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虫歯の基礎知識

虫歯の原因は?

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ミュータンス菌

ミュータンス菌の電子顕微鏡写真
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ミュータンス菌とは?

口腔内細菌の中でも最も強力に酸を作り、歯を脱灰(虫歯を作る)する力を持った細菌がミュータンス菌です。生後約10ヶ月~31ヶ月の期間に、乳児と接触頻度が高い保護者(主に母親)から感染します。一旦感染してしまうと、口の中からミュータンス菌を排除することが困難です。

エナメル質のツルツルな面にも砂糖を餌にネバネバのグルカンをつくり、歯にぴったりくっつくことが出来るので、歯のどこの部位でも容易に虫歯を発生させることが出来るのが特徴です。

多くの口腔内細菌は、酸性の環境下では酸を作り出す能力を失いますが、ミュータンス菌は酸性の環境でも平気で生き延び、更に酸を作り続けることが可能です。

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ミュータンス菌が強力に感染する条件は?

① 乳児と頻繁に接触する保護者の口の中に、大量のミュータンス菌が存在する。(保護者の口の中に多くの虫歯が現存する。或いは数多くの歯で虫歯の治療を経験した。)

② 感染を起こしやすい上記期間に、保護者から頻繁に子供(小児)への感染の機会がある。(口移し、同じ箸、スプーンの使用など。)

③ 同様の期間に子供(小児)が砂糖を含んだ食べ物や飲み物を多く摂取する。

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ミュータンス菌が感染するとなぜ減らせないの?

乳児の時期に口の中に大量のミュータンス菌が感染すると、歯磨きをしたくらいでは、菌量を減らす事は出来ません。
ミュータンス菌は砂糖を餌にネバネバのグルカを作ります。また、ミュータンス菌の表面には螺旋状の突起物があり、それが歯の表面にねじ込むようにして、歯に張り付いてしまうのです。
ミュータンス菌や歯周病菌などの細菌が集合体を作り歯の表面に形成された膜をバイオフィルムといいます。バイオフィルムの状態になると更に菌力は増して行きます。

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ラクトバチラス菌

ラクトバチラス菌の電子顕微鏡写真
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ラクトバチルス菌とは?

ミュータンス菌と同様、強い酸を作り出すのがラクトバチラス菌です。 ラクトバチラス菌は、酸素の有無に関係なく生存できるため、酸素の少ない深い虫歯の中にも生息し、酸を作り更に深い部分へと虫歯を拡大させていきます。

また、ラクトバチラス菌は自然界に広く分布しており、人間の体ではお口の中・腸管などに常在しています。

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ラクトバチラス菌はコントロールが可能です!

ラクトバチラス菌はエナメル質の様なツルツルな場所には生息出来ません。ラクトバチラス菌が生息できる場所は、ミュータンス菌によって作られた虫歯の部分や奥歯の歯の溝、詰め物や被せ物の適合が悪く隙間が空いている場所など、何かの引っ掛かりがなければなりません。

逆に言うとラクトバチルス菌の上記の様な性質は、虫歯があれば完全に治療を済ませること、詰め物や被せ物が完璧にフィットした治療であること、歯ブラシを適切に行うこと、歯科医院での定期的な口腔ケアを実地することなどでラクトバチラス菌を口腔内からほぼ完全に排除することが可能ということも出来ます。

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口腔内細菌によるバイオフィルムの形成

歯垢

「歯垢」は、バイオフィルムと呼ばれる生きた微生物の皮膜

古い歯垢になればなるほど悪玉菌(歯周病菌、ミュータンス菌、ラクトバチラス菌)主体のバイオフィルムになっていきます。古い歯垢ほど毒性が強く、虫歯や歯肉炎・歯周病などの炎症を起こしやすくなります。

新しい歯垢(新しいプラーク)
新しい歯垢

2~3日歯磨きをしないだけで白っぽいプラーク(新しい歯垢)が出来てしまいます。

古い歯垢(古いプラーク)
古い歯垢

大臼歯の金属冠にべっとりと付着した古い歯垢(プラーク)。相当長い期間ブラッシングが出来ていないことを示しています。

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バイオフィルムの形成過程

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エナメル質にペリクルが付着

バイオフィルムが出来る過程の模式図

エナメル質の表面に唾液由来のペリクルが付着します。ペリクルは、粘性が高い唾液由来の糖たんぱく質(アミノ酸は、グリシン、セリン、グルタミン酸など。 タンパク質はアミラーゼ、リゾチーム、IgAなど)で、厚さは0.1~1μm前後の被膜と言えます。粘性が高いので細菌や食べカスなどを吸着しやすい性質を持っています。ブラッシングをしても数分で再付着してしまうものです。

