目次

1. インプラント治療の一般的なデメリット

インプラント治療の一般的なデメリット

インプラント治療が高額な理由

  1. 使用素材の高品質
    • インプラント体には骨と結合しやすいチタンを使用。
    • 人工歯にはセラミックやジルコニアなどの高品質な素材を採用。
  2. 設備コスト
    • CT撮影や精密機器を用いた診断と治療が必要。
    • 治療時の徹底した滅菌環境を維持するための設備が必要。
  3. 高度な技術と安全性
    • 経験豊富な歯科医師による安全で精密な施術が必要。
    • 高度な専門技術を要するため、治療費に技術料が反映される。
  4. 治療期間とプラン作成
    • 治療期間が長く、個別に最適化されたプラン作成が必要。
    • 複数回の通院が求められる。
  5. 保険適用外の自由診療
    • 日本ではインプラント治療が保険適用外のため、治療費が全額自己負担となる。
  6. 追加治療の可能性
    • 骨造成や歯周病治療が必要な場合、さらに費用が加算される可能性あり。
  7. 治療費の相場
    • 1本あたり30万~50万円が一般的。

インプラント治療が長期間かかる理由

  1. 治療前の検査と計画
    • CTや検査を行い、患者の口腔状態を正確に把握。
    • 治療計画を立てるための準備に時間が必要。
  2. インプラント体の埋入手術
    • 人工歯根を顎の骨に埋め込む手術を実施。
  3. 治癒期間の必要性
    • インプラントが骨と結合するための治癒期間が必要。
    • 通常は数か月から半年程度かかる。
  4. 追加手術の可能性
    • 骨量が不足している場合、骨造成(サイナスリフトGBR)が必要。
    • 治療期間がさらに延びることがある。
  5. 人工歯の装着
    • 骨との結合が完了後に、人工歯(クラウン)を装着。
    • 最終段階までに時間がかかる。
  6. 術後の定期検査と調整
    • 治療完了後も、定期的な検査や調整が必要。
    • 長期間にわたりメンテナンスを行う必要がある。
  7. 計画的な治療の重要性
    • 時間がかかるものの、計画的な治療により高い満足度を得られる治療法。

手術が必要なため身体的な負担がある

手術が必要なため身体的な負担がある
手術に伴う一般的な身体的負担
  • インプラント治療では、顎の骨に人工歯根を埋め込む外科手術が必要です。これにより、患者は術中や術後に身体的な負担を感じることがあります。
  • 負担の例としては、術中の緊張感、術後の腫れや痛み、場合によっては食事や日常生活への一時的な制限が挙げられます。
麻酔の種類とそのリスク
  • 手術時に使用される麻酔には、局所麻酔と全身麻酔があります。どちらを選ぶかは手術の規模や患者の健康状態によります。
    • 局所麻酔:手術部位のみに作用し、意識は保たれます。比較的リスクは低いですが、緊張を伴う場合があります。
    • 全身麻酔:患者が完全に意識を変えるため、痛みや緊張を感じることはありませんが、体への負荷が大きく、術後に吐き気や倦怠感が生じることがあります。
  • 麻酔のリスクを大事にするために、術前に全身状態を確認し、必要に応じて健康チェックを行うことが重要です。
術後の腫れや痛みの管理方法
  • 手術後、患者部に腫れや痛みが生じたのは自然な反応です。以下の方法で管理が可能です。
    • 冷却:術後24~48時間以内は患部を冷やすことで腫れを軽減します。
    • 鎮痛剤の使用法:医師の指示に従って、適切な薬を服用します。
    • 正しい口腔ケア:手術部位を清潔に、感染を予防します。
  • 症状が長引く場合や悪化する場合は、一旦医師に相談することが重要です。
リスクを最小限に抑えるための医師との連携
  • 手術に伴うリスクを軽減するためには、信頼できる歯科医師と緊密に連携することが大切です。
    • 術前のカウンセリングで不安を解消し、治療内容をしっかり理解する。
    • 術後の審査を受け、必要に応じて早期に対応する。
  • 患者自身も医師の指示を守り、日常生活での予防策を徹底することが治療成功の鍵となります。

2. 健康リスクに関連する注意点

感染症のリスク

  • インプラント治療における感染の原因
    • 手術中の感染リスク:手術時に適切な衛生管理が行われない場合、細菌感染の可能性が懸念されます。
    • 術後のケア不足によるリスク:患者が術後の口腔ケアを怠ることで、感染症が発生するリスクが増加します。
  • 感染予防のための注意点
    • 手術前の検査と衛生管理:歯科医師が事前に患者の口腔内状態を評価し、衛生環境で手術を行うことが重要です。
    • 術後の口腔ケアの重要性:術後は患者がインプラント部位を清潔に、定期的に歯科医のチェックを受ける必要があります。
    • 抗生物質の服用とその役割:感染予防のために抗生物質を正しく使用し、細菌の増殖を抑制することが推奨されます。

