4歳までの子供は怖がってなかなか口を開けてくれないので、削って詰めるといった治療が出来ません。

5歳になると約90%の子供が歯科医院での治療を受け入れてくれます。

子供の年齢に合わせた段階的な治療法があるので参考にしてくださいます。

乳歯の虫歯の特徴

乳歯は虫歯になり易く進行が速い

理由

エナメル質、象牙質が薄い

乳歯は永久歯に比べ、エナメル質も象牙質も半分の厚さしかありません。エナメル質に出来た虫歯はすぐに象牙質へと進行します。

理由

乳歯は食べカスが溜まり易い

乳歯は奥歯の溝や歯の間に食べカスが溜まり易く、しかも子供の好む食べ物には砂糖を含んだ粘着性のある物が多いため、虫歯菌が酸を盛んに作り出してしまいます。

理由

プラークコントロール不足

一人で上手に歯磨きができないため、プラークコントロールが不十分になります。

子供の気持ちに配慮した乳歯の虫歯治療

虫歯の炎を鎮火

虫歯の炎を鎮火
虫歯の炎を鎮火

2歳、3歳、4歳の子供は泣き叫んで治療が困難

乳歯に小さな穴が開き始めると、歯の中で虫歯が大きく広がり象牙質まで達する虫歯(C2)になっていることも多く、いきなり大きな穴が開いてしまいショックを受けることがあります。早めの治療が必要ですが、2~4歳の子供は口を開けることさえ拒むこともよくあります。

タービンやエンジンなどの虫歯を削る器具を口に近づけだけで泣き叫び、口を固く結んでしまうと治療は益々困難になります。

そこで、幼児期の子供にできたひどい虫歯には、鎮火を目的とした治療が必要になります。

個人差はありますが、5~6歳になると通常の虫歯治療が出来るようになります。

赤ちゃん~2歳児の虫歯治療

サホライド
サホライド

サホライド塗布

母親にとって2歳の子供に虫歯が出来てしまったというのはショックな事でしょう。

2歳の子供では虫歯を削って詰めるような治療は不可能です。そこで虫歯の進行を止めるサホライドを塗布します。

サホライドを塗布すると虫歯部分が黒く変色します。見た目が悪いと治療を拒否するお母さんがいらっしゃいます。その場合、効果は低いですが、フッ化ナトリウムを塗布します。

家庭では、初めて乳歯が生える生後6ヶ月の赤ちゃんの時期からフッ素入り液体歯磨きレノビーゴを使用すると虫歯の発生防止に効果的です。

3歳,4歳,5歳児の虫歯治療器具

スプーンエキスカベーター
スプーンエキスカベーター

スプーンエキスカベーター

スプーンエキスカベーターは乳歯の虫歯を耳かきの様な形の先端で掻き出すハンドインスツルメントです。スプーンエキスカベーターには大小様々な大きさがあり、虫歯の穴の大きさに合わせて使い分けします。

子供にスプーンエキスカベーターを見せても怖がる子供はほとんどいません。

治療ステップ

step1 サホライド塗布し光照射
step1 サホライド塗布し光照射

step1 サホライド塗布し光照射

スプーンエキスカベーターを使い出来る範囲で虫歯を取り除き乾燥させた後、小綿球に浸ませてサホライドを塗布します。

写真はサホライドを塗布し、光を照射したところです。虫歯の部分はこのまま何も詰めずにオープン状態にします。食べ物が詰まりやすいのでよく歯磨きが必要です。

サホライドに含まれる硝酸銀の殺菌作用とフッ素の虫歯抑制作用の両方の効果を期大したものですが、銀の沈着によって、虫歯の色を変化させ、歯が黒くなるという副作用があります。そのため、母親の許可が得られない場合には乳幼児の前歯には使いません。

step2 スプーンエキスカベーターで虫歯除去
step2 スプーンエキスカベーターで虫歯除去

step2 スプーンエキスカベーターで虫歯除去

写真は、サホライドを塗布した後、スプーンエキスカベーターで虫歯を除去した所です。

虫歯を除去すると虫歯の穴がかなり大きいひどい虫歯であったことが分ります。

通常、サホライドを塗布し、次回来院時には黒くなった虫歯の部分は少し硬くなります。黒く硬くなった虫歯をスプーンエキスカベーターで痛みを与えてない程度に除去します。

再度、サホライドを塗布し、光りを照射して本日の治療は終了です。3回目の来院時にほとんどの虫歯をスプーンエキスカベーターで除去することが出来ます。

虫歯の穴の大きさにもよりますが、サホライドの塗布は2~4回程度が普通です。

step3 コンポジットレジン充填
step3 コンポジットレジン充填

step3 コンポジットレジン充填

コンポジットレジンで充填して虫歯の治療は終了します。僅かにサホライドの着色部分が残りますが、ほぼ満足できる治療水準です。

極力歯科麻酔と切削器具は使いません

上記症例の虫歯に浸潤麻酔をかけて回転式の削る器具で虫歯を除去すると、神経まで達していたかもしれません。そうなれば神経を取る治療(歯髄)が必要となり、治療がさらに困難になります。

又、浸潤麻酔をかけた場合、少しでも痛みを与えると、その後、治療を拒否する子供が多くなります。

よほどのことでない限り歯科麻酔や回転式の切削器具の使用を避けるようにしています。

ダイヤモンドバー用のタービン
ダイヤモンドバー用のタービン

エナメル質、象牙質共に切削できるダイヤモンドバー専用の高速で回転するタービンです。バーの表面はダイヤモンドが貼り付けられています。

振動はあまりありませんが、キーンという音が恐怖心を煽ります。

スチールバー用のエンジン
スチールバー用のエンジン

象牙質の虫歯を切削する為のスチールバー(鉄製)です。エナメル質は固すぎて削れません。低速で回転し、振動が歯に伝わり、子供には恐怖でしかありません。

浸潤麻酔
浸潤麻酔

子供にとって浸潤麻酔の「チック」とした痛みや麻酔薬を注入する時に圧力をかけることで起こる痛みで、今後の治療に拒絶反応が起こります。

ふかさわ歯科クリニック篠崎の小児歯科では、虫歯治療に伴う痛みや精神的負担に配慮し、お子様とのコミュニケーションを大切にしながら、お子様が歯医者嫌いにならないよう信頼関係を築くとこらから始めます。また、マタニティ歯科にも対応し、虫歯菌をお子様に移さないマイナス1歳から始める虫歯予防の指導や妊婦の方が安心して出産できるようサポートも行っています。江戸川区篠崎で子供の虫歯治療の歯科医院をお探しの方はぜひ、当院までお気軽にご相談いただければと思います。

【動画】子供の虫歯の見分け方

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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