- 1. 【🎞️ 29秒】歯茎の腫れは何が原因?症状別に見る治療法とセルフケア
- 2. 歯茎が腫れたときは、まず症状を確認しましょう
- 3. 症状から考えられる歯茎の腫れの原因
- 3.1. 歯茎が赤く腫れ、歯磨きで出血する
- 3.2. 歯茎がズキズキ痛み、噛むと響く
- 3.3. 歯茎に白いできものがある
- 3.4. 一番奥の歯茎が腫れて痛い
- 3.5. 被せ物をした歯の周囲だけ腫れる
- 3.6. 歯茎全体が厚く盛り上がっている
- 3.7. 妊娠中や生理前に歯茎が腫れる
- 3.8. 歯茎にしこりや治りにくい傷がある
- 4. 歯茎が腫れる主な7つの原因
- 4.1. 1.歯肉炎・歯周病
- 4.1.1. 主な症状
- 4.1.2. 主な治療
- 4.2. 2.歯周膿瘍
- 4.2.1. 主な症状
- 4.2.2. 主な治療
- 4.3. 3.根尖性歯周炎・根尖膿瘍
- 4.3.1. 主な症状
- 4.3.2. 主な治療
- 4.4. 4.智歯周囲炎
- 4.4.1. 主な治療
- 4.5. 5.歯根破折
- 4.5.1. 主な治療
- 4.6. 6.薬物性歯肉増殖症・ホルモンの影響
- 4.6.1. 主な治療
- 4.7. 7.エプーリス・口腔がんなどの病変
- 4.7.1. 主な検査・治療
- 5. 腫れている場所から考えられる原因
- 5.1. 歯と歯の間が腫れている
- 5.2. 歯の根元だけが腫れている
- 5.3. 一番奥の歯茎が腫れている
- 5.4. 歯茎全体が腫れている
- 6. 歯茎の腫れで、すぐに受診すべき症状
- 7. 歯茎の腫れを放置するとどうなる?
- 7.1. 歯を支える骨が失われる
- 7.2. 感染が顎や顔へ広がる
- 7.3. 歯を残すことが難しくなる
- 7.4. 痛みや腫れを繰り返す
- 8. 歯茎が腫れたときに自宅でできる応急処置
- 8.1. お口の中を清潔にする
- 8.2. 頬の外側から軽く冷やす
- 8.2.1. 冷えピタ
- 8.2.2. 使い方
- 8.3. 市販の鎮痛薬を使用する
- 8.3.1. 痛み止め・ロキソニンS
- 8.3.2. 対象疾患
- 8.3.3. ロキソニンSの注意
- 8.4. 十分な休息と水分をとる
- 9. 歯茎が腫れたときにやってはいけないこと
- 9.1. 腫れを指で強く押す
- 9.2. 針などで腫れをつぶす
- 9.3. 患部を強く温める
- 9.4. 飲酒や喫煙をする
- 9.5. 残っている抗菌薬を飲む
- 9.6. 腫れが引いたため受診を中止する
- 10. 歯科医院ではどのような検査をする?
- 10.1. 問診
- 10.2. 視診・触診
- 10.3. 歯周ポケット検査
- 10.4. レントゲン検査
- 10.5. 歯の神経の検査
- 10.6. 噛み合わせ・歯根破折の検査
- 11. 原因別の主な治療方法
- 12. 歯茎の腫れを予防するためにできること
- 12.1. 歯と歯茎の境目を丁寧に磨く
- 12.2. デンタルフロス・歯間ブラシを使用する
- 12.2.1. 電動歯ブラシやウォーターピックの併用も◎
- 12.3. 歯石を定期的に除去する
- 12.4. 虫歯や被せ物の異常を放置しない
- 12.5. 歯ぎしり・食いしばりへの対策をする
- 12.6. 生活習慣を整える
- 13. 歯茎の腫れに関するよくある質問
- 13.1. 歯茎の腫れは自然に治りますか?
- 13.2. 歯茎が腫れていても歯磨きは必要ですか?
- 13.3. 膿が出たら治ったということですか?
- 13.4. 抗菌薬を飲めば治りますか?
- 13.5. 痛くなければ様子を見ても大丈夫ですか?
- 13.6. ストレスで歯茎が腫れることはありますか?
- 13.7. 妊娠中でも歯茎の治療はできますか?
- 13.8. 歯茎の腫れに効く歯磨き粉はありますか?
- 14. 歯茎の腫れは、原因を確認することが大切です
- 14.1. 関連記事
- 15. 歯茎の腫れを繰り返していませんか?
- 16. 【動画】歯周病の手遅れの症状
- 17. 筆者・院長
- 17.1. 深沢 一
- 17.1.1. メッセージ

