- 1. 歯科用金属とは?
- 1.1. 歯科用金属はどこに使われる?
- 1.1.1. 詰め物(インレー)
- 1.1.2. 被せ物(クラウン)
- 1.1.3. ブリッジ
- 1.1.4. 入れ歯
- 1.1.5. インプラント
- 2. 銀歯は本当に体に悪いのでしょうか?
- 2.1. 銀歯が気になる理由
- 2.2. 銀歯をすぐ交換する必要はある?
- 3. なぜ歯科治療では金属が使われるのか?
- 3.1. 高い強度
- 3.2. 精密な適合性
- 3.3. 長い臨床実績
- 3.4. 保険診療で使用できる
- 4. 歯科用金属にはどんな種類がある?
- 4.1. 歯科用金属の種類を比較
- 4.2. アマルガム合金
- 4.2.1. アマルガムとは?
- 4.2.1.1. メリット
- 4.2.1.2. デメリット
- 4.2.2. 古いアマルガムは交換した方がよい?
- 4.3. 金銀パラジウム合金(銀歯)
- 4.3.1. 最も一般的な保険の歯科用金属
- 4.3.1.1. メリット
- 4.3.1.2. デメリット
- 4.3.2. このような方に向いています
- 4.4. 金合金(金歯)
- 4.4.1. 歯科材料として非常に優れた金属
- 4.4.1.1. メリット
- 4.4.1.2. デメリット
- 4.4.2. このような方に向いています
- 4.5. チタン
- 4.5.1. 人体との相性が非常に良い金属
- 4.5.1.1. 金属床(チタン床)
- 4.5.1.2. インプラント
- 4.5.1.3. メリット
- 4.5.1.4. デメリット
- 4.5.1.5. 主な用途
- 4.6. コバルトクロム合金
- 4.6.1. 金属床義歯で広く使用される材料
- 4.6.1.1. メリット
- 4.6.1.2. デメリット
- 5. 歯科用金属はどれが一番良いのでしょうか?
- 6. 歯科用金属のメリット・デメリット
- 6.1. 歯科用金属のメリット
- 6.1.1. 強度が高く、奥歯にも適している
- 6.1.2. 長期間使用できる
- 6.1.3. 適合性が高い
- 6.1.4. 保険診療で治療できる
- 6.2. 歯科用金属のデメリット
- 6.2.1. 見た目が目立つ
- 6.2.2. 金属イオンが溶け出すことがある
- 6.2.3. 歯ぐきが黒くなることがある(メタルタトゥー)
- 6.2.4. 金属アレルギーの原因となることがある
- 7. 銀歯とセラミック・ジルコニアの違い
- 7.1. 比較表
- 7.2. 銀歯の特徴
- 7.3. セラミックの特徴
- 7.4. ジルコニアの特徴
- 8. 歯科用金属アレルギーとは?
- 8.1. 金属アレルギーが起こる仕組み
- 8.2. 主な症状
- 8.2.1. お口の中
- 8.2.2. 全身
- 8.3. 金属アレルギーが疑われる場合
- 8.4. 金属アレルギーでも治療は可能?
- 9. 歯科用金属に関するよくある質問
- 9.1. 銀歯が入っていてもMRI検査は受けられますか?
- 9.2. 銀歯は空港の金属探知機に反応しますか?
- 9.3. 銀歯は何年くらい使用できますか?
- 9.4. 痛みがなくても銀歯の下に虫歯ができますか?
- 9.5. 銀歯はすべて白い歯に交換した方がよいですか?
- 9.6. 保険診療で銀歯を白い歯にできますか?
- 9.7. セラミックとジルコニアはどちらがよいですか?
- 9.8. 金属アレルギーがある場合、銀歯はすべて外す必要がありますか?
- 9.9. 金属アレルギーの検査はどこで受けられますか?
- 9.10. 金属製アクセサリーでかぶれる人は銀歯も避けるべきですか?
- 9.11. チタンでも金属アレルギーは起こりますか?
- 9.12. 妊娠中でも銀歯の治療はできますか?
- 9.13. 昔のアマルガムは必ず除去した方がよいですか?
- 9.14. 銀歯を外すと歯が弱くなりますか?
- 9.15. 金属を使用しない治療にはどのような種類がありますか?
- 9.16. 関連記事
- 10. 歯科用金属について気になる方へ
- 11. 【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー
- 12. 筆者・院長
- 12.1. 深沢 一
- 12.1.1. メッセージ

