目次

「レントゲンを撮りますね」と歯科医院で言われたとき、

「本当に撮る必要があるの?」
「放射線による体への影響は大丈夫?」
「何が写っているのかよくわからない」

と疑問や不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

歯科レントゲンは、口の中を見ただけでは確認できない虫歯や歯周病、歯の根、顎の骨の異常などを調べるための検査です。

ただし、すべての患者さんに毎回同じ撮影を行うわけではありません。症状や治療内容、過去の治療歴などを確認し、診断や治療に必要な範囲を選んで撮影します。必要性のない撮影を避け、診断に必要な情報を得られる撮影条件に調整することが、放射線防護の基本です。

この記事では、歯科レントゲンが必要な理由、撮影方法の違い、画像の見方、発見できる病気、放射線の安全性、妊娠中や子どもの撮影、費用について、患者さんの視点からわかりやすく解説します。

目では見えない部分を確認するため

歯科医師が口の中を診察しても、直接確認できるのは歯や歯茎の表面に限られます。

次のような部分は、目で見るだけでは十分に確認できません。

  • 歯と歯の間
  • 詰め物や被せ物の下
  • 歯の内部
  • 歯根の先端
  • 歯を支えている顎の骨
  • 歯茎や骨の中に埋まっている歯
  • 顎の骨の中を走る神経
  • 上の奥歯に近接する上顎洞

見た目に問題がなさそうな歯でも、レントゲンを撮影すると、歯と歯の間の虫歯、歯根の先の炎症、歯周病による骨吸収などが見つかることがあります。

治療が必要な歯を正確に判断するため

歯の表面に見える変化だけでは、虫歯の深さや歯根の状態を正確に判断できないことがあります。

見た目には小さな虫歯でも、歯の内部で深く進行していることがあります。一方、黒く見える部分が必ずしも虫歯とは限りません。

レントゲン画像だけで診断するのではなく、口腔内診査、症状、歯周ポケット検査、歯髄検査、過去の画像などを組み合わせることで、削る必要があるか、経過観察が可能か、神経の治療が必要かを判断します。

安全に治療を行うため

親知らずの抜歯やインプラント治療などでは、歯や顎の骨だけでなく、周囲にある神経や上顎洞との位置関係を確認する必要があります。

例えば、下顎の親知らずの根が下顎神経に近い場合、抜歯方法を慎重に検討しなければなりません。

レントゲンや歯科用CTは、治療前に内部の状態を把握し、神経損傷や上顎洞への影響などのリスクを減らすためにも重要です。

歯と歯の間や詰め物の下の虫歯

歯と歯の間の虫歯
歯と歯の間の虫歯
詰め物の下の虫歯
詰め物の下の虫歯

歯と歯が接している部分は、歯科医師が直接見ることが難しく、虫歯を見逃しやすい場所です。

また、一度治療した詰め物や被せ物の境目から細菌が侵入し、内部で虫歯が再発することがあります。これを「二次カリエス」といいます。

レントゲンでは、歯の組織が失われてX線が通りやすくなった部分が、周囲より黒く写ることがあります。

ただし、初期の虫歯や歯の表面だけにとどまる小さな虫歯は、レントゲンに写らないこともあります。レントゲンだけでなく、視診や触診などを組み合わせた診断が必要です。

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歯の根の先にある炎症

下顎1番:歯の根の先にある炎症
下顎1番:歯の根の先にある炎症
上顎1番:歯の根の先にある炎症
上顎1番:歯の根の先にある炎症

虫歯が神経まで進行した歯や、過去に根管治療を受けた歯では、歯根の先に炎症が起こることがあります。

レントゲンでは、歯根の先の骨が失われた部分が、黒い影として確認されることがあります。このような病変を総称して「根尖病変」と呼びます。

患者さん向けの説明では「膿がたまっている」「歯根嚢胞がある」と表現されることがありますが、通常のレントゲン画像だけで、歯根嚢胞と歯根肉芽腫などを確実に区別できるとは限りません。

診察結果や病変の大きさ、形、治療経過などを踏まえて診断します。

歯周病による骨の減少

重度歯周病:垂直性吸収
重度歯周病:根分岐部病変
重度歯周病:根分岐部病変

歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が徐々に吸収されます。

レントゲンでは、次のような状態を確認できます。

  • 歯槽骨の高さ
  • 骨吸収の広がり
  • 一部分だけ深く骨が失われる垂直性骨吸収
  • 複数の歯にわたって骨が下がる水平性骨吸収
  • 奥歯の根の分かれ目に生じる根分岐部病変

