目次

「歯並びはそれほど悪くないのに、なぜか口元だけが前に出て見える」

「正面から見ると気にならないのに、横顔の写真を見ると口元が目立つ」

「笑顔には抵抗がないけれど、横顔には自信が持てない」

このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。

近年では、スマートフォンで写真や動画を撮影する機会が増え、自分の横顔を見て初めて口元の突出に気づく方も増えています。インターネットやSNSで調べるうちに、「自分は口ゴボなのではないか」と不安になった方もいるでしょう。

しかし、口元が前に出て見えるからといって、必ずしも矯正治療が必要とは限りません。

口ゴボには、前歯の位置、顎の骨格、唇の厚み、舌の癖、口呼吸、口周りの筋肉など、さまざまな要素が関係しています。そのため、見た目が似ていても原因や適した治療方法は一人ひとり異なります。

また、口ゴボは見た目だけの問題ではありません。原因によっては、口が閉じにくい、口呼吸になりやすい、噛み合わせに問題があるなど、お口の機能や健康に関係することもあります。

この記事では、口ゴボの意味や原因、セルフチェックの方法、自力で改善できるケース、歯科医院で行う治療について詳しく解説します。

「口ゴボ」とは正式な病名ではなく、横顔で見たときに口元が前方へ突出して見える状態を表す一般的な呼び方です。

歯科では、歯や顎の状態に応じて、次のように診断されることがあります。

  • 上顎前突
  • 上下顎前突
  • 歯槽性上顎前突
  • 骨格性上顎前突
  • 骨格性上下顎前突

上顎前突は、いわゆる「出っ歯」と呼ばれる状態です。上下顎前突は、上下の前歯や顎がともに前方へ出ている状態を指します。

ただし、口ゴボに見える原因は前歯だけとは限りません。

例えば、下顎が小さく後方に位置しているため、相対的に口元が前へ出て見える場合もあります。唇が厚い方や、鼻・あごの形とのバランスによって口元が目立って見える方もいます。