歯科用金属とは?
歯科治療では、虫歯などで失われた歯を修復するために、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)、ブリッジ、入れ歯、インプラントなど、さまざまな治療で金属が使用されています。
金属は強度や耐久性に優れ、長年にわたり歯科医療を支えてきた重要な材料です。一方で近年は、審美性や金属アレルギーへの関心の高まりから、セラミックやジルコニアなどのメタルフリー素材を選択する方も増えています。
「銀歯は体に悪いの?」
「金属アレルギーになることはある?」
「セラミックに交換した方がいい?」
このような疑問をお持ちの方も少なくありません。
本記事では、歯科用金属の種類や特徴、それぞれのメリット・デメリット、金属アレルギーとの関係、さらに白い歯との違いまで、歯科医療の観点からわかりやすく解説します。
歯科用金属とは?

歯科用金属とは、歯の修復や補綴(ほてつ)治療に使用される医療用金属の総称です。
主な用途には以下のようなものがあります。
- 虫歯治療後の詰め物(インレー)
- 被せ物(クラウン)
- ブリッジ
- 部分入れ歯・総入れ歯
- インプラント
- 矯正装置
これらの材料には、高い強度、生体適合性(体とのなじみやすさ)、耐食性(さびにくさ)などが求められます。
現在の歯科治療では、保険診療と自費診療で使用できる材料が異なり、患者さんのご希望やお口の状態に応じて最適な素材を選択します。
歯科用金属はどこに使われる?

歯科用金属は、次のような治療で使用されています。
詰め物(インレー)
虫歯を削った部分を補う修復物です。
奥歯では強い咬合力がかかるため、耐久性の高い金属が長年使用されてきました。
被せ物(クラウン)
歯の形を大きく失った場合には、歯全体を覆う被せ物を装着します。
保険診療では金銀パラジウム合金が用いられることが多く、自費診療では金合金やセラミック、ジルコニアなどが選択できます。
ブリッジ
失った歯を補う治療で、両隣の歯を支えとして人工歯を固定します。
強度が必要になるため、金属やジルコニアが使用されます。
入れ歯
部分入れ歯では金属製のバネ(クラスプ)が使われます。
また、金属床義歯では床部分にもチタンやコバルトクロム合金が使用され、薄く丈夫な入れ歯を製作できます。
インプラント
インプラントの人工歯根には、主にチタンまたはチタン合金が使用されています。
チタンは骨と結合しやすい(オッセオインテグレーション)という特徴があり、現在ではインプラント治療の標準材料となっています。
銀歯は本当に体に悪いのでしょうか?

インターネットやSNSでは、「銀歯は危険」「体に悪い」「すぐ外した方がいい」といった情報を見かけることがあります。
しかし、現在使用されている歯科用金属は、国の基準を満たした医療材料であり、すべての方に健康被害が生じるわけではありません。
必要以上に心配する必要はありませんが、素材の特徴を理解したうえで治療を選択することが大切です。
銀歯が気になる理由
患者さんが銀歯を気にされる理由には、主に次のようなものがあります。
- 見た目が気になる
- 金属アレルギーが心配
- 金属イオンが溶け出すと聞いた
- 歯ぐきが黒くなることがある
- セラミックの方が良いと言われた
これらは一定の根拠があるものもありますが、症状の有無や口腔内の状態によって対応は異なります。
銀歯をすぐ交換する必要はある?
結論から言えば、すべての銀歯を交換する必要はありません。
次のような場合は、そのまま経過観察できることが多くあります。
- 虫歯が再発していない
- 適合が良好
- 痛みがない
- 金属アレルギーが疑われない
- 見た目が気にならない
一方で、以下のような場合には交換を検討することがあります。
- 二次虫歯がある
- 被せ物が劣化している
- 金属アレルギーが疑われる
- 前歯など審美性を改善したい
- 歯ぐきの変色(メタルタトゥー)がある
交換が必要かどうかは、お口の状態を診査し、レントゲンや必要に応じてCTなどの画像診断を行ったうえで判断します。
なぜ歯科治療では金属が使われるのか?
現在では白い歯の材料も普及していますが、金属には依然として多くのメリットがあります。
高い強度
奥歯には食事の際に大きな力が加わります。
歯科用金属は割れたり欠けたりしにくく、長期間安定した機能を維持しやすい素材です。
精密な適合性
金属は加工精度が高く、歯との適合性に優れています。
適合が良いことで細菌の侵入を抑え、二次虫歯のリスク軽減にもつながります。
長い臨床実績
歯科用金属は数十年にわたり使用され、多くの臨床データが蓄積されています。
素材ごとの長所・短所が明確であり、患者さんのお口の状態に応じた治療計画を立てやすいという利点があります。
保険診療で使用できる
金銀パラジウム合金などは保険診療で使用できるため、比較的費用を抑えて治療を受けられます。
一方、自費診療では、審美性や生体親和性を重視した金合金やジルコニア、セラミックなど、より多くの選択肢があります。
歯科用金属にはどんな種類がある?

