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歯の神経を抜くデメリット
抜髄した歯の寿命は?

皆様の健康をトータルサポート。

歯髄まで達した虫歯は歯の神経を抜く治療・抜髄が必要です。

抜髄で歯の寿命は確実に短くなります。また、抜髄歯は変色し、歯根破折が起こりやすくなります。根管治療が失敗すると歯根嚢胞やフィステルが出来るなどデメリットがあります。

歯の神経を抜く治療・抜髄なら江戸川区篠崎駅前の歯医者で。

虫歯がC3まで進行してしまい、痛みが出てきたので歯の神経を抜く抜髄が必要なのか、治療で神経を残せるか?

抜髄する時の痛みや抜髄後の痛みや期間、神経を抜いた歯の寿命は短くなってしまわないかなど、様々な不安をお持ちの方が多いと思います。

そこで、歯の神経を抜く抜髄のデメリットを中心にまとめてみました。

目次


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歯の神経を抜くデメリット

1

歯の神経を抜くと歯の寿命は短くなる

歯の神経を抜くと歯の寿命は短くなるイメージ

神経を抜いた歯は枯れ木の様に寿命は短くなる

歯髄の中には神経だけではなく、血管も入り込んでいます。血流にのって栄養素も供給されているわけです。象牙質やセメント質には栄養が行き渡り、外力が加わっても簡単には破壊されたり折れない柔軟な組織を維持しています。

しかし、神経を抜いた歯は、枯れ木と同じで、柔軟性を失い簡単に折れてしまいます。特に折れやすいのが前歯や小臼歯など単根で出来ている歯です。強い力が加わると歯冠から歯根に向かって真二つに割れてしまうことがあります。

写真は、日本百名山の一つ蓼科山の立ち枯れ帯です。

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神経を抜いた歯は歯根破折が起こりやすい

抜髄した歯が歯根破折しやすい理由

神経を抜いた歯はメタルコアという土台を歯根の中に差し込み、その上に差し歯を被せます。前歯や小臼歯などの単根に挿入したメタルコア先端部には応力が集中しやすく、歯根破折をしばしば起こします。


近年、メタルコアに追加してファイバーコアが保険適用になっています。ファイバーコアの方が柔軟性があるため歯根破折のリスクが下がっています。


この様な理由で神経を抜いた歯は、神経のある歯に比べてはるかに寿命が短くなるのは当然のことと言えます。単根歯を抜髄した場合、「一生もつ」というのはかなり難しいかもしれません。

メタルコアが入った第二小臼歯の歯根破折 症例1
メタルコアが入った上顎第二小臼歯の歯根破折 症例1

ブリッジの土台になった第二小臼歯の歯根が破折しています。 メタルコアの先端部に応力が集中したことが原因と考えられます。

上顎第二小臼歯の歯根破折 症例2
上顎第二小臼歯の歯根破折 症例2

歯根が真っ二つに割れ、 歯根の周りに炎症が起こり骨が溶けたため、X線透過像(黒く映る)が認められます。



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歯根破折した歯は抜歯が原則

歯根破折した歯は抜歯になりやすい

歯根破折が起こると保存することが難しく、ほとんどのケースで抜歯が必要となります。

歯根破折した上顎側切歯の画像 症例3
歯根破折した上顎側切歯の画像 症例3

神経を抜いた歯に差し歯が入っていました。 差し歯のメタルコアに応力が集中したことで歯根が割れました。

破折した歯根を抜歯 症例3
破折した歯根を抜歯 症例3

破折した歯根を抜歯したところです。



抜歯した所にインプラントを埋入

歯を抜歯した所の治療法は、取り外しの入れ歯、両隣の歯を削って冠をかぶせるブリッジ、写真のようなインプラントなどの方法があります。

インプラントの埋入 症例3
インプラントの埋入 症例3

抜歯した歯の所にインプラントを埋入した状態です。

インプラント埋入後のレントゲン写真 症例3
インプラント埋入後のレントゲン写真 症例3

インプラント埋入後、数ヶ月経過した時点のX線です。 インプラントと骨の結合が確認できます。

次にインプラントを土台として冠をかぶせます。

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根管治療後に歯根嚢胞やフィステルが出来やすい

歯根嚢胞やフィステルが出来る理由

根管治療は抜髄後の根管内を無菌的にし、ガッタパーチャという材料で密閉する治療のことです。しかし、根管が複雑であったり曲がっていたりすると根管治療がうまくいかないことがあります。


その様な時には歯根の先端に膿の袋、つまり歯根嚢胞ができたり、歯茎にニキビのような膿の出る場所・フィステルが形成されたりします。


上顎1番が原因の歯根嚢胞のX線写真 ①
上顎1番が原因の歯根嚢胞のX線写真 ① ⇒⇒

歯の神経を抜いた後に行う根管治療がうまくいかないと歯根嚢胞が出来ることがあります。 レントゲン写真(卵型の黒いX線透過像)は上顎1番に出来た拇指頭大の歯根嚢胞です。