「急に歯茎が腫れて痛い」
「歯茎に白いできものができた」
「何度も同じ場所が腫れる」
このような症状があると、「歯周病なのか」「自然に治るのか」「すぐ歯医者へ行くべきなのか」と不安になるのではないでしょうか。
歯茎の腫れは、磨き残しによる歯肉炎だけでなく、歯周病、歯の根の感染、親知らずの炎症、歯根破折、薬の影響など、さまざまな原因によって起こります。見た目が似ていても、原因によって必要な治療は異なります。
一度腫れが引いても、感染源が残っていると再発することがあるため、自己判断で放置しないことが大切です。
この記事では、歯茎が腫れる主な原因、症状から考えられる病気、自宅でできる応急処置、歯科医院で行う検査・治療について、分かりやすく解説します。
【🎞️ 29秒】歯茎の腫れは何が原因?症状別に見る治療法とセルフケア
歯茎が腫れたときは、まず症状を確認しましょう

歯茎が腫れていることに気づいたら、鏡でお口の中を見ながら、次の項目を確認してみましょう。
- 腫れているのは1か所だけか、広い範囲か
- ズキズキする痛みがあるか
- 噛んだときに痛むか
- 歯茎から血や膿が出ているか
- 白いできものがあるか
- 親知らずの周囲が腫れているか
- 歯がグラグラしていないか
- 口臭や口の中の苦い味が気になるか
- 発熱や顔の腫れがあるか
- 口が開きにくくなっていないか
症状の組み合わせによって、ある程度は原因を推測できます。ただし、歯茎の表面だけを見ても、歯の根や顎の骨の状態までは分かりません。正確に診断するためには、歯科医院での検査が必要です。
症状から考えられる歯茎の腫れの原因
歯茎が赤く腫れ、歯磨きで出血する

歯肉炎や歯周病の可能性があります。
歯と歯茎の境目にプラークがたまると、細菌の影響によって歯茎に炎症が起こります。初期の歯肉炎では、歯茎が赤く丸みを帯び、歯磨きの際に出血しやすくなります。
歯肉炎の段階で適切なブラッシングや歯石除去を行えば、健康な状態への改善が期待できます。しかし、炎症が歯を支える骨にまで及ぶと歯周炎になり、膿、口臭、歯のぐらつきなどが現れることがあります。日本歯科医師会も、歯周病の初期には歯と歯茎の境目が赤く腫れ、触れると出血しやすくなると説明しています。
歯茎がズキズキ痛み、噛むと響く

歯の根の先に炎症や膿がたまっている可能性があります。
深い虫歯によって神経が感染した場合や、過去に根管治療を受けた歯の内部で細菌が再び増えた場合、歯根の先に炎症が起こることがあります。これを根尖性歯周炎といいます。
進行すると根の先に膿がたまり、次のような症状が現れます。
- 何もしなくてもズキズキ痛む
- 噛むと歯が浮いたように痛む
- 歯茎が部分的に大きく腫れる
- 頬や顔まで腫れる
- 発熱する
- 歯が伸びたように感じる
歯の神経が壊死すると、一時的に痛みがなくなることがあります。しかし、感染が治ったわけではなく、その後、根の周囲に炎症や膿瘍が生じる場合があります。
歯茎に白いできものがある

歯茎にニキビのような白い膨らみがある場合は、フィステルの可能性があります。
フィステルとは、歯の根の先にたまった膿が、歯茎の表面へ排出される通り道です。膿が外に出ることで圧力が下がるため、痛みが弱くなることもあります。
しかし、白いできものがつぶれたり、腫れが引いたりしても、歯の根の中に感染源が残っている限り、根本的には治っていません。
フィステルは、腫れたり小さくなったりを繰り返すことがあります。痛みがない場合でも、早めに歯科医院で検査を受けましょう。
一番奥の歯茎が腫れて痛い

