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歯周病の基礎知識を学ぶ

皆様の健康をトータルサポート。

歯周病の症状、原因、治療法、全身疾患との関連性

目次


歯周病(歯槽膿漏)・歯肉炎の進行と症状

1

軽度歯周病

軽度歯周病(歯肉炎)の模式図
ステップ1

軽度歯周病(歯肉炎)の症状

歯周ポケットが3mm以内で、歯槽骨の破壊が起こっていない状態の場合を歯肉炎と呼び、ほとんどが完治します。

歯肉炎では、プラークや少量の歯石がたまり歯茎に炎症が起こり、赤く腫れたり出血したりする症状が出ます。しかし、痛みが起こる事はなく、歯周病特有の歯が動揺するという症状も起こりません。 この状態を放置すると、中程度歯周病へと進行していきます。

軽度歯周病(歯肉炎)の口腔内写真

軽度歯周病(歯肉炎)の歯肉の状態

左の写真は軽度歯周病(歯肉炎)・歯槽膿漏の症例です。 歯茎が赤っぽく炎症を起こしています。

歯肉炎は歯ブラシがうまくできていない小学生高学年くらいの年齢から見られます。 また、矯正治療をしている時、矯正器具により歯ブラシが不十分の場合にもよく見かけます。

軽度歯周病(歯肉炎)のレントゲン写真

軽度歯周病(歯肉炎)のレントゲン写真

上記口腔内写真のレントゲン写真です。歯根を支える歯周組織(骨)の状態は正常です。歯周病菌の進入が歯肉部で止まっているからです。

この状態で進行を食い止める必要があります。一旦骨が溶けると、特殊な治療をしない限り骨は元に戻らないからです。

歯周ポケットって何?

歯と歯茎との間にある溝です。その溝は、歯の全周にわたって存在しています。正常な歯周ポケットは深さが1~2mm です。歯周ポケット内には歯垢(プラーク)や歯石がたまりやすく、適切なブラッシングがなされなければ、歯周ポケット底部が炎症により破壊され、次第に深くなっていきます。或いは、歯茎が腫れ歯冠側の方に増殖し、歯周ポケットが深くなる場合もあります。(その場合、歯と歯の間の歯肉はぺろんとめくれたような状態になります。)または、その両方が同時に起こって歯周ポケットが深くなり歯周病の進行に繋がっていきます。

歯周病と歯槽膿漏と違うもの?

歯槽膿漏とは歯周ポケット(歯肉溝)から膿(うみ)が出ている状態を指します。歯周病と同じ意味として使用されることもありますが、歯周病の病態の1つを指して言っているものです。「歯槽膿漏」は病名ではないため、歯科医の間では歯槽膿漏という呼び方はほとんどなくなりました。

2

中等度歯周病

中等度歯周病・歯槽膿漏の模式図
ステップ2

中等度歯周病(歯槽膿漏)の模式図

歯周ポケットが4mm~7mmで、骨の破壊(歯の根を支えている骨が溶けている)が起こっている状態。

歯肉炎に比べ、歯茎の腫れが強く起こる・歯肉から出血する・歯周ポケットから膿が出るといった症状が出てきます。 しかし、煙草を吸っている方には必ずしもこの様な症状が出るとは限らず、気がつかないうちに病状が進行していることがあります。

中等度歯周病(歯槽膿漏)の口腔内写真

中等度歯周病(歯槽膿漏)の口腔内写真

左の写真は中等度に進行した症例です。 歯茎が赤っぽく、炎症を起こし腫れています。

歯や根っこには、多量の歯垢や歯石が付着しています。

中等度歯周病(歯槽膿漏)のレントゲン写真

中等度歯周病(歯槽膿漏)のレントゲン写真

レントゲン写真では歯周病菌が歯周ポケットから徐々に歯周組織の深い部分へと進み、炎症を起こしながら骨を溶かしている様子が写っています。上記軽度歯周病(歯肉炎)のレントゲンと比較してみてください。歯根を支えている骨の高さが減少しているのが分かります。

歯を前後左右に指で押してみると、僅かに揺れ始めるのがこのころからです。

3

重度歯周病

重度歯周病・歯槽膿漏の模式図
ステップ3

重度歯周病(歯槽膿漏)の模式図

歯周ポケットが6mm~8mm以上で、歯槽骨の破壊がかなり進んでいる状態。

重度歯周病では、歯や根っこには多量の歯垢や歯石が付着し、歯周組織の破壊が相当に進んでいます。そのため歯肉は大きく腫れ上がり、少し歯ブラシをしただけでも出血し、歯周ポケットからは大量の膿が出てくるといった症状が現れます。

