目次

ホームホワイトニングを出来るだけ効率良く、出来るだけ費用を抑えて歯を白くしたいと思っているあなたへ。

効果を最大化するポイントは放置時間、期間、タッチアップの頻度、ジェル濃度、術前のクリーニングの五つです。

ホームホワイトニングの基本的な仕組み

ホームホワイトニングの基本的な仕組み
ホームホワイトニングの基本的な仕組み

ホームホワイトニングは、自宅で手軽に歯を白くする方法の一つです。歯科医院で専用のマウスピースを作成し、そこに低濃度のホワイトニングジェル(過酸化尿素や過酸化水素を含む)を注入して装着します。ジェルが歯の表面に浸透し、内部の着色成分を分解することで徐々に歯が白くなります。

効果を実感するまでには、毎日2時間の装着を2週間〜1か月程度続ける必要がありますが、その分、色戻りがしにくいのが特徴です。低刺激で歯への負担が少ないため、初めてホワイトニングをする方にもおすすめの方法です。

オフィスホワイトニングとの違い

オフィスホワイトニングとの違い
オフィスホワイトニングとの違い

オフィスホワイトニングは、歯科医院で専門の機器を用いて短時間で歯を白くする方法です。高濃度のホワイトニング剤と光照射を併用することで、1回の施術で効果を実感できるのがメリットです。一方、ホームホワイトニングは低濃度の薬剤を使い、ゆっくりと白くしていく方法で、効果が出るまでに時間がかかりますが、色戻りしにくいという利点があります。

即効性を求める方にはオフィスホワイトニングが向いていますが、長期間にわたって自然な白さを維持したい場合は、ホームホワイトニングの方が適しています。両方を組み合わせた「デュアルホワイトニング」も人気で、即効性と持続性の両方を得られるため、より確実なホワイトニング効果を求める方におすすめです。

市販ホワイトニングとの比較(歯磨き粉・シートなど)

ホワイトニング歯磨き粉
ホワイトニング歯磨き粉

市販のホワイトニングアイテムには、ホワイトニング歯磨き粉やホワイトニングシート、LEDライトを使ったセルフホワイトニングキットなどがあります。これらは手軽に試せるのが魅力ですが、歯の内部に浸透して着色を分解する効果は期待できません。

  • ホワイトニング歯磨き粉:主に研磨剤や着色除去成分を含み、表面の汚れを落とす効果がありますが、歯そのものの色を変えることはできません。
  • ホワイトニングシート:薬剤を含んだシートを歯に貼り付けるタイプですが、薬剤濃度が低く、持続時間も短いため効果は限定的です。
  • セルフホワイトニングキット:LEDライトを照射するタイプがありますが、歯科医院のホワイトニングとは異なり、エナメル質の内部に作用する効果はありません。
    これらに比べて、ホームホワイトニングは歯科医院で処方された薬剤を使うため、より確実に歯を白くすることが可能です。手軽さを重視するか、本格的なホワイトニングを求めるかによって、適した方法を選ぶのがポイントです。

どんな人に向いている?

ホームホワイトニングは、時間をかけて自然な白さを目指したい方や、自分のペースでホワイトニングを続けたい方に向いています。また、オフィスホワイトニング後の白さを長持ちさせたい方や、色戻りを防ぎたい方にもおすすめです。特に、コーヒーや紅茶、赤ワインを日常的に飲む方、タバコを吸う方は、定期的にホームホワイトニングを行うことで歯の白さを維持しやすくなります。

一方で、すぐに歯を白くしたい方や、ホワイトニングに手間をかけたくない方は、オフィスホワイトニングの方が向いているかもしれません。また、重度の変色や神経を抜いた歯のホワイトニングには効果が限定的なため、適用可能かどうか歯科医師に相談することが重要です。

効果が出るまでの期間(2週間~1か月)

ホームホワイトニングの効果は、通常1週間程度で変化が現れ2週間~1か月ほどで理想的な白さに近づくのが一般的です。低濃度のホワイトニングジェルを使用するため、即効性はありませんが、その分、色戻りが少なく、自然な白さが長持ちしやすいという特徴があります。

