯が重なって生える叢生、いわゆる「ガタガタの歯並び」につながる可能性があります。

交叉咬合

上顎の歯列が狭いと、本来は外側にある上の歯が、下の歯より内側へ入って噛み合うことがあります。これを交叉咬合といいます。

交叉咬合を放置すると、顎を横にずらして噛む癖がつき、顔や顎の左右差につながることがあります。

口呼吸の子どもでは、顎や歯列に一定の特徴がみられるという研究があります。しかし、遺伝、鼻や喉の状態、口腔習癖など複数の要因が関係するため、口呼吸だけが原因とは限りません。

子どもがテレビを見ているときや本を読んでいるとき、いつも口を開けている場合は注意が必要です。

成長期は、顎や顔面の骨が発達する大切な時期です。口呼吸が続くと、舌の位置や口周りの筋肉の使い方が変化し、顎や歯列の成長に影響する可能性があります。

子どもにみられやすいサイン

  • いつも口をぽかんと開けている
  • 食事中にくちゃくちゃ音がする
  • 食べこぼしが多い
  • 前歯で食べ物を噛み切れない
  • 飲み込むときに舌が前へ出る
  • 発音が不明瞭
  • 鼻が詰まりやすい
  • いびきをかく
  • 寝相が極端に悪い
  • 寝汗が多い
  • 朝起きるのが苦手
  • 日中にぼんやりしている
  • 落ち着きがないように見える
  • 歯並びが狭い、前歯が出ている

顔つきにも影響するの?

慢性的な鼻づまりや口呼吸がある子どもでは、面長、唇が閉じにくい、下顎が後方にあるといった特徴がみられる場合があります。

一般に「アデノイド顔貌」と呼ばれることがありますが、顔つきだけを見て口呼吸やアデノイド肥大を診断することはできません。顔貌には遺伝や成長パターンなども関係します。

気になる場合は、歯並びだけでなく鼻や喉の状態も確認することが重要です。

口呼吸そのものが、直接的に学力や知能を低下させると断定することはできません。

ただし、鼻づまり、いびき、睡眠時無呼吸などによって睡眠の質が低下すると、日中の眠気、集中しにくい、落ち着きがないといった症状が現れることがあります。

子どもの睡眠呼吸障害では、成人のように眠そうになるだけでなく、多動や不注意に似た行動がみられることもあります。そのため、口呼吸やいびきがある子どもの行動を、性格や努力不足だけで判断しないことが大切です。口呼吸は小児の睡眠呼吸障害と関連する観察可能なサインの一つとされています。

「毎晩大きないびきをかく」「睡眠中に息が止まる」「苦しそうに呼吸する」といった症状がある場合は、早めに小児科や耳鼻咽喉科へ相談してください。

大人の口呼吸は、子どものように顎の成長へ大きく影響することは少ないものの、口の乾燥や歯周病、睡眠の質に関係することがあります。

朝起きると口がカラカラになる

睡眠中に口が開いている可能性があります。

いびきや日中の強い眠気もある場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか確認が必要です。

いびきが大きい

いびきは、狭くなった上気道を空気が通るときに、喉の組織が振動して生じます。

口呼吸だけがいびきの原因ではありませんが、肥満、下顎が小さい、舌が大きい、扁桃肥大、鼻づまりなどとともに、睡眠中の呼吸状態へ影響することがあります。

日中に強い眠気がある

十分寝たはずなのに眠い、会議中や運転中に眠くなる、起床時に頭痛がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群では、高血圧や心血管疾患などとの関連も知られているため、放置しないことが重要です。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に上気道が繰り返し狭くなり、呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。

主な症状には、次のようなものがあります。

  • 大きないびき
  • 睡眠中の呼吸停止
  • 息苦しそうに目を覚ます
  • 朝の口の乾燥
  • 起床時の頭痛
  • 熟睡感がない
  • 日中の強い眠気
  • 集中力や判断力の低下

