伝えたい! 歯の疑問:歯周病

歯周病が原因で早産・低体重児出産
・流産・死産を起こすメカニズム

皆様の健康をトータルサポート。

妊婦が重度歯周病である。たばこを吸う。受動喫煙の環境に置かれる。アルコールを摂取する。などで早産による低体重児出産や流産・死産の確率が高まります。

低体重の赤ちゃんは、新生児死亡や酸素欠乏症、低栄養、感染リスクの増大など健康への悪影響が出ます。歯周病なら江戸川区篠崎駅前の歯医者で。

目次


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なぜ歯周病が早産や低体重児出産を起こすのか?

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早産と低体重児出産

早産・低体重児出産とは

早産とは「妊娠22週以降37週未満の分娩」を、低体重児出産とは「2,500g未満の新生児の出産」のことをいいます。


切迫早産とは

切迫早産とは早産となる危険性が高いと考えられる状態のことです。

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早産や低体重児出産で生まれた赤ちゃんのリスク

低出生体重児出産の特徴

典型的な低体重児の特徴

① 肺がふくらみにくいため、呼吸がうまく出来ずに酸素欠乏症になりやすい。

② 低体温になりやすい。

③ 感染に対する抵抗力が弱い為、病気になりやすい。

                

④ 栄養を取ることが難しい(乳を吸う力が弱く、吸いついてもすぐ疲れて眠ってしまう。)

上記の理由により新生児死亡の原因となったり、赤ちゃんの健康を妨げたりします。

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妊婦が重度歯周病だと早産や低体重児出産の確率は?

妊婦が重度歯周病だと早産や低体重児出産の確率は?

妊婦が重度歯周病だと7.5倍以上の確率で早産

重度の歯周病に罹っている妊婦から生まれた子供は、軽度の歯周病に罹っている母親に比べて、約7.5倍以上の確率で早産となり低体重児を出産します。(米国歯周病学会雑誌より)

また、アメリカで生まれる18%の低体重児は、母親が歯周病であることが大きく影響しているのではないかとも言われています。

妊婦性歯肉炎とは

妊娠時に軽度の歯周病(歯肉炎)が発症することがあります。これを妊娠性歯肉炎と言います。

妊娠すると女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌が増加します。歯周病菌の中にプレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)という細菌がいますが、この細菌は女性ホルモンを餌にしています。

そのため、妊娠時に限定して軽度の歯周病が発症するのですが、出産とともに、炎症は消失します。

従って、軽度の歯周炎であれば、早産や低体重児出産に影響はないと言っても良いでしょう。

また、当院では歯周病菌(6菌種が対象)のDNAを調べることで感染の有無と量を検査するリアルタイムPCR検査で可能です。

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夫が歯周病だとキスで妻にうつる?

夫が歯周病だと妻に歯周病菌が移ります

夫が歯周病だと妻に歯周病菌が移ります

歯周病を引き起こす細菌は20種類くらい存在している事が知られています。これらの細菌はいきなり感染するわけでは無く、小学生の頃に毒性の低い細菌から感染し、徐々に毒性の高いものが感染していきます。

特に毒性の高い三つの歯周病菌をレッドコンプレックスと呼んでいますが、これらは、男女間のキスで感染することが多いです。

歯周病の細菌叢は10数年に及ぶ期間を通して成熟し、歯周組織を破壊出来る力を持ったバイオフィルムになっていきます。

夫の歯周病を治療することは大変重要

夫が重度歯周病である場合、妻に歯周病菌を感染させるリスクは極めて高いものとなります。そのため、歯周病菌を減らすなどの歯周治療が必要となります。

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歯周病が早産・低体重児出産を誘発するメカニズム

step1
歯周病(歯槽膿漏)で歯茎の炎症組織では、歯周病菌を攻撃する免疫担当細胞である白血球やリンパ球がサイトカインとプロスタグランディンという物質を作ります。
step2
サイトカインとプロスタグランディンが、炎症を起こした歯肉の毛細血管から血液中に入り、それが羊水内に入ります。
step3
妊婦の血中サイトカイン濃度が上がると、子宮の筋肉を収縮させるため、出産のゴーサインとみなされます。
step4
プロスタグランディンという物質が多量に作られると、胎盤が早期剥離します。

早産や低体重児出産になるその他の原因

1

妊娠中の喫煙

妊婦の喫煙と早産の関連性

タバコの成分であるニコチンや一酸化炭素の作用

妊婦がたばこを吸ったり、受動喫煙を受けるとニコチンや一酸化炭素の作用で臍帯や胎児の血管が収縮し、栄養や酸素が胎児へ供給されにくくなります。特に脳への酸素低下は胎児の脳の成長に悪影響を及ぼすと考えられています。

妊娠初期では流産の可能性を高め、中期以降は胎児の発育障害や低体重児の出産の可能性が高まります。また、妊婦の子宮筋収縮を誘発するため自然流産や早産の危険性が高くなります。

喫煙と歯周病の関係

喫煙は歯周病を重症化させるだけでは無く、発癌のリスクも高めます。

「子供を作る」と決意したら、出来るだけ早くタバコを止め、もし歯周病であれば妊娠前に治療を完了しておくことをお薦めします。

2

妊娠中のアルコール

妊娠中のアルコール摂取は早産や低出生体重児出産の確率が3倍に

飲酒で3倍の確率で早産に

アルコールは胎盤を通し赤ちゃんへ移行します。母親が酔っぱらえば赤ちゃんも酔っぱらいます。

1日ワイングラス一杯のアルコールでも早産の確率が3倍近く高まることが知られています。

また、胎内でアルコールにさらされた胎児は、未熟児として生まれるか死産の確率も高くなるようです。

妊娠中あるいは妊娠の可能性のある時期のアルコール摂取はいかなる時期においても、たとえ少量だとしても、胎児に悪影響を及ぼすことが知られています。

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執筆者 院長 深沢一

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