そのため、「口ゴボ」という見た目だけでは、医学的な原因や治療方法を判断できません。

「歯並びがきれいなら、口ゴボではないのでは?」

そう思われる方も多いでしょう。

しかし、歯がきれいに並んでいても、前歯全体が前方へ傾いていれば、唇が内側から押し出されて口元が前に見えることがあります。

例えば、歯と歯が重なったり、ねじれたりしていなくても、歯列全体が前方に位置していれば、正面から見た歯並びは整っていても横顔では口元が突出して見えます。

また、歯の位置に問題がなくても、上顎の骨が前方へ出ている、下顎が小さい、あご先が後方にあるといった骨格の特徴によって、口元が強調される場合があります。

つまり、

歯並びのきれいさと、横顔のバランスは別の問題です。

歯並びだけを見て「問題ない」と判断するのではなく、前歯の角度、顎の位置、唇の状態、顔全体のバランスを総合的に確認する必要があります。

自分の口元が気になる方は、次の項目を確認してみましょう。

横顔の写真で口元が前に出て見える

鏡では正面から自分の顔を見ることが多いため、横顔の特徴には気づきにくいものです。

スマートフォンを顔と同じ高さに置き、自然な姿勢で真横から撮影すると、口元の位置を確認しやすくなります。

ただし、広角レンズや近距離での撮影では顔がゆがんで写ることがあります。写真だけで診断するのではなく、あくまでも目安として確認しましょう。

力を入れないと口を閉じられない

自然に唇を閉じようとしたとき、口周りやあごに強く力が入る場合は、前歯や口元が前方へ出ている可能性があります。

特に、口を閉じたときにあご先に梅干しのようなシワができる状態を「オトガイ筋の緊張」といいます。

前歯の突出や口周りの筋肉のバランスによって、唇を閉じるために余計な力が必要になっていることがあります。

いつも口が開いていると言われる

家族から「口が開いている」と指摘されたことがある方や、気がつくと口呼吸をしている方は、唇を自然に閉じることが難しくなっている可能性があります。

口が開いた状態が続くと、口の中が乾燥しやすくなります。朝起きたときに口が乾いている、口臭が気になるという場合は、口呼吸の有無も確認しましょう。

前歯が唇を押している感じがする

口を閉じたときに前歯が唇に当たる、唇が前歯に押されている感覚がある場合は、前歯が前方へ傾いている可能性があります。

歯並びが整っていても、前歯の角度によっては口元が前へ出て見えます。

Eラインより唇が前に出ている

Eラインとは、鼻先とあご先を結んだ線のことです。横顔のバランスを評価する目安の一つとして使われています。

ただし、Eラインから唇が出ているだけで口ゴボと診断することはできません。

鼻の高さ、あごの大きさ、唇の厚み、人種、年齢などによって、Eラインと唇の位置関係は異なります。Eラインはあくまでも複数ある評価項目の一つです。

セルフチェックによって、口元の特徴に気づくことはできます。

しかし、口元が前に見える原因が、

  • 前歯の位置なのか
  • 顎の骨格なのか
  • 唇の厚みなのか
  • 舌の癖や口呼吸なのか

までは判断できません。

歯科医院では、口腔内や噛み合わせの診察に加え、顔貌写真、口腔内写真、歯型、レントゲン検査などを行います。

矯正治療を検討する場合は、セファロレントゲンと呼ばれる横顔の規格写真を撮影し、上顎と下顎の位置、前歯の角度、口元のバランスなどを分析します。

口ゴボを改善するためには、まず原因を正しく把握することが重要です。

1.前歯が前方へ傾いている

口ゴボの代表的な原因が、前歯の前方傾斜です。

顎の骨格に大きな問題がなくても、上下の前歯が前へ傾いていると、唇が内側から押し出されます。

このタイプでは、次のような特徴がみられます。

  • 歯並びは比較的整っている
  • 出っ歯と言われたことがある
  • 横顔で口元が目立つ
  • 唇を自然に閉じにくい
  • 口を閉じるとあごにシワができる

前歯の位置や角度が主な原因であれば、歯列矯正によって改善できる可能性があります。

ただし、前歯を後方へ動かすためにはスペースが必要です。スペースが不足している場合には、抜歯や奥歯の後方移動、歯と歯の間をわずかに削る処置などを検討します。

2.顎の骨格に原因がある

歯並びがきれいでも、顎の骨格によって口元が前へ出て見えることがあります。

例えば、次のようなケースです。

  • 上顎全体が前方へ出ている
  • 上下の顎がともに前へ出ている
  • 下顎が小さい
  • あご先が後方にある

下顎が小さい場合は、上顎や前歯が正常な位置でも、相対的に口元が前へ出て見えることがあります。

骨格的な問題が大きい場合は、歯を動かすだけでは十分な変化が得られないことがあります。重度の骨格的不調和と噛み合わせの異常がある場合には、外科的矯正治療を検討することもあります。

3.口呼吸や舌の癖がある

毎日の呼吸方法や舌の使い方も、歯並びや口元に影響することがあります。

特に注意したい習慣は次のとおりです。

  • 口呼吸
  • 舌で前歯を押す癖
  • 飲み込むときに舌が前へ出る
  • 指しゃぶり
  • 唇を噛む癖

本来、舌は安静時に上あごへ広く接している状態が望ましいとされています。

舌が低い位置にあり、前歯を繰り返し押していると、弱い力であっても長期間かかり続けることで前歯の位置に影響する可能性があります。

また、口呼吸が続くと唇が開きやすくなり、舌や口周りの筋肉のバランスが崩れやすくなります。

特に成長期のお子さんでは、口呼吸や舌癖が顎の発育や歯並びに関係することがあるため、早めに状態を確認することが大切です。

4.口周りの筋肉が十分に働いていない

唇を閉じるためには、口輪筋をはじめとする口周りの筋肉が働きます。

口周りの筋肉が十分に働いていないと、

  • 口がぽかんと開く
  • 唇を閉じると疲れる
  • あごに梅干し状のシワができる
  • 口呼吸になりやすい

といった状態がみられることがあります。

口腔筋機能療法(MFT)によって、舌・唇・頬の使い方を整えることがあります。

ただし、筋肉のトレーニングだけで、成人の歯や顎の骨格を大きく移動させることはできません。MFTは歯列矯正の代わりではなく、口腔機能を改善し、矯正後の安定をサポートする方法と考える必要があります。