重度歯周病(歯槽膿漏)の口腔内写真

重度歯周病(歯槽膿漏)の口腔内写真

左の口腔内写真は重度の歯周病の症例です。 歯周病菌の歯周組織への進入が更に進み、骨が溶け歯茎の後退が著しく(歯茎が下がらずに腫れた状態のままである場合もあります)、歯がグラグラの状態になっています。

歯の裏側や根っこには、多量の歯垢や歯石が付着しています。

重度歯周病(歯槽膿漏)のレントゲン写真

重度歯周病(歯槽膿漏)のレントゲン写真

左側のレントゲン写真の中央の歯は、歯を支える骨が溶けてほとんどなくなっています。

骨の支えを失った歯は、前後左右に揺れるばかりではなく、上下にも揺れます。 そのため、噛むと痛くて食事が困難になります。

ここまで進行すると歯を残すことは不可能で、抜歯を余儀なくされます。

4

歯周病(歯槽膿漏)の動く進行図

歯周病(歯槽膿漏)の動く進行動画
動画

歯周病(歯槽膿漏)が進行する動画

健康な歯の状態から、徐々に歯茎は赤く腫れあがり、そして歯槽骨とともに下がってきます。(左写真のように) しかし、歯茎が下がらず歯槽骨だけが吸収を受けている場合の方が一般的で、しかも、その方が重症になりやすいです。なぜなら、自覚症状が明確に現れていないので、歯周病を放置してしまいがちだからです。

歯周病とはそれ単体でも恐ろしい病気ですが、その他の様々な全身の病気(心臓病や糖尿病など)を引き起こす原因となることがだんだんわかってきています。 そうならないためにも、普段からの正しいブラッシングと、歯科医院における定期的な検診が大切です。

歯周病(歯槽膿漏)・歯肉炎の検査法

1

プローブによる歯周ポケット測定

プローブによるポケット測定
ポケット測定
  • ・歯周ポケット測定:ポケット(歯肉溝)の深さを測定します。2~3mm以下が正常です。
  • ・この症例ではプローブをポケットに入れて測定すると6mmあり、僅かの出血があります。
プローブ
プローブ
  • ・3ミリ刻みで目盛りがあるプローブという器具でポケット(歯肉溝)の深さと出血の有無を測ります。
上写真のレントゲン写真
上写真のレントゲン
  • ・レントゲンで見ると第2小臼歯の手前側の骨が著しく溶けているのがわかります。
    (レントゲン写真の上からプローブを当てて比較した写真)
2

プローブによる歯周ポケットからの出血の測定

歯周ポケットからの出血
歯周ポケットからの出血
  • ・少し触れただけで左上6番の歯茎からの出血があります。
  • ・この症例ではプローブをポケットに入れるとかなりの出血が認められます。
正常な歯周ポケット
正常な歯周ポケット
  • ・3ミリ以下の歯周ポケットでは、ほっとんどの場合出血は認められません。
プロービングによる歯周ポケットからの出血
歯周ポケットからの出血
  • ・プロービングにより歯周ポケットからの出血があるケース。
    (出血があるということは、歯周ポケット内に炎症がある証拠です。)
3

歯の動揺度の測定

ピンセットで歯をつまんで動きをチェック
歯の動揺をチェック
  • ・ピンセットで歯をつまんで動きをチェックします。歯周病の進行とともに歯の動揺は増す傾向にあります。
  • ・歯は、健康な状態であっても、わずかに動揺します。これを生理的動揺と呼びます。
  • ・歯槽骨と歯根の間には、厚みが50ミクロンの歯根膜という結合組織が介在しており、強い衝撃を上手に受け止めるクッションの役割を果てしています。
歯に架かる様々な力の模式図
歯に架かる様々な力
  • ・歯には様々な力が加わります。それらの力がいろいろな条件の中で歯を弱めるように働くと、歯周病になりやすくなります。
  • ・異常な咬合力によって生じる歯周組織の障害を、咬合性外傷といいます。歯の動揺を増す要因として、この咬合性外傷があります。
歯の動揺を増す要因の模式図
歯の動揺を増す要因
  • ・噛み合わせが悪い。
  • ・歯ぎしりがある。
  • ・残っている歯が少ない。
  • ・奥歯ですりつぶすように噛む人。
  • ・無意識に食いしばる人。

