- 1. 【📹 47秒】歯茎が下がるのはなぜ?セルフケアと最新治療で進行を防ぐ方法とは
- 2. 🔍そもそも「歯茎が下がる」とは?
- 2.1. 💡歯肉退縮の定義と進行のしくみ
- 2.2. 📸「歯が長く見える」…それ、歯茎が下がっているかも?
- 3. 🦷⬇️歯肉退縮(歯茎が下がる)の2タイプ
- 3.1. ⬇️垂直的に歯茎が下がるタイプ
- 3.2. 🔁水平的に歯茎が下がるタイプ
- 4. 🚨歯肉退縮(歯茎が下がる)原因
- 4.1. ⬇️歯茎が垂直的に下がる原因
- 4.2. 📝歯茎が垂直的に下がった症例
- 4.2.1. 😬症例1
- 4.2.2. 😬症例2
- 4.3. 🔁歯茎が水平的に下がる原因
- 4.4. 📝歯茎が水平的に下がった症例
- 4.4.1. 😬症例1
- 4.5. 🚨歯茎が下がるその他の原因
- 4.5.1. 🧬遺伝的要因や体質
- 4.5.2. 🧂生活習慣(喫煙・栄養バランスなど)
- 4.5.3. 🪥間違ったブラッシング圧や方法
- 4.5.4. 🏠ホームホワイトニング
- 4.5.5. 🔋電動歯ブラシ・ジェットウォッシャー
- 5. ⚠️歯茎が下がることで起こる5つのリスク
- 5.1. 😖知覚過敏の悪化
- 5.2. 🦷虫歯や歯周病の再発
- 5.3. 📉見た目の老化(歯が長く見える)
- 5.4. 🧍♂️噛み合わせの乱れ
- 5.5. 🧫口臭や炎症リスクの増加
- 6. 🔧歯茎が下がるのを防ぐセルフケア
- 6.1. 🪥正しいブラッシング方法とケア用品の選び方
- 6.2. 🧴歯間ブラシ・フロスの活用法
- 6.3. 🗓定期検診での早期発見とクリーニング
- 7. ❌下がった歯茎を自力で戻すことはほぼ不可能!
- 7.1. 🔍検証:マッサージで戻せるか?
- 7.2. 🔍検証:歯磨き粉で戻す事は出来るか?
- 7.3. 🔍検証:市販薬で戻す事は可能か?
- 8. 🏥治療で歯茎は戻せる?歯科でできる最新治療法
- 8.1. 💉歯周外科処置(歯肉移植・結合組織移植)
- 8.1.1. 🌱垂直的に下がった歯茎が対象
- 8.2. 🩹ダイレクトボンディング
- 8.3. 💧ヒアルロン酸注入
- 8.4. 💴治療にかかる費用と保険適用の有無
- 9. ⚠️下がった歯茎を歯科で戻す治療法のリスク
- 9.1. 💉結合組織移植術(CTG)」のリスク
- 9.2. 🩹ダイレクトボンディングで下がった歯茎を戻すリスク
- 10. 🧓年代別アプローチ|20代・30代・50代で気をつけたいこと
- 10.1. 👦若年層でも起こる“オーバーブラッシング”リスク
- 10.2. 👨働き盛り世代は“ストレス性の歯ぎしり”に注意
- 10.3. 👵高齢者は“歯周病の慢性進行”に対応を
- 11. 💬よくある質問(Q&A)
- 11.1. ❓下がった歯茎は完全に戻せますか?
- 11.2. ❓痛みがなくても放置してよい?
- 11.3. ❓歯茎が下がるのを自宅で防ぐ方法は?
- 12. 🧾まとめ|歯茎が下がる前に知っておきたい予防と対策
- 12.1. ✅早期発見・早期対処がカギ!