使用するホワイトニング剤の種類や濃度、1日あたりの使用時間によって効果の現れ方は異なりますが、多くの場合、毎日2時間の装着を続けることで徐々に白くなっていきます。また、最初の数日間はあまり変化が感じられないこともありますが、継続することで確実に白さを実感できるようになります。途中でやめてしまうと効果が薄れるため、歯科医師の指示に従い、根気よく続けることが大切です。

ホームホワイトニングを2週間やった効果

術前(症例1)


術前はA3.5シェードです。

後(症例1)


術後はA1シェードに白くなっています。

術前(症例2)


術前はA3シェードです。

後(症例2)


術後はW0シェードまで白くなっています。

術前(症例3)

術前(症例3)


かなり歯の黄ばみが目立ちます。

僅かではありますが、歯頚部側に茶褐色の縞状の着色が認められますが、テトラサイクリンの影響を受けた変色歯といえます。

術後(症例3)

後(症例3)


毎日約2時間、約2週間実施後、歯の黄ばみはほぼ解消し、満足できるところまで歯が白くなりました。

また、このまま何もしなければ徐々に再着色が起こっていきます。

タッチアップや再着色防止用の歯磨き粉の使用が必要です。

術前(症例4)

術前(症例4)


術前はA3シェードです。

術後(症例4)

後(症例4)


術後はA1シェードまで白くなっています。

施術条件

1. 1日の放置時間

  • 1日2時間
  • 厚生労働省の認可条件として、ホームホワイトニングの1日の使用時間は最大2時間と定められている。

2. 実施期間

  • 2週間の継続
  • 毎日適切に使用することで効果を実感しやすくなる

3. ホワイトニングジェルの濃度

  • 認可された濃度10%を使用。
  • 濃度が高いほどホワイトニング効果は上がるが、日本で認可されているホームホワイトニングジェルの濃度はすべて10%に統一されている

効果の出方には個人差がある?(歯質や着色の状態による違い)

テトラサイクリン(抗生物質)による歯の変色
テトラサイクリン(抗生物質)による歯の変色

ホームホワイトニングの効果には個人差があり、歯の質や着色の種類によって結果が異なります。例えば、加齢による黄ばみや、コーヒー・紅茶・赤ワインなどによる着色は比較的ホワイトニングの効果が出やすい傾向にあります。

一方で、エナメル質が薄い人や、テトラサイクリン(抗生物質)による歯の変色がある場合は、ホワイトニングの効果が出にくいことがあります。また、もともと歯が透明感のあるタイプの人は、ホワイトニングをしても白さが実感しにくいことがあります。

こうした個人差を考慮し、ホワイトニング前に歯科医院で自分の歯の状態をチェックしてもらうことが大切です。効果が出にくい場合でも、長期間継続することである程度の白さを得られることが多いため、諦めずにケアを続けましょう。

効果が出にくい人の特徴と対策

ホームホワイトニングの効果が出にくい人には、いくつかの特徴があります。

  • 歯の表面に強い着色汚れがある:タバコのヤニやコーヒー、紅茶によるステインが蓄積している場合、ホワイトニングの効果が妨げられることがあります。
  • エナメル質が薄い:エナメル質が薄いと、象牙質の色が透けて見えるため、ホワイトニング効果を実感しにくいことがあります。
  • テトラサイクリン変色歯:抗生物質の影響でグレーがかった変色をしている歯は、通常のホワイトニングでは十分な効果が得られないことがあります。

効果を高めるための対策

ホワイトニング前に歯のクリーニングを行い、表面の汚れを取り除くことが重要です。また、ホワイトニング中は色の濃い飲食物(カレー、コーヒー、赤ワインなど)を控え、より効果を実感しやすい環境を整えましょう。効果が出にくい場合でも、長期間継続することで少しずつ白さを実感できる可能性があります。また、ホワイトニング効果を最大限に引き出すために、歯科医院で適切なジェルの濃度を相談することも有効です。