歯の動揺度~Millerの分類

  • ① 0度
    生理的動揺 0.2mm以内
  • ② 1度
    唇舌方向にわずかに動揺 0.2~1mm
  • ③ 2度
    唇舌方向に中等度に動揺  1.0~2.0mm 近遠心方向にわずかに動揺
  • ④ 3度
    唇舌、近遠心方向に動揺 2mm以上 歯軸の方向にも動揺

歯周病(歯槽膿漏)の基本治療

1

スケーリング・ルートプレーニング

1-1

スケーリング

下顎前歯部の舌側に大量に付着した歯石

歯周病の基本治療・スケーリング

歯面や歯の根っこに付着した歯石を除去することをスケーリングと言います。歯石はそれ自体では歯周病を起こすことはありませんが、歯周病菌の住まいになっているため除去することが必要です。

専門家の手によるプラークコントロールの第1ステップは、スケーリングです。特殊な器具(超音波スケーラーや、ハンドスケーラー)を使い、目に見える範囲のプラークや歯石(プラークが石灰化したもの)を除去します。 術後、しばらくは歯と歯の間に隙間ができたり、歯が長くなったように感じますが、これは今まで付いていた歯石が取れ、良くなった証です。

1-2

歯石除去の術前と術後

下顎前歯部に大量に沈着した歯石
下顎前歯部に大量に沈着した歯石

黄色に石灰化した歯石が歯の裏側にびっしり付いています。下顎前歯部の裏側は、舌の下に舌下腺の開口部がある為、大変歯石のつきやすい場所です。

下顎前歯部の裏側の歯石を除去した状態
下顎前歯部の裏側の歯石を除去した状態

歯石を除去することで歯肉の炎症が治まってきます。ただし、深い歯周ポケットが存在する場合には、歯周ポケット内の歯周治療が必要になります。

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スケーリング・ルートプレーニングに用いる治療器具

歯科用超音波治療器「スプラソンP-MAX2」
歯科用超音波治療器「スプラソンP-MAX2」

スプラソンP-MAX2は チップに負荷を与えなくても(チップを歯面や根面に押さえつける) 指定されたパワー(振幅とトルク)が出るように設計されています。その為、セメント質を可及的に傷つけることなく、歯石の除去が可能です。

スケーラー
スケーラー

写真は、スケーラーの一種・グレーシーのキュレットです。金属の先端に刃が付いています。前歯、小臼歯、大臼歯などの様々な部位に対してデザインの異なる刃先が用意されています。

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歯石

下顎前歯部の舌側に大量に付着した歯石

歯石のでき方

口腔内に生息する細菌によって作り出されたプラーク(歯垢)は不溶性グルカンというネバネバしたものを作り出し、それが接着剤の役目を果たし、歯面や歯の根っこにプラーク(歯垢)を強固に付着させます。そしてバイオフィルムを形成していきます。

特に、磨き残しのある所には大量のプラーク(歯垢)があり、唾液中のカルシウムやリン酸を取り組み、石灰化を起こしていきます。これが歯石です。

時間の経過とともに歯石は石灰化が進み、固さを増していきます。同時に歯面や歯の根っこに強固に付着して、歯ブラシでは除去出来ないようになります。

歯石が多く付きやすい場所は、下の前歯の裏側と上の奥歯の外側です。これはともに大唾液腺が開口する所にあたり、常に大量のカルシウムやリン酸が供給されている所だからです。

歯石除去の頻度

歯石の付き方には個人差があります。それにはいろんな要因があると思いますが、最も大きな理由は、的確なブラッシングを行うと、プラーク(歯垢)の付着はほとんど起こりません。そのような清潔な口腔環境ではあまり歯石は付かないと言ってよいでしょう。

