インプラント成功の鍵:GBR(骨造成)の重要性と手順
インプラント周囲の骨を作る術式
江戸川区篠崎駅南口のふかさわ歯科クリニック篠崎ではインプラント埋入部位の骨が不足している症例にGBR(骨造成)を採用しています。GBRはGuided Bone Regenerationの頭文字を取ったもので骨誘導再生と訳され、歯科インプラント埋入時、骨の厚みが薄い、あるいは高さが足りないなど、骨量が不足している部分の骨を造成する術式です。
生体材料の人工メンブレン(専用の膜)で骨の無い部位を覆うことで、骨が再生されます。
GBRが有効な症例
骨が薄くインプラントが難しい症例
パノラマレントゲン写真は、下顎左側(レントゲン写真では向かって右側)の4番(第一小臼歯)と第一大臼歯相当部位にインプラントを埋入した症例です。
下顎骨の小臼歯部の骨幅が狭く、十分な埋入スペースが無いためGBR(骨造成)を応用しました。
GBR術式
step
インプラントスクリューが露出
頬舌的な骨幅が狭い為に下顎4番相当分に埋入したインプラントのスクリュー部が露出しています。
スクリュー部は細菌感染しやすく、ここが完全に骨で覆われないとインプラントの予後は極めて悪くなります。
step
CGF+人工骨の混合を填入
インプラントスクリューの露出部にCGFと人工骨を混ぜたものを填入します。
更にその上を生体材料で作られた膜(人工メンブレン)で覆います。
人工メンブレンの役割は、歯肉など線維性の組織細胞が骨を作りたい場所に早期に侵入することを防ぎ、骨を誘導させる環境を作り出すことです。
人工メンブレンの内側にCGF(患者さん自身の血液から作るタンパク質の接着剤)や骨のもとになるもの(自家骨や骨補填材)を詰めると更に骨の造成が行われやすくなります。
step
膜をチタンで固定
人工メンブレン(膜)は動きやすい為、チタン製の留め具で固定します。
約半年ほど骨が出来るのを待ち、二次オペを行い人工歯を作成します。
GBRの適応症例
GBR(骨造成)術中
インプラント埋入部位(6番相当部)の骨が足らない部分に CGF と人工骨を混ぜたものを填入し、人工メンブレンでカバーしているところです。
術後レントゲン写真
GBRから6ヶ月を経過した時、上部構造が装着されたレントゲン写真です。6番相当部のインプラント周囲の骨がしっかりと造成されているのが分かります。
人工メンブレンの種類
kinds
非吸収性膜
骨ができるまでの期間(6ヵ月以上)設置することで確実に骨の再生を期待することができます。非吸収性膜なので手術後6ヵ月~8ヵ月後に撤去します。
kinds
吸収性膜
GBR用に6カ月以上の吸収期間をうたった吸収性膜も販売されていますが、骨ができる前に吸収することもあり、十分な効果が期待できないこともしばしば経験します。
また、膜が潰れた状態で設置されると骨再生量が少なくなってしまいます。そこで、非吸収性膜に薄いチタンを組み合わせることで、スペースの確保が確実に行えるようにしたものもあります。
術後の腫れや痛みのピークは2日後
骨造成の手術中は麻酔をかけるので痛みはありませんが、麻酔が切れる術後3時間経過した辺りから徐々に痛みが出てきます。痛みのピークは当日から翌日にかけてです。痛みはさほど強いものではなく、痛み止めで落ち着きます。
腫れのピークは、術後2~3日後で、1週間ほどすると消失します。
皮膚表面が内出血により青アザの様になることがあります。二週間ほどで完全に消えますが、人前に出るような予定がある場合を考慮し手術日を決めて下さい。
インプラントの手術など外科的侵襲が加わった場合、痛みや腫れのピークや推移は水平埋伏智歯を抜歯した時とほぼ同じです。
GBRのリスクは術後感染
骨造成が上手くいかなかった場合、インプラント周囲の骨がさらに下がるリスクがあり、前歯に行った場合には審美的な問題が発生する事もあります。
術後、プラークコントロールが不良だと細菌感染のリスクがあり、骨が作られないことがあます。
GBRの費用
自費治療
保険適用外です。
内容 | 金額(税抜き・税込み) ※単位:円 |
---|---|
CGF+人工骨+GBR | 10万円(税別)11万円(税込み) |
CGF+自家骨+GBR(骨移植) | 15万円(税別)16.5万円(税込み)※口の中の骨から移植片を採取します。 |
江戸川区篠崎でGBRでインプラント周囲の骨造成をご希望の方へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、このように患者様に出来るだけリスクの少ないインプラント治療をご提供するため、日本口腔インプラント学会指導医が治療を担当し、オペ環境や設備、術後のアフターケアやメンテナンス等にも力を入れております。江戸川区篠崎でGBRでインプラント周囲の骨造成をご希望の方はぜひ、当院までお気軽にご相談下さい。
【動画】奥歯を抜歯したまま放置すると?
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。