ホワイトニング前のクリーニング
クリーニング術前
クリーニング術前

茶渋やヤニなどのステイン汚れが大量に付着しています。

クリーニング術後
クリーニング術後

クリーニングでステイン汚れを綺麗に除去。

ホームホワイトニング完了時
ホームホワイトニング完了時

効率的にホームホワイトニングが出来ています。

ホワイトニング施術前のクリーニングに関する注意点

クリーニング
クリーニング

ホワイトニング施術前にクリーニング、PMTC、スケーリング(歯石取り)を行う場合、その直後にホワイトニングを実施するのは危険です。

施術直後にホワイトニングを行うリスク
  • ホームホワイトニングやオフィスホワイトニングの最中、または施術後に不快症状が発生する可能性がある
  • そのため、施術前の処置は簡単なクリーニングにとどめるのが望ましい。
クリーニング時の注意点
  • 歯肉や歯頚部(歯と歯ぐきの境目)にインスツルメント(器具)を触れないように慎重に行うことが重要
クリーニングが必要な場合の対応
  • クリーニング、PMTC、スケーリングが絶対に必要な場合は、ホワイトニング施術まで2週間以上の間隔をあけて実施する**ことが推奨される。

ホワイトニングの安全性と効果を最大限に引き出すために、事前の処置方法を慎重に選びましょう。

効果のピークはいつ?

ホームホワイトニングの効果のピークは、使用開始から約1か月後とされています。この頃には薬剤の効果が歯にしっかり浸透し、最大限の白さを実感しやすくなります。ただし、ホワイトニングを終了すると少しずつ着色しやすくなり、何もしないと半年〜1年程度で色戻りすることがあります。

また、ホワイトニング直後は着色しやすい状態のため、ホワイトニング後24時間は着色しやすい食べ物を控えることが推奨されています
継続的にケアを行うことで、ホームホワイトニングの効果を最大限に活かし、理想的な白さを長く維持することができます。

追加ホワイトニングの頻度とタイミング

タッチアップとは、歯の白さが戻ってしまった際に再びホワイトニングを行い、元の白さに戻すことを指します。歯のホワイトニングは、美容室やネイルサロンで定期的にケアをするのと同じような感覚で考えるとよいでしょう。※ホームホワイトニング用ジェルの追加購入が出来ます。

タッチアップの適切なタイミング

  • ホワイトニング後、約6か月~1年後から始めるのが理想的です。
  • ホームホワイトニングの場合、タッチアップは約1週間程度行えば、元の白さを取り戻せます

タッチアップのメリット

  • 回数を重ねるごとに再着色しにくくなる
  • 継続することで、さらに歯を白くすることも可能

タッチアップの頻度

  • ホームホワイトニングを継続的に行う場合、タッチアップは年に1回程度で白さを維持できる

定期的なタッチアップを行うことで、理想の白さを長く保つことができます。

正しい使用方法(ジェルの適量・トレーの装着時間)

ホームホワイトニングの効果を最大限に引き出すためには、適切なジェルの量とトレーの装着時間を守ることが重要です。

自宅で行う時のコツ

コツ

ジェルの適量

ホワイトニングジェルは少量で十分な効果があります。マウスピースの各歯の部分に米粒程度(約0.5mm)のジェルを均等に塗布しましょう。過剰に入れるとジェルがはみ出し、歯ぐきに刺激を与えてしまう可能性があるため、適量を守ることが大切です。

コツ

トレーの装着時間

歯磨き後、2時間を目安にマウスピースを口腔内に装着します。
マウスピースから薬剤が漏れ出した場合には、口腔内を水で綺麗にゆすいで、マウスピースはティッシュでふき取ります。