- 12.2. ✅セルフケアとプロケアの両立が大切
- 12.3. ✅加齢に合わせたケアで“見た目年齢”も若々しく
- 13. 江戸川区篠崎で歯茎の悩みを相談するなら
- 14. 【動画】4~6mmの歯周ポケットのセルフケア法
- 15. 【動画】20代から50代の歯周ポケットの平均値
- 16. 筆者・院長

🦷「最近、歯が長く見える…」「冷たいものがしみる…」そんなお悩みはありませんか?
実はそれ、歯茎が下がっているサインかもしれません。歯茎が後退すると、見た目の老化だけでなく、知覚過敏や歯周病など、さまざまなトラブルにつながるリスクがあります。
本記事では、歯茎が下がる原因・予防法・治療法を年代別に詳しく解説します。今のうちに対策を知って、大切な歯と歯茎を守りましょう。
【📹 47秒】歯茎が下がるのはなぜ?セルフケアと最新治療で進行を防ぐ方法とは
🔍そもそも「歯茎が下がる」とは?
「歯茎が下がる」とは、歯を支えている歯茎(歯肉)が徐々に後退し、歯の根元が露出してくる状態を指します。専門的には「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」と呼ばれ、年齢に関係なく誰にでも起こる可能性があります。
進行すると、見た目の老化や知覚過敏、虫歯・歯周病のリスク増加など、さまざまなトラブルの原因になるため、早期に気づき、対処することが大切です。
💡歯肉退縮の定義と進行のしくみ
歯肉退縮とは、歯を覆っている歯茎の組織が少しずつ減っていき、歯根の部分(通常は歯茎に隠れている部分)が露出する現象です。
進行の仕組みは以下の通りです:
- 歯周病などで歯を支える骨(歯槽骨)が減少
- ブラッシングや歯ぎしりなどの力が加わる
- 歯茎の付着が弱まり、徐々に下がっていく
この過程は痛みを伴わないことも多く、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。
📸「歯が長く見える」…それ、歯茎が下がっているかも?
鏡を見て「最近、歯が長くなった気がする…」と感じたことはありませんか?
実はそれ、歯茎が下がっているサインかもしれません。
歯茎が下がると、通常見えていない歯の根元部分が表に出てきます。そのため、歯全体が細くて長く見えるようになり、見た目の印象が老けて見える原因にもなります。
また、この状態は知覚過敏の引き金になることもあるため、「しみる・痛む」などの症状が出る前に、早めのチェックがおすすめです。
🦷⬇️歯肉退縮(歯茎が下がる)の2タイプ
⬇️垂直的に歯茎が下がるタイプ
特定の歯の歯茎だけが下がる
1本ないし、2本の歯の歯茎だけが下がることがあります。
症状
- 歯が長くなった様に見える。
- 歯根が露出する。
- 知覚過敏が起こる。

🔁水平的に歯茎が下がるタイプ
複数の歯の歯茎が下がる
1本ないし、2本の歯の歯茎だけが下がることがあります。
症状
- 歯が長くなった様に見える。
- 歯根が露出する。
- 歯の間の隙間(ブラックトライアングル)が目立つようになる。
- 知覚過敏が起こる。

🚨歯肉退縮(歯茎が下がる)原因
歯茎が下がる原因は、さまざまな要因が複雑に関与しているため、一つに特定することはできません。ただし、垂直方向に歯茎が下がる場合と、水平的に下がる場合とでは、それぞれに特有の原因があります。
なお、歯茎の後退は決して加齢が原因で起こるわけではありません。
⬇️歯茎が垂直的に下がる原因
😬歯ぎしりや食いしばり
歯茎が垂直的に下がる理由として、上下の噛み合わせの強さが関与していることが多く、代表的な原因には歯ぎしりや食いしばりがあります。
