- 1. 極力抜かない・削らない・痛くない低侵襲虫歯治療
- 2. 初期虫歯COの治療法
- 2.1. 初期虫歯COの色による見分け方
- 2.2. 初期虫歯COは削らずに再石灰化に努めます
- 3. 初期虫歯COはセルフケアが重要です
- 3.1. 初期虫歯COを自力で治す方法
- 3.2. フッ素入り歯磨き粉
- 3.3. MIペースト
- 3.4. キシリトールガム100%
- 4. 虫歯C1の治療法
- 4.1. 虫歯C1の見た目
- 4.2. 虫歯C1の進行速度
- 4.3. 虫歯C1なら自然治癒も可能
- 5. 虫歯C2の低侵襲治療
- 5.1. 極力削らないC2虫歯の低侵襲治療をこころがています
- 5.2. 穴が空いていない虫歯C2の見た目
- 5.3. 穴が空いている虫歯C2の見た目
- 5.4. 虫歯C2の歯髄保護に努めています
- 5.5. 虫歯C2は自発痛は無いが進行速度が速い
- 6. 虫歯C3の治療法
- 6.1. 虫歯C3の見た目
- 6.2. 自分でできる歯髄炎の応急処置
- 7. 歯の神経を抜くデメリット
- 7.1. 歯根破折が起こり易くなる
- 7.2. フィステルができる
- 7.3. 歯根嚢胞が作られる
- 7.4. 歯根端切除術と歯根嚢胞摘出術で抜歯の回避
- 8. 虫歯C4の治療法
- 8.1. 虫歯C4 残根の見た目
- 8.2. エクストルージョン法と外科的挺出法で抜歯を回避
- 9. 虫歯を放置するとどうなる?
- 9.1. 虫歯や歯周病を10年以上放置
- 9.2. 治療後
- 9.3. 虫歯を放置する起こる病気について
- 10. 虫歯菌のミュータンス菌は要注意です
- 10.1. ミュータンス菌の殺菌温度と殺菌時間
- 10.2. ミュータンス菌の弱点
- 10.3. ミュータンス菌はどこから来てどのようにうつる?
- 10.4. 大人同士のキスで虫歯菌はうつるか?
- 11. 江戸川区篠崎で天然歯の保存にこだわった虫歯治療は当院へ
- 12. 虫歯記事一覧
- 13. 【動画】エアフロー
- 14. 筆者・院長
極力抜かない・削らない・痛くない低侵襲虫歯治療
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、虫歯にさせない虫歯予防を最優先に考え様々な方法を患者様にお伝えしています。また、仮に虫歯になったとしても天然歯の保存にこだわり、極力歯を抜かない・できるだけ削らない治療(MI)の概念で虫歯治療に取り組んでおります。ミニマル・インターベーション(MI)の導入により虫歯の再発を予防することも効率的に行うことが出来るようになっています。
初期虫歯なら削らずに自然治癒させることも可能です。また、虫歯の切削に伴う痛みの緩和にも配慮し、可能な限り患者様に精神的負担の少ない治療をご提案することに努めております。
歯磨きもしっかりやって定期的に歯科でクリーニングを受けても虫歯を止められないほどミュータンス菌が多い場合は、除菌療法(3DS)をお勧めしています。
健康な歯を傷つけない保存治療のために初期虫歯からボロボロのひどい重度虫歯まで、当院で行っている治療方法をご紹介します。
初期虫歯COの治療法
初期虫歯COの色による見分け方
初期虫歯をCO(シーオー)または要観察歯と呼び、削って詰める治療は行いません。
初期虫歯の見分け方は、まず白濁します。次に白濁した部位が黄色から茶色に着色していきます。黒い点ならばまだ大丈夫で、小さな穴が開き始めたら 虫歯C1の可能性があります。
白く変色した初期虫歯CO
上顎の複数歯にわたって歯の根元付近が白く変色しています。これは初期虫歯COで削って詰めることはなく、再石灰化を促進する処置を行います。
白濁がやや強くなり黄色から茶色に変色