歯科治療に使用される金属にはさまざまな種類があり、それぞれ強度・耐久性・生体適合性・審美性・費用が異なります。
保険診療で使用される金属もあれば、自費診療でのみ選択できる金属もあり、治療部位や噛む力、金属アレルギーの有無などを考慮して最適な材料を選択します。
歯科用金属の種類を比較
| 種類 | 保険適用 | 強度 | 生体適合性 | 審美性 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| アマルガム | ○(現在はほぼ使用されない) | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | 詰め物 |
| 金銀パラジウム合金 | ○ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | 詰め物・被せ物・ブリッジ |
| 金合金 | × | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★☆ | 詰め物・被せ物 |
| チタン | × | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | インプラント・金属床義歯 |
| コバルトクロム合金 | △(金属床は自費) | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | 金属床義歯・部分入れ歯 |
アマルガム合金
アマルガムとは?

アマルガムは、水銀と銀・スズ・銅などを混ぜ合わせた歯科用金属で、かつては虫歯の詰め物として世界中で広く使用されていました。
耐久性が高く、治療費も安価であることから長年使用されてきましたが、水銀を含むことから近年では使用される機会が大幅に減っています。
現在の日本では、新たにアマルガムを使用することはほとんどありません。
メリット
- 強度が高い
- 摩耗しにくい
- 比較的長持ちする
- 保険診療で使用されていた
デメリット
- 水銀を含む
- 見た目が黒く目立つ
- 経年変化で変色する
- 現在ではほとんど使用されない
古いアマルガムは交換した方がよい?
アマルガムが入っているからといって、必ず交換しなければならないわけではありません。
ただし、次のような場合には交換を検討します。
- 詰め物が欠けている
- 虫歯が再発している
- 隙間ができている
- 見た目が気になる
- 金属アレルギーが疑われる
金銀パラジウム合金(銀歯)
最も一般的な保険の歯科用金属

金銀パラジウム合金は、日本の保険診療で最も多く使用されている歯科用金属です。
金・銀・パラジウム・銅などを組み合わせた合金で、強度と加工性に優れているため、奥歯の詰め物や被せ物、ブリッジなど幅広い治療に使用されています。
一般的に「銀歯」と呼ばれているものの多くが、この金銀パラジウム合金です。
メリット
- 保険診療で使用できる
- 強度が高い
- 奥歯でも十分な耐久性がある
- 長年の使用実績がある
デメリット
- 金属色が目立つ
- 金属イオンが溶出することがある
- 金属アレルギーの原因となる可能性がある
- 歯ぐきが黒ずむ(メタルタトゥー)の原因になることがある
このような方に向いています
- 保険診療で治療したい方
- 奥歯の強度を優先したい方
- 見た目より費用を重視したい方
金合金(金歯)
歯科材料として非常に優れた金属

金合金は、歯科医療において非常に評価の高い材料です。
純金は柔らかいため、そのままでは使用できませんが、白金やパラジウムなどを加えることで適度な硬さを持たせています。
歯との適合性が非常に良く、長期間にわたり安定した状態を維持しやすいことから、現在でも理想的な金属材料の一つと考えられています。
メリット
- 歯との適合性が非常に高い
- 二次虫歯になりにくい
- 腐食しにくい
- 金属アレルギーが比較的起こりにくい
- 長期間安定して使用できる
デメリット
- 自費診療になる
- 費用が高い
- 金色なので目立つ場合がある
このような方に向いています
- 奥歯を長持ちさせたい方
- 精密な被せ物を希望する方
- 噛む力が強い方
チタン
人体との相性が非常に良い金属
金属床(チタン床)