特定の歯に強い力がかかり続けることで、歯周組織が耐えきれず、歯茎が下がる現象が起こります。
寝ている間の歯ぎしりや、日中の無意識な食いしばりも、歯茎に大きな負担をかける要因です。
このようなクセは、歯や骨に強い力を加えることで、歯茎の位置を下げる原因となります。
就寝時のマウスピース(ナイトガード)の使用や、ストレスケアも有効な予防策です。
🤏TCH(歯牙接触癖)
TCH(歯牙接触癖)とは、食いしばりのように強い力で噛みしめるのではなく、日中に弱い力で上下の歯を常に接触させている状態を指します。
歯茎が下がる原因としては、TCH単体の影響はそれほど強くないと考えられています。
💥咬合性外傷
咬合性外傷とは、強すぎる咬み合わせの力や不正な咬合によって、歯や歯周組織にダメージが生じる状態です。歯のぐらつきや歯茎の痛み、知覚過敏などの症状を引き起こし、歯周病を悪化させる要因にもなります。適切な咬合調整やマウスピースによる治療が必要です。
📝歯茎が垂直的に下がった症例
😬症例1
1本の歯だけ歯茎が下がった理由として、歯並びが悪く、白い矢印で示した歯が歯列から外れて頬側に少し飛び出していることが挙げられます。
この歯列の乱れが誘因となり、その歯に咬合力が集中することで咬合性外傷が生じ、歯茎が下がったと考えられます。
また、青い矢印で示した歯と歯の間には、三角形状の隙間(ブラックトライアングル)ができ始めています。
よく見ると、ブラックトライアングルの部位には歯石やプラークの沈着も見られます。さらに、喫煙の影響により歯周病の状態が悪化しています。
この症例では、歯周病の進行、歯並びの乱れ、喫煙といった複数の要因が複合的に関与し、歯肉退縮を引き起こしたと考えられます(部分的に垂直的、また複数歯にわたってわずかに水平的な退縮)。
今後、歯周治療を進めていくことで、歯茎が水平的に下がり、ブラックトライアングルがより目立つようになる可能性があります。
😬症例2
歯ぎしりや食いしばりによる強い力が原因で、垂直方向に歯茎が下がったと考えられる症例です。
矢印で示した複数の歯で歯茎の退縮が確認されます。これは、上下の強い噛み合わせの影響によって、くさび状欠損と歯肉退縮が生じたものです。
このような強い噛み合わせは、歯ぎしり・食いしばり・TCH(歯牙接触癖)などが関与していると考えられます。
くさび状欠損と歯肉退縮が同時に起こると、知覚過敏を伴うこともあります。
🔁歯茎が水平的に下がる原因
🔥歯周病
歯茎が全体的に水平的に下がる原因として、代表的なものに歯周病が挙げられます。
歯周病は自覚症状のないまま進行することが多く、その結果、歯根を支える歯周組織(歯槽骨、歯根膜、セメント質など)が破壊されてしまいます。
歯周病に気づき、歯科医院で歯周治療やプラークコントロールに取り組むと、歯茎が引き締まり、結果として歯茎が下がることがあります。
治療後に歯茎が下がる現象は、歯周ポケットの深さが減少した証拠でもあり、むしろ治癒に向かっている生体反応といえます。
10代の子どもでも歯茎が下がることがありますが、この場合は「侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)」という発症頻度の低い歯周病が原因と考えられます。
歯茎が下がる最も一般的な原因は歯周病です。歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、歯茎も後退していきます。
初期段階ではほとんど自覚症状がなく、気づいたときにはかなり進行していることもあります。
歯茎が赤い、腫れている、出血するなどのサインがある場合は、できるだけ早めに歯科を受診することをおすすめします。