白濁の程度が強くなっています。これは脱灰が進んだ証拠で、 C1の虫歯に近づいています。 所々白濁した部位(青矢印)に色素が沈着して黄色から茶色に変色しています。
この症例では、まずは再石灰化を促進する処置を行いますが、再石灰化が不十分となる場合には削って詰めることもあります。
初期虫歯COは削らずに再石灰化に努めます
当院における初期虫歯COの処置は削って詰める治療ではなく、再石灰化により自然治癒を促進する処置を行います。以下に処置法を説明いたします。
Method
虫歯の進行度の検査
ダイアグノデントペンは低出力の半導体レーザーを初期虫歯に照射して蛍光反射を測定し、虫歯の進行度を数値化する光学式う蝕検出装置です。
ダイアグノデントペンの測定結果が00〜12の場合、初期虫歯COと判定します。
Method
フッ素塗布
フッ素塗布により初期虫歯の再石灰化を促進させます。毎月行うのが効果的です。当院は「か強診」認定歯科医院の為、保険診療で毎月フッ素塗布が可能です。
江戸川区在住の方は無料で行うことが出来ます。
Method
歯磨き指導(TBI)
歯科衛生士が歯垢染め出し液を使って磨き残しをチェックします。 個々の年齢や状態によりスクラッピング法、バス法、つまようじ法、フォーンズ法の中から最適な歯磨き法を指導をいたします。
Method
歯のクリーニング
歯のクリーニングによって、虫歯菌の塊である頑固なバイオフィルムを破壊し、症状の悪化を防止します。当院ではエアフローという器具を使っています。
初期虫歯COはセルフケアが重要です
初期虫歯COを自力で治す方法
- 基本はプラークコントロール
- 初期虫歯COを自力で治すための基本はプラークコントロールです。 歯垢を残さないようにしっかりと歯磨きがなされなければ、再石灰化は起こりません。
磨き残しがないか歯垢染め出し液を使って確かめてください。次に正しい歯磨きの仕方を学習し実践することが重要です。
- 再石灰化を促進するフッ素入り歯磨き粉、MIペースト、キシリトールガム
- 完全に歯垢を除去したらフッ素入り歯磨き粉、MIペースト、キシリトールガムなどを使って再石灰化を促進させます。
つまり、初期虫歯を自然治癒させるということですね。
フッ素入り歯磨き粉
チェックアップスタンダード
虫歯COは、エナメル質が酸によって溶け出し石灰化が不十分になり白く見える現象です。
15歳以上になったらフッ素濃度1450ppmの歯磨き粉をお勧めします。
ここでは虫歯予防という視点からチェックアップスタンダードを取り上げましたが、知覚過敏防止用や歯のホワイトニングを目的にした歯磨き粉もあります。 各自ニーズに合わせて使用してみると良いでしょう。
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MIペースト
キシリトールガム100%
キシリトールの歯の再石灰化効果
キシリトールは歯を再石灰化させる効果と虫歯菌の中でも最も問題の大きいミュータンス菌を減少させる力を持っています。
キシリトールを効率よく摂取するにはキシリトールガム100%が最も効果的です。キシリトールを含む商品には歯磨き粉もありますが、 その濃度は低すぎるため大きな効果は期待できません。
キシリトールガム100%以外にも50%含有のものも販売されていますが、あまりお勧めできません。
100%のキシリトールガムなら1日5粒を目安に噛みます。一粒ずつ時間を分けて噛んでください。
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虫歯C1の治療法
虫歯C1の治療法は虫歯COとほぼ同じです。また、セルフケアが重要であることも変わりありません。
虫歯C1の見た目
C1の虫歯では多くのケースで茶色であったものが次第に黒くなります。
