トランスパラタルアーチは抜歯症例で第一大臼歯が手前に動くのを防ぐ効果があります。上顎の口蓋に設置するため、舌が触れて一時的に滑舌が悪くなります。

トランスパラタルアーチの役割と構造:抜歯後の歯列矯正に必要な装置

トランスパラタルアーチとは

トランスパラタルアーチ
トランスパラタルアーチ

構造

トランスパラタルアーチはトランスパラタルバーともいい、その構造は左右の上顎第1大臼歯に装着されたバンドに連結された太い針金(主線)から出来ています。つまり、金属の太い針金が上顎口蓋部を左右に横断している構造です。

口蓋中央部にループが入っていて左右の長さを調整出来ます。

マルチブラケット装置によるワイヤー矯正と併用することが多く、上顎第1大臼歯が手前に動かないように固定するための固定装置として使用されます。

使用目的と期間

目的

抜歯症例の加強固定

上顎の第1小臼歯を抜歯して犬歯や前歯を後方に移動させる時、第一大臼歯を固定源として引っ張り合いをしますが、第一大臼歯が手前に移動するのを防ぐ装置としてトランスパラタルアーチが使われます。また、大臼歯が挺出(ていしゅつ)、つまり歯が延び出してくるのを防止する目的でも使用されます。

期間

抜歯症例の固定源とした場合、最低1年間の使用期間が必要となります。

デメリット

欠点

 異物感

太い金属のワイヤーが舌に触れるため異物感が強く出る人がいる。

欠点

 発音障害

発音がしにくく滑舌が悪くなったと訴える患者さんが多くいます。約1ヶ月後には慣れて発音の問題はほとんどの症例でなくなります。

欠点

 痛み

稀に舌が触れて痛みが起こることもあります。

メリット

利点

 取り外し容易

比較的簡単に装着出来る装置です。取り外しも容易に出来ます。

上顎に使用

上顎に使われるトランスパラタルアーチ
上顎に使われるトランスパラタルアーチ

ワイヤー矯正と併用

第一小臼歯の抜歯症例に使われたトランスパラタルアーチです。ワイヤー矯正と併用しています。

第一小臼歯の抜歯で得られたスペースに犬歯や前歯を移動するための固定源である第一大臼歯が手前側に動いてしまうのを防ぐ目的で使用されます。

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、矯正装置の見た目が気になるという方でも、審美性に配慮した目立たないマウスピース矯正装置をご用意しております。患者さま一人ひとりの口腔内状況を拝見した上でご要望をしっかりと聞き、痛みの少ない無理のない治療計画をご提案いたします。江戸川区篠崎にてワイヤー矯正治療をご検討の方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。

【動画】アデノイド顔貌

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

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メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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