ただし、レントゲンは過去に失われた骨の状態を示す検査であり、現在の炎症の強さを単独で判断するものではありません。

歯周病の診断では、歯周ポケットの深さ、出血、歯の動揺、プラークの付着状態などもあわせて評価します。

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親知らず・埋伏歯・過剰歯

 親知らず・埋伏歯の診断
親知らず・埋伏歯の診断
下顎に2本の過剰歯が偶然見つかる
下顎に2本の過剰歯が偶然見つかる

口の中から見えていない歯でも、顎の骨の中に埋まっていることがあります。

パノラマレントゲンでは、次のような歯を確認できます。

  • 横向きや斜めに埋まっている親知らず
  • 骨の中に残っている埋伏歯
  • 本来の本数より多く存在する過剰歯
  • 生える方向がずれている永久歯
  • 隣の歯を圧迫している歯

親知らずの抜歯を検討する場合は、歯根の形や下顎神経との位置関係も確認します。通常のレントゲンでは位置関係が判断しにくい場合、歯科用CTを追加することがあります。

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詰め物・被せ物・ブリッジの状態

ブリッジ・被せ物の歯周組織の状態:歯周病による歯槽骨の吸収を認める
ブリッジ・被せ物の歯周組織の状態:歯周病による歯槽骨の吸収を認める
被せ物の根尖病巣(歯根嚢胞)の有無を確認:2番に大きな歯根嚢胞を認める
被せ物の根尖病巣(歯根嚢胞)の有無を確認:2番に大きな歯根嚢胞を認める

金属製の詰め物や被せ物、ブリッジなどは、X線を通しにくいため白く写ります。

レントゲンでは、次のような点を確認します。

  • 詰め物や被せ物の周囲に虫歯がないか
  • 被せ物の下に治療されていない部分がないか
  • ブリッジを支える歯や歯周組織に異常がないか
  • 歯根の先に炎症がないか
  • 根管治療の状態に問題がないか

ただし、金属は非常に白く写るため、その周辺が見えにくくなることがあります。必要に応じて撮影方向を変えたり、ほかの検査を組み合わせたりします。

根管治療の状態

根管治療+根充
根管治療+根充
根管治療後のx線透過像の縮小:治癒に向かっている
根管治療後のx線透過像の縮小:治癒に向かっている

根管治療を受けた歯では、歯根の内部に詰められた根管充填材が白い線として写ります。

レントゲンでは、次のような点を確認します。

  • 歯根の長さや形
  • 根管充填材がどこまで入っているか
  • 歯根の先に炎症が残っていないか
  • 治療後に骨が回復しているか
  • 再治療が必要な可能性があるか

治療直後に黒い影が残っていても、すぐに治療失敗と判断するわけではありません。治癒に伴って骨が再生するまでには時間がかかるため、数か月から年単位で経過を比較することがあります。

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歯根破折が疑われる所見

歯根破折
歯根破折

神経を取った歯や大きな被せ物が入っている歯では、歯根にひびが入ったり、割れたりすることがあります。

歯根破折では、破折線が直接レントゲンに写る場合もありますが、撮影方向や割れ方によっては確認できないことも少なくありません。

そのため、次のような周囲の変化から歯根破折を疑うことがあります。

  • 歯根に沿った細長い骨吸収
  • 歯根の片側だけに生じた黒い影
  • 歯根周囲の広い骨吸収
  • 繰り返す腫れや膿
  • 特定の場所だけ深い歯周ポケット

必要に応じて、撮影角度を変えたレントゲンや歯科用CTを用いて詳しく調べます。

インプラントと周囲の骨

インプラントと下顎神経や上顎洞の位置確認
インプラントと下顎神経や上顎洞の位置確認

インプラントは金属でできているため、レントゲンでは白くはっきりと写ります。

治療前には、

  • 顎の骨の高さや幅
  • 下顎神経の位置
  • 上顎洞との距離
  • 周囲の歯根との位置関係

を確認します。

治療後は、

  • インプラント周囲の骨の状態
  • 骨吸収の有無
  • インプラントの位置
  • 上部構造との接続状態

などを定期的に確認します。

子どもの永久歯と生え変わり

永久歯の先天欠損チェック(小児)
永久歯の先天欠損チェック(小児)