また、小さな穴が開き始めます。注意しなければいけないのは小さな穴と思っていても実は中で大きくなっている場合があります。この時はC2になってしまっています。
虫歯C1の見た目 症例1
矢印で示した3本の歯にC1が認められます。 黒く変色し小さな穴も見られます。
また2本の歯にC2があります。写真では分かりづらいですが、よく見ると穴の深さに違いがあるのがわかります。
虫歯C1の見た目 症例2
インレーの形成時、隣の歯( 下顎第二小臼歯)の歯の間にC1が認められました。
通常は外から見ても確認できない場所にC1の虫歯ができています。
虫歯C1の進行速度
虫歯C1が虫歯C2への進行速度
適切な生活習慣があればC1の虫歯の状態であれば、一生虫歯C2になることはない可能性もあります。
つまり、虫歯のC1からC2になる虫歯の進行速度は個人差が大きいということができます。
虫歯の進行速度を左右する条件
- フッ素使用の有無
- ミュータンス菌(虫歯菌)の感染の有無
- プラークコントロール(歯磨きの状態)
- キシリトールの使用の有無
- MIペーストの使用の有無
- その他の要件(ラクトバチラス菌の感染、唾液の性状(量と質)、食事の回数、歯並びの状態、口呼吸)
虫歯C1なら自然治癒も可能
削る?
虫歯C1なら削らない?
象牙質近くまで進行した虫歯C1( あと少しでC2の虫歯になる) であれば、再石灰化を促して自然治癒させることはできないかもしれませんが、初期のC1の虫歯であれば自分で再石灰化させ自然治癒することも可能です。
自力
虫歯C1を自然治癒
前述した「初期虫歯COを自力で治す方法」と全く同じです。注意点として虫歯がC2に進行しているようなら自然治癒しないので歯医者を受診してください。虫歯の進行がCO、C1、C2のどれにあたるか自分で正確に診断することは難しいので、まずは歯科で確定診断をしてから自然治癒を目指して下さい。
虫歯C1は削って詰めるか再石灰化し自力で治す?についての詳細は↓をクリック。
虫歯C2の低侵襲治療
虫歯C2は削って詰める必要があります。当院では可能な限り削らないミニマル・インターベーション(MI)の概念のもと、虫歯部分だけを最小限に除去して健全な歯質を可能な限り温存し、歯と同じ色調の高分子化合物(コンポジットレジンなど)で修復する方法を取っています。1回で治療が終わり、高額の費用もかかりません。フッ素含有の材質も開発され虫歯予防効果が高まっています。また、虫歯C2は神経が通っているため削ると痛みが起こります。そこで可能な限り痛みの少ない治療に配慮しています。
極力削らないC2虫歯の低侵襲治療をこころがています
Method
拡大鏡精密治療
拡大鏡を用いることで、虫歯部分を数倍に拡大する事によって、健全歯質と感染歯質の境界を目視でき削り残しや削り過ぎを防止できます。虫歯の見落としも防げるため二次カリエスのリスクが格段に下がります。また早期発見、早期治療によって虫歯を小さい時から処置できます。
Method
スプーンエキスカベーターを使用
当院では、虫歯部分を健全歯質近くまではドリルで削りますが、健康な歯質を保存するため最終仕上げはスプーンエキスカベーターという手動の切削器具を使用し精密な処置を心がけております。
Method
ダイレクトボンディングで修復
虫歯の大きさや形態にもよりますが、歯を削った部分の詰め物にはダイレクトボンディング(コンポジットレジン)による直接修復を心がけています。ダイレクトボンディングは、歯の切削範囲を最小限に抑えることができます。また、歯型取りを行い技工士が作成する工程が必要ないため、当日に治療が完了することも特徴です。
※大臼歯や小臼歯の隣接面には適応できないことがあります。
穴が空いていない虫歯C2の見た目
穴が空いていない虫歯C2 症例1
