アデノイド顔貌で悩むあなたへ:自力でできる改善方法とは?
アデノイド顔貌でコンプレックス
子供の時から口元が緩く口呼吸でした。口元がモッコリしていて、顎がなくEラインがないアデノイド顔貌です。すごいコンプレックスで、口元を隠さないと笑えないし会話も出来ません。口ゴボのマッサージで多少は良くなりますか?整形や歯の矯正しか無いのでしょうか?
成長の過程においては自力で治すことも不可能ではありませんが、大人になってからは、自力で治す事は不可能なので歯医者、耳鼻咽喉科、形成外科など、症例に合わせてクリニックを選択する必要があります。骨格的に重度でなければ殆どの場合、歯科の矯正治療で解決します。
中学生以上になってしまうと巷で囁かれている方法で顔のマッサージやトレーニングを行う程度では骨格が固まっているので効果は殆どないと思われます。
自力で治す
小学6年生(12歳)頃までの子供限定
身長が伸びている成長過程にある小学生くらいまでの子供なら、様々のことを駆使して自力で治すことも可能です。
例えば下記の様な「あいうべ体操」や口輪筋を鍛える装置などを使って自力で綺麗な横顔にするトレーニングを行います。口輪筋を鍛えて歯並びを改善する方法は保険適用になっています。詳細は当院にご相談下さい。
自力で治す方法と原理
顎骨が成長する力を使って、上顎は後方に、下顎は前方に誘導する力をかけてあげることです。具体的には、口輪筋を鍛えて上顎前歯を後方に移動させ、舌のトレーニングで正しい舌の使い方を覚え自力で改善を目指します。
Method
リットレメーター・リットレMP
リットレメーターやリットレMPは唇の周りの筋肉である口輪筋を鍛えることでアデノイド顔貌や口ゴボを改善する器具です。詳細は、自力で綺麗なeラインの作り方のページで具体的な器具の使用法を解説しています。
Method
あいうべ体操
あいうべ体操は、自律神経を整えて病気を治す口の体操です。高血圧、アトピー、花粉症からリュウマチ、潰瘍性大腸炎、無呼吸症候群まで大改善します。
自宅で簡単に行える舌と唇のトレーニング法である「あいうべ体操」も参考にして下さい。
詳細は「舌で歯を押す癖・舌突出癖を治す方法」のページを参照してください。
歯科医の指導で自力で治す方法
Method
プレオルソ
プレオルソは子供の取り外し式矯正装置で3歳~10歳が適応年齢です。
ゴムの様な素材で作られていて自分で口の中に装着して使います。正しい舌の位置を覚え、口輪筋のトレーニングが出来る装置です。
プレオルソを使うと、出っ歯や開咬、ガタガタの乱杭歯を治すことが出来ます。主に夜寝る時に使用します。
Method
MFT
MFTは、 食べ物を取り込み噛む(咀嚼)、噛んだものを飲み込む(嚥下)、舌足らずの発音、口呼吸、低位舌、舌の突出、口唇の位置などの改善を目的とした各種トレーニング(スポットポジション、ティップ&スティックなど)を行うことです。
正常な舌の動きや唇の筋力をトレーニングすることでアデノイド顔貌(口ゴボを含む)を改善することが可能です。
矯正治療と併用することが多く、特に重度の舌突出癖がある症例に適応します。また、MFTだけでオープンバイトが治る場合もあります。
歯科医院でやり方を継続的に指導し、徐々にステップアップしていきます。学習した内容を各自自宅で実践してもらいます。
Method
バイオネーター
可撤式矯正装置のバイオネーターは、出っ歯や開咬を治すことが出来ます。
ただし、下顎の劣成長が原因の出っ歯(アデノイド顔貌)では適応出来ないことがあります。
耳鼻咽喉科で治す方法
Rhinitis
アレルギー性鼻炎やプールの鼻炎
鼻が詰まることで口呼吸が発生します。そのため、鼻呼吸にするには鼻が詰まる原因そのものを除去する必要があります。先天的な解剖学的問題や後天的悪習慣なども含めて治療が必要な場合もあります。
口呼吸から鼻呼吸になることで自然とアデノイド顔貌が改善することも十分考えられます。
adenoid
アデノイド肥大
アデノイドの治療には抗生剤や点鼻薬などが使われます。極端にアデノイド肥大が大きく、完全に気道を塞ぐようであれば、アデノイド摘出手術の適用になります。
アデノイド肥大は高校生くらいになるとほとんどのケースで縮小しています。従って、大人でアデノイドを手術で除去することは稀です。
アデノイド顔貌を治療で改善!中学生以上の選択肢
治療で治す
中学生以上の大人
個人差はありますが中学生(男女差や個人差あり)くらいになり身長の伸びが止まると顔の骨の成長も止まります。従って、この時期から顔や口回りのトレーニングやマッサージなどを行ってもアデノイド顔貌(ロゴボも含む)の改善には、全く効果が無いと言ってよいでしょう。
また、この時期から口呼吸を鼻呼吸に変えても顔の形に変化は起こりません。従って、自力でアデノイド顔貌を治すことはほぼ不可能で、各クリニック(歯科・口腔外科・形成外科・美容外科)での治療が基本となります。
軽度のアデノイド顔貌
マルチブラケット装置
軽度のアデノイド顔貌の場合で、歯列不正(出っ歯、乱杭歯、開咬、V字型歯列)がある場合には、マルチブラケット装置を使った矯正治療で改善する可能性があります。
また、ある程度重度の場合にはセファロ分析(レントゲンによる骨格の診断)をして第一小臼歯の抜歯が可能かどうかの判断をします。
第一小臼歯の抜歯が可能であれば、抜歯したスペースを使って前歯や犬歯を後方に引っ張ることが出来る為、唇の突出感を改善することが可能です。
治療の初期段階でV字型狭窄歯列を拡大すれば、鼻腔も拡大され鼻呼吸へと誘導することが容易です。口呼吸のまま矯正治療を完了しても後戻りするリスクがあります。
重度のアデノイド顔貌
歯列矯正と外科手術を併用
歯列矯正
おおよその歯並びを歯列矯正で整えます。
外科手術
上顎、下顎の骨を全身麻酔下の手術で切ります。上顎が突出し面長の場合、上顎を切断し、上後方に移動します。下顎が後退している場合には下顎骨を切断し、前方に移動します。上下歯列をワイヤーで固定し骨の治癒を待ちます。
顎骨体移動術は顎変形症の診断が付けば保険適用となります。大学病院の口腔外科で手術を行います。
仕上げ歯列矯正
骨の切断箇所が治癒したら仕上げの矯正治療をし、歯並びの細部を微調整して治療完了です。
形成外科・美容外科
オトガイ形成術
極端に下顎の先端(オトガイ部)が後退しているケースでは、オトガイ部を切断し、前方に移動させるオトガイ骨切り前方移動術や自家骨をオトガイ部に移植する自家骨移植手術などがあります。
これらの手術は、形成外科、美容外科で行われ、保険適用外です。
江戸川区篠崎でアデノイド顔貌の矯正治療をご検討の方へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、矯正装置の見た目が気になるという方でも、審美性に配慮した目立たないマウスピース矯正装置をご用意しております。患者さま一人ひとりの口腔内状況を拝見した上でご要望をしっかりと聞き、痛みの少ない無理のない治療計画をご提案いたします。江戸川区篠崎にてアデノイド顔貌の矯正治療をご希望の方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。
【動画】アデノイド顔貌
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。