子どものパノラマレントゲンでは、乳歯の下にある永久歯の歯胚を確認できます。

歯胚とは、これから成長して永久歯になる組織です。

レントゲンによって、次のような状態を確認できます。

  • 永久歯の本数
  • 永久歯の先天欠如
  • 生える方向や位置
  • 乳歯の根の吸収状態
  • 埋伏歯や過剰歯
  • 顎の中での歯の成長

子どものレントゲンは、年齢だけを基準に一律に撮影するものではありません。虫歯のリスク、歯の生え方、診察結果、過去の治療歴などに応じて、撮影の必要性や時期を判断します。

顎の骨・上顎洞・顎関節の異常

パノラマレントゲンには、歯だけでなく顎の骨、上顎洞、顎関節周辺なども写ります。

撮影をきっかけに、次のような異常が偶然見つかることがあります。

  • 顎骨内の嚢胞性病変
  • 良性腫瘍が疑われる病変
  • 骨の形態異常
  • 上顎洞の粘膜肥厚
  • 顎関節部の骨変形

ただし、パノラマレントゲンだけで確定診断できるとは限りません。必要に応じてCTやMRIなどの追加検査を行い、口腔外科や医科へ紹介することがあります。

歯科では、調べたい範囲や目的に合わせて撮影方法を選択します。

パノラマレントゲン|歯と顎全体を確認する

パノラマレントゲン(パントモ):矢印は根管治療の状態を確認
パノラマレントゲン(パントモ):矢印は根管治療の状態を確認
パノラマレントゲン(パントモ):上顎3番(犬歯)の埋伏を認める
パノラマレントゲン(パントモ):上顎3番(犬歯)の埋伏を認める

パノラマレントゲンは、上下の歯列、顎の骨、親知らず、上顎洞、顎関節周辺などを一枚の画像で確認できる撮影方法です。

主に次のような場面で使用します。

  • 初診時のお口全体の確認
  • 親知らずの位置確認
  • 歯周病による骨吸収の評価
  • 埋伏歯や過剰歯の確認
  • 子どもの永久歯の確認
  • 顎骨内の病変の確認
  • インプラント治療前・治療後の概略的な診査

広い範囲を一度に確認できる反面、細かな虫歯や歯根周囲の状態を調べる精度は、デンタルレントゲンより低くなる場合があります。

デンタルレントゲン|数本の歯を詳しく確認する

歯根膜の状態
歯槽骨の高さと歯髄の状態
歯槽骨の高さと歯髄の状態
乳歯の根管治療
乳歯の根管治療
後続永久歯の先天欠損
後続永久歯の先天欠損

デンタルレントゲンは、口の中に小さなセンサーやフィルムを入れ、1~3本程度の歯を拡大して撮影する方法です。

主に次のような場面で使用します。

  • 歯と歯の間の虫歯
  • 根管治療
  • 歯根の先の病変
  • 歯周病による骨吸収
  • 被せ物周囲の状態
  • 治療前後の比較
  • インプラント周囲の骨の確認
  • 後続永久歯の確認
  • 歯根膜炎の有無

パノラマレントゲンで気になる部分が見つかった場合に、デンタルレントゲンで詳しく調べることもあります。

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バイトウイング(咬翼法)|歯と歯の間の虫歯を確認する

バイトウイングは、小さなセンサーを噛んだ状態で、上下の奥歯を同時に撮影する方法です。

主に、

  • 歯と歯の間の虫歯
  • 詰め物の下の虫歯
  • 歯槽骨の高さ
  • 初期から中等度の歯周病

などの確認に適しています。

歯根の先までは写らないことが多いため、根尖病変や根管治療の確認にはデンタルレントゲンを使用します。

セファロレントゲン|顎の骨格と歯並びを分析する

セファロレントゲン(側面)
セファロレントゲン(側面)
セファロレントゲン(正面)
セファロレントゲン(正面)