朝の口の乾燥は、睡眠時無呼吸症候群の患者さんでみられやすい症状の一つです。

口呼吸だけで睡眠時無呼吸症候群と診断することはできません。疑われる場合は、簡易睡眠検査や終夜睡眠ポリグラフ検査などで確認します。

口呼吸を改善するには、まず原因を見極める必要があります。

鼻が詰まっている状態で、無理に口を閉じても鼻呼吸はできません。また、歯並びや顎の形によって唇を閉じられない場合は、トレーニングだけでの改善が難しいことがあります。

日中は唇を軽く閉じる

強く噛みしめる必要はありません。

上下の歯はわずかに離し、唇を軽く閉じ、舌を上顎につける状態を意識します。

舌の正しい位置を確認する

舌先は、上の前歯の裏側へ直接押しつけるのではなく、その少し後ろ側に置きます。

舌の中央から後方まで、できる範囲で上顎へ吸いつけるようにします。

ただし、舌小帯が短い、上顎が狭い、歯並びが悪い場合は、正しい位置を取りにくいことがあります。

よく噛んで食べる

食べ物を左右の奥歯でバランスよく噛み、唇を閉じたまま食べることを意識します。

単に硬いものを無理に食べるのではなく、年齢や歯の状態に合った食材を選ぶことが大切です。

姿勢を見直す

背中を丸め、顎を前へ突き出した姿勢が続かないようにしましょう。

スマートフォンやタブレットは顔の近くへ持ち上げ、長時間同じ姿勢を続けないようにします。

室内の乾燥を防ぐ

室内が乾燥していると、口や鼻の粘膜も乾燥しやすくなります。

加湿器などを使用し、エアコンの風が顔へ直接当たらないように調整しましょう。加湿器は定期的に清掃し、カビや細菌が繁殖しないように注意してください。

鼻づまりを放置しない

慢性的な鼻づまりがある場合は、先に耳鼻咽喉科で原因を調べることが重要です。

市販の点鼻薬には、長期連用によってかえって鼻づまりが悪化するものもあります。自己判断で使い続けず、医師や薬剤師へ相談してください。

「あいうべ体操」は、口や舌を大きく動かす運動です。

口周りを動かすきっかけにはなりますが、すべての口呼吸を改善できる治療法ではありません。

口呼吸の原因が鼻づまり、アデノイド肥大、扁桃肥大、歯並び、顎の形などにある場合は、体操だけでは改善しないことがあります。

「体操を続けているのに口が閉じない」という場合は、原因に合った検査や治療を受けることが大切です。

あいうべ体操(1日3セット)

  • 「あ」:大きく口を開けて「アー」
  • 「い」:口角を真横に引いて「イー」
  • 「う」:口をすぼめて「ウー」
  • 「べ」:舌を思いきり前に出して「ベー」

この運動により、舌と頬・口輪筋がバランス良く鍛えられ、舌が正しい位置(上顎)に収まりやすくなります。

あいうべ体操
あいうべ体操

「あいうべ体操」は、考案者は、福岡のみらいクリニック院長今井一彰先生です。

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あいうべ体操の本

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あいうべ体操の本

口閉じテープは、睡眠中に唇が開くのを抑える目的で使用されることがあります。

ただし、鼻呼吸が十分にできない人が口を完全にふさぐと、呼吸が苦しくなる危険があります。

次のような場合は、自己判断で使用しないでください。

  • 鼻づまりがある
  • 睡眠時無呼吸症候群が疑われる
  • 飲酒後や睡眠薬を服用している
  • 呼吸器や心臓の病気がある
  • 嘔吐の可能性がある
  • 皮膚がかぶれやすい
  • 小さな子ども
  • 自分でテープを外せない人

口閉じテープは、鼻や喉の病気、歯並び、舌の機能などを治すものではありません。使用を検討する場合は、医療機関で鼻呼吸が可能か確認したうえで、安全性に配慮しましょう。

口閉じテープ(就寝用)

  • 市販のテープや医療用不織布テープを唇に縦方向に貼るだけ
  • 寝ている間の口開き・いびき対策に◎
睡眠時の口呼吸を治す口閉じテープ
睡眠時の口呼吸を治す口閉じテープ