親知らずの周囲に炎症が起きる「智歯周囲炎」が考えられます。
親知らずが斜めに生えている場合や、歯茎から一部だけ出ている場合、その周囲に食べ物やプラークが入り込みやすくなります。歯ブラシも届きにくいため、細菌が増えて歯茎が腫れることがあります。
智歯周囲炎では、次のような症状がみられます。
- 一番奥の歯茎が赤く腫れる
- 親知らずの周囲がズキズキ痛む
- 噛むと上の歯が腫れた歯茎に当たる
- 口臭や苦い味が気になる
- 喉に近い部分まで痛む
- 口を開けにくい
- 顎の下のリンパ節が腫れる
症状が落ち着いても、親知らずの位置や生え方が変わらなければ再発することがあります。炎症を繰り返す場合は、親知らずの抜歯を検討します。
被せ物をした歯の周囲だけ腫れる

被せ物の内部の虫歯、歯の根の感染、歯根破折などが考えられます。
特に神経を取った歯は、痛みを感じにくいため、被せ物の内側で虫歯や感染が進行していても気づきにくいことがあります。
また、神経を取った歯や大きな被せ物が入っている歯は、強い噛みしめや歯ぎしりなどによって歯の根が割れることがあります。
歯根破折では、次のような症状がみられます。
- 同じ場所が何度も腫れる
- 噛んだときだけ痛む
- 被せ物の周囲から膿が出る
- 一部分だけ歯周ポケットが深い
- 歯がグラグラする
破折の位置や大きさによって治療方法は異なります。保存できる可能性がある場合もありますが、破折が深い場合や感染が広がっている場合には、抜歯が必要になることもあります。
歯茎全体が厚く盛り上がっている

服用している薬の影響による「薬物性歯肉増殖症」の可能性があります。
一部の高血圧治療薬、免疫抑制薬、抗てんかん薬などでは、副作用として歯茎が増殖することがあります。
歯茎が厚くなると、歯と歯の間や歯周ポケットに汚れがたまりやすくなり、さらに炎症が悪化するという悪循環が起こります。歯肉炎はプラークだけでなく、病気や特定の薬剤によって起こる場合もあります。
薬の影響が疑われても、自分の判断で服用を中止してはいけません。歯科医師と処方医が連携し、口腔内の清掃状態の改善や、必要に応じた薬の変更を検討します。
妊娠中や生理前に歯茎が腫れる

妊娠中や生理前は、ホルモンバランスの変化によって歯茎に炎症が起こりやすくなることがあります。
特に妊娠中は、少量のプラークでも歯茎が赤く腫れたり、歯磨きで出血したりすることがあります。つわりによって歯磨きが難しくなることも、口腔環境が悪化する原因です。
妊娠中でも、体調や妊娠週数に配慮しながら、歯科検診、クリーニング、必要な歯科治療を受けることができます。受診時には妊娠中であること、妊娠週数、服用している薬などを歯科医師へ伝えてください。妊娠中も、フッ化物配合歯磨剤による歯磨き、フロス、定期的な歯科受診などの口腔管理が推奨されています。
歯茎にしこりや治りにくい傷がある

歯周病や根の感染以外に、エプーリスなどの良性病変、まれに歯肉がんなどが隠れていることがあります。
次のような変化がある場合は、早めに歯科医院または口腔外科を受診してください。
- 2週間以上治らない腫れや傷がある
- 腫れが徐々に大きくなる
- 硬いしこりがある
- 表面から出血しやすい
- 歯が急にグラグラしてきた
- 口内炎のような潰瘍が治らない
- 唇や顎にしびれを感じる
見た目だけで良性・悪性を判断することはできません。必要に応じて組織検査を行い、病変の種類を調べます。
歯茎が腫れる主な7つの原因
1.歯肉炎・歯周病

