「歯周病の治療を受ければ、歯ぐきは元どおりになるの?」
「溶けてしまった骨は再生するの?」
「リグロスやエムドゲインは本当に効果があるの?」

歯周病の治療を受ける患者さんから、このような質問をいただくことがあります。

実は、歯周病治療には炎症を改善する治療と、失われた歯周組織の再生を目指す治療の2つがあります。

一般的な歯周病治療では、炎症を抑えて歯ぐきを健康な状態へ導くことが目的です。一方、歯周再生療法では、条件が整った症例に対して、歯を支える組織の一部を再生させることを目指します。

この記事では、歯周病治療後に歯ぐきがどのように治るのか、従来治療と再生療法の違いを患者さんにもわかりやすく解説します。


歯周病治療後の治癒は、大きく次の2つに分けられます。

従来の歯周病治療歯周再生療法
炎症を改善する治療歯周組織の再生を目指す治療
上皮性付着新付着(結合性付着)
スケーリング・ルートプレーニング(SRP)・歯周外科リグロス・GTR法・エムドゲイン

どちらが優れているというわけではなく、歯周病の進行度や骨の状態に応じて適した治療法が選択されます。

上皮性付着とは?

歯石除去(スケーリング・ルートプレーニング)や歯周外科手術を行うと、炎症は改善し、歯周ポケットが浅くなることが多くあります。

このとき多くの場合に起こるのが上皮性付着です。

これは、歯ぐきの上皮が歯の表面に沿って伸び、新たに付着することで歯周ポケットが改善する治癒の仕組みです。

つまり、「歯ぐきが治ったように見える」状態ですが、失われた歯槽骨や歯根膜が元どおりに再生したわけではありません。

なぜ歯周ポケットは浅くなるの?

歯周病の原因である細菌や歯石を取り除くと、炎症が落ち着きます。

その結果、

  • 歯ぐきの腫れが引く
  • 歯ぐきが引き締まる
  • 上皮が歯の表面に付着する

ことで歯周ポケットが浅くなります。

これは**「修復(Repair)」**と呼ばれる治癒であり、多くの歯周病治療でみられる一般的な治り方です。

上皮性付着のメリット

上皮性付着によって、

  • 歯ぐきの炎症が改善する
  • 出血しにくくなる
  • 歯周ポケットが浅くなる
  • 歯周病の進行を抑えやすくなる

などの効果が期待できます。

多くの患者さんは、この治療だけで十分に歯周病をコントロールできます。

注意点

一方で、上皮性付着では

  • 歯槽骨
  • 歯根膜
  • セメント質

は再生しません。

そのため、歯周病が再発しないように、

  • 毎日の歯磨き
  • 定期的な歯科医院でのメインテナンス(SPT)

を継続することが非常に重要です。

新付着とは?

歯周再生療法では、単に歯ぐきを治すだけではなく、失われた歯周組織をできるだけ再生させることを目標とします。

この治癒を**新付着(結合性付着)**といいます。

使用される代表的な治療法には、

などがあります。

これらは、適応となる症例に対して歯周組織の再生を促すことを目的とした治療法です。

再生する組織

新付着では、

  • 新生セメント質
  • 歯根膜
  • 歯槽骨

などが再形成され、歯を支える組織の回復が期待できます。

これは単なる修復ではなく、**歯周組織の再生(Regeneration)**に分類されます。

骨は完全に元どおりになる?

ここで誤解してはいけないのが、

「再生=完全に元どおりになる」ではない

という点です。

歯周再生療法によって一定の改善が期待できますが、一般的には2〜3mm程度の再生が目安とされています。

再生量には、

  • 骨欠損の形態
  • 炎症の程度
  • 年齢
  • 喫煙
  • 清掃状態

など、さまざまな要因が影響します。

残念ながら、再生療法はすべての患者さんに適応できるわけではありません。

特に効果が期待しやすいのは、

  • 垂直性骨欠損
  • 骨壁が十分に残っている症例

です。

一方、

  • 水平性骨吸収
  • 骨の形態が再生に適さない症例
  • プラークコントロールが十分でない場合

では、期待できる効果が限定されることがあります。

そのため、CTやレントゲン検査などによる精密な診査・診断が重要になります。

多くの患者さんでは、まず歯石除去や歯磨き指導などの歯周基本治療を行います。

その結果を評価したうえで、必要に応じて歯周再生療法を検討します。

つまり、

「最初から再生療法を行う」のではなく、「基本治療をしっかり行ったうえで適応を判断する」

という流れが一般的です。

どれほど良い治療を受けても、

プラーク(歯垢)が再び付着すれば歯周病は再発する可能性があります。

そのため、

  • 毎日のセルフケア
  • 歯科医院でのSPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)
  • 定期的なクリーニング(PMTC)

を継続することが、長期的に歯を守るために欠かせません。

再生療法を受けた場合も、メインテナンスの重要性は変わりません。

歯周病治療をすると歯ぐきは元どおりになりますか?

炎症による腫れは改善しますが、失われた歯槽骨や歯根膜が自然に元どおりになるわけではありません。骨の状態によっては、歯周再生療法が適応となる場合があります。

一度治療すれば歯周病は再発しませんか?

歯周病は再発する可能性がある慢性疾患です。毎日のセルフケアと定期的なメインテナンスを続けることが、お口の健康を維持するために大切です。

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従来の歯周基本治療で十分改善するケースもあれば、歯周再生療法が適しているケースもあります。

当院では、歯周ポケットの深さや骨の状態を詳しく診査・診断したうえで、お一人おひとりに適した治療をご提案しています。歯周病や歯ぐきの状態が気になる方は、お気軽にご相談ください。

【動画】歯周病の手遅れの症状

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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