🛠矯正治療
矯正治療後、特に下顎の前歯にブラックトライアングルが現れることがあります。特に、乱杭歯の状態が重度であった場合に起こりやすいのが特徴です。
矯正治療によって歯が大きく動くことで、歯茎が下がる原因になることもあります。
治療そのものが悪いわけではありませんが、力のかかり方や清掃性の悪さによって、歯茎にダメージが生じることがあります。
そのため、治療後も継続的なメンテナンスと経過観察が非常に重要です。
📝歯茎が水平的に下がった症例
😬症例1
このケースは30代で歯周病の治療後にブラックトライアングルが出現したものです。
歯石取りの後、歯磨きが適切に行われたことで炎症が無くなり、歯茎が引き締まったものです。
歯周治療という視点では、この状態が治癒ですが、審美不満を訴える患者さんもいます。
10代や20代の若い人でも口腔内が不潔で歯肉炎や歯周病になることはあります。口腔ケアが適切になされないと歯茎が下がることがあるので注意が必要です。
🚨歯茎が下がるその他の原因
歯茎が下がる原因は1つではなく、複数の要因が重なって起こることが多いです。ここでは、その他の原因を5つご紹介します。
🧬遺伝的要因や体質
歯周病になりやすい体質や、もともと歯茎が薄い方は歯茎が下がりやすい傾向があります。
自覚症状がなくても、家族に歯周病や歯が抜けた人が多い方は要注意です。
体質によってリスクが高まることを理解し、早めの予防を心がけましょう。
🧂生活習慣(喫煙・栄養バランスなど)
タバコは血流を悪くし、歯茎の回復を妨げるため、歯茎が下がるリスクが高まります。
また、偏った食生活も歯や歯茎の健康に悪影響を与える要因に。
バランスの取れた食事と禁煙は、歯茎を守る基本のひとつです。
🪥間違ったブラッシング圧や方法
毎日の歯磨きも、やり方を間違えると歯茎にダメージを与える原因になります。
とくに力強くゴシゴシ磨くクセがある方は要注意。歯茎がすり減り、徐々に後退してしまいます。
柔らかめの歯ブラシを使い、力を入れすぎず、優しく細かく動かすのがポイントです。
🏠ホームホワイトニング
ホームホワイトニング後に、歯茎が下がることがあります。
ホームホワイトニングは、ホワイトニングジェルをマウスピースに入れて自宅で行う方法です。
ホワイトニングジェルの主成分である過酸化尿素には、歯茎の炎症を抑える作用があります。
そのため、歯周病であることに気づかずにホームホワイトニングを行うと、歯周病の改善が進み、結果として歯茎が引き締まり、知らないうちに歯茎が下がることがあります。

🔋電動歯ブラシ・ジェットウォッシャー
電動歯ブラシで歯茎が下がる?
電動歯ブラシ(音波歯ブラシ)を使用したことで、歯茎が下がったと感じる患者さんがいます。
しかし、これは正確ではありません。歯茎が健康な方であれば、電動歯ブラシを使っても歯茎が下がることはありません。
もともと歯肉炎や歯周病によって歯茎に炎症がある場合、高いプラーク除去効果をもつ電動歯ブラシ(音波歯ブラシ)を使用することで、炎症が改善され、歯茎が引き締まり、その結果として歯茎が下がったように見えることがあります。
電動歯ブラシを正しく使用すれば、それ以上の歯茎の退縮を防ぐことが可能です。
歯磨きすぎで歯茎が下がるという誤解
「歯磨きのしすぎで歯茎が下がった」という指摘は、必ずしも適切ではありません。実際、1日に10回以上歯磨きをしている方でも、歯茎が下がらないことは珍しくありません。
ただし、毛先が開いた歯ブラシを使用したり、過度に強いブラッシング圧で磨いたりすると、歯茎に傷がつき、それが原因で歯茎が下がることも稀にあります。

ジェットウォッシャーで歯茎が下がる?
