\ Root canal treatment /
再発を防ぐ精密根管治療の実践
根管治療は重度の虫歯の神経を抜いて根管内を清掃・消毒・根管を密封し、被せ物をする治療法です。ふかさわ歯科クリニック篠崎では、先端技術を利用した「根管治療 (歯内療法)」を実施しております。
根管治療は奥歯になるほど根気と時間がかかる治療です。なぜなら、奥歯の根管は非常に複雑な形態で、視界も悪いため処置が困難だからです。しっかり感染物質を除去し根管の封鎖を行わなければ、歯根の先端に膿を作る「歯根嚢胞」という病気が高い確率で発症します。歯根嚢胞ができると「痛み」「腫れ」などを繰り返すため、精度の高い処置が求められる歯科治療といえます。
「再発」を繰り返している方へ 諦めないで下さい。
術前のレントゲン写真
下顎4番・5番の2歯に歯根嚢胞(矢印)が出来ています。根管治療が精密に行われていないことによって発症しています。強い痛みが起こっているため当院で治療を行ないました。
治療はすべて保険治療で行っています。
根管治療終了時点のレントゲン写真
金属の被せ物や土台を外し、感染した根管壁を除去し消毒を繰り返し、根管内を薬で完全に密閉しています。この処置により歯根嚢胞のX線透過像は無くなり治癒に向かっています。
再発ゼロを目指す!精密根管治療の全工程
再発させない精密根管治療
重度の虫歯
根管治療は、歯の神経にまで虫歯菌が感染した重度の虫歯C3に対する処置です。虫歯部分を完全に削り、根管口を明示します。
感染歯質の除去・根管形成(神経を取る)
神経を抜いたあとは、虫歯菌の感染した歯質をファイルやリーマーという器具で綺麗に掻き取ります。また、最終的な薬剤で根管の隅々まで封鎖できるように根管を拡大する根管形成を行います。
根管内の殺菌・消毒(根管を洗浄・消毒)
根管内の感染物質を除去した後、専用の薬剤(次亜塩素酸ナトリウムやEDTA、水酸化カルシウム)を根管に注入します。これにより側枝や象牙細管に残った細菌を洗浄・殺菌し、可能な限り無菌状態に近づけ再発リスクを軽減することができます。根管内の殺菌・消毒は感染の程度が強いほど来院回数が増します。
術後、感染がほとんどない場合の痛みは1日で終わりますが、根管内に大量の膿がある場合には、仮の蓋は行わずオープン状態にします。次の日に来院していただき消毒して仮の蓋をします。
根管充填(神経の穴を薬で詰める)
根管内を薬剤で密封します。可能な限り材料を熱で軟化して少しずつ上から詰め込んでいく垂直加圧充填という方法で行います。また、保険適用外で治療をする場合には、細菌の繁殖場所をなくすため殺菌効果の高いMTAセメントを用いで根管内を隅々まで封鎖します。
土台の作製
土台を作成するための穴を掘り、型どりを行います。技工所にて作成された土台(メタルコアまたはファイバーコア)を歯根にセメントで接着します。土台の形をタービーンで削って整えて被せ物を作るための型どりを行います。
被せ物の装着
技工所で作られた被せ物(銀歯、あるいはセミラック製)を装着し、噛み合わせを調整して終了します。
根管治療の現実:成功率50%未満の衝撃的事実
根管治療の成功率
不完全な治療による根尖病巣(歯根嚢胞)
レントゲン写真は根管内が完全に密封出来ていないために細菌の住処が残り、根尖病巣(歯根嚢胞)ができて痛みが起こった症例です。当院で再根管治療を行ない治癒しています。
東京医科歯科大学の調査データー
東京医科歯科大学では一般の歯科医院で行った根管治療の成功率を調査しデーターとして公表しています。それによると根管治療の成功率は、上顎前歯約30%、上顎小臼歯約40%、上顎大臼歯約35%、下顎前歯約50%、下顎小臼歯約45%、下顎大臼歯約35%となっています。
つまり、50%以上が根尖病巣(歯根嚢胞)を作るため、再根管治療が必要となります。そして、一度根管治療を受けると根管内が扱いにくくなり再根管治療の成功率はさらに下がります。
そのため、「最初に質の高い根管治療」を受けることが、再発を防ぐ最良の方法といえます。
成功率を下げる要因
大臼歯の歯根形態 湾曲根管
レントゲン写真は上顎第二根大臼歯の歯根が大きく湾曲していることを示しています。この様に湾曲しているとファイルやリーマーが入らないため根管治療は困難を極めます。当然、成功率は下がります。
大臼歯の根管は複数で細い
大臼歯の歯根は2本から4本あり、根管数もそれに比例します。根管数が多くなるほど根管の太さが狭くなり、ファイルやリーマーが入りにくくなります。
根管が複雑になればなるほど、成功率は下がります。
前歯から小臼歯までならほぼ確実に治療できます
前歯の根管治療完了時のレントゲン写真
当院で行った上顎前歯の根管充填時のレントゲン写真です。細菌の住処となる空洞を完全に封鎖しています。この様にほぼ真っすぐで太い根管なら確実に治療することが可能です。この様な根管治療が出来れば、歯根嚢胞などのほとんど再発は起こりません。
当院の根管治療
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こんな悩みは
ありませんか?