口閉じテープのやり方

優肌絆 肌にやさしいテープ 不織布(白) 太幅 25mm*4.5m ニトムズ。

敏感肌や赤ちゃんにも使える、お肌にやさしい不織布のテープを就寝時に唇に縦に貼って寝るだけです。

口呼吸の予防になり、口・のどの乾燥、いびきの音を予防し、眠りの質を向上できます。

口閉じ専用テープが他社から販売されていますが、「肌にやさしいテープ」が安くて良いと思います。購入するときは「太幅」をお薦めします。

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肌にやさしいテープ

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肌にやさしいテープ

※ 小林製薬から鼻呼吸を促す「ナイトミン」、三晴社からは「ネルネル」という口閉じ専用テープが販売されています。

鼻うがいは、生理食塩水で鼻腔内の花粉やほこり、粘液などを洗い流す方法です。

アレルギー性鼻炎や鼻の不快感を軽減する補助的な方法として用いられますが、アデノイド肥大や鼻中隔湾曲症など、構造的な問題を治すことはできません。

鼻うがいを行う場合は、必ず市販の洗浄液、滅菌水、精製水、または適切に煮沸・冷却した水を使用してください。水道水をそのまま鼻へ入れることは避けましょう。

なお、馬油などを自己判断で鼻へ注入する方法は、一般的な標準治療として安全性と有効性が十分に確立しているとはいえません。鼻の症状がある場合は、耳鼻咽喉科へ相談してください。

花粉症・アレルギー対策

  • 空気清浄機・こまめな掃除でハウスダストを減らす
  • 鼻うがい(生理食塩水使用)で鼻腔を洗浄
  • 馬油の点鼻で粘膜を保湿・抗菌
馬油(ソンバーユ)点鼻薬
馬油(ソンバーユ)点鼻薬

馬油(ソンバーユ)点鼻薬のやり方

「あいうべ体操」を発案した「みらいクリニック」院長 今井一彰先生お薦めの馬油(ソンバーユ)を使った点鼻です。

寝る前に1ml程度両方の鼻から垂らすだけです。馬油には固形タイプもありますが、点鼻には液体タイプを使用してください。この液状タイプを鼻腔から入れることで、のどちんこの裏の鼻咽腔の炎症を取っていきます。

馬油の第一の効果として人体の皮膚の完全殺菌も等しい力「完全捕菌」をすること「保湿」であると今井先生は話しています。その為、みらいクリニックでは、馬油の点鼻を指導し、アトピー性皮膚炎にも効果を上げている様です。

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鼻うがい ハナノア
鼻うがい ハナノア

鼻うがいのやり方

鼻腔の炎症を取るのに適したのが鼻うがいです。鼻腔、特に上咽頭部の炎症が取れれば鼻づまりも解消し、結果的に口呼吸の改善にもつながるというわけです。

ボトルを鼻に当て、片手で中央部を押すだけで簡単に使用できます。

口うがいをしても、上咽頭部を綺麗にすることはできません。そこで、鼻うがいを推奨しているのが腎臓内科医師の堀田修先生です。

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歯科では、口呼吸の有無だけでなく、口が開いてしまう背景を確認します。

顔貌と唇の状態

安静時に唇が閉じているか、唇を閉じるときに顎へ過剰な力が入っていないかを確認します。

舌の位置と動き

舌が安静時にどこへあるか、飲み込むときに前歯を押していないか、舌小帯の動きに問題がないかを調べます。

歯並びと噛み合わせ

出っ歯、開咬、交叉咬合、歯列の狭さ、顎の位置などを確認します。

口唇閉鎖力や舌圧

必要に応じて、唇を閉じる力や舌の力を測定します。

発音・咀嚼・嚥下機能

「パ・タ・カ」などの発音、食べ方、飲み込み方を確認し、口腔機能に問題がないかを評価します。

レントゲン・セファログラム

矯正治療を検討する場合は、頭部エックス線規格写真などを使って、顎の大きさや位置、歯の傾き、気道周辺の形態を確認することがあります。

ただし、レントゲン画像だけで睡眠時無呼吸症候群を診断することはできません。

治療方法は、年齢、原因、歯並び、鼻の状態によって異なります。

MFT(口腔筋機能療法)