5.遺伝的な要素

顔や顎の骨格、歯の大きさ、唇の厚みなどには遺伝的な要素も関係します。

「両親のどちらかと横顔が似ている」「家族にも口元が前へ出ている人がいる」という方もいるでしょう。

ただし、口ゴボの状態がすべて遺伝だけで決まるわけではありません。

同じような骨格的特徴を持っていても、舌の位置、呼吸方法、口周りの筋肉、指しゃぶりなどの生活習慣によって、歯並びや口元の印象が変わることがあります。

SNSなどでは、Eラインの内側に唇が収まっている横顔が「理想」として紹介されることがあります。

しかし、Eラインは横顔を評価する絶対的な基準ではありません。

Eラインは鼻先とあご先の位置によって決まるため、鼻が高い方では唇が内側に入りやすく、鼻が低い方やあごが小さい方では唇が前方に見えやすくなります。

また、日本人を含むアジア人の顔貌に、欧米人の評価基準をそのまま当てはめることは適切ではありません。

Eラインとは

横顔を評価するときは、Eラインだけでなく、

  • 鼻の形
  • あごの位置
  • 唇の厚み
  • 前歯の角度
  • 上下の顎のバランス
  • 顔全体の調和

を総合的に確認する必要があります。

矯正治療の目標も、単に唇をEラインの内側へ入れることではありません。必要以上に前歯を後退させると、口元が平坦に見えたり、顔全体とのバランスが崩れたりすることがあります。