歯茎の腫れで最も一般的な原因の一つです。
歯と歯茎の境目にプラークや歯石がたまることで、歯茎に炎症が起こります。初期には出血や軽い腫れが中心ですが、進行すると歯を支えている骨が失われ、歯のぐらつきや膿、強い口臭が現れることがあります。
主な症状
- 歯茎が赤い
- 歯磨きで出血する
- 歯茎が丸く腫れている
- 口臭が気になる
- 歯茎が下がった
- 歯がグラグラする
- 歯茎から膿が出る
主な治療
- ブラッシング指導
- スケーリング
- ルートプレーニング
- 歯周ポケット内の洗浄
- 歯周外科治療
- 歯周組織再生療法
- 定期的なメンテナンス
2.歯周膿瘍

歯周病が進行し、深い歯周ポケットの内部に膿がたまった状態です。
歯茎が部分的に大きく腫れ、強い痛みや歯の浮いた感覚が生じることがあります。歯周ポケットの入口が閉じると膿の逃げ道がなくなり、急に腫れる場合があります。
主な症状
- 歯茎が急に大きく腫れた
- 歯が浮いたように感じる
- 噛むと痛い
- 歯がグラグラする
- 歯茎から膿が出る
- 発熱や倦怠感がある
主な治療
- 歯周ポケット内の洗浄
- 切開・排膿
- 歯石や感染組織の除去
- 必要に応じた抗菌薬の処方
- 症状が落ち着いた後の歯周病治療
抗菌薬だけでは、歯石や深い歯周ポケットなどの原因を取り除けません。急性症状が治まった後も、歯周病の治療を継続する必要があります。
3.根尖性歯周炎・根尖膿瘍


虫歯や過去の治療などによって歯の神経が感染・壊死し、歯の根の先に炎症が起きた状態です。
膿がたまると、歯茎の腫れや強い痛みが生じます。膿が歯茎から排出されるとフィステルができます。
主な症状
- 噛むと強く痛む
- 歯茎が局所的に腫れる
- 白いできものがある
- 歯が浮いたように感じる
- 頬まで腫れる
- 痛みや腫れを繰り返す
主な治療
- 根管治療
- 感染根管治療
- 切開・排膿
- 歯根端切除術
- 意図的再植術
- 保存が難しい場合の抜歯
4.智歯周囲炎

親知らずの周囲に汚れがたまり、歯茎に炎症が起きた状態です。
疲労、睡眠不足、体調不良などをきっかけに症状が悪化することがあります。炎症が強い時期には、すぐに抜歯せず、まず洗浄や投薬などによって症状を落ち着かせる場合があります。
主な治療
- 親知らず周囲の洗浄
- 噛み合わせの調整
- 必要に応じた抗菌薬・鎮痛薬
- 炎症が落ち着いた後の抜歯
5.歯根破折

歯の根にひびが入ったり、割れたりした状態です。
神経を取った歯、金属の土台が入っている歯、大きな被せ物が入っている歯、歯ぎしりや食いしばりが強い方に起こりやすい傾向があります。
歯根破折は通常のレントゲンだけでは確認できないこともあり、歯周ポケット検査や拡大視野での診査などを組み合わせて判断します。
主な治療
- 被せ物や土台を外して確認
- 破折部分に応じた保存治療
- 一部の根だけを取り除く処置
- 保存が難しい場合の抜歯
6.薬物性歯肉増殖症・ホルモンの影響

薬の副作用やホルモンバランスの変化によって、歯茎が腫れたり厚くなったりすることがあります。
ただし、薬やホルモンだけが原因ではなく、プラークによる炎症が重なることで症状が強くなる場合があります。
主な治療
- ブラッシング指導
- 歯石除去
- 専門的なクリーニング
- 処方医との連携
- 必要に応じた歯肉切除
7.エプーリス・口腔がんなどの病変