水流の力で歯垢(プラーク)を除去する口腔洗浄器(ジェットウォッシャー)を使用したことで、歯茎が下がったと訴える患者さんがいます。
しかし、これは歯茎が下がる原因を正しく示しているわけではありません。
もともと歯肉炎や歯周病によって歯茎に炎症がある状態でジェットウォッシャーを使用すると、その高い洗浄力により歯垢がしっかり除去され、炎症が改善されます。その結果、歯茎が引き締まり、相対的に下がったように見えるのです。つまり、これは歯周病が改善された結果とも言えます。
歯周病の治療が適切に行われ、状態が安定している場合には、ジェットウォッシャーを正しく使用することで、それ以上の歯茎の退縮を防ぐ効果も期待できます。
したがって、健康な歯茎に対してジェットウォッシャーを使用しても、歯茎が下がることは基本的にないと考えられます。
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⚠️歯茎が下がることで起こる5つのリスク
歯茎が下がることで見た目の変化だけでなく、お口の健康にさまざまな悪影響が出ることがあります。放置せず、早めの対策が大切です。
😖知覚過敏の悪化
歯茎が下がると、本来は歯茎に覆われている歯の根元(象牙質)がむき出しになります。
この部分はとても敏感なため、冷たい飲み物や甘いものに**「キーン」とした痛み(知覚過敏)**を感じやすくなります。
初期のうちは軽いしみる感覚でも、徐々に強い痛みになっていくこともあるため、早めのケアが必要です。
🦷虫歯や歯周病の再発
露出した歯の根元は、エナメル質がなく虫歯になりやすい部分です。
また、歯と歯茎の境目に汚れがたまりやすくなるため、歯周病も再発しやすくなります。
毎日のケアだけで防ぐのは難しいこともあるので、定期的なプロのチェックやクリーニングが効果的です。
📉見た目の老化(歯が長く見える)
歯茎が下がると、歯が長く見えてしまい、老けた印象を与えます。
笑ったときや話すときに見える歯のバランスが崩れ、気になってしまう方も多いです。
実年齢よりも上に見られることや、自信を持って笑えなくなるなど、心理的な影響も少なくありません。
🧍♂️噛み合わせの乱れ
歯茎が下がると、歯がぐらついたり、歯列にズレが生じることがあります。
これにより、噛み合わせのバランスが崩れ、あごの関節に負担がかかったり、頭痛・肩こりの原因になる場合も。
軽く見過ごしがちな症状でも、体全体に影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。
🧫口臭や炎症リスクの増加
下がった歯茎のまわりは汚れがたまりやすく、歯ブラシが届きにくい場所です。
そのため、プラークや細菌がたまりやすくなり、口臭や歯肉の炎症の原因になります。
「きちんと磨いているのに口臭が気になる」という方は、歯茎の後退が影響している可能性もあります。
🔧歯茎が下がるのを防ぐセルフケア
歯茎の後退は日々の習慣の積み重ねで予防・進行抑制ができます。
ここでは、毎日のケアで意識したい3つのポイントをご紹介します。
🪥正しいブラッシング方法とケア用品の選び方
強すぎるブラッシングは歯茎を傷つけ、歯茎が下がる原因になります。
以下のポイントを意識しましょう:
- 歯ブラシはやわらかめの毛を選ぶ
- 力を入れすぎず、鉛筆持ちでやさしく磨く
- 磨く角度は45度で小刻みに動かす
また、電動歯ブラシを使う場合は強く押し当てないように注意し、機種によっては「歯周ポケットケアモード」などを活用すると効果的です。
🧴歯間ブラシ・フロスの活用法
歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れは落としきれません。
歯間ブラシやデンタルフロスを併用することで、歯周病や歯肉炎のリスクを下げ、歯茎の後退予防にもつながります。
- 歯間ブラシ:サイズに合ったものを選び、力を入れずにやさしく挿入
- フロス:歯の側面をなでるように上下に動かす
無理な使い方は歯茎を傷つけることもあるので、使い方に不安がある方は歯科医院で指導を受けるのがおすすめです。
🗓定期検診での早期発見とクリーニング
歯茎の変化は自分では気づきにくいもの。
定期的に歯科検診を受けることで、歯茎の状態や歯周病の進行を早期にチェックすることができます。
また、歯科医院では家庭では取りきれない歯石やバイオフィルムの除去も行えるため、歯茎を健康な状態に保つには欠かせません。
⏰目安は3〜6ヶ月に一度の定期チェック。何も症状がなくても「予防のため」に通うことが大切です。
❌下がった歯茎を自力で戻すことはほぼ不可能!