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ペリクルに善玉菌が付着

ペリクルに善玉菌が付着するの模式図

ペリクルに唾液成分に親和性のある善玉菌(S.sunguinis(旧称S.sunguis)、S.alivarius、S.oraris、S. mitis、S.gordoniiといったグラム陽性レンサ球菌群や乳酸菌)が付着しコロニーを形成し、増殖して健全な歯垢を形成します。ここまでの歯垢形成過程で、適切にクリーニング(歯磨き)が成されれば歯周病菌などの悪玉菌(後期付着菌)群が定着することなく、健康は保たれると考えられます。この間約3ヶ月で、健全なサイクルを維持するためにも歯科医院での口腔ケアは欠かせないと言えます。

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善玉菌の上に歯周病菌などの悪玉菌が結合

善玉菌の上に歯周病菌などの悪玉菌が結合する模式図

エナメル質の表面に付着した初期定着新菌群(善玉菌)の上に歯周病菌などの後期定着菌群(悪玉菌)が結合します。

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悪玉菌群がバイオフィルムで覆われる

悪玉菌群がバイオフィルムで覆われる模式図

バイオフィルム内は悪玉菌(グラム陰性桿菌)や内毒素=LPS(lipopolysaccharide,リポ多糖)などで満たされ、毒性は強化されて口腔内へ放出されます。
歯周ポケット内部のバイオフィルムでは毛細血管を介して動脈内に入り、動脈硬化・アテローム性プラークの形成に関与していることが分かっています。
バイオフィルムの状態では、市販のうがい薬などを使うと、バイオフィルム表面の脂肪酸などの蛋白変性をさせるだけで、かえって内部の細菌との接触を困難にさせます。

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歯石の形成

歯石の形成の模式図

磨き残しのある所には大量のプラーク(古い歯垢)があり、唾液中のカルシウムやリン酸を取り組み、石灰化を起こしていきます。これが歯石です。 時間の経過とともに歯石は石灰化が進み、固さを増していきます。同時に歯面や歯の根っこに強固に付着して、歯ブラシでは除去出来ないようになります。
歯石が多く付きやすい場所は、下の前歯の裏側と上の奥歯の外側です。これはともに大唾液腺が開口する所にあたり、常に大量のカルシウムやリン酸が供給されている所だからです。

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サリバテスト

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サリバテスト(唾液検査)でミュータンス菌やラクトバチラス菌の数を判定

サリバテスト(唾液検査)とは

唾液中のミュータンス菌やラクトバチラス菌の数、唾液の緩衝能、量や質など様々な働きを調べることです。唾液は、虫歯や歯周病からお口の健康を守っています。唾液を検査することで、虫歯になり易さが判ります。

唾液の緩衝能
唾液の緩衝能とは食事によって酸性に傾いたPHを中性に戻す働きです。

唾液の量と質
唾液は量が多いほど良く、質は「さらさら唾液」と「ネバナバ唾液」に分類されますが、「さらさら唾液」の方が自浄作用が高いため良いとされています。

サリバテストを受ける時の注意

 ●検査を受ける前1時間は、飲食や喫煙、歯磨きは避けてください。
 ●アルコールを含んだ洗口液でのうがいは、検査12時間前より控えてください。
 ●運動すると唾液の分泌量が減りますので検査前の運動は避けてください。
 ●他の疾患のためにお薬を飲んでいる方は、スタッフにお申し出ください。

ミュータンス菌やラクトバチラス菌の数を判定するリバテスト
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サリバテストによりカリエスリスクの判定

カリエスリスクチェックとは

虫歯の発症と進行についての研究が進み、虫歯にかかる危険度(カリエスリスク)には個人差があることが判りました。リスクを判定することで、一人一人に適した虫歯の対策を立てることができるのです。

カリエスレーダーチャート

カリエスレーダーチャート

左図は、カリエスリスクの「レーダーチャート」です。 虫歯になる条件や虫歯を防ぐ抵抗力などを、サリバテスト(唾液検査)によって調べます。また、食事回数や食習慣、予防のためのフッ素利用などは簡単なアンケートでチェックします。虫歯になりやすいか否かの判定は、これらのアンケートと唾液検査の結果を総合して行います。