セファロレントゲンは、主に矯正歯科で使用される頭部のレントゲンです。

一定の条件で横顔や正面を撮影し、次のような点を分析します。

  • 上顎と下顎の前後関係
  • 顎の左右差
  • 前歯の傾き
  • 顔面骨格のバランス
  • 顎の成長方向
  • 矯正治療前後の変化

通常の写真だけではわからない骨格的な問題を数値化し、矯正治療計画の作成に役立てます。

歯科用CT|歯・骨・神経を立体的に確認する

パノラマやデンタルレントゲンは、立体構造を平面に重ねて表示する二次元画像です。

一方、歯科用CTでは、歯や顎の骨、神経、上顎洞などを三次元的に確認できます。

主に次のような場面で使用します。

  • インプラント治療
  • 難しい親知らずの抜歯
  • 通常のレントゲンでは判断しにくい根管治療
  • 歯根破折が疑われる場合
  • 埋伏歯の位置確認
  • 顎骨内の病変
  • 上顎洞との位置関係の確認

CTは情報量が多い一方で、通常の歯科レントゲンより放射線量が多くなる傾向があります。そのため、精密だからという理由だけで全員に撮影するのではなく、追加情報が診断や治療方針に影響する場合に選択します。

白く写るもの

X線を通しにくいものは白く写ります。

代表的なものは次のとおりです。

  • 金属製の詰め物や被せ物
  • ブリッジ
  • インプラント
  • 歯のエナメル質
  • 根管充填材
  • 金属製の土台

特に金属は強く白く写るため、その周辺が見えにくくなることがあります。

黒く写るもの

根尖病巣(歯根嚢胞)の有無を確認:下顎6番と3番に根尖病巣(黒く写る)を認める
根尖病巣(歯根嚢胞)の有無を確認:下顎6番と3番に根尖病巣(黒く写る)を認める

X線を通しやすい部分は黒く写ります。

代表的なものは次のとおりです。

  • 空気
  • 上顎洞
  • 鼻腔
  • 歯髄腔
  • 虫歯
  • 骨が失われた部分
  • 歯根の先の炎症
  • 顎骨内の嚢胞性病変

ただし、黒い影がすべて虫歯や病気というわけではありません。

上顎洞、鼻腔、神経の通り道、歯髄腔なども正常な黒い像として写ります。画像の位置、形、境界、左右差、過去画像との変化を確認し、歯科医師が総合的に判断します。

初診時

上顎6番に神経まで到達する虫歯を確認
上顎6番に神経まで到達する虫歯を確認
下顎7番の虫歯が見つかる
下顎7番の虫歯が見つかる

初診時には、お口全体の状態を把握し、治療計画を立てるためにパノラマレントゲンなどを撮影することがあります。

ただし、必ず全員に同じ撮影を行うわけではありません。主訴や診察結果、過去画像の有無などによって判断します。

痛みや腫れがあるとき

歯の痛みや歯茎の腫れがある場合は、

  • 虫歯の深さ
  • 歯根の先の炎症
  • 歯周病による骨吸収
  • 歯根破折の可能性
  • 親知らず周囲の状態

などを調べるために撮影します。

根管治療の前後

根管治療では、治療前、治療中、治療後にレントゲンを撮影することがあります。

歯根の長さや形、治療器具の位置、根管充填の状態、根尖病変の治癒経過などを確認するためです。

親知らずの抜歯前

親知らずの向き、歯根の形、隣の歯への影響、下顎神経との位置関係などを確認します。

神経との距離が近いと考えられる場合は、CTで立体的な位置関係を調べることがあります。

インプラント治療の前後

治療前には、骨の量や神経・上顎洞との位置関係を確認します。

治療後は、インプラント周囲の骨の状態や経年的な変化を評価するために撮影します。

定期検診

定期検診のたびに必ずレントゲンを撮るわけではありません。

撮影時期は、

  • 虫歯のなりやすさ
  • 歯周病の状態
  • 過去の治療歴
  • 現在の症状
  • 年齢や歯の生え方
  • 前回の撮影時期
  • 過去画像からの変化

などを考慮して決定します。

レントゲンは一定期間ごとに一律で撮影するのではなく、撮影によって得られる情報が患者さんの診断や治療に役立つかどうかを確認して選択することが重要です。

歯科レントゲンは比較的低線量の検査です

歯科レントゲンにも放射線を使用しますが、撮影範囲は口の周囲に限られています。

ただし、被ばく量は次の条件によって異なります。

  • 撮影装置
  • デジタルかフィルムか
  • 撮影範囲
  • 撮影条件
  • 患者さんの体格
  • CTの撮影領域

そのため、「デンタルは必ず何μSv」「パノラマは飛行機何回分」と一律に断定するのは適切ではありません。

重要なのは、必要性のない撮影を避け、診断に必要な範囲と画質に合わせて撮影条件を調整することです。IAEAも、歯科撮影による線量を減らす最も効果的な方法として、不必要な撮影を行わないことを挙げています。