エプーリスは、歯茎にできる限局した膨らみの総称です。慢性的な刺激、炎症、ホルモンの影響などが関係することがあります。
一方、治りにくい潰瘍や硬いしこり、原因不明の出血などがある場合は、口腔がんとの鑑別が必要です。
主な検査・治療
- 視診・触診
- レントゲン検査
- 病変の切除
- 病理組織検査
- 必要に応じた専門医療機関への紹介
腫れている場所から考えられる原因
歯と歯の間が腫れている
歯肉炎、歯周病、食べ物の詰まり、合っていない詰め物や被せ物などが考えられます。
食べ物が繰り返し詰まる場合は、歯間ブラシやフロスだけで対処するのではなく、歯と歯の接触状態や詰め物の形を確認する必要があります。
歯の根元だけが腫れている
歯周病、根尖性歯周炎、歯根破折などが考えられます。
白いできものや膿の出口がある場合は、歯の根の感染が疑われます。
一番奥の歯茎が腫れている
親知らずの炎症が多くみられます。
ただし、親知らずの一つ手前の歯に虫歯や歯周病が起きている場合もあるため、レントゲン検査で確認します。
歯茎全体が腫れている
広範囲の歯肉炎、薬の副作用、ホルモンの変化、全身疾患などが考えられます。
歯茎全体の腫れに加え、出血が止まりにくい、強い倦怠感があるなどの場合は、歯科だけでなく医科での検査が必要になることもあります。
歯茎の腫れで、すぐに受診すべき症状

次のような症状がある場合は、感染が周囲へ広がっている可能性があります。できるだけ早く歯科医院へ連絡してください。
- 顔や顎まで腫れている
- 腫れが短時間で大きくなっている
- 発熱や強い倦怠感がある
- 口が開きにくい
- 飲み込みにくい
- 顎の下や首まで腫れている
- 痛み止めを飲んでも強く痛む
- 膿が大量に出る
- 糖尿病などで感染への抵抗力が低下している
特に、腫れによって呼吸、会話、飲み込みが難しい場合や、口・首に大きな腫れがある場合は、通常の歯科受診を待たず、救急医療機関への相談が必要です。
歯茎の腫れを放置するとどうなる?
歯茎の腫れが自然に小さくなることはあります。しかし、それだけで原因がなくなったとは限りません。
放置すると、次のような状態へ進行する可能性があります。
歯を支える骨が失われる
歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が徐々に失われます。一度大きく失われた骨を、完全に元の状態へ戻すことは簡単ではありません。
感染が顎や顔へ広がる
歯の根や歯周ポケットにたまった膿が周囲へ広がると、頬や顎、首まで腫れることがあります。
歯を残すことが難しくなる
早い段階であれば根管治療や歯周病治療で保存できる歯でも、感染や骨の吸収が進むと抜歯が必要になることがあります。
痛みや腫れを繰り返す
抗菌薬や痛み止めで一時的に症状が落ち着いても、感染源が残っていれば再発します。再発を繰り返すうちに、病状が進行することもあります。
歯茎が腫れたときに自宅でできる応急処置

自宅での対処は、あくまでも歯科医院を受診するまでの応急処置です。原因そのものを治療することはできません。
お口の中を清潔にする
腫れている場所を避けて歯磨きをしないままにすると、プラークが増えて炎症が悪化することがあります。
やわらかめの歯ブラシを使い、強くこすらず、歯と歯茎の境目をやさしく磨きましょう。強い痛みがある部分に、無理に歯間ブラシを押し込む必要はありません。
頬の外側から軽く冷やす
腫れや熱感が強い場合は、水で濡らしたタオルなどを頬の外側から当てると、痛みが和らぐことがあります。
氷や保冷剤を皮膚へ直接当てたり、長時間冷やし続けたりするのは避けましょう。
冷えピタ
市販の鎮痛薬を使用する
普段服用できる市販の鎮痛薬がある場合は、添付文書に従って使用します。
ただし、次に該当する方は、自己判断で服用せず、医師・薬剤師へ相談してください。
- 妊娠中・授乳中
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍の既往がある
- 腎臓病や肝臓病がある
- 喘息がある
- 血液を固まりにくくする薬を服用している
- 他の鎮痛薬や風邪薬を服用している
- 薬のアレルギーがある
痛み止め・ロキソニンS
対象疾患
- 歯根先端の膿による痛みや腫れ(歯根嚢胞)。
- 歯周病や智歯周囲炎の歯茎の痛みや腫れ。
- 虫歯による歯の神経の痛みや腫れ。
ロキソニンSの注意
第一三共ヘルスケアのロキソニンSの詳細をご確認の上、服用してください。
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十分な休息と水分をとる
疲労や睡眠不足が重なると、炎症症状が強くなることがあります。飲酒や激しい運動を控え、できるだけ安静に過ごしましょう。
歯茎が腫れたときにやってはいけないこと