根管治療の再治療と歯根端切除術のX線写真 ②
根管治療の再治療と歯根端切除術のX線写真 ②

根管治療を再度やり直し、根尖部を切断する歯根端切除術と逆根充および外科的歯根嚢胞摘出術を適用した症例です。

術後数ヶ月後にはX線透過像がなくなり正常に治っています。



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変色した歯をオールセラッミックで治療

抜髄した歯が変色する理由

根管治療をした歯は神経がなくなっているため、象牙質に栄養が行き渡らないことで歯の変色が起こります。


このようになった歯を治療する場合、ファイバーコアを立てて、その上にオールセラミックを被せる治療が最も審美的に優れています。


抜髄時には麻酔をかける(浸潤麻酔)
根管治療後の歯の変色 ①のレントゲン写真の時の状態

根管治療は歯の裏側に穴を開けて行いますが、根管治療が終了した時点で穴をコンポジットレジンで塞ぎます。

その後、経年的に歯の色の変色が起こります。

オールセラミックで治療 ②のレントゲン写真の時
オールセラミックで治療 ②のレントゲン写真の時

二本の変色した歯をオールセラミックで治療した写真です。

コア(土台)を歯根の中に差し込み、被せ物をした状態です。

オールセラミックは保険適用外で、高額になります。

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抜髄後の痛みや違和感の期間

抜髄後に残髄炎が起こる理由は根管が複雑になっているから

残髄炎による痛みの期間

抜髄後、「ズキズキ痛む」「噛んで痛い」「違和感」といった症状が出ることがあります。これらの多くは残髄炎が原因です。

通常なら、残髄炎による痛みが続く期間は数日間です。

残髄炎は、完全に歯髄が除去されてないことで起こる炎症です。何故、歯髄を完全に除去出来ないのでしょうか。それは、写真の様に根管が木の枝の様に複雑になっているからです。特に前歯に比べ大臼歯はそれが顕著です。

残髄炎が起こった場合には根管内に特殊な薬剤を入れて治療を行います。


対処法は、痛み止めの処方

また、抜髄は神経を歯根の先端で切断する治療行為なので、残髄炎が起きなくても痛みが起こる可能性は十分考えられます。そこで、抜髄後は必ず痛み止め(ロキソニン、ボルタレンなど)を処方します。

初期虫歯なら削らずに自力で治せます。しかし、 C2の虫歯からC 3の虫歯への進行速度は早まります。歯の神経を抜くデメリットは、歯根破折、歯根嚢胞、フィステルの原因になります。虫歯を10年以上放置しても治療可能です。大人同士のキスで虫歯菌は感染します。など、虫歯について、こちらの記事に分かりやすくまとめています♪

歯の神経を抜く抜髄の方法

1

抜髄は痛いので歯に麻酔をかける

抜髄時には麻酔をかける(浸潤麻酔)
浸潤麻酔

浸潤麻酔は下顎の大臼歯部で効きにくいこともあります。

浸潤麻酔または下顎孔伝達麻酔をかける

虫歯がC3になると歯髄の中に細菌が侵入し、歯髄炎が起きます。 自発痛があるばかりではなく、歯を削る時も神経を抜くときも痛みがあります。そのため、麻酔後に抜髄を行います。

麻酔の針は歯根先端部に近い歯茎に打ちます。下顎の大臼歯では浸潤麻酔が効きにくい時があり、浸潤麻酔に追加して下顎孔伝達麻酔を打ちます。


麻酔の痛みを和らげる表面麻酔と針の無い麻酔注射器

麻酔注射の痛みを和らげる方法として表面麻酔や針のない注射器を使って事前に麻酔部位に部分的な麻酔をかけておきます。


2

天蓋を除去し歯髄を露出させる

天蓋を除去し、根管治療がしやすい形に仕上げる

タービンやエンジンを使ってエナメル質及び象牙質の虫歯を除去します。

根管治療がやりやすいように天蓋を完全に除去します

タービン及びエンジンで軟化象牙質を除去し歯髄を露出させる
タービン及びエンジンで軟化象牙質を除去し歯髄を露出させる

3

抜髄の器具-根管長測定器

根管長測定器により歯根の長さを測定します
抜髄の器具-根管長測定器
根管長測定器による根管長の決定

根管長測定器の仕組みはインピーダンス値を測定することで根管の長さを測定するものです。

ファイルの先端が根尖に近づくと音が鳴り出し、根尖に到達すると音が変化します。


歯髄除去と根管の拡大

歯髄を除去し、HファイルやKファイルを交互に使いながら根管を拡大します。

象牙細管内部に入り込んだ細菌を完全に除去するためです。


4

薬剤による根管内の洗浄と貼薬

NC(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)やEDTAで洗浄

ファイルにより機械的に感染した根管壁を掻き出し、次いで化学的に洗浄します。薬剤としてはNC(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)やEDTAが使われます。