- 軽量でアレルギーが起きにくい
- インプラントの素材としても使用
- 加工が難しく、一部では高額
インプラント


チタンは、生体親和性(生体適合性)が極めて高く、医療分野でも広く使用されている金属です。
人工関節や骨固定プレート、心臓ペースメーカーなどにも使用されており、安全性の高い材料として知られています。
歯科では、インプラントの人工歯根や金属床義歯などに使用されています。
メリット
- 非常に軽い
- 強度が高い
- 腐食しにくい
- 金属アレルギーが起こりにくい
- 骨と結合する性質(オッセオインテグレーション)がある
デメリット
- 加工が難しい
- 自費診療が中心
- セラミックほど審美性は高くない
主な用途
- インプラント
- チタン床義歯
- 一部の被せ物
コバルトクロム合金
金属床義歯で広く使用される材料

コバルトクロム合金は、強度が高く、薄く加工できるため、金属床義歯によく使用される歯科用金属です。
レジン床義歯よりも薄く作製できるため、違和感が少なく、熱が伝わりやすいという特徴があります。
メリット
- 非常に丈夫
- 薄く製作できる
- 食べ物や飲み物の温度を感じやすい
- 長期間変形しにくい
デメリット
- 自費診療になる
- 金属アレルギーの可能性はゼロではない
- 修理が難しい場合がある
歯科用金属はどれが一番良いのでしょうか?
「一番良い金属」は、お口の状態や治療目的によって異なります。
例えば、
- 費用を抑えたい方には、保険適用の金銀パラジウム合金が適しています。
- 長期間の耐久性を重視する方には、適合性に優れた金合金が有力な選択肢です。
- 金属アレルギーが心配な方には、チタンやジルコニアなど生体親和性の高い材料が適しています。
- 見た目を重視する方には、セラミックやジルコニアがおすすめです。
大切なのは、「どの金属が優れているか」ではなく、「どの素材がお口の状態やライフスタイルに適しているか」です。歯科医師と相談し、それぞれの素材の特徴やメリット・デメリットを理解したうえで選択することが、満足度の高い治療につながります。
歯科用金属のメリット・デメリット
歯科用金属は、100年以上にわたり世界中で使用されてきた実績のある歯科材料です。現在でも多くの治療で使用されていますが、セラミックやジルコニアなどの新しい材料が普及したことで、患者さんが選択できる治療の幅も広がっています。
ここでは、歯科用金属のメリットとデメリットを科学的な視点から解説します。
歯科用金属のメリット
強度が高く、奥歯にも適している
歯科用金属の最大の特徴は、高い強度です。
奥歯には食事の際に体重に近い力が加わることもあり、硬い食べ物を噛むたびに大きな負荷がかかります。
金属はこのような強い咬合力に耐えられるため、奥歯の詰め物や被せ物、ブリッジなどに適しています。
また、適度なしなやかさ(延性)があるため、過度な力が加わっても割れにくいという特徴があります。
長期間使用できる
歯科用金属は耐久性に優れており、適切な治療と定期的なメンテナンスを受けることで、10年以上使用できるケースも少なくありません。
特に金合金は腐食しにくく、長期的な安定性に優れています。
ただし、素材だけで寿命が決まるわけではありません。
- 毎日の歯磨き
- 定期検診
- 噛み合わせ
- 食いしばりや歯ぎしり
なども寿命に大きく影響します。
適合性が高い
歯科用金属は精密に加工しやすく、歯との適合性に優れています。
歯と修復物の隙間が少ないほど、細菌が侵入しにくくなり、二次虫歯(再発虫歯)のリスクを軽減できます。
特に金合金は適合性が非常に高く、歯科材料の中でも優れた評価を受けています。
保険診療で治療できる
金銀パラジウム合金は保険診療の対象となるため、比較的費用を抑えて治療を受けられます。
「できるだけ費用を抑えながら、しっかり噛める歯を作りたい」という方にとって、大きなメリットといえるでしょう。
歯科用金属のデメリット

