【動画 42秒】延長ブリッジのデメリット:実際の症例から学ぶリスク

土台の歯に大きな負荷を与える延長ブリッジ

延長ブリッジとは

7番欠損の延長ブリッジ
7番欠損の延長ブリッジ

片側の支えが無いブリッジ

写真は下顎5番・6番を土台としてポンティック(橋)を7番相当部に延長して作成したものです。

目的と利点

下顎7番が欠損すると上顎7番は下に降りて来て、噛み合わせがガタガタになってしまうことがあります。それを防ぐために、下顎7番の幅径の1/2~1/3の小さめのポンティックを延長したブリッジを作ります。

デメリット症例1

Bridge

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⑤⑥7の延長ブリッジ

写真は下顎5番・6番を支台にした延長ブリッジです。5番・6番とも健康な歯を削っています。

⑤⑥7の延長ブリッジ

Demerit

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5番が歯髄炎

5番が歯髄炎になったため神経を取る抜髄を行い根充が完了した所です。治療はブリッジの冠を5番・6番間で切断し、5番の冠を除去して行っています。

歯髄炎になる原因は、生活歯を削った刺激によるもの、強い咬合圧が加わったことによるものなどが考えられます。

デメリット症例2

Bridge

01

⑤⑥7のインレー延長ブリッジ

写真は下顎5番・6番を支台にしたインレー延長ブリッジです。5番・6番とも健康な歯を削っていますが、インレータイプなので削る量は少なく済んでいます。

⑤⑥7のインレー延長ブリッジ

Demerit

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6番にフィステル形成

フィステルが形成されたため、ガッタパーチャーポイントをフィステルから挿入してレントゲン写真を撮ったものです。原因歯は6番と特定できました。

フィステルが出来る原因は延長ブリッジは接着が切れやすいため、6番のインレー内に虫歯菌が侵入して虫歯を作り根尖病巣を作ったか、過大な咬合圧により6番の神経が死んだかなどが考えられます。

6番にフィステル形成

Demerit

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6番の根管治療

延長ブリッジの5番・6番間で切断して、6番のインレーを外し根管治療が完了したレントゲン写真です。矢印はガッタパーチャーポイントで根管内を密閉するため白く写ります。

6番の根管治療

デメリット症例3

Bridge

01

④⑤6の延長ブリッジ

延長ブリッジが噛むと痛いとのことで来院した症例です。レントゲン写真を撮ると5番に歯根膜腔の拡大(矢印)が認められます。

④⑤6の延長ブリッジ

Demerit

02

5番の根管治療

5番が歯髄炎となっているため金属冠の咬合面に穴を開けて根管治療を行ない根充が完了した時点のレントゲン写真です。

5番の根管治療

Demerit

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5番が歯根破折

延長ブリッジがグラグラすると再来院した時のレントゲン写真です。5番に歯根破折(矢印)が起きています。延長ブリッジの4番・5番間で切断して5番を抜歯しました。

5番が歯根破折

デメリット症例4

Demerit

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6番の二次カリエス

⑤⑥7の延長ブリッジです。7番ポンティック直下は歯垢が溜まり易く、適切なプラークコントロールが出来なかったために起きた6番の二次カリエスです。

二次カリエスが大きくなり歯髄炎から歯根嚢胞を作るところまで問題が大きくなっています。

延長ブリッジの5番・6番間で切断して、6番の抜歯を余儀なくされた症例です。

6番の二次カリエス

延長ブリッジはお薦めしない

上記に4症例の延長ブリッジを示しましたが、プラークコントロール不良や負担過重、健全な歯を削るなどが原因となり支台となる歯の寿命は確実に短くなります。

健全歯を守るためにもインプラントが第一選択となります。

保険適用となる延長ブリッジ

延長ブリッジは咬合圧との関係で複雑な計算式を元に保険適用の有無が決定されます。例えば、7番欠損では⑤⑥7の延長ブリッジは保険適用ですが、6番欠損では④⑤6の延長ブリッジは保険適用外です。4番欠損では4⑤⑥、②③4は保険適用です。5番欠損では5⑥⑦、③④5は保険適用です。

江戸川区篠崎で延長ブリッジのトラブルでお悩みの方へ

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、天然歯の保存にこだわります。極力抜かない・削らない・痛みの少ない低侵襲な治療が基本です。

延長ブリッジは片側の支えが無いブリッジで保険適用になる場合がありますが、プラークコントロール不良や土台の歯に大きな負荷を与えるためトラブルが多発します。東京都江戸川区篠崎で延長ブリッジに不具合が生じてお悩みの方はぜひ、お気軽に当院までご相談下さい。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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