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「甘いものをそんなに食べさせていないのに、なぜうちの子は虫歯に…?」
そんなふうに悩んだことはありませんか?
子どもの虫歯は、食生活だけでなく、歯の構造や家庭環境、ケアの仕方などさまざまな要因が関係しています。
本記事では、子どもが虫歯になりやすい理由から、よくある誤解、予防法、治療のポイントまでをわかりやすく解説。
江戸川区篠崎で小児歯科をお探しの方にも役立つ情報をまとめています。
大切なお子さまの歯を守る第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。

🦷 乳歯が虫歯になりやすい理由

 乳歯が虫歯になりやすい理由
乳歯が虫歯になりやすい理由

✅ 1. 歯の構造が弱く、進行が早い

乳歯はエナメル質も象牙質も永久歯の約半分の厚さしかありません。そのため、虫歯菌が出す酸によってエナメル質がすぐに溶け、短期間で象牙質・神経まで進行してしまいます。痛みや治療の負担も大きくなりやすいのが特徴です。

✅ 2. 食べカスが溜まりやすい形をしている

乳歯の奥歯には深い溝や歯間のすき間が多く、そこに食べカスが残りやすくなっています。さらに、子どもが好む砂糖を含んだ粘着性のあるおやつは虫歯菌の活動を活発にし、酸が多く作られる原因になります。

✅ 3. 自分で磨けず、汚れが残りやすい

幼い子どもはまだ歯磨きの技術が未熟なため、プラーク(歯垢)の除去が不十分です。仕上げ磨きがないと、磨き残しが増えて虫歯の原因となります。プラークコントロール不足=虫歯リスクの上昇につながります。

👧 大人と違う!子どもの歯の特徴

子どもの歯は「未完成の歯」です。まだ唾液の抗菌力が弱く、歯の再石灰化(自然修復力)も未発達。そのため、同じ生活習慣でも大人より虫歯になりやすく、ケアの重要性が高いのです。また、成長途中の顎や歯並びも影響し、汚れがたまりやすい場所が多いのも要注意ポイントです。

🦠 虫歯菌の感染ルートとリスク

赤ちゃんの口の中には生まれつき虫歯菌はいません。主な感染源は、家族からの「唾液の共有」。たとえば同じスプーンを使ったり、口移しで食べさせたりすると、虫歯菌(主にミュータンス菌)が移ります。特に乳歯が生え始める1歳半頃は“感染の窓”と呼ばれ、虫歯リスクが一気に高まります。

🎨 虫歯の色・形状の変化とは

初期の虫歯は「黒くなる」と思われがちですが、実は最初は**白く濁った斑点(ホワイトスポット)**が現れるのが特徴です。これは歯の表面からミネラルが失われているサイン。歯の溝や歯と歯の間、上の前歯の裏などに目立たない形で現れることも多く、注意が必要です。

初期虫歯の色・形状の変化とは
初期虫歯の色・形状の変化とは

🦷 子どもの初期虫歯の見た目

▶ 初期虫歯(第1大臼歯・小臼歯)
▶ 初期虫歯(第1大臼歯)