一方、歯磨きがうまくいかず、不衛生な状態では、一度歯石を除去しても、1ヶ月~3ヶ月で再び歯石の沈着が起こります。

歯石は1回の治療で全部取れるのか

歯石の付着状況によって来院回数は異なると思います。強固に付着した歯石が大量にある場合には、4回以上かかるケースもあります。

一方、あまり歯石が付いていないケースでは1回の来院で全部取る事は可能でしょうが、保険の制度上、最低2回は必要になっています。

保険の制度は頻繁に変更が行われ、我々歯科医も大変困惑するところですが、それがルールなら致し方ないところです。また、同時に歯周組織検査を実施しなければ歯石除去が出来ないルールになっています。

歯石除去時の痛み

歯周病の進行状態によって歯石除去の時の痛みは変わってきます。歯肉炎程度の軽度の歯周病で、歯石の付着が少ない場合にはほとんど痛みは起こりません。しかし、重度の歯周病でまだ治療を一度も受けていないような場合には、治療中に痛みが起こることはあり得ます。

なぜならば、歯周ポケットが深く形成され、歯茎に炎症が起こった状態で、器具を挿入し頑固に付着した歯石を取るわけですから当然のことと言えるかもしれません。

もし、治療中に痛みが起こる場合には、歯科麻酔をかけることで痛みなく治療が出来ます。


歯石除去後の痛み

①知覚過敏
②歯茎の痛み

①、②ともに中等度~重度の歯周病の方に起こりやすいことですが、根の部分に付着した歯石を取れば、歯根が露出し、歯がしみるといった症状が現れます。これを知覚過敏といい、歯根表面まで神経が来ているため、一時的に起こる現象です。数日で良くなる場合もありますが、2~3週間かかる場合もあります。

処置としては知覚過敏を防ぐ歯磨き剤を使用したり、歯根表面にコーティング剤やフッ素などを塗布することで改善していきます。

歯茎が痛む時は 歯茎が炎症を起こしている場合に起こりやすく、抗生剤・痛み止めなどの投与、うがい薬で口腔内を洗浄してもらう等で対処します。

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ルートプレーニング

ルートプレーニングの模式図
ルートプレーニング(SRP)の問題点

ルートプレーニングとは、歯根面に付着した歯石をスケーラーを使い綺麗に掻き取ることを言います。

現在日本において、深い歯周ポケット内の歯根面(セメント質面)に歯石が付着した場合、そのセメント質は細菌に汚染され、壊死しているものと理解されています。その為、ルートプレーニング時には歯石除去と同時にセメント質も削り取り、根面を滑沢化するという治療が当たり前の様に行われています。

しかし、スゥエーデンのエイテボリ大学の歯周病科から、セメント質は壊死していないという研究論文が出ています。エイテボリ大学よると、可能な限りセメント質を残して歯石だけを取ることが推奨されていまます。セメント質を除去してしまうと失われた歯周組織は、再生しないからです。

そして、歯周ポケット内に残存しているプラークやバイオフィルムの除去(デブライドメントと言う)が歯周治療の主たる目的と考えられるようになってきています。

上記の超音波治療器「スプラソンP-MAX2」はスケーラーの先端の様な刃はなく、セメント質を傷つける危険性がかなり軽減されています。

また、初期から中等度の歯周ポケットでは歯周ポケット内のデブライドメントに有効なエアフローマスターという器械が使用されるようになりました。

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エアフロー

エアフロー

エアーフローマスター(歯面清掃器)

エアフローマスターには歯周ポケットやインプラントのメンテナンスに使用するペリオフローハンドピースと歯肉縁上の歯面清掃に使うエアフローハンドピースの2種類があります。ハンドピースの先端からは、細かい粒子の粉が噴出して、プラークやバイオフィルムを除去します。

ペリオフローノズルは、深さ5 mm以上の歯周ポケットを清掃できるよう設計されています。ただし、以下の条件を満たす歯周ポケットのみに使用可能です。

・根尖から歯槽骨頂までの高さが3mm以上の歯周ポケット
・根尖から歯肉溝底までが3mm以上の歯周ポケット
・歯周病が原因で生じた歯周ポケット

歯周外科治療

1

フラップオペレーション

フィステル形成時のデンタルX線診断
ステップ1

フィステル形成時のデンタルX線診断

左写真は、上顎2番(側切歯)の歯肉にフィステル(膿が出る場所)が形成されたので、問題の部位を特定する為に、フィステルからガッタパーチーポイントを入れてデンタルレントゲンを撮影したものです。

