目次

「歯がグラグラしているけど痛くないから大丈夫?」
そんなお悩みを抱えていませんか?
歯の揺れは、歯周病や歯根のダメージなど、深刻な口腔トラブルのサインかもしれません。

本記事では、歯がグラグラする原因から、放置によるリスク、歯科での治療法、そして日常でできる予防法まで詳しく解説します。
早期発見・早期治療が歯を守るカギです。気になる症状がある方はぜひ参考にしてください。

歯がグラグラする症状は、多くの場合「歯を支える組織の異常」を示す重要なサインです。違和感を軽視せず、早期に原因を把握することが歯の保存につながります。

🔎歯がグラグラするメカニズム

歯は「歯槽骨」と「歯根膜」によって支持されています。
しかし、これらの組織が障害を受けると、歯の固定が弱まり動揺が生じます。

🦴特に歯槽骨は重要な支持組織であり、
骨の吸収が進行すると歯は安定性を失います。

正常
正常
歯槽骨が3分の2以上溶けると歯のぐらぐらが始まる
歯槽骨が3分の2以上溶けると歯のぐらぐらが始まる

🦠主な原因

🦷歯周病(最も多い原因)

歯周病菌の炎症により歯槽骨が吸収され、歯が動揺します。
痛みが少ないまま進行するため、発見が遅れやすいのが特徴です。

重度歯周病による歯の動揺症例
重度歯周病による歯の動揺症例の口腔内写真
歯周病により歯がグラグラする:歯槽骨が溶けている
レントゲン画像:歯周病により歯がグラグラする:歯槽骨が溶けている

口腔内写真の症例は、歯全体に歯石や着色が多く、歯列の乱れと歯肉退縮がみられ、複数の歯に動揺が認められます。主な原因は重度歯周病で、歯槽骨の吸収や深い歯周ポケットにより歯の支持が失われています。加えて、虫歯や欠損歯も認められ、口腔環境は著しく悪化しています。

この状態は重度歯周炎(Stage IV)が疑われ、放置すると歯の喪失が進行します。治療には歯周基本治療、外科処置、必要に応じた抜歯と補綴治療が必要です。

レントゲン画像で矢印が示す部分では、歯の周囲の骨(歯槽骨)が減少している様子が確認できます。歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶け、歯がグラグラと動揺するようになります。
放置すると、最終的には抜歯が必要になることもあるため、早期の歯周病治療が重要です。「少し揺れるだけ」と感じる段階でも、歯科医院での検査・治療をおすすめします。

🧫歯周病+根尖病巣の合併

歯周組織の破壊に加え、歯の根の先に感染(膿)が生じると、
支持骨の喪失が加速し、急速にグラつきが悪化します。

歯がグラグラする理由:歯周病+根尖病巣が同時に進行したケース
歯がグラグラする理由:歯周病+根尖病巣が同時に進行したケース

赤矢印が示すように、歯根の先には大きな根尖病巣(膿の袋)が形成され、同時に歯周病による骨吸収が進行しています。歯を支える骨が大きく失われると、噛む力に耐えられず歯がグラグラします。このように「歯周病」と「根の感染(根尖病巣)」が重なると、急速に動揺が進むことがあり、早期の診断と治療が重要です。

🪓歯根破折

歯根が縦に割れると支持機能が失われ、強い動揺が出現します。
多くの場合、保存が困難となります。

下顎6番の近心根が割れた
下顎6番の近心根が割れた

🤕外傷

転倒や衝撃により歯根膜が損傷し、一時的または持続的な動揺が起こります。

外傷による歯のグラつき
外傷による歯のグラつき

😬咬合性外傷(歯ぎしり・食いしばり)