見た目が目立つ
銀歯は金属色がそのまま見えるため、口を開けたときや笑ったときに目立ちやすくなります。
特に前歯や笑ったときに見える小臼歯では、見た目を気にされる方も少なくありません。
近年では、自然な白さを再現できるセラミックやジルコニアを希望される患者さんが増えています。
金属イオンが溶け出すことがある
お口の中は常に唾液で満たされており、酸性やアルカリ性へ変化する環境です。
このような環境では、長期間の使用により金属表面からごく微量の金属イオンが溶け出すことがあります。
通常は健康上大きな問題となることは少ないとされていますが、体質によっては金属アレルギーの原因となる場合があります。
歯ぐきが黒くなることがある(メタルタトゥー)
金属イオンが歯ぐきの組織内に取り込まれると、歯ぐきが灰色や黒色に変色することがあります。
これをメタルタトゥーと呼びます。
特に古い銀歯や長期間装着された被せ物で見られることがあります。
見た目以外に健康上の大きな問題となることは少ないものの、審美性を改善したい場合には金属を使用しない材料への交換や、必要に応じて歯ぐきの治療を行うことがあります。
金属アレルギーの原因となることがある
歯科用金属による金属アレルギーは頻度としては多くありませんが、体質によって発症することがあります。
すべての方に起こるわけではありませんが、原因が特定できない皮膚症状や口腔内症状が続く場合には、歯科用金属が関与している可能性も考えられます。
銀歯とセラミック・ジルコニアの違い

近年では、「銀歯より白い歯にしたい」という理由でセラミックやジルコニアを選択する患者さんが増えています。
それぞれの素材には特徴があり、治療する部位や噛み合わせ、審美性などを考慮して選択します。
比較表
| 項目 | 銀歯(金銀パラジウム) | セラミック | ジルコニア |
|---|---|---|---|
| 見た目 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| 強度 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
| 自然な色調 | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| 金属アレルギー | △ | ◎ | ◎ |
| 保険適用 | ○(部位による) | × | × |
| 汚れの付きにくさ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| 二次虫歯リスク | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
銀歯の特徴
銀歯は強度が高く、費用を抑えられるというメリットがあります。
一方で、
- 見た目が気になる
- 金属アレルギーの可能性
- 金属イオンの溶出
などがデメリットです。
セラミックの特徴
セラミックは天然歯に近い透明感があり、前歯など審美性を重視する部位に適しています。
表面が滑らかなため汚れが付きにくく、変色しにくいことも特徴です。
ただし、強い衝撃では欠けたり割れたりする可能性があります。
ジルコニアの特徴
ジルコニアは「人工ダイヤモンド」とも呼ばれるほど強度に優れたセラミック材料です。
奥歯にも使用できるほど丈夫で、近年では詰め物や被せ物だけでなく、ブリッジにも広く使用されています。
見た目・強度・生体適合性のバランスが非常に良い材料とされています。
歯科用金属アレルギーとは?