フィステル形成の原因が根尖病巣か歯周病かの鑑別は、ガッタパーチーポイントの先端が赤丸で示されたところで止まっている為、歯周病が原因と特定されます。

歯肉剥離
ステップ2

歯肉剥離

浸潤麻酔をして上顎1番中央部から3番の遠心部にかけて歯肉を剥離し、骨面を露出させます。上顎2番(側切歯)の近心及び遠心に大量の不良肉芽(ふりょうにくげ)組織が認められます。

不良肉芽組織の除去と歯根面の滑沢化
ステップ3

不良肉芽組織の除去と歯根面の滑沢化

不良肉芽組織の除去と同時に、超音波スケーラーとハンドスケーラー(グレーシー・キュレット)を用い、歯根面の滑沢化を行った所です。

レントゲン写真で確認したように、上顎2番の近心側に深い垂直性の歯周ポケットが存在している事が分ります。

現在では、2016年に保険適用されたでリグロス(歯周組織再生剤)やCGFと人工骨を混ぜたものなどを垂直性骨吸収部位に適用しています。

歯肉の縫合
ステップ4

歯肉の縫合

剥離した歯肉を元に戻し、縫合します。症例によりコーパックなどの歯周包帯剤の使用も行います。

約1週間後に縫合した糸を抜きます。

フラップオペレーションの問題点

フラップオペレーションは、歯肉を剥離することで、直歯下での不良芽組織の除去とルートプレーニングが可能ということがメリットと考えられます。

しかし、前述の「ルートプレーニング(SRP)の問題点」の所でも言及したよう、歯根表面の汚染されたセメント質もすべて掻き取ってしまうため、そこには、骨や歯根膜、セメント質などの歯周組織は再生されません。

また、フラップオペレーション行った多くの症例で歯肉が下がるという問題点も指摘されています。

そこで最近では、フラップオペレーションと併用して歯周組織の再生を促す薬剤を使うことが多くなってきています。

歯周病(歯槽膿漏)と全身疾患との関連性

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糖尿病と歯周病の相互作用

糖尿病患者と健常者とのアタッチメントロスの年齢比

糖尿病が歯周病に影響するメカニズム

① 糖尿病が原因で血行障害が起きる(微小血管障害)

② 高血糖により体を守る白血球(好中球)の機能が低下する。

③ コラーゲンの合成がうまくいかない。

など、糖尿病の患者さんは歯周病に感染しやすくなります。そして炎症が進み歯周組織が破壊されていきます。 歯周病で悩む人には糖尿病の人が多くいますし、歯の治療で歯科医の診断を受けて、糖尿病が見つかるという人もいます。また、糖尿病とメタボリックシンドロームとも密接に関係しています。 糖尿病の人は、口腔内を清潔にして、よく歯磨きをすることが大切です。 歯のしくみと働きをよく理解し、歯をできるだけ長持ちさせて、おいしく食事をし、生き生きと毎日をおくりたいですね。歯周病と糖尿病・メタボリックシンドロームとの関連性は…

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誤嚥性肺炎と歯周病の関連性

誤嚥性肺炎と歯周病の関連性

誤嚥性肺炎を起こしやすい人とは?

① 高齢者

② 脳卒中を起こした方 (寝ている間に少ずつ歯周病菌の入った唾液が肺に流れ込み、 肺炎を引き起こします。)

③ 認知症の方。

                

④ 要介護者。

                

⑤ 手術後(体の抵抗力が下がっているため)。

など、歯周病があると歯肉からの出血や膿が出るため、口の中の様々な細菌が増殖しやすい環境となります。「むせる」という喉の反射で食べ物が肺に入るのを防いでいますが、高齢者や要介護者などの場合「むせる」という喉の反射が起こらず、周囲の人が気付かないまま誤嚥していることがあります。 誤嚥することを前提として口腔内の細菌を出来うる限り減らす為の口腔ケアが重要となります。

誤嚥性肺炎予防の対策とは?