長時間つけすぎると歯がしみたり、エナメル質にダメージを与えることがあるため、歯科医の指示に従いましょう。

コツ

使用頻度と期間

通常2週間〜1か月続けることで、効果がしっかり現れます。途中でやめてしまうと、十分な白さに到達しないことがあるため、継続することが重要です。

ジェルの追加購入可

コツ

ジェルの追加購入

約2週間後、ホワイトニングが完了します。来院して歯色の診断+歯の写真を撮影します。
納得出来る白さになっていない、もっと歯を白くしたい場合には追加のホワイトニングジェルの購入が出来ます。

ジェルの追加購入可

正しい方法で使用することで、ムラなく効果的にホワイトニングを行うことができます。

効果を高めるための生活習慣(食事・飲み物・喫煙)

ホームホワイトニング中は、食事や生活習慣にも気をつけることで、より効果を高めることができます。

避けるべき飲食物
避けるべき飲食物
  • 避けるべき飲食物:ホワイトニング中は、着色しやすい食品をできるだけ避けましょう。特に「カレー・コーヒー・紅茶・赤ワイン・チョコレート・トマトソース」などの色の濃い飲食物は、歯の着色を引き起こしやすいです。
  • おすすめの飲食物:ホワイトニング効果を維持するために、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどのカルシウムを含む食品を摂ると、歯のエナメル質の強化に役立ちます。また、水や白湯、透明なスープなどを中心に摂取するのが理想的です。
  • 喫煙の影響:タバコに含まれるタールやニコチンは歯を黄色く変色させるため、ホワイトニング中はなるべく禁煙することをおすすめします。

日常生活のちょっとした工夫で、ホワイトニングの効果を長持ちさせることができます。

ホワイトニング中の歯のケア(歯磨き・フロス・洗口液)

ホワイトニング中は、歯のケアを徹底することで、より効果的に歯を白くすることができます。

  • 歯磨きのポイント:ホワイトニング中は、研磨剤の少ない歯磨き粉を選びましょう。強い研磨剤が入っていると、歯の表面を傷つける可能性があります。また、フッ素入りの歯磨き粉を使用すると、エナメル質の保護に役立ちます。
  • フロスの活用:歯と歯の間の汚れをしっかり落とすために、デンタルフロスを使用しましょう。ホワイトニングの効果を均一にするためには、歯の表面だけでなく、隙間の汚れも取り除くことが大切です。
  • 洗口液の選び方:ホワイトニング中は、アルコールが含まれていない洗口液を選びましょう。アルコールが入っていると、歯や歯ぐきの刺激になり、ホワイトニング中の歯の知覚過敏を悪化させることがあります。
  • ストローを使う:コーヒーや紅茶を飲むときは、ストローを使うと歯に直接触れるのを防ぐことができます。
  • 食後の歯磨き・うがいを徹底:食後30分以内に歯を磨くと、着色の付着を防ぎやすくなります。外出先では、水で口をすすぐだけでも効果的です。

適切なケアを行うことで、歯の健康を保ちながらホワイトニング効果を最大化できます。

歯科医院での併用がおすすめですか?

ホームホワイトニング単独でも効果はありますが、歯科医院でのケアと併用することで、さらに白く美しい歯を手に入れることができます。

  • 「デュアルホワイトニング」のメリット
     オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせることで、即効性と持続性を両立させることができます。最初にオフィスホワイトニングで短期間で歯を白くし、その後ホームホワイトニングで色戻りを防ぐことで、より長持ちする効果が期待できます。
  • 定期的なクリーニングの重要性
     歯科医院では、ホワイトニング前に歯のクリーニングを行い、歯の表面の汚れやプラークを取り除くことができます。これにより、ホワイトニング剤が歯に均等に浸透し、ムラのない美しい仕上がりになります。
  • フッ素塗布を受ける
     フッ素は歯の再石灰化を促し、ホワイトニングによる知覚過敏を抑える効果もあります。
  • 専門的なアドバイスが受けられる
     歯の状態によっては、ホームホワイトニングの効果が出にくい場合があります。歯科医院で自分に合ったホワイトニング方法を相談し、適切な薬剤やケア方法を選ぶことが重要です。