ご自身の顔立ちに合った、自然で機能的な口元を目指すことが大切です。

口ゴボそのものは病名ではなく、必ず治療しなければならない状態ではありません。

噛み合わせや口腔機能に問題がなく、ご本人も困っていなければ、経過を見ることもできます。

一方、原因や程度によっては、次のような影響がみられることがあります。

口呼吸や口腔乾燥

唇を自然に閉じにくいと、無意識に口が開き、口呼吸になりやすくなります。

口呼吸が続くと口腔内が乾燥し、唾液による自浄作用や緩衝作用が十分に働きにくくなります。

その結果、口臭や歯肉炎などのリスクが高まることがあります。

虫歯・歯周病のリスク

口腔内が乾燥すると、歯や歯ぐきに汚れが残りやすい環境になります。

特に前歯の表面や歯ぐきが乾燥しやすい方では、歯肉炎がみられることがあります。

ただし、口ゴボだから必ず虫歯や歯周病になるわけではありません。毎日の歯磨きや定期的なメンテナンスによって、リスクを抑えることが大切です。

噛み合わせへの影響

前歯の突出が強い場合、前歯で食べ物を噛み切りにくいことがあります。

また、上下の歯の位置関係によっては、特定の歯に負担が集中したり、噛み合わせが不安定になったりすることがあります。

発音への影響

前歯の位置や舌の癖によって、サ行やタ行などの発音がしにくくなる場合があります。

ただし、発音には舌の動きや聴覚、習慣など複数の要因が関係するため、口ゴボだけが原因とは限りません。

見た目への悩み

口ゴボで最も多いお悩みは、横顔や口元の見た目です。

写真を撮ることや人前で笑うことに抵抗を感じ、日常生活に影響するほど悩んでいる場合は、歯科医院で相談してみることも選択肢の一つです。

ただし、SNS上の理想像と比較し過ぎる必要はありません。医学的には正常範囲であっても、ご本人が強く気にしているケースもあります。

治療の必要性は、見た目、噛み合わせ、口腔機能、ご本人の希望を含めて判断します。

結論からいうと、口ゴボの原因によって、自力で改善できる範囲は異なります。

口呼吸や舌の癖、口周りの筋肉の使い方が主な問題であれば、トレーニングや生活習慣の改善によって、口を閉じやすくなるなどの変化が期待できることがあります。

一方、歯や顎の骨格が原因の場合は、セルフケアだけで位置を大きく変えることはできません。

セルフケアが役立つ可能性があるケース

  • 口呼吸がある
  • 舌の位置が低い
  • 舌で前歯を押す癖がある
  • 唇を閉じる力が弱い
  • 口がぽかんと開いている

このような場合は、鼻呼吸の習慣づけやMFTなどが役立つ可能性があります。

セルフケアだけでは難しいケース

  • 前歯が大きく前方へ傾いている
  • 顎の骨格そのものが前へ出ている
  • 下顎が著しく小さい
  • 歯を後方へ動かす必要がある

このような場合は、ワイヤー矯正、マウスピース矯正、外科的矯正治療などを検討します。

あいうべ体操は、口や舌を大きく動かす体操です。

「あ」「い」「う」「べ」と口や舌を動かすことで、口輪筋や舌、頬などの筋肉を使います。

口呼吸の改善や口周りの機能を整える目的で行われることがありますが、あいうべ体操だけで前歯や顎の骨格が大きく変化するわけではありません。

「あいうべ体操をすれば口ゴボが治る」と考えるのではなく、口腔機能を整えるための補助的なトレーニングとして考えましょう。

また、自己流で強い力を加え続けることは避けてください。歯を指で押す、無理に舌の位置を変えるといった方法では、歯や顎に悪影響を及ぼす可能性があり

ます。

あいうべ体操

リットレメーターとリットレMPによる口輪筋トレーニング

リットレメーターは口唇閉鎖力を計る器具です。リットレMPは唇の周りの筋肉である口輪筋を鍛えることで口ゴボを改善する器具です。

リットレメーター

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リットレMP

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口ゴボの相談では、一般的に次のような検査を行います。

  • 顔貌写真
  • 口腔内写真
  • 歯型や口腔内スキャン
  • 噛み合わせの確認
  • パノラマレントゲン
  • セファロレントゲン
  • 舌や唇の機能評価

セファロレントゲンでは、上顎と下顎の位置、前歯の傾き、骨格的なバランスなどを分析できます。

見た目が似ている患者さんでも、歯性の口ゴボと骨格性の口ゴボでは治療方針が異なります。検査によって原因を確認したうえで、治療方法を検討することが重要です。

セファルレントゲン検査

成長期のお子さんでは、歯を並べることだけでなく、顎の発育や舌・唇の使い方、呼吸方法を整えることが重要です。

プレオルソ

プレオルソ
プレオルソ

プレオルソは、成長期のお子さんに使用する取り外し式のマウスピース型矯正装置です。

舌・唇・頬などの筋肉が適切に働きやすい環境を整え、歯並びや顎の発育をサポートすることを目的とします。

出っ歯、受け口、歯並びの乱れ、口呼吸などに用いられることがありますが、すべての症例に適応できるわけではありません。

装置を使用したからといって、将来的な本格矯正が必ず不要になるわけでもありません。

MFT(口腔筋機能療法)

MFTは、舌・唇・頬などの筋肉を適切に使えるようにするトレーニングです。

正しい舌の位置、飲み込み方、唇の閉じ方などを練習します。

舌癖や口呼吸が残っていると、矯正治療で歯を動かしても後戻りしやすくなる場合があります。そのため、矯正治療と組み合わせてMFTを行うことがあります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯にブラケットを装着し、ワイヤーの力で歯を動かす方法です。

歯の傾きだけでなく、歯根の位置まで細かく調整しやすいため、幅広い症例に対応できます。

特に、前歯を大きく後方へ移動させる場合や、抜歯スペースを閉じる場合に適していることがあります。

一方で、装置が目立ちやすく、歯磨きが難しくなることがあります。治療中は、虫歯や歯肉炎を防ぐための丁寧なケアが必要です。

ワイヤー矯正
ワイヤー矯正

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明な装置を定期的に交換しながら歯を動かす方法です。

装置が目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外せることが特徴です。

軽度から中等度の前歯の突出では選択肢になることがありますが、前歯を大きく後方へ移動させる場合や、歯根を細かくコントロールする必要がある場合には、ワイヤー矯正の方が適していることもあります。

また、マウスピースは決められた時間装着しなければ、計画どおりに歯が動きません。

「目立ちにくい」という理由だけではなく、必要な歯の移動を実現できるかどうかで治療方法を選ぶことが大切です。

口元を後方へ下げるためには、前歯を動かすスペースが必要です。

そのスペースが不足している場合、上下左右の小臼歯を抜歯することがあります。

抜歯矯正
抜歯矯正

抜歯が検討されるのは、主に次のようなケースです。

  • 前歯の突出が強い
  • 歯を並べるスペースが大きく不足している
  • 唇を自然に閉じにくい
  • 非抜歯では前歯がさらに前へ出る可能性がある
  • 口元を大きく後方へ移動させる必要がある

一方で、すべての口ゴボ治療で抜歯が必要なわけではありません。

奥歯の後方移動、歯列の拡大、歯と歯の間をわずかに削る処置などでスペースを確保できる場合は、非抜歯で治療できることもあります。

ただし、抜歯を避けることだけを優先すると、歯並びは整っても前歯がさらに前方へ傾き、口元が下がらない可能性があります。

抜歯か非抜歯かは、歯並び、骨格、歯ぐきの状態、噛み合わせ、希望する横顔などを総合的に考えて判断します。

顎の骨格的なずれが大きく、歯を動かすだけでは十分な改善が難しい場合は、外科的矯正治療を検討することがあります。

例えば、

  • 上下の顎が大きく前方へ出ている
  • 下顎が著しく小さい
  • 上顎と下顎の位置関係に大きなずれがある
  • 顔の左右差が大きい
  • 噛み合わせに重度の問題がある