① 口腔清掃
歯ブラシがうまく使えない方は、電動歯ブラシを使うと効率よく歯垢や舌苔(舌の汚れ)を清掃することができます。

② 抗菌性洗口剤でうがい
ポイックウォーターを用いてうがいをする。

③ ベッドの角度
食事中は30度~60度ベッドを起こす。

                

④ 適切な食事時間
食事の時間は30分ぐらいが適当。

                

⑤ 食事内容
食べ物は液体状のものや細かい刻み食よりも、少し粘り気のあるゼリー状やペースト状のものが誤嚥しにくい。

肺炎の治療は、抗生物質で治療できますが、高齢者や要介護者の方は抵抗力が弱くなっているので、肺炎が長引きます。 抗生物質の利かない耐性菌ができてしまったりして、命にかかわることもあります。

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早産や低出生体重児出産の原因となる歯周病

早産・低体重児産とは

早産とは「妊娠22週以降37週未満の分娩」を、低体重児出産とは「2500グラム未満の新生児の出産」のことをいいます。

誤嚥性肺炎と歯周病の関連性

早産や低出生体重児出産の原因

① 喫煙・麻薬

② 飲酒

③ 歯周病などの感染症

③ 妊婦の年齢(17歳以下、35歳以上)

③ 人種

重度の歯周病(歯槽膿漏)にかかっている母親から生まれた子供は、健康な歯肉の母親に比べて、約7倍以上の確率で低出生体重児を出産しています。

低出生体重児出産の特徴

① 肺がふくらみにくいため、呼吸がうまく出来ずに酸素欠乏症になりやすい。

② 低体温になりやすい。

③ 感染に対する抵抗力が弱い為、病気になりやすい。

                

④ 栄養を取ることが難しい(乳を吸う力が弱く、吸いついてもすぐ疲れて眠ってしまう。)

上記の理由により新生児死亡の原因となったり、新生児の健康を妨げたりします。

歯周病(歯槽膿漏)が早産・低出生体重児を招く原因

ステップ1  歯周病(歯槽膿漏)による炎症によってサイトカインとプロスタグランディンという物質が作られる。

ステップ2 サイトカインとプロスタグランディンが、炎症を起こした歯肉の毛細血管から血液中に入り、それが羊水内に入る。

ステップ3 妊婦の血中サイトカイン濃度は出産のゴーサインとみなされる。

                

ステップ4 プロスタグランディンという物質が多量に作られると、胎盤が早期剥離する。

上記の理由により胎児の成長に影響を及ぼすと考えられています。

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骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の原因となる歯周病

歯周病(歯槽膿漏)と骨粗鬆症の関係

歯周病(歯槽膿漏)はポケットに存在する細菌によって、歯茎に炎症が起こり、歯周組織の破壊(歯肉の炎症や歯根を支えている骨が溶かされる)が起こる病気です。骨粗鬆症のために歯周組織の骨もスカスカの状態になっていたら、歯周病・歯槽膿漏によってさらに骨を溶かすことはたやすい事です。

したがって、骨粗鬆症の方は歯周病・歯槽膿漏になりやすく重症化しやすいわけです。
特に閉経後の女性の方は歯周病を重症化しないためにも骨粗鬆症に配慮した生活習慣を身につけることが重要です。

骨粗鬆症の骨の断面図
骨粗鬆症てどんな病気?

骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。 日本では、約1,000万人の患者さんがいるといわれており、高齢者人口の増加に伴ってその数は増える傾向にあります。

骨の構造から見ると、皮質骨(骨の周りの部分)よりも海綿骨(骨の中心部分)で骨の量の減少が明らかです。骨の柔軟性に関わるコラーゲンを多く含む海綿骨の量が減ると、複雑にからみあったスポンジのような網目構造がくずれて、スポンジのスカスカ部分が多くなって、骨が弱くなるのです。

そして、そして骨は、柔軟性を失い骨折しやすい体になるのです。中でも、大腿骨頚部(脚のつけ根)や前腕、上腕骨頚部(肩)に骨折が多く見られます。


カルシウムを沢山摂れば骨が硬くなり、骨粗鬆症が防げるという誤解

仮に骨が固くなったとしても、柔軟性がなければ骨折は防げません。むしろ、コラーゲンを増やす食事や生活習慣を身に着けることが重要です。

骨粗鬆症薬「ビスフォスフォネート製剤」の副作用

骨粗鬆症の第1選択の治療薬として使われる「ビスフォスフォネート製剤」は、大変効果のある薬剤ですが、副作用として、顎骨骨髄炎・顎骨壊死などの問題を起こすことが稀にあります。発生頻度は1%未満と低いですが、口腔内の環境が不衛生であったり、歯周病・根尖病巣などの慢性炎症が存在する口腔環境下で頻度は高まります。特に3年以上継続的に使用している場合に顎骨骨髄炎・顎骨壊死の頻度が更に高まっています。

骨粗しょう症の方が歯科治療を受ける際には必ず歯科医師に薬剤の服用(注射もあり)について告げることが重要です。

※「ビスフォスフォネート製剤」は、がん治療の化学療法と併用して破骨細胞の活性化を阻害する薬としてもよく使用されています。

骨粗鬆症が起こりやすい年配の女性

骨粗鬆症ってどんな人に起こりやすい?