より確実な効果を求める場合は、歯科医院での併用を検討しましょう。

メリット(自宅で簡単・低コスト・低刺激)

ホームホワイトニングには、自宅で手軽に続けられるという大きなメリットがあります。

  1. 自宅で簡単にできる
     歯科医院に通う必要がなく、自分の都合に合わせてホワイトニングを進められます。忙しくて通院が難しい人でも、テレビを見ながら・家事をしながら手軽に実施できます。
  2. 低コストで継続できる
     オフィスホワイトニングと比較すると、ホームホワイトニングは初回の費用が比較的安く、追加のジェルだけでメンテナンスが可能です。そのため、長期的に白さを維持しやすいのが魅力です。
  3. 低刺激で歯に優しい
     ホームホワイトニングは低濃度の薬剤を使用するため、歯や歯ぐきへの負担が少ないのが特徴です。オフィスホワイトニングのような強い薬剤を使用しないため、知覚過敏になりにくく、敏感な歯の人でも安心して使えます。

これらのメリットから、初めてホワイトニングを試す方や、費用を抑えながら続けたい方におすすめの方法です。

デメリット(即効性がない・手間がかかる・個人差)

ホームホワイトニングには、いくつかのデメリットもあります。

  1. 即効性がない
     ホームホワイトニングは、効果が現れるまでに2週間〜1か月程度かかるため、短期間で劇的な白さを求める方には向いていません。結婚式やイベント前にすぐに白くしたい場合は、オフィスホワイトニングの方が適しています。
  2. 毎日の手間がかかる
     効果を出すためには、毎日1〜2時間トレーを装着し続ける必要があります。そのため、継続するのが苦手な方には負担に感じることもあります。
  3. 個人差がある
     歯の質や着色の程度によって、白くなるスピードや仕上がりの白さには個人差があります。特に、テトラサイクリン変色歯などの特殊な着色は、ホームホワイトニングだけでは改善しにくい場合があります。

即効性を求める人や、毎日の装着が面倒な人には向いていませんが、長期間じっくりと白さをキープしたい人には適した方法です。

オフィスホワイトニングとのコスト比較

ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングは、コスト面で大きな違いがあります。

ホワイトニング方法価格帯(目安)効果の持続期間メリット
ホームホワイトニング約20,000円〜40,000円(トレー+ジェル)半年〜1年自宅で手軽に継続できる
オフィスホワイトニング約30,000円〜100,000円(1回)3〜6か月即効性があり、短時間で白くなる

コストを抑えながら長期間白さをキープしたい人にはホームホワイトニングが向いています。
一方で、短期間で白くしたい場合はオフィスホワイトニングがおすすめです。両者を組み合わせる「デュアルホワイトニング」も選択肢の一つで、最初にオフィスホワイトニングで白くし、その後ホームホワイトニングで維持する方法が一般的です。

当院の費用は下記参照。

歯への影響は?安全性と注意点

ホームホワイトニングは、歯科医師の指導のもと正しく使用すれば、安全性が高い方法です。しかし、いくつかの注意点があります。

  1. 知覚過敏のリスク
     ホワイトニング中に一時的に歯がしみることがあるため、知覚過敏用の歯磨き粉を併用すると良いでしょう。
  2. 歯ぐきへの刺激
     ジェルを過剰に使用すると歯ぐきに触れ、炎症を引き起こすことがあるため、適量を守ることが大切です。トレーの装着時にジェルがはみ出した場合は、すぐに拭き取るようにしましょう。
  3. ホワイトニングが適さない人もいる
     妊娠中の方、重度の虫歯や歯周病がある方、神経を抜いた歯の変色がある方は、ホームホワイトニングの適応外となる場合があります。事前に歯科医師の診断を受けてから開始することが重要です。