金属アレルギーが起こる仕組み
金属アレルギーは、金属そのものに反応するのではなく、唾液によって溶け出した金属イオンが体内のタンパク質と結合し、それを免疫が異物と認識することで起こる遅延型アレルギー(Ⅳ型アレルギー)です。
一度感作(アレルギー反応を起こしやすい状態)が成立すると、その後も同じ金属に接触することで症状が繰り返されることがあります。
主な症状
歯科用金属アレルギーでは、お口の中だけでなく全身に症状が現れることがあります。
お口の中
- 口内炎を繰り返す
- 舌の痛み
- 歯ぐきの炎症
- 粘膜のただれ
- 灼熱感
全身
- 手足の湿疹
- 接触皮膚炎
- 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
- アトピー性皮膚炎様症状
ただし、これらの症状は他の疾患でも起こるため、歯科用金属だけが原因とは限りません。
金属アレルギーが疑われる場合
次のような場合には、歯科医師や皮膚科医に相談しましょう。
- 原因不明の湿疹が続いている
- 銀歯を入れてから症状が出た
- 複数の金属でかぶれたことがある
- 金属製アクセサリーでかぶれる
必要に応じて、皮膚科でパッチテストを行い、原因となる金属を調べます。
金属アレルギーでも治療は可能?
もちろん可能です。
現在では、金属を使用しないメタルフリー治療という選択肢があります。
代表的な材料には、
- オールセラミック
- ジルコニア
- ハイブリッドセラミック(適応症例)
- チタン(インプラントや義歯)
などがあります。
金属アレルギーが疑われる場合でも、お口の状態や噛み合わせを詳しく診査したうえで、一人ひとりに適した治療方法をご提案します。
歯科用金属に関するよくある質問
銀歯が入っていてもMRI検査は受けられますか?
一般的な歯科用の詰め物や被せ物が入っていても、多くの場合はMRI検査を受けられます。
金銀パラジウム合金や金合金、チタンなどは、通常のMRI検査で大きな問題を起こす可能性は低いと考えられています。ただし、金属の種類や装置によっては、口や顎の周囲に画像の乱れが生じることがあります。
取り外し式の入れ歯や矯正装置などは、検査前に外すよう指示される場合があります。MRI検査を受ける際は、歯科治療で金属を使用していることを、事前に医療機関へお伝えください。
銀歯は空港の金属探知機に反応しますか?
通常の銀歯や金属製の詰め物・被せ物が、空港の金属探知機に反応することはほとんどありません。
歯科用金属は使用量が少なく、口腔内に固定されているため、一般的には問題なく通過できます。インプラントや金属床義歯についても、通常は大きな問題にはなりません。
銀歯は何年くらい使用できますか?
銀歯には、「何年経過したら必ず交換する」という明確な期限はありません。
使用できる期間は、次のような条件によって異なります。
- 詰め物・被せ物の精度
- 残っている歯の量
- 虫歯や歯周病の状態
- 噛み合わせ
- 歯ぎしりや食いしばり
- 毎日の歯磨き
- 定期検診の有無
長期間問題なく使用できることもありますが、見た目に異常がなくても、銀歯の下で虫歯が進行している場合があります。年数だけで判断せず、定期的に状態を確認することが大切です。
痛みがなくても銀歯の下に虫歯ができますか?
銀歯の下に虫歯があっても、初期段階では痛みが出ないことがあります。
銀歯と歯の境目に隙間ができたり、接着に使用した材料が劣化したりすると、細菌が内部へ侵入して二次虫歯が起こることがあります。
歯の神経を取っている場合は、虫歯が進行しても痛みを感じにくいため、特に注意が必要です。レントゲン検査や歯科医師による診察を受け、銀歯の適合や内部の状態を定期的に確認しましょう。
銀歯はすべて白い歯に交換した方がよいですか?
問題なく機能している銀歯を、すべて予防的に交換する必要はありません。
銀歯を外す際には、周囲の歯を削ることがあります。そのため、見た目や金属アレルギーなどの明確な理由がなく、虫歯や破損も認められない場合は、そのまま経過をみることも選択肢の一つです。
一方、次のような場合は交換を検討します。
- 銀歯の下で虫歯が再発している
- 銀歯が外れた、欠けた、ぐらついている
- 歯との境目に隙間がある
- 噛むと痛い、しみる
- 見た目が気になる
- 金属アレルギーが疑われる
- 歯ぐきに黒ずみがある
交換の必要性は、症状だけでなく、診察やレントゲン検査の結果をもとに判断します。
保険診療で銀歯を白い歯にできますか?
治療する歯の位置や噛み合わせなどの条件によっては、保険診療で白いCAD/CAM冠やCAD/CAMインレーを使用できる場合があります。
ただし、すべての歯や症例に適用できるわけではありません。強い力が加わる部位や、残っている歯質が少ない場合などは、適応を慎重に判断する必要があります。
また、保険のCAD/CAM材料と、自費診療で使用するセラミックやジルコニアでは、素材の性質や色調、耐久性などが異なります。治療前にそれぞれの特徴を確認することが大切です。
セラミックとジルコニアはどちらがよいですか?
どちらが適しているかは、治療する歯の位置や噛み合わせ、見た目への希望によって異なります。
セラミックは透明感があり、天然歯に近い色調を再現しやすいため、前歯など審美性を重視する部位に適しています。