① 女性である

② 早期閉経の女性である

③ 55歳以上である

④ やせてて小さな体格ある

⑤ 屋外に出ることが少ない

⑥ ダイエットをしたことがある

⑦ 運動不足である

⑧ 喫煙・飲酒の習慣がある

⑨ 胃や腸の手術をしたことがある

⑩ 内服のステロイド剤を使っている

※このリストを目安にご自身でチェックしてみてください。骨粗鬆症の正確な診断は、医療機関での検査が必要です。

骨粗鬆症の5年生存率は約50%

骨粗鬆症と聞くとあまり恐ろしい病気の様に感じない方が多いと思います。 しかし5年生存率は約50%と高く、決してあなどれない病気です。
椎体骨折と大腿頸部骨折患者の5年生存率を見るとそれぞれ60%、50%となっています。 また、骨粗鬆症になる脳梗塞や心筋梗塞などの血管の病気になりやすい事も死亡率を高めています。 特に閉経後の女性は急速な女性ホルモンの分泌の低下が骨粗鬆症の原因となりますので注意してください。

骨粗鬆症の予防にはなにをするの?

食事 カルシウムの過剰摂取を避ける。カルシウム豊富な食材を意識して摂取する必要はありません。むしろ、マグネシウムを多く含む食材(きな粉、イワシ丸干し、干しえび、アオサ、青のり、わかめ、ひじき)を摂取することが重要です。


運動 骨に力をかけることで、骨を強くする。


日光浴 日光にあたると皮下でビタミンDがつくられる(腸からのカルシウムの吸収を高める)。昼間に30分ほど外にいるだけでも十分(夏は日陰でもよい)。

あおさ

あおさなどの海藻類にはマグネシウムが豊富に含まれます。

メザシなどの骨ごと食べられる小魚

魚類ならメザシなどの骨ごと食べられる小魚にマグネシウムが含まれます。

運動

有酸素運動や筋トレ

日光浴

屋外での運動で日光浴

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歯周病と女性ホルモン減少との関連性

閉経後の女性ホルモン減少が歯周病を進行させる

閉経後女性に対する女性ホルモン(エストロゲン)補充療法は、歯周病の進行を遅らせることが複数の研究により明らかにされています。

しかし、長期的な女性ホルモン(エストロゲン)補充療法は、血栓症、乳がん等の発症リスクを高めるとの懸念があり医師の管理下で慎重に行われる必要がありますが、女性ホルモン(エストロゲン)と同じ働きをするといわれる大豆イソフラボンとカルシウムなどのサプリメントの併用摂取が、歯槽骨の吸収を抑制するなどの可能性があることが分かってきています。

閉経後の女性は、歯周病がなくても、女性ホルモンの減少により、歯周病が発症しやすく、進行しやすい状態にあることを念頭に置き、自分自身による歯周病のケアと定期的な歯科クリニックにおけるケアを十分に行うことが重要です。

女性の生涯と女性ホルモンの変化
女性ホルモンを増やし整える食生活

女性ホルモンは健康の維持に大変重要なホルモンであるばかりか、女性ホルモンの分泌増加はお肌のトラブル解消など「若返り」の効果をもたらします。

一方で更年期障害を引き起こす要因として女性ホルモンの減少が上げられます。

女性ホルモンは体内でのみ産生される物質で食事から吸収することはできません。 しかし、女性ホルモンと似た作用をする成分を含む食材を下記に記載しました。 これらの食材を日常生活でバランスよく摂取し女性ホルモンの分泌を促しましょう。

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女性ホルモンを増やし整える大豆イソフラボン

納豆
納豆など大豆製品
  • ・1日に摂りたい大豆イソフラボンの量は50mg。納豆なら1パック(約50g)で、大豆イソフラボンの量は65mg。
豆腐
豆腐
  • ・豆腐なら1/2丁で、大豆イソフラボンの量は55mg。
豆乳
豆乳
  • ・豆乳(1パック200g)で大豆イソフラボンの量は41mg。
2