腫れを指で強く押す
強く押しても原因は取り除けません。組織を傷つけ、炎症を悪化させる可能性があります。
針などで腫れをつぶす
自分で膿を出そうとすると、細菌がさらに深部へ入り込んだり、出血や別の感染を起こしたりする危険があります。
患部を強く温める
入浴、サウナ、蒸しタオルなどで強く温めると、血流が増えて痛みや腫れが強くなることがあります。
飲酒や喫煙をする
飲酒は血流を増加させ、痛みや腫れを悪化させることがあります。喫煙は歯茎の治癒を妨げる原因になります。
残っている抗菌薬を飲む
以前処方された抗菌薬を自己判断で服用してはいけません。原因や細菌に適していない可能性があるほか、必要な量や期間が不足すると適切な治療につながらないことがあります。
腫れが引いたため受診を中止する
膿が出ると、一時的に痛みや腫れが弱くなることがあります。しかし、歯の根や歯周ポケットの感染が治ったとは限りません。
歯科医院ではどのような検査をする?
歯茎が腫れている原因を調べるため、症状に応じて次のような検査を行います。
問診
症状が始まった時期、痛みの程度、腫れを繰り返しているか、服用薬、持病などを確認します。
視診・触診
歯茎の色、腫れ方、硬さ、膿の有無、歯のぐらつきなどを調べます。
歯周ポケット検査
歯と歯茎の隙間の深さ、出血、排膿の有無を調べ、歯周病の進行状態を確認します。
レントゲン検査
歯の根、顎の骨、根の先の病変、親知らずの位置、骨吸収の程度などを確認します。
歯の神経の検査
冷たい刺激や電気刺激などを利用し、歯の神経が正常に反応しているかを調べます。
噛み合わせ・歯根破折の検査
歯を軽くたたく検査、噛んだときの痛み、特定部分の深い歯周ポケットなどを確認します。
必要に応じて、病変の一部を採取する病理組織検査や、専門医療機関での精密検査をご案内することもあります。
原因別の主な治療方法
| 原因 | 主な治療 |
|---|---|
| 歯肉炎 | ブラッシング指導、歯石除去、クリーニング |
| 歯周病 | スケーリング、SRP、歯周外科治療、メンテナンス |
| 歯周膿瘍 | 洗浄、排膿、歯周病治療 |
| 根尖性歯周炎 | 根管治療、感染根管治療 |
| 根尖膿瘍 | 根管治療、切開・排膿、必要に応じた投薬 |
| フィステル | 原因歯の根管治療、歯根端切除術など |
| 智歯周囲炎 | 洗浄、消炎処置、必要に応じた親知らずの抜歯 |
| 歯根破折 | 保存治療または抜歯 |
| 薬物性歯肉増殖症 | 口腔衛生管理、処方医との連携、歯肉切除 |
| エプーリス | 切除、病理組織検査 |
| 悪性病変が疑われる場合 | 組織検査、専門医療機関との連携 |
歯茎の腫れを予防するためにできること
歯と歯茎の境目を丁寧に磨く
歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に当て、小刻みに動かします。力を入れ過ぎると歯茎を傷つけるため、軽い力で磨きましょう。
デンタルフロス・歯間ブラシを使用する
歯ブラシだけでは、歯と歯の間のプラークを十分に除去できません。歯間の大きさに合った清掃器具を使用しましょう。
電動歯ブラシやウォーターピックの併用も◎