MFTは、舌、唇、頬などの筋肉を適切に使えるようにするトレーニングです。

主に次のような内容を行います。

  • 舌を正しい位置に置く練習
  • 唇を自然に閉じる練習
  • 正しい飲み込み方の練習
  • 鼻呼吸を意識する練習
  • 発音や咀嚼のトレーニング

MFTは、舌癖や口唇閉鎖不全がある場合に有効ですが、鼻づまりや顎の骨格的な問題を単独で治すものではありません。

小児矯正

成長期の子どもで上顎が狭い、前歯が出ている、噛み合わせがずれている場合は、小児矯正を検討することがあります。

使用する装置は、歯並びや成長段階によって異なります。

  • 拡大床
  • 急速拡大装置
  • マウスピース型の機能的矯正装置
  • ワイヤー矯正装置

上顎を広げる治療によって、すべての鼻づまりや口呼吸が治るわけではありません。鼻や喉に原因がある場合は、耳鼻咽喉科での治療も必要です。

成人矯正

大人でも、前歯の突出や開咬などによって唇を閉じにくい場合は、矯正治療によって口元を改善できる可能性があります。

ただし、成人では顎の成長を利用できないため、症状によっては抜歯矯正や外科矯正を検討することがあります。

次のような症状がある場合は、歯科だけでなく耳鼻咽喉科への受診が必要です。

  • 鼻づまりが長期間続いている
  • 口を閉じると息苦しい
  • 片方の鼻だけ通りにくい
  • 鼻水やくしゃみが多い
  • 副鼻腔炎を繰り返す
  • アデノイドや扁桃の肥大を指摘された
  • 毎晩大きないびきをかく
  • 睡眠中に呼吸が止まる
  • 寝ているときに胸やお腹を大きく動かして呼吸する
  • 日中の眠気や集中力低下が強い

耳鼻咽喉科では、鼻や喉の診察、内視鏡検査、アレルギー検査、鼻腔通気度検査などが行われます。

治療には、アレルギー性鼻炎に対する内服薬や点鼻薬、アデノイド・扁桃肥大や鼻中隔湾曲症に対する手術などがあります。

口呼吸は歯科と耳鼻咽喉科の連携が大切

口呼吸には、「鼻が通らないため口で呼吸しているケース」と、「鼻は通るものの、舌や唇の機能、歯並びなどによって口が開いているケース」があります。

実際には、両方が重なっていることも少なくありません。

そのため、次のように原因に応じて診療科を選ぶことが大切です。

主な症状相談先
鼻づまり、鼻水、アレルギー耳鼻咽喉科
アデノイド・扁桃肥大耳鼻咽喉科・小児科
口ぽかん、舌癖、飲み込み方歯科・小児歯科
出っ歯、開咬、狭い歯列矯正歯科
いびき、呼吸停止、日中の眠気睡眠医療機関・耳鼻咽喉科・内科
口の乾燥、口臭、虫歯、歯肉炎歯科

早めに受診した方がよいサイン

次のような症状がある場合は、セルフケアだけで様子を見ず、医療機関を受診しましょう。

子ども

  • 睡眠中に呼吸が止まる
  • 毎晩大きないびきをかく
  • 苦しそうに呼吸している
  • 唇や顔色が青白くなる
  • 食事や睡眠に支障がある
  • 口を閉じると息ができない
  • 極端に寝相が悪い
  • 成長や体重増加が気になる
  • 日中の眠気や多動、不注意が強い

大人

  • 睡眠中の呼吸停止を指摘された
  • 運転中に眠くなる
  • 朝の頭痛が続く
  • 胸痛や強い息苦しさがある
  • 鼻づまりが長期間続く
  • 口の乾燥で食事や会話が難しい
  • 口内炎や粘膜の傷が治らない

強い呼吸困難、意識障害、唇が青紫色になるなどの症状がある場合は、緊急性があります。速やかに救急医療機関へ相談してください。

口呼吸は自然に治りますか?