茶色〜黒色の変色が見られるが、穴がなければ削らず処置可能

フッ素塗布やシーラントで経過観察する

子供の小臼歯に出来た初期虫歯
子供の小臼歯に出来た初期虫歯

写真は、小学校高学年の子供の小臼歯に出来た初期虫歯です。

溝の部分が茶色になっていますが、歯を削らずにフッ素塗布で予後観察します。

初期虫歯の場合には歯を積極的に削り詰めることはNGです。フッ素塗布で虫歯の再石灰化を図ります。

小学生の子供の前歯に出来た初期虫歯
小学生の子供の前歯に出来た初期虫歯

写真は、小学校高学年の子供の前歯に出来た初期虫歯です。

左側の矢印の2本の歯の間に茶褐色に変色した所があります。これは初期虫歯です。

右側の矢印の初期虫歯を削ると、写真の様な穴が開きました。外見的には、穴が開いていなくても削ってみるとかなり大きな穴になることがあります。

この様な場合には、コンポジットレジンで充填します。

▶ ホワイトスポットの症例
▶ ホワイトスポットの症例

写真は、小学生高学年の前歯に現れたホワイトスポットです。

ホワイトスポットは、初期虫歯によるものと先天的なエナメル質形成不全症によるものがあります。

臨床的にどちらが原因なのかをかを厳密に診断する事は困難です。

大人になるに伴い次第に薄くなりますが、ホワイトスポットが審美的に気になるようであれば、歯を削らずに治すアイコンという方法があります。

この子供の場合、プラークコントロールが不良のため下顎に歯肉炎が起こっています。

🦷 子どものひどい虫歯【乳歯編】

▶ 第1・第2乳臼歯に大きな虫歯ができた例
▶ 第1・第2乳臼歯に大きな虫歯ができた例

5歳児の奥歯に大きな穴が開いた重度虫歯

サホライドを塗布して虫歯の進行を一時停止(黒くなるのはそのため)

治療に協力が得られにくい年齢では進行止めが優先されることも

第1乳臼歯と第2乳臼歯の虫歯を除去
第1乳臼歯と第2乳臼歯の虫歯を除去

写真は、4歳の子供の乳臼歯(第1乳臼歯と第2乳臼歯)の虫歯を除去した状態で、大きな穴になっています。

虫歯が深くまで進行していて歯髄の赤い部分が透けて見えます。虫歯の周りに少し黒い部分が残っていますが、これはサホライド塗布の跡です。

この子供ではタービンが使えないので、サフライド塗布を繰り返しながら徐々にスプーンエキスカベーターで虫歯を除去しました。

第1乳臼歯と第2乳臼歯にひどい虫歯
第1乳臼歯と第2乳臼歯にひどい虫歯

写真は、5歳の子供の奥歯(乳歯)の2本に出来たひどい虫歯で、大きな穴が開いています。

虫歯部分が黒いのは、虫歯の進行止めサホライドを塗布したためです。

5歳以下の子供はなかなか治療をさせてもらえないので、虫歯が進行するのを防ぐためにサホライドを塗ります。

第1乳臼歯と第2乳臼歯の充填後に2次カリエス
第1乳臼歯と第2乳臼歯の充填後に2次カリエス

写真は、5歳の子供の奥歯(第1乳臼歯と第2乳臼歯)にコンポジットレジン充填を行った後に2次カリエスが発症したものです。

子供の治療は大人の様に協力が得られないため、完全に虫歯を除去することが困難なことが多いです。

そのため、充填後に2次カリエスになることがあります。

🦷 子どものひどい虫歯【永久歯編】

六歳臼歯(第1大臼歯)にひどい虫歯
六歳臼歯(第1大臼歯)にひどい虫歯

写真は、6歳の子供の6歳臼歯(第1大臼歯)にひどい虫歯が出来た状態です。

虫歯は神経まで到達していて抜髄(神経を抜く治療)を行うことになりました。

中学生の子供の永久歯のひどい虫歯
中学生の子供の永久歯のひどい虫歯

写真は、中学生の子供に出来たランパントカリエス(多数歯にわたる虫歯)です。

プラークコントロールが不良なばかりではなく、ミュータンス菌の感染を強く受けているものと思われます。

😟 食欲や機嫌に現れるサイン

子どもは虫歯の痛みをうまく言葉で伝えられません。そのため、急に食べるのを嫌がる・偏食になる・硬いものを避けるなどの行動変化が初期サインとなります。また、機嫌が悪くなったり、頬を触るしぐさが見られることも。いつもと違う様子に気づいたら、歯の状態をチェックしましょう。

💧 「初期虫歯」ならフッ素による再石灰化

歯の白濁がある段階なら、フッ素による再石灰化で治る可能性があります。これは歯の表面のダメージを修復する自然治癒力を助けるもので、フッ素入り歯みがき粉や歯科での高濃度フッ素塗布が効果的。つまり、「白くなったら要注意」なのです。早期の対応で削らずに済むこともあります。

ストローやスプーンの共有はNG?
ストローやスプーンの共有はNG?