正しい方法で使用すれば安全に行えるため、歯科医院で適切な指導を受けながら進めるのが理想的です。

「思ったより白くならない」原因と改善策

ホームホワイトニングを始めたものの、「思ったより白くならない」と感じるケースがあります。その原因として、以下のようなものが考えられます。

主な原因

  1. 使用期間・使用時間が短い
     ホームホワイトニングは即効性がないため、2週間〜1か月ほど続けないと効果が実感しにくいことがあります。早く結果を求めすぎないことが大切です。
  2. ジェルの濃度が合っていない
     使用するジェルの濃度が低いと、ホワイトニングの効果が現れるまで時間がかかることがあります。
  3. 食習慣が影響している
     ホワイトニング中にコーヒーや紅茶、赤ワインなどの着色しやすい飲み物を摂取すると、効果が弱まることがあります。

改善策

  • 最低でも2週間は継続する
  • 一日の使用時間を長くする
  • ホワイトニング用の歯磨き粉を併用する
  • 着色しやすい飲食物を控える

ホームホワイトニングの適切な使用時間と注意点

1. ホームホワイトニングの最適な使用時間
  • ホームホワイトニングジェルの効果は8時間持続(過酸化尿素の分解曲線に基づく)。
  • 効率よく歯を白くしたい場合は、就寝中に8時間使用するのが理想的
  • 例えば、4時間使用した場合は、8時間の約3/4の効果が期待できる。
  • 8時間の1/2の効果を得たい場合は、約2時間10分の使用で十分と考えられる。
2. 厚生労働省の認可基準
  • 日本の基準:過酸化尿素濃度10%以下、1日2時間以内の使用
  • 海外(アメリカなど)では1日8時間使用を認めている国もある
3. 1日2時間以上の使用で起こる問題
(1)知覚過敏のリスク
  • 日本人は欧米人に比べてエナメル質が薄いため、過酸化尿素10%でも知覚過敏が発生する可能性がある
  • 特に、使用時間を延ばした場合に知覚過敏が起こりやすい
  • 知覚過敏が発生しても、歯にダメージを与えることはない
(2)知覚過敏が起こった場合の対処法
  • 知覚過敏が発生した際の対処方法については、専用のケア方法を参考にする

4. 1日2時間では効果が現れにくい場合の対策

(1)1日の使用時間を延ばす
  • 個人差があり、C4シェードのように元々歯の色が濃い人には、1日2時間では十分な効果が得られないことがある
  • 歯科医院では厚生労働省の認可基準(1日2時間以内)を基に指導するのが一般的。
  • 時間を延ばす場合は、自己責任で行うことが前提
  • ポイントは、知覚過敏が発生しない範囲で行うこと
(2)使用期間を延ばす
  • 1日2時間の使用時間を守りながら、ホワイトニングの効果を確認しつつ日数を増やす
  • ホームホワイトニングジェルは別途購入可能なため、継続的な使用も可能

適切な方法でホームホワイトニングを行い、安全に理想の白さを目指しましょう。

継続的に使用し、生活習慣にも気をつけることで、効果を最大限に引き出すことができます。

「ムラができる・色がまだらになる」対処法

ホームホワイトニングの仕上がりがまだらになることがあります。これは、薬剤が均等に行き渡っていない場合に起こりやすいです。

主な原因

  1. マウスピースの装着が適切でない
     マウスピースがしっかりフィットしていないと、薬剤が歯の表面に均一に作用しません。
  2. 歯の汚れが影響している
     歯の表面にステイン(着色汚れ)が残っていると、ホワイトニング剤が浸透しにくくなります。
  3. ジェルの量が偏っている
     ジェルをつけすぎたり、少なすぎたりすると、ホワイトニングの効果にムラが出ることがあります。

対処法

  • マウスピースのフィット感を確認し、必要なら再調整
  • ホワイトニング前に歯科医院でクリーニングを受ける
  • ジェルを均等に塗布し、適量を守る
  • ホワイトニング後に追加ケアを行う(ホワイトニング用歯磨き粉の使用など)