残念ながら、一度下がった歯茎をマッサージや歯磨き粉などで自分自身の力で元に戻すことは、ほぼ不可能です。
ただし、歯茎が下がる原因によって対処法は異なりますが、適切なケアを行うことで、これ以上の歯茎の退縮を防ぐことは可能です。
🔍検証:マッサージで戻せるか?
歯茎のマッサージには、指や歯ブラシを使う方法がありますが、マッサージを行っても一度下がった歯茎を元に戻すことはできません。
歯茎のマッサージには、歯茎を健康に保つ効果があります。健康な歯茎であれば、マッサージによって歯茎が上がったり下がったりすることはありません。
しかし、歯茎に炎症がある場合には、マッサージによって炎症が改善され、歯茎が引き締まり、その結果として歯茎が下がったように見えることがあります。
🔍検証:歯磨き粉で戻す事は出来るか?
歯磨き粉には、下がった歯茎を元に戻す効果はありません。
薬用歯磨き粉の中には、歯周病で傷ついた歯茎の修復をうたっているものもありますが、下がった歯茎を元に戻すほどの効果は期待できません。
ただし、これ以上歯茎が下がるのを防ぐ効果はあると考えてよいでしょう。
一度下がった歯茎を元に戻すことはできなくても、それ以上の進行を防ぐことは非常に重要です。そのためには、歯茎に炎症を起こさないようにすることがポイントとなります。
次亜塩素酸水による「ポイックウォーター」でのうがいも、炎症予防に効果が期待できます。
🔍検証:市販薬で戻す事は可能か?
下がった歯茎に塗ることで元に戻すことができる市販薬は存在しません。
歯茎の組織修復機能、抗炎症作用、血行促進作用、殺菌作用、止血作用などの成分を含む医薬品はありますが、それらの成分によって下がった歯茎を元に戻すことは、ほぼ不可能です。
あくまでも、歯周病の進行を抑え、炎症のない健康な状態へ導くための補助的な役割にとどまります。
🏥治療で歯茎は戻せる?歯科でできる最新治療法
一度下がってしまった歯茎は、自然には元に戻りません。
しかし、歯科ではさまざまな治療法があり、状態に応じて歯茎の再生や見た目の改善が可能です。
ここでは代表的な4つの方法をご紹介します。
💉歯周外科処置(歯肉移植・結合組織移植)
露出した歯の根元を覆うために、上あごなどから歯肉を移植する手術です。
とくに「結合組織移植術(CTG)」は、見た目を自然に仕上げつつ、知覚過敏も改善できる方法として注目されています。
- 対象:歯茎が局所的に下がっている方
- 効果:審美性・機能性の回復
見た目を気にされる前歯や、冷たいものがしみる知覚過敏の治療にもよく用いられます。
🌱垂直的に下がった歯茎が対象
上顎の口蓋(口の中の上側の歯茎部分)から粘膜を薄く採取し、それを歯茎が下がった部分に移植します。移植片は、周囲の歯肉と縫合して固定します。
この治療が可能なのは、垂直的に歯茎が下がった部位に限られます。
審美的な回復を目的とした治療のため、保険適用外となります。
🩹ダイレクトボンディング
術前
水平的に下がった歯茎が対象
歯茎が水平的に下がると三角形状のブラックトライアングルが出現します。そこにコンポジットレジン(白い詰め物)を使い、ダイレクトボンディング法で修復します。

術後
コンポジットレジン修復
コンポジットレジン充填直後は、僅かにブラックトライアングルが残りますが、時間経過とともに埋まっていくことが多いです。
ダイレクトボンディング法の欠点
歯茎からの立ち上がりを移行的に行うのが技術的に難しいため歯垢が溜まりやすくなり歯周病の発症リスクがあります。一か所のブラックトライアングルを治すのに2本の歯にダイレクトボンディングを行う必要があり、2本分の費用が必要です。経年的にコンポジットレジンが劣化し、変色する可能性があります。審美修復のため、保険適用外です。

💧ヒアルロン酸注入
水平的に下がった歯茎が対象
歯と歯の間に三角形状の黒い隙間をブラックトライアングル(歯間鼓形空隙)といます。
ブラックトライアングルの直下の「歯間乳頭」にヒアルロン酸を注入することで、歯間鼓形空隙(しかんこけいくうげき)を歯肉で埋めることが可能とされています。