カリエスレーダーチャートの評価項目

① 唾液の緩衝能
② ミュータンス菌の数
③ ラクトバチラス菌の数 ④ 飲食の回数
⑤ プラークの蓄積量
⑥ フッ素の使用状況
◎ 虫歯の経験(DMFT)
⑦ 唾液の量と質

緑色で描かれた面積が大きいほどカリエスリスクは低いと言えます。

う蝕関連菌の検査は株式会社BML

食事の回数と虫歯との関係

食事の回数と虫歯との関係

お口の中は食事によって急激に酸性化し、歯の表面からカルシウムやリンが溶け出します。しかし、30~40分経過すると、唾液の力によって酸が中和され、唾液中のカルシウムやリンが歯の表面に戻ります。食事を度々すれば、お口の中は酸性になっている時間が長くなり、虫歯が発症しやすくなります。

PHが約5.7の臨界PHを下回れば歯質からカルシュウムやリン酸が溶け出します。

バイオフィルムのリセット

歯科衛生士による口腔クレンジング

歯科衛生士が専門的な機械を使って、歯磨きなどでは取りにくい古い歯垢(バイオフィルム)を徹底的に除去する方法です。機械的にバイオフィルムを極限まで減量し、浮遊細菌やマイクロコロニーの状態にすることが目的です。つまり、細菌同士が手と手を結び合ったバイオフィルムの状態から細菌をバラバラにすることによって、菌力をほぼ無くすことが出来るわけです。

歯科衛生士による口腔クレンジングは、虫歯及び歯周病の予防に大変効果的です。

その代表的なものにPMTC、エアフロー、ポケットディプラーキングなどがあります。

※ バイオフィルムのリセットについての研究は花田信弘教授の鶴見大学歯学部探索歯学講座をご覧ください。

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PMTC

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PMTCとは

歯科医師、歯科衛生士によって、歯面に付着した歯垢、歯石を機械的に除去することをPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)といいます。痛みもなく、術後の爽快感が得られるPMTCは、歯科医院で行うプラークコントロールの中核をなすものです。

予防先進国のアメリカや北欧諸国では、大半の人が定期的に「PMTC」を受けており、虫歯の罹患率や歯の喪失数が日本と比べて圧倒的に少なく済んでいます。

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PMTCは、こんな人にお薦めです

① 歯周病(歯槽膿漏)や歯肉炎など歯周疾患の予防や改善。歯周治療が終わりメンテナンスに入ってからの実施が有効です。

② 矯正治療を行っている人。矯正治療中は歯に器具が装着されているため、磨き残しが多く見られます。そのため、初期の虫歯の発生や歯肉炎が発症しているケースも決して珍しくありません。

③ 歯に被せ物やブリッチなどが入っている方。人工物が入ると、歯ブラシが届きにくい場所が多くなり、プラークコントロールが十分に行えなくなります。

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PMTCを受ける間隔

歯周病の治療が完了した後のメンテナンス(PMTCやエアーフロー) の実施間隔をどの程度にしたらいいのかというのは気になるところです。

歯周病の場合、歯石除去との関連性もあります。 PMTCの回数が増えれば歯石の沈着するスピードが遅れます。 PMTC の本来の目的はプラーク(歯垢)を完全に除去することです。そういう意味では3ヶ月に1回がちょうど良いくらいでしょうが、歯石の沈着を防止するという視点から見ると、もう少し間隔を狭めても良いかもしれません。

虫歯予防の観点からは、古い歯垢を新しい歯垢にリセットする目的からすると3~4ヶ月間隔が妥当ではないでしょうか。 何れにしても個人差がありますから、歯科医師とよく相談して決めると良いでしょう。

 PMTCの虫歯に対する効果
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PMTCの虫歯に対する効果

ミュータンス菌の感染を強く受けた人の歯面にはミュータンス菌を中心とした数多くの口腔内細菌の集合体(バイオフィルム)が形成されます。これは膜状になり、エナメル質表面に強固に結合します。通常、我々が歯ブラシをしても、このバイオフィルムを除去するまでには至っていません。バイオフィルムの上に形成された歯垢(プラーク) を除去しているに過ぎません。PMTCは、この強固に付着したバイオフィルムをはぎ取り、ミュータンス菌の活動を抑えることが出来るのです。

PMTCの歯周病に対する効果
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PMTCの歯周病に対する効果