上顎1番の2本にC2の虫歯が認められます。穴を直接見ることはできませんが、歯の間から小さな穴が出来ていると思われます。 エナメル質を通して象牙質が黒くなっているのが透けて見えています。
また、多くの歯に初期虫歯COも見られます。
治療法
治療はダイレクトボンディング(コンポジットレジン)充填します。 保険適用です。
穴が空いていない虫歯C2 症例2
下顎の5番と6番の歯の間からC2の虫歯ができています。
治療法
治療は手前の第二小臼歯はダイレクトボンディング(コンポジットレジン)で充填できますが、第一大臼歯はメタルインレーを一旦除去し、さらに大きなメタルインレーにします。
審美性の高い白い歯で作る場合には、保険適用のCRインレーか保険適用外のセラミックインレーで作ります。
穴が空いている虫歯C2の見た目
穴が空いている虫歯C2 症例1
上顎の3番と4番の歯の間からできたC2の虫歯です。2本とも大きな穴が開いています。このように穴が開けば自分自身でも虫歯であることは、はっきりしますね。
治療法
3番はダイレクトボンディング(コンポジットレジン)で充填しますが、4番は保険適用の治療ならメタルインレーか CR インレーです。強度が強いセラミックインレーなら保険適用外です。
穴が空いている虫歯C2 症例2
上顎の1番と2番の歯の間からできたC2の虫歯です。前歯なので鏡で見れば穴が開いているのがはっきり見れますね。
治療法
保険適用のダイレクトボンディング(コンポジットレジン)で充填します。
虫歯C2の歯髄保護に努めています
歯髄近くまで進行したC2の虫歯では、歯髄(神経)を保護する処置が必要になります。ただ単に詰め物をしただけでは、術後冷たいものや熱いものに凍みてしまう可能性があります。そのため特殊な材料(MTAセメント)を使い歯髄を保護する処置を行います。
Method
MTAセメント
MTAセメントは殺菌効果の高いので象牙細管に残った細菌を死滅させる効果があります。MTAセメントで神経を保護する覆髄処置を実施し、神経の保存を試みます。
しかし、治療前に熱いもの・冷たいものに強く凍みていた場合はMTAセメントを使っても神経を残すことができない可能性があります。
治療後、咬合痛や自発痛が生じた場合は神経を取る必要があります。
インレーを外すと中に深い虫歯C2
黒く変色した虫歯を削っていくと歯髄(神経)近くまで到達しました。
歯髄保護
画像のようにC2の深い虫歯は特殊な材料を使って歯髄保護を行います。形態を整えてから型取りを行います。
虫歯C2は自発痛は無いが進行速度が速い
虫歯C2が虫歯C3への進行速度
象牙質まで入った虫歯C2は自然治癒しません。また、進行速度はエナメル質の虫歯 COやC1に比べると遥かに速い特徴を持っています。
様々な条件により進行スピードは異なるので一概に何ヶ月とか何年と断定できませんが、冷たいものに凍み出したら歯髄まであと少しです。
虫歯C3の治療法
虫歯C3は神経まで虫歯が到達しているため抜髄(神経を抜く根管治療)が必要です。当院では拡大鏡を使った精密な根管治療に努めています。また、根管治療最後に行う処置の根管充填(薬剤で根管内を密閉する)の際には根管内を緊密に封鎖する垂直根充法を積極的に採用し、歯根嚢胞の発症を極力低減させることに努めています。
虫歯C3の見た目
- 虫歯C3の症状
- C3の虫歯になると神経に炎症が起こり歯髄炎になります。 前触れとして冷たいものに凍みる、次に熱いものに凍みるなどの症状が起こります。 歯髄炎になるとズキズキとした痛みが四六時中続きます。
歯の神経を抜く処置が必要になります。
虫歯C3 症例1
向かって左側の糸切り歯が大きく欠けています。 これはC3の虫歯です。
また、上顎一番の2本がC2の虫歯になっています。これを一ヶ月ほど放置すると痛みが出てくる可能性があります。 歯髄までギリギリの所まで虫歯が来ているということです。
虫歯C3 症例2