しかし、歯茎の中に入れられるヒアルロン酸の量はほんの僅かです。したがって、僅かの歯茎下がり治せますが、歯茎の水平的吸収が強い場合にはブラックトライアングルを十分に消せない場合もあります。
またヒアルロン酸は、自然吸収されるため、半年から1年後に再注入が必要となり、コスト的に大きなものになってしまします。
当院ではヒアルロン酸による歯茎下がりの処置は推奨していません。
💴治療にかかる費用と保険適用の有無
歯茎の再生治療は、内容によって保険適用の可否が異なります。
治療法 | 保険適用 | 費用の目安(自費の場合) |
---|---|---|
歯肉移植・CTG | ❌自費 | 約5〜10万円/1本 |
ダイレクトボンディング | ❌自費 | 1ヶ所の治療は約16,500円×2(本): 33,000円 |
歯周基本治療(スケーリングなど) | ✅保険 | 数千円〜1万円前後 |
※医院によって異なるため、詳細は事前のカウンセリングで確認しましょう。
⚠️下がった歯茎を歯科で戻す治療法のリスク
💉結合組織移植術(CTG)」のリスク
上皮性付着が獲得できないリスク
下がった歯茎を遊離歯肉移植術で戻す治療法での治癒は、上皮性付着(青色の部分)が起こるといわれています。
つまり、長い接合上皮が歯根表面に付着します。
しかし、上皮性付着が獲得できない場合、人工的な深い歯周ポケットを作ってしまうリスクがあります。
再び歯茎が下がるリスク
うまく上皮性付着の獲得できたとしても歯磨きが適切に行われなく歯垢が停滞すると上皮性の付着は壊れ、人工的な歯周ポケットを作ってしまうリスクがあります。
初めから上皮性付着が獲得できない場合であれ、後に上皮性付着が壊れた場合共に、再び歯茎が下がってしまうことになります。
🩹ダイレクトボンディングで下がった歯茎を戻すリスク
人工的な歯周ポケットが形成されるリスク
ダイレクトボンディングで下がった歯茎を戻す治療の場合、人工的に歯周ポケットを作ることになってしまいます。
適切なブラッシングがなされないと歯茎に炎症が起こり、再び歯茎が下がる原因となります。
🧓年代別アプローチ|20代・30代・50代で気をつけたいこと
歯茎の下がりやすさは、年齢やライフスタイルによって異なります。
それぞれの年代に合った対策を知っておくことで、歯茎を守る意識が高まり、予防効果も高まります。
👦若年層でも起こる“オーバーブラッシング”リスク
「歯はしっかり磨いた方がいい」と思うあまり、ゴシゴシ強く磨くクセがついている人が多いのが20代です。
この“オーバーブラッシング”は、まだ柔らかい歯茎にダメージを与え、早くから歯茎が下がる原因になります。
- 柔らかめの歯ブラシを使う
- 力を入れすぎない
- 磨く時間より「質」を意識する
若いうちから正しい磨き方を身につけることが一生の資産になります。
👨働き盛り世代は“ストレス性の歯ぎしり”に注意
30代〜40代の方は、仕事や育児のストレスが多い時期。
知らないうちに夜間の歯ぎしり・日中の食いしばりをしていることがあります。
歯ぎしりは歯や歯茎に強い負担をかけ、歯槽骨をじわじわと吸収し、歯茎の後退を進行させるリスクが。
- マウスピース(ナイトガード)を装着する
- 日中は「噛みしめていないか」意識する
- ストレスを溜めすぎない工夫を
身体だけでなく、歯や歯茎にも“ストレスケア”が必要です。
👵高齢者は“歯周病の慢性進行”に対応を
50代以降は、歯周病がゆっくりと進行している場合が多く、気づかぬうちに歯茎が後退していることがあります。
とくに高齢者は骨の代謝が落ちているため、歯槽骨が吸収されやすくなり、歯の揺れや抜けにもつながるリスクがあります。
- 定期的に歯周ポケットの検査を受ける
- 歯石取り・クリーニングで進行を抑える
- 加齢に応じたやさしいケア(音波ブラシなど)を選ぶ
年齢を重ねても、自分の歯で噛める生活を守るために、今できる予防を意識しましょう。
💬よくある質問(Q&A)
歯茎が下がる症状について、患者さんからよくいただくご質問と、その回答をまとめました。
不安や疑問の解消にぜひお役立てください。
❓下がった歯茎は完全に戻せますか?