歯周病の治療が完了しても、所々に歯周ポケットの深い箇所が残る場合があります。そんな時はメンテナンスに入ってからPMTCを行うことが効果的です。

PMTCは主に歯肉縁上のバイオフィルムバイオの抑制に効果的ですが、 某大学の研究によると、 PMTCを行う事で歯周ポケット内の細菌の量が約10分の1に低下しているとの結果を得ています。

PMTCは歯周ポケット内深くまで器具を挿入して行うものではありません。にもかかわらず歯周ポケット内の細菌量が低下しているというのは注目すべきことです。

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PMTCの施術、微生物の皮膜であるバイオフィルムを除去

PMTC歯の間を清掃
歯の間をPMTC
  • ・先端の尖った円錐状のブラシで歯の間を清掃します。研磨用ペーストを歯面に塗布し、ブラシを回転させながらバイオフィルムの除去を行っている所です。
スカート状のブラシでPMTC
スカート状のブラシでPMTC
  • ・歯面のバイオフィルムの除去にはスカート状の細い毛が束になったブラシを使用します。
PMTCのキッド
PMTCのキッド
  • ・各種形状の違ったブラシがあり、清掃する場所によって選択し、左の機器に装着します。用途に合わせた研磨剤を選択します。
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エアーフロー(歯面清掃器)

エアーフローは、スケーラーによる歯石除去やPMTCなどでは除去出来ない歯肉縁下やアンダーカットに付着したバイオフィルムが対象です。歯周病の直接的な原因になる「プラーク・バイオフィルム」を取り除く治療のことをデブライドメントと呼んでいます。スケーラーやPMTCで清掃製造しても必ず非接触箇所が生じ、点状・線状に残存してしまいます。

歯面清掃機はアミノ酸のグリシンをパウダーとして使用し、バイオフィルムを短時間で徹底的に吹き飛ばし、その除去効率は絶大です。グリシンは体内で作られている非必須アミノ酸ですから生体にとって全く為害作用はありません。また、歯肉に当たっても出血する事はありません。

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エアフローの機器と施術

エアフローマスター
エアフローマスター
  • ・歯周ポケットやインプラントのメンテナンスに使用するハンドピースと歯肉縁上の歯面清掃に使うハンドピースの2種類が用意されています。
エアフローパウダー
エアフローパウダー
  • ・エアフローパウダーにはアミノ酸の一種であるグリシンを主成分としたもの、炭酸水素ナトリウム(重曹)を主成分賭したもの、糖アルコールの一種であるエリトリトールを主成分とした3種類があり、各種用途に合わせて使用します。
エアフローパウダー噴射
エアフローパウダー噴射
  • ・エアフローパウダー(グリシン)で歯面清掃をしています。歯周ポケット内に向けて噴射すれば歯周病の治療にも大きな効果が期待出来ます。
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エアフローの術前と術後

エアフローの術前
エアフローの術前 ⇒

磨きにくい場所にはタバコのヤニが茶渋などが顕著に付着しています。同時に歯間には目に見えないバイオフィルムが形成されています。

エアフローの術後
エアフローの術後

エアフローの目的は歯間などのブラッシングしづらい場所に残存するバイオフィルムを徹底的に破壊・除去することです。

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エアフローマスター・ペリオフローの説明動画

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ポケットディプラーキング

歯周ポケット内のバイオフィルム破壊し、除去することをポケットディプラーキングといます。歯周病の治療に有効な方法で、歯周プローブと同一の直線的な形状をしたチップにより、効率よく清掃してくれます。歯肉溝(歯周ポケット)に付着した(石灰化しかかっている)比較的硬いバイオフィルムに対応します。ディプラーキングのメインメニューと言えます。主要器具はスプラソンP-MAX2を使用します。前述のエアフローは、歯周ポケット内の比較的柔らかいバイオフィルムに対応する装置です。

ポケットディプラーキングを行うことで間接的に虫歯の予防にも繋がっています。

スプラソンP-MAX2
スプラソンP-MAX2
  • ・直線的な形状のチップを使用します。
  • ・チップに負荷を与えなくても(チップを歯面や根面に押さえつける) 指定されたパワー(振幅とトルク)が出るので歯根を傷つける事がなく、痛みも最小限度に抑えることが出来ます。
スプラソンP-MAX2の使用例
スプラソンP-MAX2の使用例
  • ・深さ5ミリほどの歯周ポケット内のバイオフィルムを破壊・除去していところです。
  • ・定期的にバイオフィルムのリセットを行っている患者さんなので歯肉の炎症は十分にコントロールされています。
上写真のレントゲン写真
上写真のレントゲン
  • ・レントゲンで見ると第2小臼歯の手前側の骨が著しく溶けているのがわかります。
    (レントゲン写真の上からプローブを当てて比較した写真)