インプラントの破損や緩み

  • インプラントが破損・緩む主な原因
    • 噛む力の影響(噛み合わせ力の問題):過大な噛み合い力がインプラントの構造に負担をかけます。
    • 無意識の使用による劣化:歯ぎしりや食いしばりなどが原因で、インプラントが破損・緩む可能性があります。
  • 破損や緩みへの対処法
    • 定期検診での早期発見:歯科医が定期的に状態を確認し、問題を早期に発見することで、重大なトラブルを防ぎます。
    • 問題が発生した際の治療方法(修復や交換):破損した部位を修復し、必要に応じてインプラントを交換することで対応します。

骨吸収によるインプラントの脱落

  • 骨吸収の主な原因
    • インプラント周囲炎の影響:歯周病のように周囲の骨が吸収され、インプラントが不安定になるリスクがあります。
    • 骨密度の低下(骨粗しょう症のリスク):骨もろくなることで、インプラントを支える力が弱まります。
  • 骨の健康を考えるための方法
    • 術前の骨量評価と骨造成の検討:骨量が不足している場合、骨造成術を行うことでインプラントを安定させます。
    • カルシウムやビタミンD摂取の重要性:骨を健康に導くため、栄養素の適切な摂取が推奨されます。
    • 定期的なメンテナンスとモニタリング:インプラント周囲の状態を継続的に監視し、問題が発生する前に対処することが重要です。

3. インプラント治療の長期的な影響

定期的なメンテナンスが必要

PMTC
PMTC
エアフロー
エアフロー
  • インプラント治療後に必要なメンテナンスの内容
    • インプラントは天然歯と同じようにケアが必要であり、放置するとトラブルが発生する可能性があります。
    • メンテナンス内容として、歯科医院での専門的なケアと、患者自身の日常的なケアが含まれます。
  • プロフェッショナルクリーニング(PMTC)やエアフローの重要性
    • インプラント周囲にプラークや歯石が溜まると、インプラント周囲炎を引き起こすリスクがあります。
    • 専門的なクリーニングを定期的に受けることで、これらの問題を未然に防ぐことが可能です。
  • メンテナンスにかかる費用と頻度
    • 一般的な費用相場:1回あたり3,000~10,000円程度。
    • 推奨されるメンテナンスの頻度:3~6か月に1回が一般的です。
    • メンテナンスを怠った場合のリスク:ケア不足によりインプラント周囲炎や骨吸収が進行し、治療のやり直しが必要になる可能性があります。
  • 歯周病リスクのモニタリング
    • インプラントは、天然歯以上に歯周病(歯槽膿漏)にかかりやすいと言われています。適切で十分なブラッシングが行われなかったり、歯科医院で定期的なメインテナンスを受けなかったりすると、インプラントをしたり周囲の歯茎に炎症が発生してしまいます。この炎症をインプラント周囲炎と呼びます。
    • インプラント周囲炎を放置すると、インプラント周囲の骨がやがて溶け、最終的にはインプラント自体がグラグラになってしまうことがあります。

老後のケアにおける課題

  • 年齢とともに増加するインプラントのリスク
    • 骨密度の低下が及ぼす影響:加齢により骨が弱くなり、インプラントを支える力が低下する可能性があります。
    • 体力の低下によるメンテナンス不足:高齢になると歯科医院への通院が困難になり、メンテナンスが不十分になることがあります。
  • 老後におけるインプラント治療の注意点
    • 高齢者特有のケア方法:義歯よりもインプラントは固定性が高いですが、メンテナンスが重要です。
    • 家族や介護者との連携の必要性:ケアが困難な場合、家族や介護者の協力を得ることでケアの質を維持できます。
  • インプラントを長持ちさせるためのライフスタイル改善
    • 食生活や運動習慣の見直し:栄養バランスの良い食事を摂取し、適度な運動を行うことで、骨や体全体の健康を維持します。
    • 口腔環境を清潔に保つ:老後でも口腔ケアを習慣化し、インプラントを長期間使用できるように努めます。

4. インプラント手術のリスク

リスク

下顎神経(下歯槽神経)の損傷

インプラントを入れるためには麻酔下において手術が必要です。

手術の際、下顎の奥歯であれば下歯槽神経(下顎神経)の損傷リスク」があります。

インプラントを入れるためには麻酔下において手術が必要です。

手術の際、下顎の奥歯であれば下歯槽神経(下顎神経)の損傷
下顎神経の損傷

リスク

上顎洞穿孔やインプラント体の上顎洞迷入

上顎の奥歯であれば上顎洞穿孔やインプラント体の上顎洞迷入などの手術時のリスクがあるため、術前の十分な解剖学的診査が必要となります。

上顎洞穿孔やインプラント体の上顎洞迷入
上顎洞穿孔やインプラント体の上顎洞迷入

リスク

骨粗鬆症など全身疾患は不可

骨粗鬆症で骨がスカスカの場合には適応できないこともあります。また、進行した全身疾患(心臓病、高血圧、糖尿病など)を有している場合には外科的侵襲や麻酔のリスクが高いため行えないこともあります。