自然に完全に元に戻ることはありません。
一度下がった歯茎は自然治癒しないため、早めの対処が大切です。
ただし、歯肉移植や再生療法などの歯科治療によって、見た目や機能の回復が可能な場合もあります。
状態に応じた治療法がありますので、まずは歯科医院で診断を受けることをおすすめします。
❓痛みがなくても放置してよい?
痛みがなくても放置はNGです。
歯茎の後退は静かに進行することが多く、気づいたときにはかなり進んでいるケースも。
特に歯周病が原因の場合、知らないうちに歯を支える骨までダメージを受けていることもあります。
「しみる」「歯が長く見える」といった初期サインを見逃さず、症状が軽いうちのケアが歯を守るカギです。
❓歯茎が下がるのを自宅で防ぐ方法は?
はい、日々のセルフケアで予防することは十分可能です。
ポイントは以下の3つです:
- 🪥 やさしく磨く正しいブラッシング(力を入れすぎない)
- 🧴 フロスや歯間ブラシの併用で歯周ポケットの清掃
- 🗓 3〜6ヶ月に一度の定期検診・クリーニングを継続
加えて、喫煙やストレスにも注意し、生活習慣を整えることも大切です。
“気づいたときがスタート”ですので、無理なく続けられるケアから始めてみましょう。
🧾まとめ|歯茎が下がる前に知っておきたい予防と対策
歯茎が下がる症状は、見た目や感覚の変化だけでなく、歯の健康全体に大きな影響を与える重要なサインです。
✅早期発見・早期対処がカギ!
歯茎の後退は静かに進行することが多いため、違和感を覚えた時点での受診が重要です。
早い段階であれば、進行を防いだり、治療によって改善が可能なケースも多くあります。
✅セルフケアとプロケアの両立が大切
毎日のやさしいブラッシングやフロスの活用に加え、歯科医院での定期的なチェック・クリーニングが欠かせません。
自分でできるケアとプロによるサポートを上手に組み合わせて、歯茎の健康を守りましょう。
✅加齢に合わせたケアで“見た目年齢”も若々しく
年齢とともに変化するお口の状態に合わせたケアを意識することで、
歯茎の下がりやすさをコントロールし、健康的で若々しい口元を保つことができます。
🦷歯茎の健康は、全身の健康や日常の生活の質にもつながる大切な要素です。
「歯茎が下がってきたかも…」と感じたら、迷わず歯科医院にご相談ください。
早めの一歩が、将来の健康な笑顔を守ります!
江戸川区篠崎で歯茎の悩みを相談するなら

「最近、歯が長く見える」「冷たいものがしみる」…そんなお悩みはありませんか?
それは歯茎が下がっているサインかもしれません。
江戸川区篠崎の当院では、歯茎の後退(歯肉退縮)に対する予防ケアから専門的な再生治療まで幅広く対応しています。
気になる症状があれば、お早めにご相談ください。
【動画】4~6mmの歯周ポケットのセルフケア法
【動画】20代から50代の歯周ポケットの平均値
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。