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子供を虫歯から守るには
虫歯の多い母親ほどキシリトールガムを噛みなさい

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キシリトールは砂糖が大好きなミュータンス菌を抑制する効果があるのか? キシリトールガムを選択する際、100%のキシリトール入りが必要なのか。歯磨き粉にもキシリトールが入っていた方がいいのかなどを解説・・・

自分自身が虫歯を多く経験した母親にとって、初めての赤ちゃんには絶対に虫歯にさせたくないと思うのは親心です。

母親から赤ちゃんへの虫歯菌(ミュータンス菌)の感染を防ぐには、まず、母親がキシリトールガムを噛むことです。

目次


口腔ケア|虫歯予防にキシリトール

1

キシリトールは本当に虫歯予防効果あるの?

甘味料の選択は重要

糖アルコールの一種であるキシリトールは虫歯を予防する甘味料として知られています。キシリトールを食生活の中に取り入れることは非常に重要です。


砂糖とキシリトールの虫歯発生数の違い

下記のグラフは砂糖の主成分であるショ糖(スクロースとも言う)だけを食べたグループとショ糖の代わりに(つまり砂糖は一切食べず)キシリトールに置き換えたグループの虫歯発生歯面数を比較したものです。


約2年間の間で砂糖の摂取を続けたグループは、約12本の虫歯が出来たのに対し、キシリトールのグループは虫歯発生にはほとんど影響がありませんでした。

砂糖とキシリトールの虫歯発生数の違い

K.K.マキネンほか「キシリトールのすべて」より引用。一部改変

2

キシリトーにはミュータンス菌の増殖抑制効果!

2-1

ミュータンス菌増殖抑制のメカニズム

キシリトールを長期間(最低でも3ヶ月)摂取するとプラーク中のミュータンス菌が減少していきます。この作用は「キシリトール無益回路」で説明されます。

この無益回路は生理学的に難しいので、分りやすく説明すると、キシリトールはミュータンス菌によって代謝されないため、ミュータンス菌は“酸”を作れません。

まだ、難しいので更に分りやすく言うと、ミュータンス菌がキシリトールを餌として食べても、そこからは全くエネルギーが得られないばかりか消化するエネルギーを浪費しているしまうため、ミュータンス菌は増殖したり成長したりすることが出来ないということです。

キシリトールがミュータンス菌から歯を守る
キシリトールがミュータンス菌から歯を守る

虫歯菌と言えばミュータンス菌とラクトバチラス菌あります。

ミュータンス菌は、砂糖が大好きです。

2-2

キシリトールの虫歯予防効果一覧

虫歯の原因となる酸を作らない。
プラーク中のPHを5.7以下に下げない。(虫歯になる臨界PH5.5)
ミュータンス菌は、プラークの核となる不溶性グルカンを作る事が出来ない。
プラーク量が減少し、なお且つ善玉菌優位のプラークとなる。
唾液の分泌を促し、エナメル質の脱灰を防ぎ再石灰化を促す。
ミュータンス菌の餌とならないため虫歯の原因にならず、虫歯の発生や進行を防ぐ。
3

母親はミュータンス菌を赤ちゃんに感染させてはいけません!

ミュータンス菌を多く保有した母親から子供へのミュータンス菌の感染は極めて高い。
母親から子供へのミュータンス菌の感染を防ぐ

2歳までにミュータンス菌の感染が赤ちゃんにあると、その後の虫歯発生比率が高まります。

母親こそキシリトールガムを噛め

ミュータンス菌を大量に保有している母親からは子供へのミュータンス菌の感染が起こりやすいことがわかっています。

母親がキシリトールガムを噛むことで、子供へのミュータンス菌の感染が低下します。

その他、母親から赤ちゃんへのミュータンス菌の感染を防ぐ方法としてグルコン酸クロルヘキシジンを使った3DS法フッ素リカルデントなどがあります。


4

ミュータンス菌は砂糖が大好き!

ミュータンス菌は砂糖が大好物 不溶性グルカンと酸を作る
ミュータンス菌は砂糖が大好物

ミュータンス菌は、砂糖を餌とすると虫歯の核となる不溶性グルカンを作る。そして、エナメル質を脱灰(虫歯にすること) するpH5.5以下の酸を作り続けます。

不溶性グルカン

ミュータンス菌が砂糖(ショ糖)を餌とした場合、ジーターゼと呼ばれる酵素を出し、不溶性グルカンと呼ばれるプラーク(歯垢)の柱になるものを作ります。

不溶性グルカンは水に溶けず、プラーク内部で作られた酸が外へ出るのを妨げ、その部位での酸性度が高まります。

pHが5.4以下になると歯のエナメル質が溶け出し虫歯が出来始めます。


5

キシリトールの利用法

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キシリトールガムの中に含まれるキシリトールの含有量と含有率

キシリトールガムのキシリトールの含有比率

市販品-ガム一粒

含有率 含有量
約50% 0.5g

歯科医院-ガム一粒

含有率 含有量
100% 1g

キシリトール100%が理想的

キシリトール含有量は最低でも50%、できれば100%のものを選ぶのが理想です。

キシリトールガムの選び方の注意点としては、成分表にあるキシリトールの量と炭水化物の量に気をつけます。

※ 含有率=キシリトールの量÷炭水化物の量

成分表にキシリトール 27.7g、炭水化物27.7gと記載されていればキシリトール100%ということになります。また、キシリトール13.8g、炭水化物27.7gだとキシリトールは50%です。