❓ 甘いものを控えているのに虫歯?

「お菓子をあまり食べさせていないのに、虫歯ができた…」と悩む親御さんは少なくありません。実は、甘さ=糖分の量だけでなく「食べ方」や「タイミング」が虫歯に大きく影響します。たとえば、ジュースやパン、果物など見た目が甘くないものにも糖分は含まれており、これらが歯に長時間触れることで虫歯リスクが高まります。

⏰ 食事回数とだらだら食べの落とし穴

虫歯の原因となる「酸」は、食事やおやつのたびに口の中で作られます。**頻繁に食べたり、食事時間が長い「だらだら食べ」**は、口の中が酸性状態のまま続き、歯が溶けやすくなります。1日3食+おやつ1回を基本に、時間を決めて食べる習慣が大切です。飲み物も、こまめな水分補給は「お茶や水」で行いましょう。

🥄 ストローやスプーンの共有はNG?

「うちの子にだけ虫歯が多いのはなぜ?」と思ったら、家族からの虫歯菌の感染が原因かもしれません。虫歯菌(主にミュータンス菌)は、ストローやスプーンの共有、口移しで簡単に赤ちゃんにうつります。特に1歳半~2歳頃は“感染の窓”と呼ばれ、この時期の接触が将来の虫歯リスクを左右します。できるだけ専用の食器を使うことが望ましいでしょう。

🔄 治療後も虫歯になる子の特徴

「治療したはずなのに、また虫歯に…」というケースは少なくありません。実は虫歯の根本原因が解決されていないことが多いのです。例えば、間食が多い・歯磨きが雑・就寝前の飲食などの生活習慣が変わっていないと、何度治療しても虫歯は繰り返します。さらに、唾液の量が少ない子や歯並びが悪い子も要注意です。

🪥 再発リスクを防ぐ「仕上げ磨き」のコツ

特に小学校低学年までは、子どもだけの歯磨きでは磨き残しが多くなりがちです。そこで大切なのが「仕上げ磨き」。夜寝る前は、親が1本ずつていねいにチェックしながら磨くことが理想です。電動歯ブラシやフロス、染め出し液などの補助ツールを使えば、楽しみながら虫歯予防ができます🪥✨

再発リスクを防ぐ「仕上げ磨き」のコツ
再発リスクを防ぐ「仕上げ磨き」のコツ

🏠 家庭と歯科のWフォローが鍵

家庭でのケアだけでなく、定期的な歯科検診やフッ素塗布も虫歯再発防止には欠かせません。虫歯の「なりやすさ」は個人差が大きいため、歯科医院でのプロのチェックが重要です。特に再発を繰り返す子には、定期的なリスク評価(唾液検査など)や生活指導も行ってくれる歯科医院を選ぶと安心です。

💧 フッ素・シーラントはいつから?

フッ素は歯の表面を強化し、虫歯菌の酸に溶けにくくしてくれる“歯のバリア”のような存在です。生えたての乳歯や永久歯ほど効果が高く、1歳頃から塗布が可能です。また、シーラントは奥歯の溝に樹脂を埋めて汚れを入り込ませない方法で、6歳臼歯などの虫歯予防に効果的です。いずれも歯科医院で行えるため、定期的な通院がおすすめです。

🍽 食習慣と間食のゴールデンルール

虫歯を防ぐには、糖分の摂取を「時間」でコントロールすることが大切です。おやつは1日1〜2回、時間を決めて短時間で済ませるのがポイント。ジュースや飴をだらだら口にするのはNGです。また、就寝前の飲食は歯を溶かしやすいので避けましょう。おやつ後の歯磨きorうがいの習慣化も、虫歯予防に効果的です🪥

🏥 歯医者デビューは1歳が目安!?