一時的な鼻風邪が原因であれば、鼻づまりの改善とともに戻ることがあります。

一方、慢性的な鼻炎、アデノイド肥大、歯並び、低位舌、口唇閉鎖力の低下などがある場合は、自然に改善しないことがあります。

子どもの口ぽかんは何歳から相談できますか?

年齢にかかわらず、気づいた時点で相談できます。

特に、鼻づまり、いびき、飲み込みにくさ、歯並びの乱れなどがある場合は、早めに原因を確認しましょう。

大人でも口呼吸は改善できますか?

原因によっては改善できます。

鼻づまりの治療、MFT、生活習慣の見直し、矯正治療、睡眠時無呼吸症候群への治療などを組み合わせます。

口呼吸をすると必ず出っ歯になりますか?

必ず出っ歯になるわけではありません。

歯並びには遺伝、顎と歯の大きさ、指しゃぶり、舌癖なども関係します。ただし、口呼吸に伴う舌や唇の機能変化が、歯並びへ影響する可能性はあります。

口呼吸が治れば歯並びも自然に治りますか?

口呼吸を改善しても、すでに生じた歯並びが自然にすべて治るとは限りません。

成長期の軽度な変化であれば改善する可能性もありますが、状態によっては矯正治療が必要です。

鼻呼吸に変えるだけでいびきは治りますか?

鼻づまりが主な原因であれば改善する可能性があります。

ただし、肥満、下顎の小ささ、舌の位置、扁桃肥大、睡眠時無呼吸症候群などが関係している場合は、鼻呼吸を意識するだけでは改善しません。

口呼吸は口臭の原因になりますか?

口の中が乾燥し、細菌や舌苔が増えることで、口臭を強くすることがあります。

ただし、歯周病や虫歯など、ほかの原因が隠れていることもあります。

MFTは何歳からできますか?

指示を理解し、家庭でも練習できる年齢から始めることが一般的です。

開始時期は発達や症状によって異なるため、年齢だけで判断せず、歯科で評価を受けましょう。

マスクをしていると口呼吸になりますか?

マスクを着けることだけで、必ず口呼吸になるわけではありません。

ただし、息苦しさから口を開ける癖がつく人もいます。マスクを外せる環境では、唇を軽く閉じて鼻で呼吸できているか確認しましょう。

睡眠時無呼吸症候群は歯科で治療できますか?

歯科では、医科で睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さんに対して、症例に応じて口腔内装置を作製することがあります。

ただし、検査や診断、CPAP治療などは睡眠医療を扱う医療機関で行います。

口呼吸は、単なる癖ではなく、鼻づまり、舌の位置、唇の力、歯並び、顎の形、睡眠中の呼吸などが関係していることがあります。

口呼吸を放置すると、口の乾燥や口臭、歯肉炎などが起こりやすくなります。成長期の子どもでは、歯並びや顎の発育に影響する可能性もあるため、早めに原因を確認することが大切です。

特に、次のような症状がある方は一度ご相談ください。

  • 子どもがいつも口を開けている
  • 朝起きると口や喉が乾いている
  • いびきや睡眠中の呼吸停止がある
  • 前歯が出てきた
  • 上下の前歯が噛み合わない
  • 舌が低い位置にある
  • 鼻づまりが続いている
  • 口臭や虫歯、歯ぐきの腫れが気になる

口呼吸は、原因によって必要な治療が異なります。自己流のトレーニングだけに頼らず、歯科と耳鼻咽喉科が連携して、お口と鼻、睡眠の状態を総合的に確認することが重要です。

口呼吸の背景には、鼻づまりだけでなく、舌の位置、唇の力、歯並び、顎の成長などが関係している場合があります。

当院では、歯並びや噛み合わせに加え、舌や唇の動き、飲み込み方などを確認し、一人ひとりの状態に合わせた改善方法をご提案します。

「まだ小さいから様子を見よう」と放置せず、気になるサインがある場合は早めにご相談ください。

【動画】アデノイド顔貌

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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