女性ホルモンを増やし整えるビタミンE

アーモンド
アーモンド
  • ・アーモンドやラッカセイなどのナッツ類に豊富。
  • ・日本で定められているビタミンEの1日目安量量は女性6mg、男性6.5mg。上限は267mg以下。アーモンドなら1日20gが適量。
西洋かぼちゃ
西洋かぼちゃ
  • ・西洋かぼちゃ 煮物一人分130gでビタミンE6.1mg。
アボガド
アボガド
  • ・アボカド1個は約200gで、ビタミンE含有量は6.8mg。
3

女性ホルモンを増やし整えるレソルシル酸ラクトン類

スナックエンドウ
スナックエンドウ
  • ・えんどう豆の仲間のサヤエンドウ、グリンピース、スナックエンドウはレソルシル酸ラクトン類が豊富です。
ごま
ごま
  • ・ごまに含まれるレソルシル酸ラクトン類が、女性ホルモンに似た働きをします。生理不順や更年期の不調に良い食品です。
小麦
小麦
  • ・小麦にはレソルシル酸ラクトン類が豊富に含まれていますが、糖質が多いため、摂り過ぎは血糖値の上昇に繋がる為、糖尿病のリスクに注意が必要です。
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心臓病の原因となる歯周病

歯周病と関連する心臓病

もし、あなたが心臓病と診断されていれば、特に歯周病についてよく理解し、口腔ケアを心がけることが特に大切になってきます。 歯周病の診断を受けてみてください。

歯周病と関連する心臓病
① 感染性心内膜炎
② 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)

歯周病(歯槽膿漏)と感染性心内膜炎の関係図
病態

感染性心内膜炎とは

心臓の内側の膜「心内膜」に歯周病菌などが血液に乗って行き、感染して炎症が起こり、弁膜が破れたりして心臓の働きが低下する病気です。心臓は最も感染しやすい臓器の一つです。

原因

感染性心内膜炎の原因は?

歯周病菌や虫歯菌が、抜歯などの出血を伴う歯科治療時に、血液中に入り込んで発病します。特に重度歯周病の人の歯周ポケットには大量の歯周病菌がいます。
高齢者や要介護者のように感染症に対する抵抗力が落ちている方。
身体への負担が大きな手術や検査を受けたばかりの方。

症状

感染性心内膜炎の症状は?

発熱や動悸。 弁膜が破れてしまうと、急性心不全などの危険な状態になることもあります。

予防対策

感染性心内膜炎の予防対策は?

口腔清掃(電動歯ブラシによる歯磨きや舌苔(舌の汚れ)を拭い落とす)が大変重要です。
抗菌性洗口剤(ポイックウォーター)を用いてうがいをする。
メインテナンス(エアーフロー、PMTC、歯石を取る)を、定期的に受ける。

治療法

感染性心内膜炎の治療法は?

抗生物質による治療。
弁膜が破れてしまっている場合には、人工弁置き換え手術が必要となります。

アテローム性動脈硬化解説図
病態

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)とは

心臓に十分に血液がいきわたっていない状態を虚血性心疾患といいます。心筋梗塞や狭心症がこの疾患にあたり、動脈硬化による冠動脈の閉塞や狭窄などにより心筋への血流が阻害され、血液が心臓の心筋に十分いきわたらなくなり起こります。

原因

虚血性心疾患の原因は?

大半は冠動脈の動脈硬化。 高脂血症や糖尿病、喫煙、高血圧、高尿酸血症(痛風)などの病気が動脈硬化を促進しています。やがて血管壁は厚くなり、血液の流れるスペースが狭くなっていきます。 心臓に栄養を運ぶ血管が詰まって心臓の筋肉の一部が死んでしまう疾患を、心筋梗塞といいます。

歯周病との関連性

虚血性心疾患と歯周病との関係は?

歯周病菌が血液中に入り、心臓の血管壁に炎症を起こして動脈硬化を起こしている可能性が考えられています。

予防対策

虚血性心疾患の予防対策は?

歯周病の治療、予防により、狭心症、心筋梗塞の発症を抑えることにかなりの程度関与していると考えてもよいようです。もちろん動脈硬化を起こさない食生活、運動を抜きに考えることはできませんが。

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