といったケースです。

外科的矯正治療では、手術前後に矯正治療を行い、顎の骨を移動する手術と組み合わせて歯並びや噛み合わせを整えます。

顎変形症と診断され、所定の条件を満たす医療機関で治療を受ける場合には、健康保険が適用されることがあります。

ただし、見た目だけを理由に健康保険が適用されるわけではありません。骨格と噛み合わせを詳しく検査したうえで判断します。

治療期間や費用は、年齢、治療方法、抜歯の有無、歯を動かす距離などによって異なります。

一般的な治療期間の目安は次のとおりです。

治療方法治療期間の目安
小児矯正数か月~数年
ワイヤー矯正1年半~3年程度
マウスピース矯正1年~3年程度
外科的矯正2~3年以上

矯正治療は、原則として自費診療です。料金は医療機関や治療内容によって異なります。

費用を確認するときは、矯正装置の料金だけではなく、次の項目が含まれているかを確認しましょう。

  • 初診相談料
  • 精密検査・診断料
  • 装置料
  • 毎回の調整料
  • 抜歯料
  • アンカースクリューなどの補助装置料
  • 追加マウスピースの費用
  • 保定装置料
  • 治療後の定期観察料

治療終了後は、歯の後戻りを防ぐためにリテーナーと呼ばれる保定装置を使用します。歯を動かす期間が終わっても、一定期間は経過観察が必要です。

口ゴボの原因が前歯の位置にある場合、矯正治療によって前歯を後方へ動かすと、唇の位置も変化する可能性があります。

前歯は唇を内側から支えているため、歯の位置が後方へ移動することで、

  • 唇を自然に閉じやすくなる
  • 口元の突出感が軽減する
  • あごの力みが少なくなる
  • 横顔がすっきりした印象になる

といった変化が期待できます。

ただし、前歯を動かした距離と唇が下がる量は同じではありません。

唇の厚み、年齢、筋肉、骨格などによって、変化の程度には個人差があります。

また、鼻やあごの骨そのものは通常の歯列矯正では変えられません。そのため、歯列矯正を受ければ誰でも理想的なEラインになるとは限りません。

治療前にセファロ分析や顔貌写真を用いて、期待できる変化と限界を確認することが大切です。

術前(小学校高学年)|口ゴボ・上顎前突

術前/小学校高学年・口ゴボ・上顎前突
術前/小学校高学年・口ゴボ・上顎前突

この画像は、**矯正治療前の側貌セファログラム(横顔の頭部X線規格写真)**です。歯や顎の位置関係、骨格のバランスを評価するために撮影されています。

赤いラインは**Eライン(エステティックライン)**で、鼻先とあご先を結んだ線を示し、横顔のバランスを評価する際の目安として用いられます。

術前の特徴

本症例では、**上顎前歯が前方へ傾斜し、上唇・下唇がEラインより前方に位置する「口ゴボ(口唇突出)」**が認められます。

その結果、

  • 口元全体が前方へ突出して見える
  • 自然に口を閉じにくく、口輪筋に過度な緊張が生じる
  • 横顔のバランスが崩れやすい

といった特徴がみられます。

成長期に治療を開始するメリット

小学校高学年は顎の成長が活発な時期であり、成長を利用した矯正治療が行いやすい時期です。

特に骨格的な要因が関与する上顎前突では、成長発育を考慮した治療により改善が期待できる場合があります。また、症例によっては将来的な抜歯矯正を回避できる可能性もあります。

治療の一例

症例に応じて、

  • 上顎の成長をコントロールする装置
  • 前歯の傾斜を改善する矯正治療
  • 必要に応じた抜歯矯正

などを組み合わせながら、歯並び・噛み合わせ・横顔のバランスの改善を目指します。

術後(中学生)|矯正治療終了後・Eラインの改善

中学生/矯正終了後・Eライン改善・第一小臼歯抜歯症例
中学生/矯正終了後・Eライン改善・第一小臼歯抜歯症例

こちらは、矯正治療終了後の側貌セファログラムです。

治療前にみられた口元の突出は改善し、上下の唇がEラインに近づくことで、横顔全体のバランスが自然な印象へと変化しています。

治療後の変化

本症例では、上下の第一小臼歯を抜歯して得られたスペースを利用し、前歯を後方へ移動しました。

その結果、

  • 前歯の傾斜が改善
  • 唇の突出感が軽減
  • 噛み合わせが改善
  • 口を閉じる際の口輪筋の緊張が軽減

し、口元と横顔の調和が向上しています。

治療後のポイント

前歯を適切な位置へ移動したことで、口元の突出感が軽減し、横顔のシルエットがより自然になりました。

Eラインはあくまでも横顔を評価する一つの目安ですが、本症例では唇の位置が改善し、顔全体のバランスが整っていることが確認できます。

中学生で治療を終えるメリット

成長期に矯正治療を完了することで、成長発育を考慮した歯列・口元のコントロールが行いやすくなります。

また、適切な前歯の位置や噛み合わせを獲得することで、口元だけでなく機能面も含めた長期的な安定が期待できます。

口ゴボは何歳まで治療できますか?