過剰な咬合力により歯根膜が拡大し、歯の安定性が低下します。

咬合性外傷による歯根膜の拡大
咬合性外傷による歯根膜の拡大

👴加齢・骨量低下

骨密度の低下により歯の支持力が弱くなります。歯周病の併発で悪化しやすいです。

👶子供の歯がグラグラしている場合

子どもの歯のグラつきの多くは、5〜7歳頃から始まる乳歯の生え変わりによる正常な現象です。痛みが少なく、自然に抜ける場合は問題ありません。

一方で、強い動揺が続く・腫れや膿がある・永久歯の位置異常・外傷後の揺れなどは異常の可能性があります。

気になる場合は小児歯科で検査を行い、必要に応じて治療を受けましょう。無理に抜かず、日常の口腔ケアを丁寧に行うことが大切です。

子供の歯がグラグラしている
子供の歯がグラグラしている

🚨放置するリスク

歯の動揺は自然に改善することはほとんどありません。

⚠️進行すると
・歯槽骨のさらなる吸収
・咬合不全
・最終的な歯の喪失

につながる可能性があります。

🧪見逃してはいけないサイン

以下の症状がある場合は要注意です👇

✔ 歯が前後・左右に動く
✔ 噛むと浮いた感じがある
✔ 歯ぐきの腫れ・出血・膿
✔ 口臭の悪化
✔ 歯が長く見える(歯肉退縮)

👉中等度以上の歯周病の可能性があります

🧼応急対応のポイント

🦷無理に触らない
🧊頬側から冷却
💊鎮痛薬で対処
🚫強いうがいは避ける

🍽️食事は
・柔らかいもの中心
・患側で噛まない
・刺激物を控える

歯がグラグラする原因によって、歯科医院での治療方法は異なります。症状に合った適切な処置を受けることで、歯の保存や症状の改善が期待できます。ここでは、代表的な治療の流れをご紹介します。

🔍歯周病の場合の治療ステップ

歯周病が原因で歯が揺れている場合、進行度に応じて以下のような治療が行われます。

🦷💫歯がグラグラする症状

歯周病が進行し歯根を支えている歯槽骨が溶けると、歯のグラグラが始まります。初期症状として歯は左右に動くようになり、歯周病の重症化で上下にプカプカ動くようになります。

歯周病で歯がグラグラする
歯周病で歯がグラグラする

🪥 スケーリング・ルートプレーニング

歯や歯周ポケットにたまった歯石やプラークを取り除く処置です。
歯の根元までしっかりクリーニングすることで、炎症を抑え、歯周病の進行を止める第一段階の治療です。

🦷 歯周外科治療

スケーリングでは取りきれない深部の汚れを、歯茎を開いて徹底的に除去します。
ポケットが深くなっているケースや骨の吸収が進んでいるケースに適応されます。

🧬 再生療法

失われた骨や歯周組織を再生させる先進的な治療です。
エムドゲイン、リグロスなどの薬剤や人工骨を使って、歯を支える力を回復させることが可能です。

🪛歯根破折・重度の揺れには?

グラグラが歯根破折によるものであったり、歯の支持組織が完全に失われている場合は、残念ながら歯の保存が難しいケースもあります。

歯根破折で重度の揺れ
歯根破折で重度の揺れ

❌ 抜歯

歯を残すことが困難と判断された場合、感染の拡大を防ぐために抜歯が選択されます。
特に縦に割れた破折やグラつきが著しい場合には早めの決断が重要です。

🦷 インプラント治療

抜歯後、人工歯根(インプラント)を埋め込んで噛む力を回復させます。
周囲の歯を削らずに済むため、機能的かつ審美的にも優れた治療法です。

歯がグラグラして抜歯となった6番欠損部への治療選択 ― インプラント治療
歯がグラグラして抜歯後の治療 ― 6番欠損部へのインプラント埋入
歯がグラグラして抜歯後の治療 ― 6番欠損部へのインプラント埋入

重度の歯周病などにより歯が大きく動揺し、保存が困難と判断された6番を抜歯した症例です。欠損部を放置すると噛み合わせの乱れや周囲歯への負担増加を招くため、抜歯後の治療としてインプラントを選択しました。2枚目の画像は、6番欠損部にインプラント体を埋入した状態を示しています。インプラントは、周囲の健康な歯を削ることなく、歯根の役割を回復し、しっかり噛める機能と咬合の安定を取り戻すことができる治療法です。

🧬骨再生療法とは?再建治療の可能性

歯を支える「歯槽骨」が溶けてしまった場合でも、近年では骨を再生させる技術が進化しています。

  • 🧫 リグロス法
     歯の根に特殊なゲルを塗布して歯周組織の再生を促します。
  • 🦴 人工骨や自家骨移植
     骨が大きく失われた部位に、人工的に骨を補填する方法です。

これらの治療はすべてのケースに適応できるわけではありませんが、歯の延命や保存に役立つ可能性があります。まずはCTなどでの精密診断が必要です。

歯がグラグラしているけど、すぐに抜きたくない…。
そんなときに一時的に歯を安定させる方法が「暫間固定(ざんかんこてい)」です。

🔧暫間固定とは?