歯の構造を知ろう

軽度歯周病(歯肉炎)の模式図

歯の構造

エナメル質・enamel

・歯の表層の白い部分で人間の体で一番硬い組織です。虫歯に対して抵抗性があり、簡単には虫歯になりません。また、小さな虫歯が出来ても急激な進行はしません。

・エナメル質には神経は来ていないので、知覚は無く、冷たい物や熱いものにしみたりはしません。

象牙質・dentin

・エナメル質の内側にある組織です。歯冠(外から見える部分)の部分はエナメル質に覆われ、根(骨の中に入っている部分)の部分はセメント質に覆われています。象牙細管という細い管状の構造が歯髄から象牙質に向かって並んだ構造です。

・歯髄から象牙細管の中に神経が入り、エナメル質近くまで届いているため感覚を感じます。麻酔をせずに象牙質を削ると痛みを感じます。

・象牙質はエナメル質に比べ柔らかく、この部分まで虫歯菌が進行すると急速に虫歯は拡大していきます。

歯髄・dental pulp

・一般的に神経と呼ばれているところで、実際には神経と血管、リンパ管などで作られています。虫歯菌が歯髄に侵入すると、冷たいもの、熱いものに凍みだします。歯髄は象牙質に栄養を運んでいるので、もし、神経を取ってしまえば、歯はもろくなり、歯の寿命は短くなります。出来るだけ神経を取らない処置が必要です。

・最近ではドックベストセメントという治療法で神経を取らなくてもすむケースが増えています。

根管・root canal

・神経が入っている根の部分を根管と言います。通常、歯根の治療(神経を取る)というのはこの部分の治療をすることをさします。根管は、奥歯になるほど複雑に走行しているため、治療が困難なケースがしばしば存在します。特に根管治療が難しいのは第二大臼歯です。

セメント質・cementum

・歯根部の象牙質の周りにある暑さ20~150μmと薄い組織で、そこからシャーピー繊維という靭帯のようなものが伸びだし、歯槽骨(固有歯槽骨)の中に入り込んでいます。歯の根は歯槽骨につるされている状態になっています。

・条件によりますがセメント質は破壊されても再生することが出来る組織です。

歯根膜・periodontium

・セメント質と歯槽骨(固有歯槽骨)の間をシャーピー繊維という靭帯のようなものでつなげている組織です。厚さは0.25mmくらいで、歯にかかる衝撃を受け止めるクッションの役割を果たしています。

・歯周病が進行すると歯根を支えている歯槽骨が破壊されるばかりではなく、歯根膜も喪失することで歯のグラグラが始まります。

歯槽骨・alveolar bone

・歯の根を支えている骨を指します。歯周病にかかると、この骨が溶けてしまい動揺が起こります。歯周病は自覚症状があまりなく、気が付かないうちに進行してしまいます。グラグラしてきたり、噛んで痛い、歯茎が腫れたという症状が出るとかなり歯周病は進行していると考えられます。

・虫歯が歯槽骨近くまで進行すると、その歯を残す事はほぼ不可能になります。

歯肉溝・gingival sulcus

・歯周ポケットとも言います。歯肉が歯と接するところに深さ約0.5~2mmの溝があります。それを歯肉溝あるいは、生理的歯周ポケットと呼びます。プラーク(細菌の塊)が停滞しやすく、きちっとした歯磨きをしないとプラークや歯石が増殖し歯肉炎を起こします。更に症状が進行すると歯肉溝は次第に深くなり、歯周組織の破壊を伴う歯周病へと進行していきます。

歯肉・gingiva

・歯槽骨を覆っている粘膜で、引っ張ったりしても動かないところを付着歯肉といい、動くところを可動粘膜と呼んでいます。歯と歯の隙間を覆っているところを歯冠乳頭と呼んでいます。

・タバコを多く吸っている方は、歯肉が紫がかり、肥厚している様に見えます。これは歯肉が繊維化を起こした状態で、毛細血管が著しく減少します。このことは歯周病菌を退治する白血球の減少を起こすため、歯周病の増悪に繋がると考えられています。