向かって右側の第1大臼歯に大きな穴が開いています。これはC3の虫歯です。 この状態をこのまま放置すると一か月くらいでC4の虫歯となり抜歯の必要性が出てきます。
また、左右にC4の虫歯がありますね。これらは抜歯をしなければなりません。
自分でできる歯髄炎の応急処置
正露丸を歯髄炎が起きた歯の穴に詰める
歯髄炎の応急処置として正露丸を虫歯の穴に詰めることで激痛が和らぐことがあります。
【注意】
子供に対し行う時は、乳歯の虫歯では逆に痛みが強く起こってしまうリスクがあります。
正露丸が効かない場合とは
すでに神経が死んでしまって歯髄壊死になっている場合には正露丸を詰めても効きません。
歯髄壊死の自覚症状は上下の歯を噛み合わせた時に、少し触れただけでもかなりの痛みがある場合です。
正露丸の詰め方
① 虫歯でできた穴の中を歯ブラシなどを使いできるだけ綺麗にします。
② 穴の中に正露丸を一粒ずつ詰めていきます。あまり強く詰めすぎると痛みが起こる可能性があるのでそっと行ってください。
また、詰めすぎるのも良くありません。噛んだ時に当たらないくらいがちょうど良い量です。
歯の神経を抜くデメリット
歯の神経を抜くと歯自体の柔軟性がなくなり歯根破折の危険性が高まります。また、大臼歯では根管治療が難しいため根っこの先端に膿の袋、つまり歯根嚢胞ができやすかったり、歯根嚢胞から膿が出る場所にフィステルが形成されたりします。
歯根破折が起こり易くなる
歯根破折とは
上顎の第二小臼歯が歯根破折を起こしています。神経を抜いた歯が延長ブリッジの土台になったため、強い力がかかりすぎて歯根破折を起こしたものと思われます。
神経のない歯は枯れ木のように柔軟性が無くなっているためこのようなことが起こるのです。
フィステルができる
フィステルとは
写真は金属の冠がかぶった第1大臼歯の歯茎にできたフィステルです。ニキビのように見えますね。
フィステルの先端部分に小さな穴が開いていて、そこから膿が排出されます。 歯根嚢胞内に溜まった膿によって内圧が高まり、膿を排出する経路が自然と作られたものです。
歯根嚢胞の治療が完了すればフィステルは消えます。
歯根嚢胞が作られる
歯根嚢胞とは
この写真は根っこの先端に歯根嚢胞を作ったレントゲン画像です。矢印部分にX 線透過像(黒く映る)が認められます。ここに膿が溜まっています。
歯根嚢胞ができる原因は根管治療がうまくいかず、歯根の中で細菌が繁殖するためです。歯根の形態が複雑になればなるほど根管治療の難易度は上がります。
この様に歯根嚢胞ができた場合には再度根管治療をやり直す必要が出てきます。 それでもうまくいかない場合には抜歯をするか外科的に歯根嚢胞を摘出する手術が必要になります。
歯根端切除術と歯根嚢胞摘出術で抜歯の回避
ふかさわ歯科クリニック篠崎では根管治療では治癒できない大きな歯根嚢胞に対して歯根端切除術と歯根嚢胞摘出術を行っております。 この処置により抜歯回避が可能になります。
大きな歯根嚢胞
下顎1番に大きな歯根嚢胞が出来ています。根管治療を試みましたが治癒しませんでした。
歯根端切除術と歯根嚢胞摘出術
同症例の歯根端切除術と歯根嚢胞摘出術の術中の写真です。
虫歯C4の治療法
ふかさわ歯科クリニック篠崎では可能な限り抜歯を回避する処置を模索しています。
虫歯C4 残根の見た目
残根(虫歯C4) 症例1
上顎犬歯が残根(虫歯C4)になったものです。歯根の中が虫歯でボロボロになってしまっているため抜歯が必要です。
残根(虫歯C4) 症例2
下顎の第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯、親知らずの4本が残根(虫歯C4)になったケースです。全ての歯を抜歯しなければなりません。
エクストルージョン法と外科的挺出法で抜歯を回避
- 残根(虫歯C4)を抜歯しない方法