妊娠中でも必要な場合は撮影できます

「妊娠初期はレントゲンを絶対に撮ってはいけない」と思われることがありますが、必要な歯科治療まで一律に避ける必要はありません。

歯科レントゲンは口の周囲を撮影する検査であり、胎児から離れています。診断や治療に必要と判断される場合は、妊娠中でも撮影範囲や条件に配慮して行うことがあります。

ADAは、必要な歯科レントゲンを含む通常および緊急の歯科治療について、妊娠のどの時期でも実施可能としています。

妊娠中または妊娠の可能性がある方は、撮影前に必ず歯科医師やスタッフへお申し出ください。症状や緊急性を確認し、撮影の必要性や時期を検討します。

子どもは撮影しても大丈夫?

子どもは成長期にあるため、必要性を確認したうえで、撮影範囲や条件を小児に合わせることが大切です。

撮影では、次のような点に配慮します。

  • 診断に必要な場合だけ撮影する
  • 必要な範囲に限定する
  • 小児に適した撮影条件を使用する
  • 同じ画像を不必要に繰り返さない
  • 過去画像を確認して利用する
  • 虫歯リスクや生え変わりに合わせて撮影時期を決める

小児のレントゲン撮影は、特定の年齢になったから一律に行うのではなく、一人ひとりの診察結果やリスクに基づいて判断することが推奨されています。

防護エプロンは必要?

以前は、歯科レントゲン撮影時に鉛入りの防護エプロンや甲状腺カラーを使用することが一般的でした。

一方、現在の歯科用撮影装置では、照射範囲の限定、デジタル化、撮影条件の最適化などにより、患者さんが受ける線量は低減されています。

ADAの近年の勧告では、適切な撮影条件を使用する場合、鉛入りエプロンや甲状腺カラーを一律に使用することは推奨されていません。防護具が撮影範囲に入り込むと、必要な画像が得られず再撮影につながる可能性があることも理由の一つです。

ただし、防護エプロンの使用は、撮影装置、検査内容、国内の規則、医療機関の方針によって異なります。

最も重要なのは、防護具の有無だけではなく、撮影の必要性を確認し、照射範囲と撮影条件を適切に設定することです。

保険が適用される場合

虫歯、歯周病、親知らず、歯根の病気など、診断や治療のために必要と判断された撮影は、原則として保険診療の対象となります。

費用は、次の条件によって変わります。

  • パノラマかデンタルか
  • 撮影枚数
  • CTの撮影範囲
  • 初診か再診か
  • 同時に行う検査や処置
  • 自己負担割合

レントゲン撮影だけの金額ではなく、初診料・再診料、検査料、処置料などを含めた窓口負担となる場合があります。

自由診療になることがある場合

次のような自由診療に関連する撮影は、保険適用外となることがあります。

  • 矯正治療の診断
  • インプラント治療の術前検査
  • 審美治療に伴う検査
  • 保険適用の条件を満たさないCT撮影

自由診療の撮影費用は、医療機関や撮影範囲によって異なります。撮影前に、検査の目的と費用について説明を受けることが大切です。

レントゲンを撮らずに治療できますか?

目で確認できる範囲だけで治療できる場合もあります。

しかし、虫歯の深さ、歯根、顎の骨、神経の位置などが治療方針に影響する場合は、レントゲン撮影が必要です。

画像がないまま治療を進めることで、病変の見落としや治療上のリスクが高まる可能性があります。

痛くないのに撮影するのはなぜですか?

虫歯や歯周病、歯根の先の炎症などは、進行するまで痛みが出ないことがあります。

症状がない段階で異常を発見できれば、治療範囲を抑えられる可能性があります。

ただし、症状がないという理由だけで定期的に一律撮影するのではなく、患者さんごとのリスクや口腔内の状態を確認して判断します。

毎回レントゲンを撮る必要がありますか?

毎回必ず撮影するわけではありません。

現在の症状、虫歯や歯周病のリスク、治療内容、前回の撮影時期、過去画像からの変化などを考慮して決定します。

撮影する理由がわからない場合は、遠慮なく歯科医師へお尋ねください。

前の歯科医院で撮影した画像は使えますか?