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1
むし歯で穴が開き食べ物が詰まると痛みが出てきた
2
被せ物をした歯がズキズキ痛み嚙合わせると痛くて食事ができない
3
口被せ物をした歯茎にニキビの様なポツッとした腫れが出来たり消えたりを繰り返す
ふかさわ歯科クリニック篠崎
におまかせください!
患者様から問診により症状を伺い、口腔内診査、レントゲン画像検査などを行い診断します。
治療は、①虫歯が大きく神経にまで達しているため神経を取る処置(抜髄)、②神経が細菌感染して死んでいる時に行う感染根管処置、③歯の神経を残す神経保存治療、④外科手術など、具体的な治療法を説明し同意していただいた上で決定いたします。
ただし、重度虫歯で歯冠が殆ど残っていない場合、歯根破折している場合、何度も根管治療を行って、症状が改善しない場合などは抜歯をお薦めすることもあります。
すべての歯を抜歯回避できるわけではありませんが、可能な限り1本の歯を守り抜く治療法を模索し、少しでも患者さんの口腔内が健康を保てるよう、心技を尽くします。
1
正確な根管長測定
当院では根管の長さを正確に測定する電気的根管長測定器(EMR)を用いています。根管形成・根管拡大を行う際、ファイルやリーマーが根尖部から外に出ないように正確な処置が求められるからです。
また、根管先端部の形成が根管治療の成否を分けると言っても良いので熟練を要する治療といえます。
2
レントゲンで根管長を視覚的に確認
当院ではファイルを根管内に挿入した状態でレントゲンを撮ります。電気的根管長測定器で得れれたデーターと実際のファイルの到達点にエラーがないかを視覚的に確認します。
根尖部の治療は目視出来ないばかり、1mm未満の正確性が要求される治療なので、この様に万全を尽くす必要があります。
3
正確な根管形成と根管拡大
ファイルで根管の太さを拡大する処置を根管拡大といいます。細いファイルから太いファイルに段階的に上げていき所定の太さになるまで行います。
この工程が時間がかかる作業となります。ここでしっかりと拡大することが最後の根管充填を成功させるかの分かれ道となります。
イラストの様に湾曲根管では柔軟性の高いニッケルチタンファイルを用いて慎重に作業を進めます。湾曲の度合いが高く、細い根管ほど治療時間や回数が長くなります。
4
垂直加圧根管充填法(CWCT法)
根管充填は根管治療の最後の行程です。根管形成と根管拡大により無菌的になった根管内を特殊な薬剤で密封し細菌の住処を無くします。
根管充填の方法には垂直加圧根管充填法と側方加圧根管充填法があります。イラストは垂直加圧根管充填(CWCT法)を行う器械と根管充填後のイメージ画です。
当院では可能な限り垂直加圧根管充填法で行っています。根尖部の封鎖はもとより根管に側枝と呼ばれる根管が存在しても垂直加圧根管充填法なら完全封鎖が可能です。
当院では一連の根管治療を保険診療として提供しています。
4-1
垂直加圧根管充填法の症例1
上顎第一大臼歯に対して垂直加圧根管充填(CWCT法)を実施したレントゲン写真です。3本の根管は根尖部まで確実に封鎖出来ています。内、1本は湾曲根管であるにもかかわらず、正確に根充剤で満たされています。また、1本は根尖部で45度ほど曲がっているにもかかわらず完全封鎖が出来ています。
細菌の大きさは極めて小さいため少しの空洞が残るだけでその場で繁殖し歯根嚢胞を形成するリスクがあります。
4-2
垂直加圧根管充填法の例2
上顎1番に対して垂直加圧根管充填(CWCT法)を実施したレントゲン写真です。側枝にまでしっかりと根充剤が入っているのが分かります。
垂直加圧根管充填(CWCT法)は熟練度が必要ですが、側方加圧根管充填法ならこの様なことは不可能です。
4-3
側方加圧根管充填法
一般的な歯科医院で行われている保険診療の方法です。ガッタパーチャーポイントという根充剤を入れスプレッダーという器具で側方に加圧して出来たスペースにアクセサリーポイントを追加しながら根管を密閉する方法です。
5
歯根端切除術・歯根嚢胞摘出術にも対応
当院では根管治療や再根管治療が上手くいかないケースに対して歯根端切除術と歯根嚢胞摘出術にも保険診療で対応しています。
- 歯根の先端に膿の袋などの病巣(歯根嚢胞)が大きくて根管治療で治らないまたは治る見込みがない場合。
- 歯根が湾曲していたり、根管が細すぎて根管治療がきちんと行えない場合。
- 歯に太いメタルコア(土台)が入っているケースで再根管治療が必要だが土台を外すことで歯根破折のリスクがある場合。
などが対象となります。
6
拡大鏡(ルーペ)による精密な処置
根管治療は小さな環境下での治療となるため医療用拡大鏡(サージテルルーペ)の使用により精密な治療を行うことで、再発予防に努めています。
江戸川区篠崎で根管治療をご検討の方へ
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いつでも
お気軽にご相談ください
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ふかさわ歯科クリニック篠崎では、重度の虫歯に対する根管治療に拡大鏡、垂直加圧根管充填法(CWCT法)、根管長測定器を用い精度の向上に努めています。歯の神経を取った後に行う根管治療が精巧に行われるかで再発率の軽減、抜歯の回避に差が出ます。江戸川区篠崎で根管治療をご希望の方、また他の歯医者さんで歯抜を勧められた方、痛みを繰り返す方は、ぜひ一度当院へお気軽にご相談下さい。
虫歯記事一覧
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。