- 残根(虫歯C4)は通常抜歯が必要となりますが、条件が整えば抜歯をすることなく保存することができる場合があります。
エクストルージョン法
虫歯C4の両隣の歯を固定源として、 ゴムなどで矯正力をかけて歯根を引き抜く方法です。
フ歯茎の外まで引き抜いたら両隣の歯に固定します。 固定期間は約3ヶ月で、歯が動かなくなったら土台をたてて冠を被せます。
エクストルージョン法の条件
歯根を引き抜いた後、人工歯が作れるだけの十分な歯根の長さが必要です。 この治療は保険適用外です。
外科的挺出法
虫歯C4を通常の抜歯をする手法と同様の方法を用いて脱臼させます。 グラグラになった歯根を引き上げて両隣の歯に固定します。
歯根が骨に固定される約3ヶ月間の期間を待って上部構造を作ります。
外科的挺出法の条件
エクストルージョン法と同様で、歯根を引き抜いた後、人工歯が作れるだけの十分な歯根の長さが必要です。 この治療も保険適用外です。
虫歯を放置するとどうなる?
ふかさわ歯科クリニック篠崎では虫歯を10年以上放置してボロボロになったひどい虫歯でも様々な治療法を駆使して保存に努めています。以下に治療例を示します。あなたもあきらめずにお気軽に当院までご相談下さい。
虫歯や歯周病を10年以上放置
虫歯を10年以上放置した症例 正面
虫歯でボロボロになった歯が数本あります。また、歯石や歯垢の沈着で歯周病が悪化し、歯茎が腫れ炎症が起こっています。
虫歯を10年以上放置した症例 側面
右上上顎大臼歯には大量の歯石が付着しています。
治療後
治療後の正面観
保存不可能な歯は抜歯をして、保存可能な歯は根管治療後、冠をかぶせています。同一人物の口の中とは思えないくらい改善しています。
治療後の側面観
まだ少し出血している部位がありますが、徐々に改善に向かっているので心配ありません。歯がない部分はインプラントで治療する予定です。
虫歯を放置する起こる病気について
放置
歯髄炎による激痛が続く
虫歯が神経まで到達すると歯髄炎を起こし激痛が続きます。
放置
虫歯C4では抜歯が必要
残根C4になると抜歯が必要です。 歯が無くなった部位はブリッジや入れ歯などで修復するか、人工歯根のインプラントを手術して埋入して人工歯をつくる必要があります。
放置
歯原性菌血症から脳梗塞や心筋梗塞
歯周病菌や虫歯菌などの悪玉菌が歯茎の毛細血管を通して動脈内に入っていきます。これを歯原性菌血症と呼びます。この状態が長期間続くと脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。
放置
骨髄炎や心内膜炎のリスク
C3やC4の虫歯まで進行すると、口腔細菌が増殖し骨髄炎や心内膜炎などの発症リスクを増大させます。
放置
上顎洞炎(蓄膿症)
上顎洞と交通した歯根が虫歯になって根尖病巣を作ると上顎洞炎つまり蓄膿症を発症するリスクがあります。
放置
口腔癌(舌癌)発症のリスク
虫歯になって放置したままにすると、虫歯の尖った部分が舌の脇に触って、口腔癌(舌癌)が発症する可能性が出てきます。
虫歯菌のミュータンス菌は要注意です
ここからは患者様自身で行う虫歯予防対策についてまとめました。参考になさってください。
- ミュータンス菌(虫歯菌)とは
- 多くの細菌はpH 5.5以下で酸を作ることを止めますが、ミュータンス菌とラクトバチルス菌だけは更に作り続けることができます。そのため、この二つの細菌を虫歯菌と呼んでいるのです。
そして、ミュータンス菌はエナメル質のツルツルな面にも付着できるため、初期虫歯を歯のどの部位にも作る能力を持っていると言えます。
ミュータンス菌の殺菌温度と殺菌時間
殺菌
60℃のお湯なら30分で殺菌可能
ミュータンス菌は、60℃なら30分、75℃なら15分で低温殺菌でき死滅します。
洗剤
洗剤で洗った食器にミュータンス菌は残る?