5-2

キシリトールガムの食べ方

キシリトールの一日の食べる量

食べる量

キシリトールは食品なので原則上限はありませんが、1日約20gを超えるとお腹が緩くなることがあります。

※ ミュータンス菌に強く感染している方は、お腹が緩まない範囲で下記の量を増やしても構いません。

ミュータンス菌の感染程度を調べる方法に唾液検査があります。


市販の50%のキシリトールの場合

1回二粒を7回で食べます。一日の総量0.5g×2×7=7g。

歯科医院の100%のキシリトールの場合

1回一粒を7回で食べます。一日の総量1.0g×1×7=7g。

キシリトールを噛む時間

1回5分~10分が目安です。長く噛むと唾液が沢山分泌し、歯の再石灰化にもつながります。

5-3

キシリトール入り歯磨き粉の使用

キシリトール入り歯磨き粉の使用

歯磨き粉の虫歯予防目的のための活用

パッケージの成分表示にキシリトールと書かれた商品を選択して購入しましょう。

キシリトールガムほどの虫歯予防効果は期待出来ませんが、毎日行う歯磨きの中にキシリトールを取り入れることは有効です。

歯磨き粉の主要目的
① 歯の表面に出来た最初の沈着物(ペリクル)の除去。
② 歯垢の除去。
歯石の除去。(強固に着いた歯石は除去出来ません)
④ タバコなどの沈着物(ステイン)の除去。

6

砂糖をすべてキシリトールに置き換えるの?
という疑問

砂糖をすべてキシリトールに置き換える必要はあるのか?
砂糖をすべてキシリトールに置き換える必要はあるのか?

砂糖をすべてキシリトールに置き換える必要はありません。

しかし、歯ブラシを余りしない人は歯垢が古くなり、ミュータンス菌を多く含んだバイオフィルムが形成されます。そうなると、虫歯の進行は加速度的に進んでしまいます。

つまり、虫歯予防には砂糖の摂取制限が必須となります。


依存性の高い砂糖

いくらキシリトールガムを噛んでも、日常生活で頻繁にしかも大量に砂糖や砂糖の入った食品を摂取しているような食生活では虫歯を発生させてしまいます。キシリトールの本場フィンランドでも、虫歯予防の基本はフッ素の応用とバイオフィルム除去、プラークコントロールです。キシリトールは「名わき役」なのです。

砂糖は麻薬と同じように依存性が強く健康にとってマイナスに作用する食べ物です。

砂糖は炭水化物の中でもGI値が最も高く、血糖値の急激な上昇を起こす糖尿病や肥満になり易いといった負の側面を持ちます。

そして、急激な血糖上昇は血管内皮細胞を傷つけてグルコーススパイク動脈硬化の引き金になります。動脈硬化が重症化すると脳梗塞、心筋梗塞など生命に関わる疾患を起こしかねません。

できることなら砂糖は一切口にしない生活が望ましいのですが、砂糖をオリゴ糖や希少糖などに置き換えるのも一方です。


7

歯磨き粉や含嗽剤の選択

歯磨き粉は目的別に配合成分を見て選ぼう

人それぞれ口腔内の環境が違います。目的別に歯磨き粉を選択しましょう。例えば、歯周病、虫歯、歯石が沈着しやすい、口臭がひどい、歯を白くしたい、タバコのヤニを取るなどです。

用途別配合成分

虫歯 次亜塩素酸、とキシリトール、フッ素
歯周病 次亜塩素酸
口臭 次亜塩素酸
歯を白くしたい ポリリン酸
タバコのヤニ 研磨剤
歯石や歯垢を付きにくくしたい ポリリン酸
8

キシリトールのTips

キシリトールは白樺やトウモロコシから作られる
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キシリトールは白樺やトウモロコシから作られる

キシリトールは、トウモロコシや白樺などの樹木から抽出された成分を原料とする天然素材甘味料です。

キシリトールをガムとして噛むことにより唾液の分泌が促され、唾液の清浄作用・緩衝能(お口の 中の酸性度を中和する力)が高まります。

唾液が多いほど唾液に含まれるリンやカルシウムも多くなり、それらがエナメル質の表面に戻る「再石灰化」の働きも強まります。 その結果、歯が強くなります。

キシリトールの高い安全性
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キシリトールの高い安全性

● 砂糖に近い甘さで、カロリーは砂糖の3/4です(3Kcal/g)です。

● 溶解時に熱を奪う効果があるため、ヒヤッとした清涼感が口の中に広がります。

● 砂糖に近い甘さで、カロリーは砂糖の3/4です(3Kcal/g)です。

● 血糖値を上げないので、糖尿病の医療品として昔から使われています。

● イチゴ、ほうれん草、カリフラワー、プラムなどの野菜や果物にも含まれ、私たちの肝臓でも毎日作られています。しかし、野菜や果物に入っているキシリトールは微量なため工業的に作られています。

● WHO(世界保健機構)が摂取量制限を指定していません。

キシリトールはお腹が緩くなる
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キシリトールはお腹が緩くなることも

糖アルコールには、キシリトール、ソルビトール、マルチトールなどがありますが、取り過ぎるとお腹に不快症状をもたらすという共通の性質があります。

キシリトールの一日の摂取量の上限は20~30gと言われ、これを超えるとお腹が緩くなる人が出てきます。100%のキシリトールガムだと一粒に1gのキシリトールが含まれるので、20粒が上限と考えられます。

とは言え、個人差があるので各自試してみるしかありません。しかし、症状は一過性のものなので心配する必要はありません。

糖アルコールは小腸で消化吸収されにくいため、そのまま大腸に運ばれます。大腸は本来、水分を吸収し便を作る働きがありますが、キシリトールによってその作用が抑えられます。そのため下痢を起こしやすくなるのです。

キシリトールで虫歯の予防のご相談は

歯科医師 深沢一
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