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歯石を定期的に除去する
歯石は歯ブラシでは取り除けません。歯科医院で定期的に歯石除去やクリーニングを受けることが大切です。
虫歯や被せ物の異常を放置しない
被せ物が外れた、噛むと違和感がある、フロスが引っかかるといった症状は、虫歯や歯根破折のサインであることがあります。
歯ぎしり・食いしばりへの対策をする
強い歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯周組織へ負担をかけます。必要に応じて、就寝時に使用するマウスピースなどを検討します。
生活習慣を整える
睡眠不足、喫煙、過度なストレス、血糖コントロール不良などは、歯周組織の状態に影響することがあります。お口のケアとともに、全身の健康管理も大切です。
歯茎の腫れに関するよくある質問
歯茎の腫れは自然に治りますか?
軽い歯肉炎であれば、適切なブラッシングによって改善することがあります。
ただし、歯石、歯周ポケット内の感染、歯の根の膿、親知らず、歯根破折などが原因の場合は、自然に根本治癒することは期待できません。
腫れが引いても再発する場合は、歯科医院で検査を受けましょう。
歯茎が腫れていても歯磨きは必要ですか?
はい。強くこすらず、やわらかい歯ブラシでやさしく磨くことが大切です。
磨かずに汚れを残すと、炎症が悪化する可能性があります。ただし、強い痛みや出血がある場合は無理をせず、磨き方を歯科医院で確認してください。
膿が出たら治ったということですか?
膿が排出されると、痛みや腫れが一時的に軽くなることがあります。しかし、感染源がなくなったわけではありません。
歯の根や歯周ポケットに細菌が残っていると、再び膿がたまります。
抗菌薬を飲めば治りますか?
抗菌薬によって、感染の広がりや急性症状が一時的に落ち着くことはあります。
しかし、感染した歯髄、根管内の細菌、歯石、深い歯周ポケット、破折した歯などは、抗菌薬だけでは取り除けません。原因に応じた歯科治療が必要です。
痛くなければ様子を見ても大丈夫ですか?
痛みがなくても、歯周病やフィステル、歯根破折などが進行している場合があります。
特に、同じ場所が繰り返し腫れる、白いできものがある、歯がグラグラする場合は、痛みがなくても受診をおすすめします。
ストレスで歯茎が腫れることはありますか?
ストレスだけが直接の原因とは限りません。
ただし、強いストレスや睡眠不足によって体調が低下したり、歯ぎしり・食いしばりが強くなったりすると、もともとあった歯周病や親知らずの炎症などの症状が現れやすくなることがあります。
妊娠中でも歯茎の治療はできますか?
妊娠中でも、体調や妊娠週数に配慮しながら必要な検査や治療を行えます。
受診時には、妊娠週数、産婦人科からの指示、服用薬、体調について歯科医師へお伝えください。強い痛みや感染がある場合は、自己判断で我慢せず早めに相談しましょう。
歯茎の腫れに効く歯磨き粉はありますか?
歯周病予防を目的とした歯磨き粉は、毎日の口腔ケアを補助するものとして使用できます。
ただし、歯石、根の感染、膿瘍、親知らず、歯根破折などが原因の場合、歯磨き粉だけで治すことはできません。症状が続く場合は、歯科医院で原因を確認する必要があります。
歯茎の腫れは、原因を確認することが大切です
歯茎が腫れる原因は、歯肉炎や歯周病だけではありません。
歯の根にたまった膿、親知らずの炎症、歯根破折、薬の副作用、ホルモンの変化、歯茎にできる病変など、さまざまな可能性があります。
痛み止めや抗菌薬で一時的に症状が落ち着いても、原因が残っていれば腫れを繰り返します。症状が軽いうちに原因を特定できれば、歯を残せる可能性や治療の選択肢も広がります。
「痛くないから大丈夫」
「腫れが引いたから治った」
と自己判断せず、次のような症状がある場合は早めにご相談ください。
- 歯茎の腫れが続いている
- 同じ場所が何度も腫れる
- 歯茎から膿が出る
- 白いできものがある
- 噛むと痛い
- 親知らずの周囲が腫れている
- 歯がグラグラする
- 顔や顎まで腫れている
お口の状態を詳しく診査し、腫れの原因と必要な治療について分かりやすくご説明します。
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歯茎の腫れを繰り返していませんか?

歯茎の腫れは、一時的に引いても、歯周病や歯の根の感染が残っていると再発することがあります。
レントゲン検査や歯周ポケット検査などを行い、症状の原因を確認したうえで、できる限り歯を残す治療方法をご提案します。
「すぐに治療が必要なのか分からない」という段階でも、まずはご相談ください。
【動画】歯周病の手遅れの症状
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。