ホワイトニング前の準備をしっかり行い、適切な使用方法を守ることで、ムラのない均一な白さを得ることができます。

「しみる・痛い」の場合の対策

ホームホワイトニング中に「歯がしみる」「痛みを感じる」といった症状が出ることがあります。これはホワイトニング剤がエナメル質を通過し、象牙質に作用するために起こる一時的なものです。

「しみる・痛い」の場合の対策
「しみる・痛い」の場合の対策

主な原因

  1. エナメル質が薄い
     加齢や過度な歯磨きによってエナメル質が薄くなると、ホワイトニング剤の刺激を感じやすくなります。
  2. ホワイトニングジェルの濃度が高すぎる
     高濃度のジェルを使用すると、歯に負担がかかりやすくなります。
  3. トレーの装着時間が長すぎる
     推奨時間を超えて長時間装着すると、歯が過敏になりやすいです。

対策

  • 使用時間を短縮する(1日30分〜1時間に調整)
  • 知覚過敏用の歯磨き粉を併用する(シュミテクトなど)
  • ホワイトニングを数日間休み、歯の回復を待つ
  • 低濃度のジェルに変更する(歯科医院で相談)

ホワイトニングの使用方法を調整することで、しみる症状を軽減しながら継続できます。

ホワイトニング効果の出にくい歯の特徴(グレー系の歯など)

ホワイトニングを行っても、効果が出にくい歯のタイプがあります。

ホワイトニングが効きにくい歯の特徴

  1. テトラサイクリン変色歯
     子供の頃に抗生物質(テトラサイクリン系)を摂取した影響で、歯がグレーや縞模様に変色しているケース。
  2. エナメル質が薄い歯
     エナメル質が少ないと、ホワイトニング剤が象牙質に浸透しにくくなります。
  3. 遺伝的に歯が黄ばみやすいタイプ
     歯の色は個人差があり、もともと黄ばみが強い場合、ホワイトニングの効果が限定的になることがあります。

対策

  • 通常よりも長期間(1か月以上)継続してホワイトニングを行う
  • ホワイトニング前にクリーニングを受け、歯の表面の汚れを除去する
  • オフィスホワイトニングとの併用(デュアルホワイトニング)を検討する
  • ホワイトニング以外の選択肢(セラミックやラミネートベニア)を考える

ホワイトニングの効果が出にくい場合は、歯科医師に相談し、適切な方法を選ぶことが大切です。

効果的な方法を実践しよう

ホームホワイトニングでしっかりと効果を出すためには、正しい方法で継続的に実施することが重要です。

  • ジェルの適量を守る:多すぎても効果が増すわけではなく、逆に歯ぐきを刺激する可能性があるため、適量を均等に塗布することが大切です。
  • 装着時間を守る:1日2時間が推奨されており、長時間つけすぎると歯がしみる原因になります。
  • 毎日継続する:ホームホワイトニングは即効性がないため、最低でも2週間〜1か月は続ける必要があります。

また、ホワイトニング中は着色しやすい飲食物を控え、ホワイトニング用の歯磨き粉を併用することで、より均一に白くすることができます。

正しい方法で行えば、安全に効果的に歯を白くすることが可能です。

定期的なケアで持続させる

ホームホワイトニングの効果を長く保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

ホワイトニング後の色戻りを防ぐポイント

  1. ホワイトニング直後24時間は色の濃い飲食物を避ける
  2. 着色しやすい食品(コーヒー・紅茶・赤ワイン・カレーなど)は控えめにする
  3. 飲食後は水で口をゆすぐ、もしくは歯磨きをする
  4. ホワイトニング用歯磨き粉を使い、毎日のケアを継続する

追加ホワイトニングのタイミング

  • 月に1〜2回の短期間ホワイトニングで白さをキープ
  • 色戻りが気になってきたら、1週間程度の追加ホワイトニングを行う

また、3〜6か月に1回は歯科医院でクリーニングを受けることで、ステイン(着色汚れ)を除去し、ホワイトニング効果を最大限に引き出すことができます。

継続的なケアを行うことで、白さを長期間維持しやすくなります。

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【動画】ホームホワイトニングの効果的なやり方

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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