虫歯ができてからの通院では遅いことも。実は歯医者デビューは1歳頃がおすすめです。最初は検診や慣らしが目的で、痛い治療ではありません。早めに通院することで、虫歯の早期発見やフッ素塗布ができるだけでなく、子どもが歯科医院を“怖くない場所”と感じやすくなります。定期検診は3〜4ヶ月に1回が理想です。

😟 親の不安と向き合う方法

「ちゃんと磨いていたのに…」「自分のせいで虫歯にさせたかも」と自分を責めてしまう親御さんも多いですが、虫歯は誰にでも起こりうる病気です。大切なのは「責任」ではなく「これからどう予防するか」。一度虫歯になったからこそ、家族みんなで生活習慣を見直すチャンスと前向きに捉えることが大切です。

🗣 子どもの心を守る声かけと通院対応

虫歯の治療は、子どもにとって不安や痛みを伴うことがあります。そんなときは、「痛かったね」「よくがんばったね」と共感と肯定の言葉がけが心の支えになります。また、「次は先生に見てもらおうね」など、治療=こわいことという印象を与えない工夫も重要です。泣いても嫌がっても、それを責めない姿勢が信頼を深めます。

🏥 歯科医院との信頼関係を築こう

子どもが安心して通える歯科医院を見つけることも大切です。子どもに慣れた小児歯科では、声かけや対応も丁寧で、痛みに配慮した治療が可能です。親自身も遠慮せずに不安を相談できる環境であれば、継続的な予防や治療がしやすくなります。親子に寄り添ってくれる歯科医院=安心のパートナーとして考えましょう。

📉 日本の子どもはなぜ虫歯が減った?

近年、日本の子どもの虫歯は大幅に減少しています。例えば、6歳児の虫歯率は1993年の88.4%から2022年には30.8%へと、約30年間で半数以下に減少しました 。この背景には、予防歯科の普及や保護者の意識向上、フッ素の活用などが挙げられます 。

⚠️ でも「ゼロ」ではない!注意すべきポイント

しかし、虫歯が「ゼロ」になったわけではありません。2024年度の調査では、幼稚園児の虫歯率が20.74%、小学生で32.89%、中学生で26.50%、高校生で34.70%と、依然として一定の割合で存在しています 。特に、間食の頻度やだらだら食べ、仕上げ磨きの不足など、生活習慣が虫歯のリスクを高める要因となっています。

👨‍👩‍👧 これからの虫歯対策は「親子で予防」

今後の虫歯予防には、家庭と歯科医院の連携が重要です。定期的な歯科検診やフッ素塗布、正しい歯磨き習慣の定着など、親子で取り組むことが効果的です。また、地域によっては、学校でのフッ素洗口や給食後の歯磨き指導など、集団での予防活動も行われています。これらの取り組みを活用し、虫歯ゼロを目指しましょう。

🦷 無料歯科検診・フッ素塗布の活用を

江戸川区では、乳幼児や妊婦さんを対象とした無料の歯科健診やフッ素塗布の制度が充実しています。特に1歳6か月健診や3歳児健診では、虫歯の早期発見や予防指導が受けられます。こうした公的サービスを積極的に活用することで、虫歯の「早期発見・早期対応」が可能になります。フッ素塗布のタイミングや頻度についても、歯科医師と相談することで安心です。

👨‍⚕️ 地域密着型の小児歯科で安心ケア

江戸川区篠崎の当院では、お子さまの不安を和らげる雰囲気づくりや、保護者の方への丁寧な説明を心がけています。虫歯の予防から治療まで一貫して対応し、家庭と歯科の二人三脚でお子さまの歯の健康を守ります

👧お子さまの虫歯、見逃していませんか?

乳歯は大人の歯よりも虫歯になりやすく、進行も早いため、早期の予防とケアがとても大切です。

江戸川区篠崎にある当院では、小児歯科に力を入れており、虫歯の予防・早期発見・治療を親子で無理なく続けられるようサポートしています。フッ素塗布やシーラント処置、仕上げ磨きの指導など、虫歯を作らないための環境づくりを大切にしています。

「まだ小さいから大丈夫」と思わずに、まずはお気軽にご相談ください。
江戸川区篠崎でお子さまの虫歯予防に強い歯医者をお探しなら、ぜひ当院へ。
安心して通える地域密着型の歯科医院として、お子さまの笑顔を守ります。

【動画】子供の虫歯の見分け方

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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