虫歯の進行と症状

軽度歯周病(歯肉炎)の口腔内写真

虫歯の進行動画

左の動画は虫歯が大臼歯の溝からエナメル質、象牙質と進んで歯髄に達し、細菌感染を起こした根管を伝わって細菌が骨の中まで侵入し、膿の袋を作った状態を示しています。

CO

う蝕要観察歯

エナメル質の表層のみに脱灰(虫歯)が存在するのを「C0」シー・オブザベーションといいます。「C0」のOはゼロではなく、観察を意味するオブザベーションの頭文字をとったものです。

一旦虫歯になると、絶対に治せないと思われがちですが、COの段階の場合には自然治癒することも可能です。

下の写真のように虫歯の部分は不透明で白っぽく変化してきます。あるいは褐色に変色色していることもあります。   この段階はでは削って詰め物はしません。しっかりと歯磨きを行い、キシリトール、フッ素、リカルデント等を使うことで虫歯は自然と治る可能性があるからです。(虫歯の自然治癒を再石灰化といいます。)

COの模式図
COの模式図

エナメル質の表層のみに脱灰が認められる状態です。

COの実際の症例
COの実際の症例

第1大臼歯の溝の部分に出来たCO。エナメル質の表面が僅かに茶褐色に変色しています。

C1

エナメル質う蝕

C1は、虫歯がエナメル質にとどまっている状態です。虫歯は、通常歯の表面(エナメル質)から発生します。その中でも特に起こりやすい部位は以下の3ヶ所です。①奥歯のかみ合わせの溝の部分。②歯と歯の間。③歯の付け根の部分。

C1の時点では自覚症状は出ませんが、自然治癒は望めず歯科医院での治療が必要です。

C1の模式図
C1の模式図

奥歯の溝の部分から虫歯が発生し、エナメル質内にとどまっています。

C1の症例
C1の症例

褐色の虫歯がエナメル質内に小さな溝を作っています。場所によってはCOの部分もあります。

C2

象牙質う蝕

C2は、虫歯がエナメル質を突き破って象牙質まで進んだ状態です。この状態では自覚症状はありません。

C2の模式図
C2の模式図

虫歯が象牙質まで到達していることを示しています。

C2の症例
C2の症例

この症例では歯髄近くまで虫歯が到達していますが、自覚症状はなく、部分的な詰め物(インレー)で修復可能です。

C3

歯髄炎を起こしたう蝕

象牙質に侵入した虫歯が歯髄近くまに到達すると自覚症状が出始めます。症状は段階的にステージ1 冷たいものに凍みる。ステージ2 熱いものに凍みる。ステージ3 噛むと痛い。

冷たいものに凍みるステージ1では、約80%のケースで虫歯を削りその部分に詰め物をすれば治療が終了します。概ね、一回の治療で完了します。 ステージ2の熱いものに凍みる段階になると神経の中に細菌が進入している可能性が高く、感染した神経を取り除く根管治療が必要になります。根管治療は、根管内の細菌感染の程度にも依りますが、長期間の治療が必要です。 自覚症状が出ても、神経を残すドックベストセメントを使った治療法が近年登場しています。

C3の模式図
C3の模式図

C3は、象牙質の象牙細管を伝わって細菌が歯髄まで侵入しています。

C3の症例
C3の症例

象牙質の深くまで虫歯が達し、細菌が歯髄内に侵入しています。その為、冷たい物に染みるるという自覚症状が出始めています。

C4

残根

歯冠の部分が虫歯により崩壊し、歯根だけが残った状態です。ここまで進むと、神経が死んで痛みが出ないことが普通です。条件次第ですが歯根だけになっても根管治療をして人工の歯を作れる場合があります。

しかし、下図のように歯根の先に膿みの袋ができる場合があります。もしこの状態を放置すれば歯根の中の崩壊が進み、次第にぼろぼろになります。と同時に歯茎が腫れたり強い痛みが発生します。 そうなると、歯の保存は不可能で、抜歯をすることになります。

C4の模式図
C4の模式図

虫歯により歯冠部は完全に崩壊し、歯根だけになっています。根管内は細菌に侵され、膿の袋が骨の中に作られています。

C4の症例
C4の症例

根管治療を途中で中断し、そのままにした為、虫歯が深くまで入り、保存不可能な状態になっています。仮に虫歯を除去していくと中に穴が開いてしまいます。



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