骨粗鬆症
骨粗鬆症

インプラント手術のリスク回避法

インプラント手術には神経損傷などのリスクがありますが、「サージカルガイド」を活用することで、これらのリスクを効果的に回避できます。 CTスキャンを用いて骨の状態や神経の位置を詳細に把握します。サージカルガイドは、手術中にインプラントを正確な位置と深さに埋め込むための道具で、安全性と精度が向上し、計画通りの手術を可能にします。

5. 他の治療法との比較

ブリッジや入れ歯との比較

インプラントとブリッジの比較
インプラントとブリッジの比較
インプラントと入れ歯の比較
インプラントと入れ歯の比較
  • 各治療法の特徴と違い
    • インプラント
      • 顎骨に直接人工歯根を埋め込み、天然歯に近い見た目と機能を持つ。
      • 周囲の健康な歯に影響を与えないが、高額な治療費が必要です。
    • ブリッジ
      • 隣にする健康な歯を削り、橋渡す形で人工歯を装着します。
      • 費用はインプラントより安いですが、削った健康な歯への負担が大きいです。
    • 入れ歯
      • 取り外し可能で、初期費用が比較的安価です。
      • 安定性に欠けることがあり、食事や会話時に不便を感じる場合がある。
  • コスト、耐久性、審美性の観点からの比較
    • コスト:インプラントは初期費用が高いが、長期的には耐久性に優れるため、コストパフォーマンスが良い場合もある。
    • 耐久性:インプラントは適切にケアすれば10年以上使用可能。一方、ブリッジや入れ歯は数年ごとに交換や修理が必要な場合が多い。
    • 審美性: インプラントは見た目が自然で快適性も高い。 ブリッジや入れ歯は素材やデザインによって審美性が劣ることがある。

天然歯削除の必要性

  • インプラント治療のメリット
    • 健康な歯を減らす必要がないため、隣り合う歯への影響は少ない。
    • 他の歯を支持台にしないため、周囲の歯が劣化しにくい。
  • ブリッジ治療における健康な歯への影響
    • 支台歯への負担:隣の健康な歯を削り、人工歯を支える役割を持たせるため、支台歯が負担になるため弱くなるリスクがあります。
    • ようなリスク:減らすことで歯のエナメル質が失われる可能性があり、虫歯や歯の破損リスクが高まる可能性があります。
  • 治療選択時に大事なポイント
    • 自然歯をどれだけ守りたいかを基準に治療法を選びます。
    • 健康な歯への影響を考慮し、歯科医と十分に相談し、将来的なリスクも考慮した上で最適な治療法を選択する。

6. ケース別のインプラント治療の注意点

奥歯にインプラントを入れる場合のリスク

  • 奥歯特有のリスク
    • 噛み合力(噛む力)が強いためインプラントにかかる負担が大きい
    • 奥歯の位置による手術の困難さ(骨量不足や近隣構造の影響)
  • 噛み合い力の影響を軽減する対策
    • インプラントの設計や材質の工夫
    • 正しい噛み合わせ調整(噛み合わせの調整)
  • 術後のケアが奥歯で特に重要な理由
    • 奥歯の清掃が正義、インプラント周囲炎のリスクが高い
    • 定期的なプロフェッショナルケアの必要性

全ての歯をインプラントする場合

  • 費用の課題
    • 1本あたりの費用が高いため、全歯インプラントは非常に高価
    • 保険適用外の場合の費用負担と支払い方法の選択肢
  • 時間の課題
    • 治療プロセスが複雑で迅速を丁寧
    • 骨造成や治癒期間が考慮されるケースも多い
  • 健康面での課題
    • 高齢者の場合の手術リスク
    • 骨量不足や全身疾患が治療に与える影響
  • 全歯インプラントを検討する際のポイント
    • 入れ歯とブリッジとの比較
    • 医師と十分に相談し、ご自身のライフスタイルや体調に合った選択を
江戸川区篠崎でインプラント治療を検討中の方へ

「インプラント治療」は、歯を失った方にとって自然な噛み心地と美しい見た目を取り戻す画期的な方法です。
しかし、治療を受ける前に「メリット」と「デメリット」をしっかり理解することが重要です。

インプラントのメリット

  • 自然な見た目と機能:他の歯に負担をかけず、まるで自分の歯のようにしっかり噛むことができます。
  • 長期的な耐久性:適切なケアを行うことで、10年以上快適に使用可能。
  • 周囲の歯を守る:ブリッジとは異なり、隣接する健康な歯を削る必要がありません。

インプラントのデメリット

  • 治療費が高い:保険適用外のため、他の治療法と比べて費用がかかります。
  • 治療期間が長い:手術から治癒まで数か月を要する場合があります。
  • 外科的手術のリスク:健康状態や骨の量に応じて適応性が異なります。

当院では、江戸川区篠崎エリアでインプラント治療を安心して受けていただけるよう、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療プランを提案しております。無料カウンセリングで治療内容や費用について詳しくご説明します。

「インプラント治療の不安を解消し、笑顔を取り戻すお手伝いをします!」

【動画】奥歯を抜歯したまま放置すると?

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

Follow me!