暫間固定とは、グラグラしている歯とその周囲の歯をワイヤーや接着剤で連結し、歯を一時的に固定する処置です。
歯をしっかり安定させて、痛みや噛みにくさを和らげたり、治療までの期間を安全に保つ目的で行います。

🛠️ 使用する素材には以下のようなものがあります:

  • 金属製のワイヤー+接着剤(レジン)
  • レジンだけで連結する方法
  • プラスチック製の仮歯をブリッジのように固定する方法
接着性レジンによる暫定固定
接着性レジンによる暫定固定
歯周病で歯がグラグラした時の暫間固定です。
審美的に治療する必要がある前歯では歯と同じ色の接着性レジンで固定します。
ワイヤーと接着性レジンで暫定固定
ワイヤーと接着性レジンで暫定固定
奥歯では審美的要求が低いことと咬合力が強いため、ワイヤーで補強し外れにくくします。
前写真のX線画像
前写真のX線画像
重度歯周病で歯槽骨が破壊されたエックス線写真。
矢印で示した所が全体的に黒くなっています。これは遠心根周辺の骨がほとんど溶けているからです。

🩺どんな時に行うの?

  • 重度の歯周病で歯がグラついている場合
  • 歯周外科や再生治療の後
  • 歯ぎしり・食いしばりによる咬合性外傷
  • 転倒や事故などで歯に強い衝撃を受けたとき
歯周外科や再生治療の後
歯周外科や再生治療の後
重度の歯周病で歯がグラついている
重度の歯周病で歯がグラついている

このようなケースでは、すぐに抜歯せずに歯を一時的に安定させ、治療の準備を整える大切なステップとして暫間固定が行われます。

⚠️暫間固定の注意点

暫間固定は“仮の処置”です。長期間の使用には向いておらず、以下のような不都合もあります:

  • 🧼歯磨きがしにくくなるため、念入りな清掃が必要
  • 👅装置が舌にあたって違和感を感じることがある
  • 🧲接着力がそこまで強くないため、取れてしまうことも

そのため、**あくまで本格的な治療に向けた「つなぎの処置」**として考えていただくことが大切です。

💰暫間固定の治療費

歯がグラグラした時の暫間固定は保険適用

内容保険点数
暫間固定-簡単なものエナメルボンドシステムによるもの200点
暫間固定-困難なものエナメルボンドシステムによるもの500点
暫間固定除去1装置につき30点
※ 初診料、再診料、処方箋料、レントゲン撮影料などがかかります。薬は投薬内容により費用が異なりますが、薬局に支払う必要があります。
歯周病の治療を行う場合には、歯周病の治療費、検査料、指導料などがかかります。

🪥正しいブラッシング+歯間清掃
🥦栄養バランス(ビタミンC・カルシウム)
😬ナイトガードによる咬合管理

食生活と栄養バランス
食生活と栄養バランス
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歯のグラつきは「歯を失う前兆」であることが多く、
早期対応が予後を大きく左右します。

「少し揺れるだけ」と軽視せず、
違和感を感じた時点で歯科受診を行うことが、歯を守る最も重要なポイントです。

「歯がグラグラする…もしかして歯周病?」そんな不安を感じたら、早めの受診が大切です

江戸川区篠崎の当院では、歯周病や歯のグラつきに対する精密な検査と原因に応じた専門的な治療を行っています。
「まだ痛みがないから」と放置せず、違和感を覚えたそのタイミングでご相談ください。
あなたの大切な歯を、できる限り「抜かずに残す」ためのサポートをいたします。
まずはお気軽にご予約・ご相談を。

【動画】歯周病の手遅れの症状

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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