撮影時期、画質、撮影範囲、確認したい内容によっては使用できる場合があります。

CDやUSB、紙に印刷した画像、紹介状などをお持ちの場合は、受診時にご持参ください。

ただし、画像が古い場合や、現在確認したい部分が写っていない場合は、再撮影が必要になることがあります。

レントゲンだけで虫歯を確定できますか?

レントゲンは重要な検査ですが、すべての虫歯が写るわけではありません。

小さな初期虫歯、歯の表面にある虫歯、金属の周囲にある虫歯などは、画像で判断しにくいことがあります。

視診、触診、症状、過去画像などを組み合わせて診断します。

黒い影はすべて病気ですか?

黒い影がすべて虫歯や病変というわけではありません。

上顎洞、鼻腔、歯髄、神経の通り道など、正常な構造も黒く写ります。

画像だけを見て自己判断せず、歯科医師から説明を受けることが大切です。

歯根破折は必ずレントゲンに写りますか?

必ず写るとは限りません。

破折の方向とX線の方向が一致しない場合、割れていても破折線が確認できないことがあります。

症状、歯周ポケット、歯根周囲の骨吸収などから疑い、必要に応じて撮影角度を変えたり、CTを追加したりします。

撮影中に動いてしまったらどうなりますか?

撮影中に頭や体が動くと、画像がぶれたり、形がゆがんだりすることがあります。

診断に必要な画質が得られなければ、再撮影が必要になる場合があります。撮影時間は短いため、スタッフの案内に従って体を動かさないようにしてください。

妊娠の可能性がある場合はどうすればよいですか?

撮影前に歯科医師またはスタッフへお伝えください。

妊娠していることだけを理由に、必要な検査を一律に中止するわけではありません。症状、治療の緊急性、撮影の目的を確認して判断します。

子どもは何歳からレントゲンを撮りますか?

一律に何歳からと決めるものではありません。

虫歯の状態、永久歯の本数、生え変わり、歯並び、親知らずや過剰歯の有無などを確認する必要がある場合に撮影します。

レントゲン撮影は痛いですか?

パノラマレントゲンやセファロレントゲンは、機械の前に立ったり座ったりして撮影するため、基本的に痛みはありません。

デンタルレントゲンでは、口の中にセンサーを入れるため、嘔吐反射が強い方や口内炎がある方は不快感を感じることがあります。つらい場合は、我慢せずスタッフへお伝えください。

歯科レントゲンは、目では見えない部分を確認し、正確で安全な治療を行うための大切な検査です。

当院では、撮影を行う前に、

  • なぜ撮影が必要なのか
  • どの部分を確認するのか
  • どの種類のレントゲンを使用するのか
  • 撮影結果によって治療方針がどう変わるのか

を、できるだけわかりやすくご説明します。

撮影後は、レントゲン画像をモニターで一緒に確認していただきながら、

  • 虫歯や歯周病の状態
  • 歯根の先の炎症
  • 歯を支える骨の状態
  • 親知らずや埋伏歯の位置
  • 神経や上顎洞との位置関係
  • 詰め物や被せ物、インプラントの状態

などをご説明します。

必要性のない撮影を繰り返すのではなく、症状や治療内容に応じて、必要な範囲の検査をご提案します。

歯科レントゲンは、虫歯や歯周病、歯根の病気、親知らず、顎の骨の異常などを調べるために欠かせない検査です。

口の中を見ただけではわからない問題を早期に発見し、適切な治療方法を選択するために役立ちます。

一方で、レントゲン画像だけですべてを確定診断できるわけではありません。症状や口腔内診査、歯周検査、過去画像などを組み合わせて総合的に判断することが重要です。

また、撮影は毎回一律に行うのではなく、検査によって得られる情報が診断や治療に役立つかを確認したうえで行います。

レントゲンは、患者さんからは見えない歯の内部や顎の骨を確認し、安全で適切な治療を行うための大切な検査です。

当院では、撮影する目的や画像の見方をわかりやすくご説明し、患者さんにご自身のお口の状態を理解していただいたうえで、治療方針をご提案しています。

歯の痛みや腫れ、親知らず、過去に治療した歯の違和感などがありましたら、お電話でご相談ください。

【動画】虫歯や歯周病、歯根嚢胞はどこにあるでしょうか?

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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