ジルコニアは強度に優れ、奥歯やブリッジにも使用できる材料です。ただし、硬い材料であるため、噛み合わせや対合歯の状態を考慮した設計と調整が必要です。
素材の名称だけで決めるのではなく、お口全体の状態に適した材料を選ぶことが重要です。
金属アレルギーがある場合、銀歯はすべて外す必要がありますか?
金属アレルギーが疑われる場合でも、自己判断ですべての銀歯を外すことはおすすめできません。
まず皮膚科などでパッチテストを受け、反応する金属を確認します。そのうえで、歯科治療に使用されている金属の種類や、症状との関連性を慎重に検討します。
アレルギー反応が確認された金属が口腔内に使用されており、症状との関連が疑われる場合には、医科と歯科が連携しながら除去や材料の変更を検討します。
金属アレルギーの検査はどこで受けられますか?
金属アレルギーの診断には、主に皮膚科で行うパッチテストが用いられます。
背中や腕などに複数の金属試薬を貼り、一定時間後の皮膚反応を確認します。判定には数日かかることがあり、検査期間中は入浴や運動などに制限が設けられる場合があります。
歯科医院では、口腔内に使用されている金属や修復物の状態を確認します。検査結果を歯科医師へ伝えることで、使用を避けるべき材料や代替治療を検討しやすくなります。
金属製アクセサリーでかぶれる人は銀歯も避けるべきですか?
アクセサリーでかぶれた経験があるからといって、必ず歯科用金属でもアレルギー症状が出るとは限りません。
アクセサリーと歯科材料では、使用されている金属の種類が異なることがあります。ただし、金属アレルギーの既往がある方は、歯科治療を受ける前に歯科医師へお伝えください。
必要に応じてパッチテストを行い、セラミックやジルコニアなどのメタルフリー材料を検討します。
チタンでも金属アレルギーは起こりますか?
チタンは生体適合性が高く、金属アレルギーを起こしにくい材料とされています。
そのため、インプラントや金属床義歯などに広く使用されています。ただし、非常にまれではあるものの、チタンに対する反応が疑われるケースもあります。
金属アレルギーの既往がある方や、インプラント治療後に原因不明の症状が現れた方は、歯科医師や皮膚科医へご相談ください。
妊娠中でも銀歯の治療はできますか?
妊娠中でも、必要に応じて虫歯や銀歯の治療を受けることは可能です。
一般的には、体調が比較的安定しやすい妊娠中期に治療を行うことが多くあります。ただし、強い痛みや腫れがある場合は、妊娠時期にかかわらず応急処置や必要な治療を検討します。
妊娠していることや妊娠週数、産婦人科での指示、服用中の薬などを、治療前に歯科医師へお伝えください。
昔のアマルガムは必ず除去した方がよいですか?
アマルガムが入っているだけで、必ず除去する必要があるとは限りません。
問題なく機能しており、虫歯や破損、アレルギー症状などが認められなければ、経過観察となる場合があります。
一方、詰め物が欠けている、隙間がある、虫歯が再発している、見た目が気になる、金属アレルギーが疑われるといった場合には、交換を検討します。
除去の際には金属片や削りくずが発生するため、口腔内の状態を確認したうえで適切な方法を選択します。
銀歯を外すと歯が弱くなりますか?
銀歯を外す際には、修復物の形状や接着状態によって、周囲の歯質を一部削る必要があります。
また、銀歯の下で虫歯が進行している場合は、感染した歯質を除去しなければなりません。その結果、残る歯質が少なくなり、治療前より歯が弱くなることがあります。
そのため、見た目だけを理由に交換する場合も、治療によって得られるメリットと、歯を削るデメリットを比較して判断することが大切です。
金属を使用しない治療にはどのような種類がありますか?
金属を使用しないメタルフリー治療には、主に次のような方法があります。
- コンポジットレジン
- CAD/CAM冠・CAD/CAMインレー
- セラミック
- ジルコニア
- ハイブリッドセラミック
それぞれ適応できる歯や修復範囲、強度、審美性、費用が異なります。すべての症例で金属を使用しない治療が適しているとは限らないため、歯の状態や噛み合わせを確認したうえで選択します。
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歯科用金属について気になる方へ

銀歯や歯科用金属が入っているからといって、すぐに健康上の問題が生じるわけではありません。
一方で、銀歯の下に虫歯が再発していたり、修復物が劣化していたりしても、痛みがないまま進行する場合があります。また、原因不明の口腔内症状や皮膚症状が続いている場合には、歯科用金属が関係していないか確認することも重要です。
当院では、現在装着されている詰め物や被せ物の適合状態、虫歯の有無、噛み合わせなどを丁寧に診査します。そのうえで、銀歯をそのまま使用できるのか、交換が必要なのか、保険診療と自費診療を含めてどの材料が適しているのかをご説明します。
「銀歯の下が虫歯になっていないか心配」
「銀歯を白い歯に替えたい」
「金属アレルギーとの関係を調べたい」
「自分に合う詰め物や被せ物を知りたい」
このようなお悩みがある方は、自己判断で銀歯を外す前に、一度歯科医院へご相談ください。
【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。