水酸化カルシュウムの貼薬

化学的な洗浄で除去しきれなかった細菌に対して、水酸化カルシュウムの貼薬で強アルカリ環境を作り抗菌作用を発揮させます。

薬剤による根管内の洗浄と貼薬
薬剤による根管内の洗浄と貼薬

5

ガッタパーチャポイントで根管充填

ガッタパーチャによる根管充填
ガッタパーチャによる根管充填
ガッタパーチャポイントで根管を満たす

根管の中をガッタパーチャポイントで満たすことを根管充填と言います。

イラストは、ガッタパーチャポイントのメインポイントを挿入している所です。

スプレッダーを使いガッタパーチャポイントに圧力をかけながら隙間部分にアクセサリーポイントを順次詰め込んで行きます。

最後にX-RAY(レントゲン)で根尖までしっかりと根充剤が入っていることを確認して根管治療は終了です。

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前歯より奥歯の方が抜髄の難易度が高い理由

前歯・犬歯・小臼歯の抜髄は簡単

前歯・犬歯の根管の本数…1本


上顎小臼歯の根管の本数…2本、下顎小臼歯の根管の本数…1本


前歯・犬歯の根管の特徴は太くて真っすぐ
前歯・犬歯の根管の特徴

根管は太くて真直ぐであることから抜髄は簡単で、確実な根管治療が可能です。

前歯・犬歯・小臼歯の抜髄が簡単な理由

1)根管の本数が1本である。(上顎小臼歯は根管の本数が2本)

2)根管が太くて真直ぐであることかファイルの挿入が容易。

3)口元近くにある歯であるため口を大きく開けられない患者でも治療がしやすい。


大臼歯の抜髄は困難

下顎大臼歯歯の根管の本数…3~4本


上顎大臼歯の根管の本数…3本、(稀に、4本)


大臼歯の根管は3本~4本で細くて湾曲
大臼歯の根管の特徴

根管は細くて湾曲していることから抜髄は困難で、確実な根管治療が極めて困難です。

大臼歯の抜髄が困難な理由

1)根管の本数が3~4本である。

2)根管が細く曲がっているためファイルの挿入が困難。

3)口の奥にあるため口を大きく開けられない患者ではさらに治療を困難にする。


フィステルの形成

確実な治療が困難なことから治療が完了し時間が経過してから感染根管となりフィステルが形成されることがあります。


7

抜髄から根管充填までの治療回数と期間

最短で治療回数 1回

抜髄して、当日に根管充填してしまう即日根充というやり方があります。根管内に細菌が余り感染していない場合には有効です。

ただし、大臼歯では、根管が細く3本以上あるため、根管拡大に時間がかかり即日根充は現実的ではありません。

種類 回数
抜髄 1回。
根管洗浄 0~4回 細菌感染の程度による。
根管充填 1回

抜髄した歯は被せ物をします

1

虫歯で歯の崩壊が激しい場合は被せ物にする

歯冠部が大きく崩壊した場合の抜髄後の治療は差し歯
歯冠部が大きく崩壊した場合の抜髄後被せ物にする手順

ステップ 1)
根管充填後に印象採得(型どり)を行い、コアを作成し、セメントで装着します。

コアには金属で作るメタルコアとファイバーコアの2種類があります。また使用する金属の種類は貴金属や非金属など、保険適用のものと保険適用外のものがあります。



ステップ 2)
コアの装着を行った後形を台形状に削って印象採得(型どり)を行い、技工所にて冠を作ります。冠をセメントで装着し、噛み合わせの調整をして治療終了です。

冠には金属製のものとセラミック製、ジルコニア製のものなど様々です。

2

虫歯が小さく健全歯質が多く残っている場合は詰め物

虫歯が咬合面に限局している場合はメタルインレー
虫歯が咬合面に限局している場合

健全歯質が多く残っている場合には部分的な詰めもので治療することがあります。

上部の根充剤を削り取り、コンポジットレジンを詰めます。次に形を整えて印象採得(型どり)を行い、メタルインレーを技工所で作成し、出来上がったメタルインレーをセメントで合着します。


メタルインレー治療の欠点

神経を抜いた歯は枯れ木の様に脆くなっているので、強い力が掛かると歯が真二つに割れてしまうことがあります。特に上顎の小臼歯に起こりやすいです。

咬頭(噛み合わせの一番高いところ)が残っていない場合の抜髄後の治療
咬頭(噛み合わせの一番高いところ)が残っていない場合

コンポジットレジンを詰めるところまではメタルインレーと同じですが、歯全体を包み込むように冠を被せます。



3

抜髄+根管洗浄+根管充填の費用

抜髄は保険適用

下記費用は3割負担の場合です。下記の金額以外にも初診料、再診料、レントゲン撮影料、投薬料、各種指導料などが適宜加算されます。また、最短で治療が完了した場合の一部負担金を示しています

※ 保険点数の変更が頻繁に行われるため、一部負担金はおおよその金額を示したものです。

種類 金額(税込み) ※単位:円
大臼歯の抜髄+根管洗浄+根管充填 2,850円。
小臼歯の抜髄+根管洗浄+根管充填 2,130円。(2根管の場合)
前歯・犬歯の抜髄+根管洗浄+根管充填 1,390円。
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執筆者 院長 深沢一

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