ミュータンス菌のついた食器は洗剤をつけて水洗いをするだけで大丈夫です。
多少はミュータンス菌が残るかもしれませんが、細菌感染するほどの量ではないはずですので、あまり神経質になりすぎないことが重要です。
食器洗い機で洗浄すれば十分ではないでしょうか?
アルコール消毒
アルコール消毒でミュータンス菌は死滅する?
食器や歯ブラシなどをアルコール消毒すればミュータンス菌は死滅すると思われますが、毎日それをやるのは非現実的です。上記の理由で洗剤をつけて水洗い(お湯であればもっと良い)でOKでしょう。
ミュータンス菌の弱点
キシリトール
ミュータンス菌はキシリトールで減少させることができます。具体的には100%キシリトールガムを1日4粒から5粒を時間を開けて噛むことです。
フッ素
フッ素にはミュータンス菌の活動を抑制する働きがあります。1450ppmのフッ素入り歯磨き粉を使うことで効果が期待できます。
虫歯菌の除菌(3DS)
虫歯菌の除菌療法(3DS)でミュータンス菌の量を減らすことで小さな虫歯なら削らなくて大丈夫ですし、大きくなった虫歯も処置が簡単に済みます。
ミュータンス菌はどこから来てどのようにうつる?
生後約19ヶ月~31ヶ月頃、母親から赤ちゃんへうつる
ミュータンス菌は生後約19ヶ月~31ヶ月(1歳半~2歳半)の「感染の窓」と言われる期間に、赤ちゃんと接触頻度が高い保護者(主に母親)から赤ちゃんへ感染して、定着しやすいと言われています。
ミュータンス菌を赤ちゃんへうつさないために!
赤ちゃんが生まれる最低1年前から母親や家族の口腔内のミュータンス菌の数を減らす努力が必要となります。
家族全員で赤ちゃんが生まれる1年前からキシリトールガムを毎日4粒から5粒噛みます。フッ素が1450ppm入った歯磨き粉でしっかりと歯磨きをします。
出来れば歯科医院に行って口腔清掃(エアフロー、 pmtc)などを受けて口腔内からミュータンス菌をできる限り削減してください。
大人同士のキスで虫歯菌はうつるか?
ミュータンス菌の保有量に比例
大人になってから彼氏・彼女間でのキスでミュータンス菌はうつります。それぞれのミュータンス菌の保有量で感染の有無が決定されると言ってよいでしょう。
虫歯菌をうつさないうつらないようにする
前述したミュータンス菌を赤ちゃんへ移さない方法と同じです。
江戸川区篠崎で天然歯の保存にこだわった虫歯治療は当院へ
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いつでも
お気軽にご相談ください
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ふかさわ歯科クリニック篠崎では、天然歯の保存にこだわります。まずは虫歯を自然治癒させることを目標とし、極力抜かない・削らない・痛みの少ない低侵襲な虫歯治療が基本です。
患者様一人ひとりの虫歯の進行程度をしっかり診査・診断し、症状にあった適切な治療法をご提案いたします。江戸川区篠崎で天然歯の保存にこだわった削らない自然治癒を目指す虫歯治療をご希望の方はぜひ、お気軽に当院までご相談下さい。
虫歯記事一覧
【動画】エアフロー
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。