明確な年齢制限はありません。

歯や歯ぐき、歯を支える骨が健康であれば、大人になってからでも歯列矯正を行える可能性があります。

ただし、歯周病がある場合は、先に歯周病治療を行う必要があります。

成長期のお子さんと大人では治療の考え方が異なるため、年齢や成長段階に応じた治療計画が必要です。

子どもの口ゴボは自然に治りますか?

成長によって顔つきが変化することはありますが、口呼吸、舌癖、指しゃぶり、噛み合わせの問題などがある場合、自然に改善するとは限りません。

一方で、すべてのお子さんに早期矯正が必要なわけではありません。治療開始の時期は、歯の生え替わりや顎の成長を確認して判断します。

マウスピース矯正だけで改善できますか?

軽度から中等度の症例では、マウスピース矯正で改善できることがあります。

ただし、前歯を大きく移動する場合や、抜歯スペースを細かく管理する必要がある場合には、ワイヤー矯正が適していることもあります。

抜歯矯正をすると老け顔になりますか?

抜歯矯正を受けたからといって、必ず老けた印象になるわけではありません。

前歯を必要以上に後退させると、口元が平坦に見えることがありますが、適切な治療計画によって口元のバランスが整うケースも多くあります。

顔貌の変化には、年齢、皮膚、頬の脂肪、唇の厚みなども関係します。

口ゴボは美容整形でも治せますか?

美容外科では、鼻やあごの形を整えて相対的に口元を目立ちにくくする方法や、歯槽骨を移動させる手術などが検討されることがあります。

一方、原因が前歯の位置や噛み合わせにある場合は、歯列矯正が適している可能性があります。

健康な歯を大きく削って被せ物で見た目を変える方法については、歯の神経や寿命、将来的な再治療についても慎重に検討する必要があります。

矯正後に後戻りすることはありますか?

矯正治療後の歯には、元の位置へ戻ろうとする性質があります。

そのため、治療後はリテーナーを指示どおり使用することが重要です。

また、舌で前歯を押す癖や口呼吸が残っていると、後戻りの原因になることがあります。必要に応じてMFTを併用します。

口ゴボは必ず治療しなければなりませんか?

必ず治療しなければならないわけではありません。

噛み合わせや口腔機能に問題がなく、ご本人も気になっていなければ、経過観察を選択できます。

一方で、口が閉じにくい、口呼吸がある、噛みにくい、見た目の悩みが日常生活に影響している場合は、歯科医院へ相談してみましょう。

口ゴボとは、横から見たときに口元が前へ出て見える状態を表す一般的な呼び方です。

口元が前に見える原因には、次のようなものがあります。

  • 前歯の位置や傾き
  • 上顎・下顎の骨格
  • 下顎やあご先の大きさ
  • 唇の厚み
  • 舌の癖
  • 口呼吸
  • 口周りの筋肉

口呼吸や舌の癖が主な問題であれば、MFTなどのトレーニングが役立つことがあります。

一方、前歯や顎の骨格の位置が原因である場合は、ワイヤー矯正、マウスピース矯正、抜歯矯正、外科的矯正治療などを検討します。

大切なのは、SNSの症例やEラインだけを見て自己判断しないことです。

同じように口元が前へ出て見えても、原因と適した治療方法は一人ひとり異なります。

横顔や口元が気になる方は、まず歯科医院で歯並び、噛み合わせ、骨格、舌や唇の機能を確認し、ご自身に合った治療方法を相談しましょう。

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口ゴボの原因は、歯並びだけとは限りません。骨格や前歯の位置、口周りの筋肉、舌の癖など、さまざまな要因が関係していることがあります。

当院では、お口の状態や横顔のバランスを総合的に確認し、一人ひとりに適した改善方法や治療の選択肢をご提案しています。

「自分は口ゴボなのだろうか」「治療が必要か知りたい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

【動画】歯並びは良いのに口ゴボ?

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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